1 thought on “スクリーンショット 2020-09-28 22.45.16

  1. 山本 勉

    次のカバーともども、またまた目の保養をさせていただきました。
    ドイツ本国では「配達証明便」の表示にハンコは使いません。手書きだけでした。ただ、南北アメリカ諸国からニューヨークを経由してドイツに送られる郵便物には例外的に赤い「Rückschein」(英retrun receipt)の印が押されたものがあります。これは、ニューヨークからブレーメン又はハンブルクへ向かう船内で押されたと推定されています。アメリカ・ドイツ間の郵便物輸送は普通は閉袋で送るのですが、1893年にブレーメン・ハンブルクとニューヨーク間の船舶郵便に関して、次のような指示が出されています。
    「アメリカ合衆国の郵政によって作成された郵袋とドイツへの書状の束は閉袋とする。ただし、例外として、第10鉄道郵便局と第22鉄道郵便局に引き渡す書状郵袋…は船内郵便局で処理する。・・・米国以外の国から発信されたドイツ宛ての郵袋は可能な限り開封し、処理をする」。このように、船内郵便局の職員は事実上ほとんどすべての書留便を処理しました。アメリカ・ドイツ間は約7日間かかりますが、その期間を利用して到着次第すぐに輸送できるように準備しておいたのです。しかし、第22回例会のときに書いたように1892年から1898年の間は郵便物本体に「配達証明書」が添付されておりません。ですから書留便と配達証明便は紛らわしいのです。そこで「AR」等の表示があってもドイツの「Rückschein」の印を押して明示したとされています。なお、「Rückschein」の印は1894年から1904年頃までの使用が確認されているそうです。また、この印にはタイプが4つ知られています。長さと高さ及び字体に違いがあるのです。この違いはおそらく船舶の違いだろうと考えられています。以上、ご参考まで。

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