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外国切手研究会 第71回Zoom例会レポート

202194日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第71Zoom例会』レポートです。参加者11人で質疑応答が有りました。

今回はPHILANIPPON 2021特別Zoom例会の開催となり、出品された方、審査員の方、会場に行かれた方のお話や質問等を中心に進行しました。

1人目)「ポケモン切手BOX〜ポケモンカードゲーム 見返り美人・月に雁セット〜」について。https://www.post.japanpost.jp/kitte/collection/archive/2021/0825_01/

抽選で当選された方150名が会場で購入出来る権利が有ったとの事ですが、当日初日に買われた方は15名で、初日押印も可能だったそうですが、某切手商が作成したFDCが僅か2枚だけだったそうです。

2人目)英連邦占領軍B.C.O.F.加刷切手カバーの紹介、以前の記述と重複しますが、B.C.O.F.とはBritish Commonwealth Overseas Force (英連邦海外派遣軍)の頭文字、以前はJPSさくら日本切手カタログにも掲載されており、日本切手収集家にも一定の知名度が有った。

7種貼はFDCや実逓便も残されており、紹介のカバーは1948614日発、622日西オーストリア・パース宛、1981年出版「B.C.O.F加刷切手と日本及朝鮮における英連邦軍及インド軍の軍事郵便業務」伊東由巳著によると、押されている消印「No.8 AUST BASE P.O.」は広島・呉の基地局、「AUST ARMY P.O. 0131」は広島・呉の陸軍局と思われる。

3人目)最近入手したハワイ王国のマテリアルの紹介。

1点目、1セント切手付封筒、スコットカタログ#U10の暫定政府加刷タイプ、シェードやサイズのバラェテイが有る、紹介のマテリアルは二重加刷エラーで現存数4点で未使用のみ。

2点目、6セント切手、スコットカタログ#60の暫定政府赤色加刷タイプで、加刷数字の9が欠けているエラー、加刷のエラーやバラェテイはスコット専門カタログにも現状ではあまり反映しておらず、今後機会が有ればこれらの研究調査データなどを発表したいとの事です。

3点目、50セント切手、スコットカタログ#72の暫定政府黒色加刷タイプで、加刷が右側にシフトしているエラー、更には押されている消印がホノルル局190061311PM、ハワイ切手として最終日最終時間というマテリアル。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております、次回の例会は918日午後8時からです。

外国切手研究会 第70回Zoom例会レポート

2021821日 2000PM – 22:15PM開催『外国切手研究会 第70Zoom例会』レポートです。参加者11人中8人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回の続きでブラジル1844年シリーズの紹介、通称ヤギの目と呼ばれる、1番シリーズから僅か1年で変更された理由は、切手が大きくて紙質も厚く封筒から剥がれやすい為再利用されていた為、印面を小さくし切手が剥がれにくい極めて薄い紙にして再利用されなくする為の用紙は、イギリス・パーキンスベーコン社を通じてティーダブルキング社に注文したが、中々到着せずに当初は1番シリーズに使われた厚い用紙で印刷された。

リオデジャネイロ国立造幣局製造で銅製実用版による凹版印刷、横17153面シート、実用版は1年程耐えられる物だったが、5年程使われた版も有り、初期に比べるとかなり印面が荒れている物も有る、額面は7種類、分類要素は印刷時期、版の荒れ具合、紙質、シェードなど。

10レイスは新聞用額面、このシリーズとしては最後の1846年発行、20レイスは官報、印刷物料金、60レイスは国内書状の陸便基本料金、カバーは4枚貼で国内船便2倍重量便使用。

高額面の180レイス、300レイス、600レイスは同一実用版で印刷され、横173種類153面シートで構成、60レイスが530万枚発行されたのに対し、180レイスは5万枚、300レイスは4万枚、600レイスは2万枚と少ない。

2人目)前回の続きで喜望峰の三角切手最後のシリーズ、スタンレーギボンズカタログ#18から#21迄、1863年発行の切手を紹介、デ・ラ・ルー社製で印刷が非常に鮮明で個人的には一番出来が良いとの感想。

1ペニー、4ペンス、6ペンス、1シリングの各額面をリーフに整理、用紙は白紙のみでシェードの分類が中心になるとの事、ギボンズ社が以前販売していたカラーキーガイド(少し前に再販された情報も有り)が欲しくなります。

3人目)アメリカ・アマゾンで販売中の郵便関係書籍の紹介、「Neither Snow nor Rain : A History of the United states Postal Service」は収集家ではなく、記者をやっている方がアメリカ郵政史を書いてみないかというオファーを受け、一から調べて植民地時代のベンジャミン・フランクリンの話から始まり、西部開拓時代のポニー・エクスプレス、ゴールドラッシュ、海外への郵便物の送達、歴代大統領と歴代郵政長官の政策、航空郵便の歴史、196070年代の労働条件悪化によるストライキ、郵政公社化、民間宅配業者との競争、手紙の郵便物からEコマース配送へのシフトなど、郵趣家の観点とは違う内容で書かれているとの事です。

他にも郵便関係の書籍は色々と有り、「How the Post Office Created America : A History」なども面白そうです。

4人目)旧中国・第三国を経由して運ばれた郵便物の考察。

1通目、重慶より香港宛国内便扱い封書だが、昆明の中継印が押されている、直接南下せずに昆明、ハノイ、ハイフォンを経由して香港に運ばれたと考えられ、その理由としては以前紹介の共産軍や特に日本軍の存在で、国外経由の方がリスクが低かったと思われる。

2通目、海南省白沙よりダブリン宛船便封書、中継印より重慶、昆明、ハノイ、ハイフォンを経由してアイルランドに運ばれたと考えられる、担当者のサインが直接書かれているアイルランドの検閲ラベルが特徴的。

5人目)マイナーな国の実逓便、実逓消が好みの紹介者より、赤道ギニアの実逓便カバーを紹介、1970年代同国は収集家目当で膨大な切手を発行していたが、現在では日本の方が遥かに多くの切手を発行している。

1通目、バルセロナサッカークラブ75周年の金箔切手小型シートを貼った書留航空便カバー、かって赤道ギニアはスペイン領だった。

2通目、アメリカ独立革命200年セットの内、2枚が貼られた書留航空便カバー、この1975年には他のアフリカ諸国からも同様の切手が多く発行された。

3通目、花切手7種セット貼り書留航空便カバー、以前は低額面の注文消をパケットなどでも良く見かけたが、実逓便カバーは珍しい。

6人目)イギリス・フランス間のスタンプレスカバーと、同時期の切手貼付カバーを整理したリーフを年代別に紹介。

1リーフ目、1840年〜18421231日迄、1/4オンス迄封書基本料金10ペンス時代、但しドーバー海峡向いカレー迄の料金であり、その先は別料金が必要だった、リオン宛のスタンプレスカバーは1シリング2ペンスが追加料金で前納済を表すPD印が押されている。

2リーフ目、184361日〜18541231日迄、1/4オンス迄封書基本料金10ペンス時代、こちらは宛先地迄の料金となった、リオン宛のスタンプレスカバー料金は10ペンスで前納されている、切手貼カバーは10ペンスの6番目切手が貼付されているが、本来は国内二倍重量書留便用として発行された切手が適応している。

3リーフ目、185511日〜187051日迄、1/4オンス迄封書基本料金4ペンス時代、UPU加盟直前迄の料金、イギリス国内のスタンプレスカバーは1853年で終わっているが、国外宛のスタンプレスカバーがいつ迄使われていたかは調査中との事、ボルドー宛のスタンプレスカバー料金は4ペンスで前納されている、切手貼カバーはデ・ラ・ルー社製の凸版印刷でサーフェースと呼ばれるタイプのフランス宛として発行された4ペンス切手が貼付されている。

7人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品より、最近補強したマテリアルの紹介、スタンペックスジャパン2021にも出品したRepublic of Korea1945-47ですが、エラーやバラエテイ、難しい多数貼りカバーなどを入手出来た事もあり、直前迄作り変えて出品したいとの事です。

8人目)第43回、46回で話題の出た、国内インターネットオークションに偽物を出品していたと思われる人物がIDを変えて再び出品している件について、その文章や手口から同一人物と思われます、日本の手彫切手を中心に外国切手も出品しており、本物で贋作時全額返金保証と唄ってますが、全文を読むと無責任な内容が分かります、 注意して下さい。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第69回Zoom例会レポート

2021814日 2000PM – 22:15PM開催『外国切手研究会 第69Zoom例会』レポートです。参加者10人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)ブラジル1866年シリーズの紹介、世界2番目の切手発行国で通称牛の目、ヤギの目、猫の目と呼ばれる数字図案切手が約30年続いていたが、当時の皇帝DonPedroⅡの肖像図案。

アメリカン・バンクノート製造で額面は7種類、透かし無、目打12、当時のアメリカ切手と似た雰囲気が有る、後にはルレットでも発行された。

10レイスは新聞用額面、シェードは2種類、ファンシーキャンセルも使われており、消印もアメリカの影響があったと思われる。

20レイスは印刷物100g迄、シェードは3種類、カバーは80レイスとの混貼で1876114日ポルトガル宛、切手貼付分は港迄の料金と思われ、受人より150レイスが徴収されている。

50レイスは市内郵便10g迄、紙の分類が2種類、カバーは2枚貼で1871221日国内書状料金に適用。

80レイスは適応料金が無いが、当初は国内書状基本料金の予定だった為、そのまま発行されたと思われる、シェードは2種類 。

100レイスは国内書状15g迄の基本料金、発行枚数も多くこのシリーズでは唯一版の分類が出来る、Type11a1b24種類、ファンシーキャンセルを集めるのも楽しい、カバーは3枚貼は187016日フランス宛、1枚貼は1868年国内便。

200レイスは書留料金、シェードは2種類 、 カバーは2枚貼1876916日フランス宛15g迄のレターレイト。

500レイスは主に外国宛郵便に使われたと思われる、シェードは2種類 。

2人目)前回の続きで喜望峰の三角切手、1861年発行のウッド・ブロックの愛称で知られる2種類、スタンレーギボンズカタログ#13と#14、スコットカタログ#7と#9に当たる切手の紹介。

この切手に関しては過去にも多く語られている為に簡単に紹介すると、英本国に発注した切手が喜望峰に到着後手違いで納品されず、在庫切れの可能性が出てきた為、現地の印刷所で応急的に製造された物、英本国製は凹版印刷だがそれを真似て凸版印刷で製造された、出来の具合から木版印刷のように見えた事からこのあだ名が着いた。

1ペニーと4ペンスで用紙は白紙、シェードの分類は4ペンスは4種類程有るとの事、製造枚数は1ペニーは約12万枚、4ペンスは約113千枚、製造時に版の組み間違いから結果的に刷色が逆になったエラーも有り、それらは非常に高価。

3人目)前回の続きで、旧中国で使われたAIRMAIL SERVICE IN CHINA ONLY押印使用期間後(交通部中国航空 19351022日〜1937813日)の外国宛郵便物の紹介、このサービスが廃止された直接的理由は第二次上海事変の為。

次の外国郵便宛窓口として選ばれたのが香港、特別な消印等は使われなかった為に若干残念な上、中継印が無ければ説得力に欠ける所も有る、 又既に戦争状態だった為検閲印が使われている、やがて香港も日本軍が占領してしまう為、その後ビルマ・ラングーン、インド・カルカッタと西側に移動する経路を辿りながらこのサービスは続けられた。

4通のカバーは香港経由、インド・カルカッタ経由の使用例。

4人目)イギリス1873年シリーズ3種の紹介、凸版印刷でサーフェースと呼ばれる、それまでは4コーナーが白文字だったが色文字になった、3ペンスは北米宛、6ペンスはオーストラリア・アジア宛、1シリングは南米宛料金だが、組合わせて色々な用途に使われた、それぞれの額面に多くの版が存在し、シェードも3ペンスと1シリングは初期が濃い色で、版が進むにつれて薄くなる、使用済コレクションは2連抹消印部分で消印された物は除き、局名年号が見える物を中心に整理されたもの。

1シリングカバーリーフの2通目は197425日ロンドン発、江戸(東京)宛、青色の横浜到着印の73年は誤植と思われる、尚、横浜から江戸へは特別な計いで運ばれたと思われる。

5人目)旧韓国の外信便絵葉書便を紹介、切手は脱落か剥がされており状態も良く無いが、情報は豊富、裏面は逆さ富士の写真で日本製と思われる。

1902415SEOUL No1発、同日CHEMULPO中継、428SHANGHAIフランス郵便局中継、63LONDON着、受取人のTHE graphic OFFICEは当時ロンドンの二大新聞のひとつ、発信のSEOUL No1郵便局の写真画像も発見、旧フランス公使館の城壁手前に写っているのが同局、当時のSEOULにはNo4迄郵便局が有ったが、外信印を使っていたのはNo1郵便局だけで、この周りには外国人居留地が多く集まっており、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツの公使館や教会なども有ったとの事。

質疑応答として、このマテリアルを郵便史作品に取り入れてよいかとの事、回答としては禁止されているマテリアル以外は出品可能だが、この消印が押されたマテリアルが唯一の物、切手が貼られたマテリアルが存在しない、これより状態が良い物が存在しないなど説明出来るのなら減点対象にならないと思われるが、そうで無いのならばそれらを探すべきとのアドバイスでした。

韓国では91日より書状郵便料金値上げの為、3種類の新切手が発行されます、そのお知らせを簡単に紹介。

6人目)2013年のスタンプショウ・ヒロシマに展示した作品を1部紹介、世界の切手より額面30の切手を古い順番より30枚目迄を取り上げた物、世界最初の額面30の切手は1843年ブラジル発行の30レイス切手で、同国では基本額面に適応が有った為、その後も度々額面30の切手が発行されるが、世界的に額面30の切手は少なく、30番目の切手はフレンチコロニーの切手で1871年と28年後の事。

今回は割愛したが、日本でも額面10204050に比べると30の切手は極端に少ない、個人的には小型シートの額面を合わせる為、当時適応料金が無いのに発行された1975年の沖縄国際海洋博覧会の30円切手を思い出しました。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

南方占領地切手コレクターズクラブ 第15回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第15回ZOOM例会レポート

2021年8月25日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

参加者は10名でした。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

 

1)ビルマ 無加刷封皮

ビルマ封皮の無加刷使用に見えるものです。裏の消印は占領中の日付です。しかしエンボス部の消印が途切れていることから貼付切手脱落カバーであると思われます

 

2)マライ 大東亜戦争一周年記念特印

マライの特印はかなりの数がありますが、大東亜戦争一周年記念のバンギ、スンゲイブロは過去に報告が無いと思われるものです。

 

3)マライ タイのセント切手 印紙使用

マライは英領であった影響もあり、印紙と切手の使用が厳密には分けられていませんでした。これはマライの北部4州がタイに割譲された後も同様であったようで、タイのセント切手の印紙使用がしばしば見られます。

 

4)ジャワ Bandoeng ▲

ジャワのBandoeng局にはC欄の十字が▲のものが存在します。戦前から使用されていたものの、不定期に使用していたようでその使用例は多くはありません。

 

5)マライ ラッパー

マライの漢字加刷切手2c分を貼った新聞ラッパーです。中身の印刷物が無いことは残念ですが、ラッパーだけでも貴重品です。

 

6)海軍地域 電信為替 バラエティ

セレベスの電信為替加刷切手のバラエティです。順に電信為替の逆加刷、料額2重加刷、料額朱色加刷です。セレベスの電信為替加刷は更に錨の形で分類が可能です。

 

7)海軍地域 セレベス錨バラエティ

セレベス錨は黒、青、紫、赤加刷があります。それぞれに二重加刷等が存在しますが、本品は左から順に紫二重加刷、黒と青の二重加刷、黒と紫の二重加刷です。

 

8)ビルマ 孔雀封皮?

ビルマの孔雀封皮の使用済みです。しかしビルマ孔雀加刷は占領初期にしか使用例が無く、本品が本当に使用されたものであるかどうかは不明です。

話題は主に以上でした。

次回は9月22日の午後8時からです

外国切手研究会 第68回Zoom例会レポート

202187日 2000PM – 21:35PM開催『外国切手研究会 第68Zoom例会』レポートです。参加者10人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回の続きで喜望峰の三角切手、スタンレーギボンズカタログ#7と#8切手の紹介。

1リーフ目、1858年発行6ペンス、紙とシェードの分類が有り、ギボンズでもサブナンバーが振られている、カバーは1859年ケープタウン発、英本国チェルムスフォード宛。

2リーフ目、同じく6ペンスのシェードバラェテイ、1リーフ目より比較的濃い刷色の物。

3リーフ目、1858年発行1シリング、用紙は白紙のみだがシェードバラェテイは淡い濃いが有る、これら三角切手はマージンの状態が良い物が難しい。

4リーフ目、1シリング貼カバー、1863年ポートエリザベス発、スコットランド・ブローティフェリー宛、2倍重量便と思われる。

海外ネットオークション情報でハガキを2点紹介、スイス不足切手が貼られたアメリカよりチューリッヒ宛の絵葉書と日本2銭連合ハガキで朝鮮差出しハワイ宛、消印が不鮮明だが二重丸MEIJI印で明治27年仁川局と思われる。

2人目)旧中国で使われたAIRMAIL SERVICE IN CHINA ONLY押印の紹介、一定の期間に外国宛郵便物で国内のみ航空路線を使用する場合に押印された、比較的目立つ為一部で最近珍重されているが、使用期間も約2年程有り本来はそのような物ではないとの事、この印が使われた背景として、当時の四川・成都には鉄道が開通しておらず、上海迄は道路を使う必要が有ったが、当時は上海に近づくにつれ日本軍の存在や、その周りには共産軍もいた、そのリスクを回避する為に割増料金を払い利用されたサービスで、戦争の産物とも言える。

3通のカバーは何も成都から上海経由の海外宛カバー、外国宛封書料金25分+国内航空料金25分=50分貼は同じだが、貼られている切手の最後期使用例や使用禁止後の使用例など。

3人目)スタンプショウ=ヒロシマ2021に出品予定作品「英連邦占領軍B.C.O.F.加刷切手」の紹介、B.C.O.F.とはBritish Commonwealth Overseas Force (英連邦海外派遣軍)の頭文字、以前はJPSさくら日本切手カタログにも掲載されており、日本切手の収集家にも一定の知名度が有った。

広島県を主に占領した英連邦軍が1946-47年に発行、主に占領軍将兵が母国との通信に使ったが、僅かに日本国内で使われた例も有る、1949328日をもってこれらの占領軍切手も廃止された、製作途中との事で一部のみ紹介させて頂きます。

4人目)先日購入したスタンプレスカバーの書籍「The Story of the Austrian Post up to 1850」を紹介、オーストリア関係の資料だが、イギリスのオーストリア切手収集家グループから出版されたもので300ページ以上、英語の記述はやはりありがたいです。

http://www.austrianphilately.com/index.htm

http://www.austrianphilately.com/worbuk/index.htm

カバーを読み解いた詳しい記述が書かれており、料金や扱い、発着や中継、スタンプの事など多彩で、国境を跨ぐ国際便など、これらを参考にする事で多くの知識や他のカバーを読み解く参考になると思われます、スタンプレスカバーの解読には必須な数字の記述も掲載されており、以前他の方から提示して頂いたフランスの資料と共に掲載させて頂きます、特に4の数字の書き方は現代と大きく異なっているのが分かります。

5人目)同じくオーストリアより、紹介者が12を争う好きな切手との事、1933年発行「ウイーン国際切手展WIPA1933」を紹介、世界的にも有名で凹版印刷の素晴らしい切手。

この切手には白紙の通常シート、毛紙の通常シート、毛紙の4枚田型小型シートが有り、発行枚数もそれぞれ順番に少なく、音楽切手収集家も購入対象だった為かっては高音の花だった記憶が有り、この3点が揃っているのは羨ましいです、小型シートには本来タトーが有るそうで、それが付いているのは今でもかなり高価との事。

6人目)スタンプショウ=ヒロシマ2021の告知について、911日(土)・12日(日)県立広島産業館館で開催される、西日本最大の切手展です、1983年(昭和58年)より開催され、今回で37回目を迎えます。

展示作品も60から70フレームを予定しています、全国区の作品も集められおり、そのジャンルも多彩となってます、切手店ブースも5社を予定してます。

11日(土)初日夜には、郵趣振興協会代表理事・吉田敬氏を迎え「全世界ゼネラル収集と国際切手展の作品づくり」の特別講演会を予定しており、参加費は無料ですが要事前申込です、同氏は広島に縁の深い「英連邦占領軍B.C.O.F.加刷切手」の作品も出品予定です。

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外国切手研究会 第67回Zoom例会レポート

2021731日 2000PM – 21:35PM開催『外国切手研究会 第67Zoom例会』レポートです。参加者10人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)アメリカより戦前の朝鮮半島宛の絵葉書便を紹介、ワシントン州シアトル発、日付は少し不鮮明だが裏面の文面より1906103日と判断、到着後アメリカに転送されており、YOKOHAMAの印は中継印か転送時か調べたいとの事、質疑応答等より左下の到着印は不鮮明だがおそらく114日、YOKOHAMAの印は118日と思われ、押されている場所も抹消した住所の上で、転送時に押されたと判断出来る。

余談だが、受取人のハリー・ライス・ボストウィック(Harry Rice Bostwick)とヘンリー・コールブラン (Henry Collbran)は1898年に朝鮮半島で初めて電力事業始めたアメリカ人、歴史的にも面白いマテリアル。

2人目)国内オークションで入手したドイツのカバーを2通紹介、1通目は前回紹介の使用期間が半年しかなかったプロイセンの最終シリーズ、9クロイッツアーペア貼り、186775日シュバルッエンバッハ発、710日オーストリア・ウイーン到着、ドイツ・オーストリア郵便連合での外信便、PHILANIPPON 2021に出品予定の作品にも取り入れる予定との事。

2通目、ハノーファー無目打3枚貼り、ブレーメン経由、アメリカ・ペンシルバニア宛外信便で比較的少ない宛先のマテリアル。

3人目)旧中国・広西「國幣」加刷切手の紹介、1948929日発行、この時期は國幣通貨が粗々終わって金圓に変わる時期だった事、封書料金を想定したと思われる額面は既に三倍に値上され用途が限定されていた為、使用済やカバーが非常に少ない。

台切手の印面寸法が2種類に分類出来るが、この切手の面白い所は加刷の額面表記数字「0」のバラエテイ、その組合せが8通り有り、加刷原版は10×10100面を2回印刷して1枚のシートに加刷した、少し大きなブロックならプレーテイングが可能との事。

4人目)世界初の三角切手で人気と有名な初期の喜望峰について、収集初期の数十年前に入手整理した状態との事、1番より4番切手迄を紹介。

1リーフ目、1ペニープルーフ、185391日発行、1ペニーと4ペンス使用済、濃青味紙、シェードもいくつかに分類出来る。

2リーフ目、4ペンス濃青味紙カバー、1858CAPE TOWN発。

3リーフ目、1ペニーペア濃青紙と白紙、シェードバラェテイ、4ペンス濃青紙、ペアとシェードバラェテイ。

4リーフ目、1855年発行1ペニー白紙、4枚ブロックとシェードバラェテイ。

5リーフ目、1855年発行4ペンス白紙、ペア、4枚ブロックとシェードバラェテイ。

6リーフ目、4ペンス白紙カバー、質疑応答より宛先はHeidelbergではとの事。

5人目)チェコスロバキアのミュシャ・デザインの切手と同図案の10h官製ハガキに5h切手を貼足した使用例、この切手は本来不足料切手として製造されたがその用途では使用されず、FRANCOと加刷して通常切手として使用された物、使用期間は非常に短く1919515日から31日の約半月しかなかった、質疑応答より宛先はSeestadtlではとの事。

チェコスロバキアは1918年に暫定政府が成立、正式に共和国として成立するのは1920年、この使用例は混乱期に当たる為、郵趣的には面白い時期との事。

6人目)オランダ領東インド、1902年発行、数字図案シリーズに加刷されて発行された切手の紹介、1/2セント加刷は1の数字のバラエテイや加刷ズレ、2 1/2セント加刷は濃淡や上下左右の加刷ズレが有る、1/2セントの台切手シートマージンには、円形と3箇所に小さな四角形の目印が印刷されている。

カバーは2通紹介、1903523日メダン発ドイツ宛書留便、1/2セントの2重加刷切手が貼られたジョグジャカルタ発バタビア宛書留便。

7人目)南方占領地、マレーシア・サラワクの官製ハガキに加刷使用されたマテリアルの紹介、バラエテイとして、大日本帝国政府の加刷文字が印面部分以外のPOST CARDの文字部分に有り無し、加刷文字色が紫色、青色、黒色が有る。

このハガキの実逓使用例は非常に少なく全部のバラェテイを合わせて現存約20通程、このマテリアルは日本宛の上、同姓間に送られた非フィラテリック使用例と思われる貴重な1品。

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外国切手研究会 第66回Zoom例会レポート

2021724日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第66Zoom例会』レポートです。参加者9人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)ハワイ王国よりアメリカ本土宛カバーで、アメリカ宛基本料金5セントは現金で支払われアメリカ切手のみ貼られたカバーを2通紹介、本来ならハワイ切手を貼付するのが通常だが、当時5セント切手が不足していた為このような使用例が存在する。

1通目、18601126日ホノルル発、マサセッチュー州ウエストフィールド宛、1221日サンフランシスコ中継、キャプテンフィー2セント+西海岸より東海岸迄の料金(3000マイル超)10セントがアメリカ切手で支払われいる、当時は既に12セント切手が発行されていた為、この1セント切手が貼られたカバーは少ない。

2通目、1861617日ホノルル発、マサセッチュー州ウエストボロ宛、このカバーは通常のサンフランシスコ経由では無く、幾つか有る逓送ルートのひとつ、メキシコ・アカプルコを経由して東海岸に運ばれた物、料金10セントがアメリカ切手で支払われいる 。

2人目)オリンピックマテリアルのカバーを紹介、1992年オリンピック公式スポンサーの表示入りEMSラベルを使っているが、実際は航空ラベルが貼られて印刷物扱い料金分の切手が貼付されている、当時のフィラテリックなカバーだが、EMSのバーコード部分も消印で抹消されており、切手部分と合わせて五輪の円形となっている所も面白い。

3人目)前回紹介したメキシコ・1934年発行航空切手の印刷製造が分からなかった為、改めて拡大画像を紹介、印面下部にOFICINA IMPRESORA DE HACIENDA-MEXICOと入っており、美しい凹版印刷を自国で製造していたと分かった。

坂東収容所の切手2種を紹介、1918年ドイツ人捕虜が印刷製造、収容所内のロールプレイング的に使われたと考えられる、ドイツでもドイツ切手の一部として認識されているとの事、値段の割に比較的出回っているのは、この切手がJPS図入りアルバム1巻に掲載されており、それらが現在市場に放出されているのではと思われる。

4人目)インドネシア独立戦争時期、スマトラで発行されたスカルノ大統領図案の切手の紹介、194661日発行、40sen書状基本料金、用紙は薄い白紙と薄い粗紙の2種類、カラーバラエテイや印刷ムラも存在。

後にはインフレによる郵便料金値上の為、50sen1f1.50f2.50f3.50f5fの額面加刷切手が発行された、加刷のバラエティも多く存在する、この時期スマトラの実逓便カバーは非常に難しく、ジャワに比べて入手は困難、MEDAN宛のフィラテリックカバーは受人がスタンプエージェンシーの物など、当時は数件の切手商が有ったとの事。

オークションカタログのシート画像より、2.50fの額面加刷切手のファースト印刷には、ポジション7F.の文字がRp.となっているバラエテイが確認出来る、セカンド印刷では修正されている。

5人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品より、ドイツ・プロイセンのコレクションから最終シリーズのクロイッツアーシリーズを紹介、その為制作途中リーフの一部のみ紹介、このシリーズは北ドイツ郵便連合が発足する直前に発行され使用期間が僅か半年しかなかった為、使用済が少なくカバーは非常に難しい、PHILANIPPON 2021での発表が楽しみです。

6人目)日本で入手可能なヒンジの使用テストを紹介、未使用切手はマウントを使う事が現在では標準ですが、安価な使用済切手などはやはりヒンジが便利、品質の良い米国Dennison残念ながら既に製造されておらず、StanleyGibbonsDennisenLighthousePRINZ4種類で未使用切手、使用済切手での使用感を発表、個人的な見解の為結果は差控えさせて頂きます、質疑応答より昔の米国Dennisonオークションで購入して使われている方が数人おられました。

7人目)最近入手した、1912年より発行されたベルギー・キングアルバート1世のロットを紹介、一部バラエティの図版も付いており分類もされている、今後は欠けてマテリアルやカバー等も入手して、コレクションの厚みをつけて行きたいとの事、質疑応答より、このシリーズは銘版有り無しやガッターペアの存在など分類が豊富なシリーズで、日本ではベルギー切手の入手は難しいと思われるが、国内ネットオークションでも時々出品されているとの情報です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

南方占領地切手コレクターズクラブ第14回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第14回ZOOM例会レポート

2021年7月28日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

参加者は7名でした。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

 

1)北ボルネオ サラワクハガキ実逓

北ボルネオの実逓便はどれも数が少なく貴重です。本品はクチンから日本の小豆島に宛てられたサラワクハガキです。珍しい宛先でとても良い逸品です。

 

2)ビルマ バッテン二重加刷ハガキ

ビルマのハガキにはタイプの異なるバッテンが二重に加刷されているものがあります。いままでは返信部のみしか見つかっていませんでしたが、今回往復完全品が見つかりました。

 

3)海軍地域 セレベス電信加刷

セレベス錨切手はその加刷から16種に分類できます。このブロックはそのうち少なくとも2種類の錨加刷がなされています。電信為替加刷自体、バラエティが多いので奥の深い切手です。

 

4)海軍地域 日本宛て実逓

南ボルネオBandjermasinから日本宛ての実逓便です。海軍地域では防諜上の理由から日付の無いタイプの消印が用いられていますが、本品のような一行印も存在します。

 

5)自由インド 偽物

自由インド切手はそれなりに残存数のある切手ですが、それでも偽物が存在します。本品は糊と印面が異なる偽物です。他にも別種の偽物があります。

6)フィリピン 戦後使用

フィリピン戦で日本軍が実質的に敗退した1945年2月以降、進駐した米兵たちが、残されていた占領切手を敢えて記念品として郵便物に貼って差し出した使用例が残されています。基本的に占領切手は記念ラベルとして料金とは関係なく貼られているものが殆どで、日本の降伏文書調印を記念した1945年9月2日付のいわゆるTOKYO BAYカバーにも占領切手が貼られているものがあります。
その中で、2つ目のカバーは1945年5月Marinduque島差出のニューヨーク宛カバーですが、これは占領切手が郵便料金の支払いに使用された例と考えられます。おそらくMarinduque島は離島であり、切手(VICTORY加刷切手)の配給が遅れたので、残されていた占領切手を使用したのでしょう。(占領フィリピンの権威、故Garret氏の旧蔵品です。)

 

7)ジャワ 戦前実逓便

日本軍がバリ島に上陸する寸前の使用例です。ジャワ島Kalisatからバリ島に宛てた書留カバーです。日本軍がバリ島に上陸するのが2月19日、このカバーは2月14日引き受けです。裏に着印があることから無事に宛先にも届いたようです。

また、農耕3c切手貼りのカバーはジャワのSoerabajaからアメリカ宛の印刷物ですが、日付が大東亜戦争の開戦日です。このカバーは無事に届いたのでしょうか?

 

8)ビルマ 青色30c農耕…?

第7回で紹介した青色30c農耕切手とおぼしきものが出品されていました。

しかし、いざ手元に届いてみると光の加減で青色に見えるだけで、実物は濃い緑色であったようです。同様のものはいずれどこからか出てくるでしょうか??

 

9)ビルマ アンナ加刷 片方加刷漏れ

ビルマのアンナ加刷片方加刷漏れです。しかし、残念ながら字体が異なる偽物のようでした。

昭和切手へのビルマ加刷は偽物が非常に多く、最難関といっても過言ではありません。

 

10)スマトラ 楕円消印

スマトラでは一部の局で楕円形の消印を使っていました。本品はタパヌリ州のナタル局のものであり、使用切手も中々少ないものです。

 

11)フィリピン セブゲリラ切手シート

占領フィリピンで抗日ゲリラ軍が発行したとされるゲリラ切手は、1942年末頃から1943年前半にかけセブ島南部で発行されたと言われるセブゲリラ切手と、1943年11月から1945年8月にかけミンダナオ島北部で発行されたと言われるミンダナオゲリラ切手の二つがあります。セブゲリラ切手には2センタボ、4センタボ、16センタボ、20センタボの4額面があるのですが、2センタボと4センタボのシート(2x5の10枚シート)が6月の米国オークションに登場しました。結果、どうやら日本にやってきたようです。

次回は8月25日20時からです。

 

以下は話題に上がったマテリアルの画像です。

 

 

外国切手研究会 第65回Zoom例会レポート

2021717日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第65Zoom例会』レポートです。参加者10人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回紹介の続きで、ラトビア1927-33年シリーズの普通切手と同時期の記念特殊切手で、目打バラエティが存在するものを幾つか紹介。

19281118日発行の6種は、6 SANTIMI15 SANTIMU2種類の目打が報告されている、19341212-13日発行分は、基本目打はP10だが、40 SANTIMU以外にコンパウンドを含むバラエテーの存在が報告されている、1937914日発行分は、額面に対して目打が決まっている、これらのラトビア切手は、比較的安価なマテリアルにバラエテイが多く存在し、収集が楽しめるとの事。

2人目)ハワイ王国のスタンプレスカバーについて、切手のファーストイッシューは1851年のミッショナリーだが、切手発行後に使われた2通を紹介。

1通目、ホノルル局1859112日、サンフランシスコ局185835日、ロードアイランド州ブリストル宛、実は両局共日付が間違っている珍しいカバー、正しくはホノルル局1859212日、サンフランシスコ局185935、これらは当時船で運ばれておりそれらを調べた所、該当の船が無く日付が間違いと判明した、郵便料金10セント+キャプテンフィー2セント=12セント。

2通目、ホノルル局1860317日、サンフランシスコ局1860329日、”SHIP 6”の印はクラムシェルと呼ばれるサンフランシスコ宛にのみ使われたタイプで、コレクト料金6セントを表す物、このカバーも運ばれた船は判明している。

3人目)前回の続きで、APSAmerican Philatelic Society)のHPから無料でダウンロード出来る図入りアルバムページより、ミソニアン博物館編集のEveryCountryのページをダウンロードして利用してみた感想について。https://stamps.org/stamp-albums

世界エリア地域ごとの区分だが、最後の南極大陸や切手発行体行政区分(抜粋)などのページも興味深く、JPS発行の世界切手地図と照らし合わせて分類するのも面白そうです、実際に貼り込む切手は自分の好みで選択して、オリジナルな世界切手アルバムを作って行く過程を楽しめそうです。

4人目)メキシコ・ファーストイッシューより初期のシリーズを紹介、ファーストシリーズは1856年発行で無目打白紙、セカンドシリーズは1861年発行の無目打着色紙だが、これら切手の特徴は印面の左右何方かに発売された州名が加刷されている事、全体でどれだけの種類が有るか分からないそうです、セカンドシリーズの面白い使用例として、額面8レアルが半裁の4レアルバイセクト使用例、3/4にした6レアル使用例、1/4にした2レアル使用例、1/8にした1レアル使用例が有るとの事、後に発行されたシリーズでは、地名に変わり郵便局の番号や年号が加刷されたものとなる。

紹介者はメキシコ切手はセミクラッシックの方が好みとの事で、1934年発行航空切手も紹介、この中の20センタボス切手は発行枚数が僅か800枚で、非常に希少。

5人目)郵便史として数年前に作成した習作作品を紹介、ケダー州1942-1945年郵便史のワンフレーム作品ですが、今後も様々な理由で作り変える予定が無いとの事で、タイトルリーフと最終ページのみ紹介させて頂きます。

6人目)切手が題材の希少な漫画「キッテデカ」の紹介、作画担当はミスター味っ子で著名な漫画家、寺沢大介氏、2010年代連載で単行本全2巻、以下リンクでサンプルを読む事が可能です。https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/102994/

一般の漫画やアニメにも切手がゲスト的な話題として取上げられた事は有るが、この漫画は全話切手を題材とした漫画、ストーリーや題材の好みは別にして、収集家の視点でも切手の扱いは破綻しておらず、非収集家には理解されなかったり誤解されがちな切手について、漫画という題材で表現しており希少、残念ながら2巻で終わったのは、やはり読者の人気を得る事は難しかったと思われる、現在では上記のリンク以外でもAmazon等で電子書籍化されており、購読が可能です。

7人目)第2次世界大戦末期に押された、興味深いドイツのメータースタンプを紹介、ライプヒチで使われた物で戦勝記念記念碑が描かれている、1通目は194431日、2通目が1944531日だが記念碑右横のスローガンが無いタイプ。

このスローガンはゲーテの言葉で「ドイツを知らんと欲すれば、ライプヒチを訪れるべし」との事です、ライプヒチは第2次世界大戦末期に連合軍空襲で徹底的に破壊され、この言葉も使えなくなった為にスローガン部分を取ったと思われ、このような時期でも真面目な国民性を感じます。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第64回Zoom例会レポート

2021710日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第64Zoom例会』レポートです。参加者9人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回の続きで、南米チリのマテリアルを紹介、スタンプレスカバーはValparaisoSantiago宛、日付印は使われていないが、手紙の内容から1851327日と推測出来る、押されている局名の赤い消印は、”V”が少し短いタイプで、通常のタイプと分類出来る。

同国初期の切手は国王や女王ではなくコロンブスの肖像が特徴、大きな分類の要素として、印刷のシャープなロンドン・パーキンスベーコン社印刷とサンティエゴ印刷に分けられる、シェードや紙の分類、料金額面が模様の透かしも表裏正逆の4種類が有る、240面シート。

5センタボスはカバー9g迄の基本料金、10センタボスはカバー14.4g迄の基本料金だが、半裁のバイセクト使用例も比較的見かけるとの事。

2人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品より、ドイツ・プロイセンのコレクションから4番目シリーズのミックスドフランキング使用例の解説、その為制作途中リーフの一部のみ紹介 、このシリーズはプロイセン初のパーフォレーション(ルレット)が入れられた切手で、1861年よりプロイセンが無くなる1867年迄使われた、PHILANIPPON 2021での発表が楽しみです。

3人目)前回の続きで、ハワイ王国1865年数字切手とアメリカ切手とのコンビネーションカバーなど、世界的に有名なコレクションから紹介。

1通目、5セント(SC#221枚貼、ハワイ島コハラ発、ニューハンプシャー州デリー宛、ハワイよりアメリカ宛基本料金の5セント切手のみ貼られていた為、14セントの不足料扱いになっているカバー、内訳はコレクト料金6セントのペナルティ2倍+キャプテンフィー2セント、その為ホノルル局1866101日の消印は、アメリカ料金支払済の赤い消印ではなく、通常の黒い消印が押されている。

2通目、5セント(SC#22)とアメリカ切手3セントと2セントとのコンビネーションカバー、ニューヨーク宛、ホノルル局186748日消、アメリカ料金支払済の赤い消印が押されている、3セントはアメリカ国内料金で2セントはキャプテンフィー料金、このようにそれぞれの切手が分けられて貼られているカバーは少ない。

3通目、5セント(SC#22)とアメリカ切手5セントとのコンビネーションカバー、サンフランシスコ宛、ホノルル局186678日消、受人はアドレスにCapitanU.S.Navyと入っており、比較的有名な軍人の方との事。

4人目)以前から紹介している、図入りアルバムコレクションで、アメリカ切手編に続く世界切手編の話題、切手はAPSAmerican Philatelic Society)の有料セミナーに申し込んだ時に頂いたプレゼントで、世界切手のパケットも入っていた。

このパケットの整理を考えた時、APSAmerican Philatelic Society)のHPには誰でも見る事が可能な上、無料でダウンロード出来る図入りアルバムページが有る、その中のEveryCountryのページをダウンロードして利用してみた。https://stamps.org/stamp-albums

ページ区分としては、1840年の世界最初の切手発行年から現在迄、かって存在していた切手発行国や分類を含めた採録で全132ページ、比較的自由に貼る事が出来るレイアウトとなっており、CHINAJAPANのページを見て頂ければ分かりやすいと思います、こちらもアメリカ切手同様、切手収集の基本的な知識と楽しさを体験出来る面白さ、ワクワク感が伝わりました。

5人目)前回紹介の続きで、ラトビア1920年以降のシリーズを紹介、 額面単位の初期はRUBLI、後にSANTIMILATになる、戦前のラトビアではメジャーな切手で1940年辺り迄使用されたが、RUBLI単位のカバーは少ない、この切手の面白さは目打の分類で多くの種類が有る、一部の切手には用紙の製造メーカーの透かしが入っている物が存在する、左右100面シート×2200面シート構成でガッターマージンを取る事が出来る、不足料扱いのカバーはロシア方式としては定番の、楕円形の印の中に不足料金が記入された物。

1927-33年発行のシリーズは使用例も豊富、白紙と着色紙のバラエテイは裏面を見ないと区分出来ない、尚この時期に発行された記念切手にも、これら普通切手に準じた目打バラエティが幾つか存在するものが有る。

6人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品より、South Korea 1945-47の冒頭部分を解説、その為制作途中のタイトルリーフと一部のみ紹介 、日本切手の無加刷使用例に続き、ハングル文字が加刷されたタイプでは、スタンペックスジャパン2021に出品後、新たに入手したマテリアルやオリジナル研究等を加えての再構成途中との事、PHILANIPPON 2021での発表を楽しみにしております。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。