オンライン郵趣例会」カテゴリーアーカイブ

外国切手研究会 第57回Zoom例会レポート

2021522日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第57Zoom例会』レポートです。参加者10人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)ハワイ王国・1889年発行 PAID REPAY POSTAL CARD(#UY3・往復はがき)のアーカイブス新発見の記事について紹介、紹介者が以前に北陸郵趣に寄稿したものですが、日本では外国の郵便はがきの記事は少なく貴重と思われた為、掲載させて頂きました。

余談ですが、魚木五男先生がJPS郵趣研究に2019147号から154号迄6回に渡って外国はがきの記事を連載されておられました、いずれは単行本化したいと述べておられて楽しみです。

2人目)中国・日本占領地域・華南のカバーを紹介、この地域については第45回でも紹介しており参考にして下さい、詳細はリーフに記載の説明通りで、1940628日広州発、71日金沢着、入手当初はこの時期の料金内訳が分からなかったが、ある方の助言で判明したとの事です、尚このカバーはメルカリで出品されていたのを入手されたとの事、現状では出品ジャンルも整理されておらず検索も大変ですが、お宝的なマテリアルも出品されている可能性も有ります。

3人目)前回で反響の大きかった、アメリカ・1908年シリーズ「赤の5セント」の有名エラー切手について、プレゼンテンション形式で非常に分かりやすい解説をして頂けました、詳細は画像データを見て頂ければと思います。

この切手のポイントとして、版番号#7942400面シート中エラー切手のポジション3箇所、メインナンバー3種類の切手それぞれの製造枚数と流通枚数、実際の回収指示書など、とても参考になりました。

尚、この記事レポートを書いてる現在でもスコットNo505を含む100面シートがeBayで出品されていました、日本円で約15万円です。

4人目)現在eBayに出品されている、インドネシア独立戦争時期の最難関の1枚で1949年発行・軍事切手の話題、スコットカタログではメインナンバーが振られており、その為このジャンルを収集するには是非入手したい切手だが実際は非常に難しく、南方占領地切手の最難関のフロレス暫定切手に相当するとの事でした。

質疑応答よりこの椰子軍事切手と呼ばれる資料の提示も有り、確認されているのは数十枚との事、ポジションごとの特徴も記載されておりプレーテイングも可能と思われます、出品されている切手は(鑑定書は必要と思われますが)本物と思われ、最終的な落札金額には興味が有ります。

5人目)喜望峰・マフェキング1900年発行の切手を紹介、第2次ボーア戦争時に切手の供給が途絶えた為に発行された暫定切手だが、世界最初のボーイスカウト切手として世界的に有名、使用済も基本的にこの都市の消印のみ、1ペニーと3ペンスの2種類が発行されたが、3ペンスの方はサイズ違いが存在する為、カタログメインナンバーで2種類に分類されている、昔からトピカル収集家には人気が高かった為、現在でもコンデイションの良い切手は比較的高価、参考として現在eBayに出品されている状態の良いカバーは日本円で約120万円でした。

6人目)第12回と第13回でも紹介した英領ヘルゴランド島切手の資料について紹介、元はドイツ語で記述されている約800ページの文献でPDFの資料にして所有しているとの事、その一部を紹介して頂けました、この地域の切手を本格的に収集されて興味がある方は、お問合せ頂ければとの事でした。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

南方占領地切手コレクターズクラブ 第12回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第12回ZOOM例会レポート

2021年5月27日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

参加者は6名でした。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

 

1)南方全域 印紙について

南方では多くの地域で印紙が加刷・新規発行されました。話題に上がったのは北ボルネオの収入印紙、封緘紙、フィリピンの印紙でした。

フィリピンの印紙はアメリカ統治時代のものが長らく使用されたので、日本製印紙の使用済みは少ないです。

2)フィリピン 暫定50c実逓使用

フィリピンの暫定50cは適正料金がないので、非収集家による実逓便は未見でした。当カバーは8倍重量便の書留であると思われる珍品です。

3)ビルマ OKKAN使用

ビルマのOKKANでは通常の消印とは凹凸が逆だったようで、消印が通常のものとは異なります。インドとの国境に近い場所であったので、使用例が非常に少ないです。本カバーは切手無しの日本宛て封書です。

4)ビルマ ×加刷の上に孔雀加刷

×加刷の上から孔雀を加刷したものです。真偽は不明ですが、いくつか同様のものが存在し、使用済みも存在するようです。

5)仏印 仏印処理後の使用例

南方地域を日本軍が次々と占領していく中で、仏印は親日的なビシー政権が運営していたことから、日本軍は占領しませんでした。しかしビシー政権の消滅と連合軍の反撃により、仏印が前線となったことで、日本は仏印処理を行って、日本占領下の状態になりました。本カバーはその時期の郵便物であり、大変貴重なものです。

 

以上のものと現行のオークションの話題がでました。

 

次回は6月23日20時からです。

 

以下は順に1)-5)の画像です。

外国切手研究会 第56回Zoom例会レポート

2021515日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第56Zoom例会』レポートです。参加者10人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)アメリカ・1908年シリーズより「赤の5セント」として有名エラー切手を紹介、詳しくは魚木五夫先生著書「アメリカ切手とその集め方」「JPSアメリカ切手図鑑」で解説されており、2セント切手の版番号#7942の実用版(400面シート)の中に、3カ所だけ5セント切手の印面が入っている、目打1011、無目打が存在しているが、スコットカタログではメインナンバーとして掲載している。

ポジション7484の縦ペアエラーが含まれる目打11100面シートが、例会時に海外オークションで出品されており即決で$1395でした、参考にして下さい。

同様の例として、19世紀ルーマニア・青の5BANI25BANIも紹介、こちらも5BANIの中に25BANIが紛れ込んだエラー切手。

2人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品を一部紹介(その為画像加工しています)、現在も製作途中だが、記述や構成等について質疑応答が有りました、例会では国際切手展審査員資格所有者、国際切手展上位入賞経験者も参加されており、個人的なコメントや感想では無い審査としてのアドバイスも適切に頂けると思います。

3人目)ハワイ王国・1884年発行分、ENVELOPE(切手付封筒)のアーカイブスを紹介、1セントから10セント迄の5種類が有る、全てアメリカンバンクノート製造、ラージダイプルーフやトライアルカラープルーフ、黒刷ラージダイプルーフなど、現存1点や2点の物も有り、大凡日本では見る事の無い希少なマテリアル。

今回紹介のコレクション冒頭部分は、2015年シンガポール国際切手展出品作品を、審査員との対話より再構成したとの事です。

4人目)昨年2020年にも8種類発行された国連・国旗シリーズについての話題をプレゼンテーション形式で紹介、1980から1989年迄10年間発行されたが、冷戦終結後1997年に再開して新しい加盟国の切手が発行された、その後2013年と2014年に旗や国名が変更された国の切手が発行された、2017年と2018年にも旗のデザインが変更された国の切手が発行された。

国連加盟についての色々な小話も有り、文章より分かりやすい画像を多く発表して頂けました、拡大画像で確認して頂ければと思います、懐かしい郵趣1984年当時の頒布会広告画像も質疑応答より投稿して頂けました。

5人目)オーストラリア・ビクトリア植民地政府時代のスタンプレスとハーフレングスと呼ばれる初期切手の英本国宛カバーを紹介。

最初に植民地政府時代の州区分と、英本国への航海路を紹介、実際には安全や安心等の理由から可能な限り陸上部分での逓送が好まれ、スエズ経由も多かったのではと思われる。

1通目、1841年ビクトリアがニューサウスウェルズ時代、メルボルン・ポートフィリップ(ビクトリア最初の入植地)よりアイルランド宛、多数の印が押されている、手書の数字3はニューサウスウェルズの料金、数字8Ship Letter Charge

2通目、1841年こちらもビクトリアがニューサウスウェルズ時代、メルボルンよりスコットランド・エディンバラ宛、多数の印が押されている、手書の数字8Ship Letter Charge

3通目、185454日、3d切手貼メルボルン発(番号印1番)、英本国ロムジー宛、やはり手書の数字8Ship Letter Charge、裏面に1854614日ロムジー到着印。

4通目、読み取れる情報より(1858年)メルボルン発(番号印1番)マルセイユ経由、英本国エクセター(近くの)ケントン宛、マルセイユの二重丸印は料金不足の表示、宛先の表示方法として、知名度の低い住所に送る時には近くの有名な都市の近く、又はその中という表示が当時のヨーロッパなどで使われていたとの事です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第55回Zoom例会レポート

202158 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第55Zoom例会』レポートです。参加者9人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)郵政特別切手コレクション展のお知らせと、そのクラウド展示について、昨年度より郵趣関係のイベントや展示の多くは開催期間の変更や短縮、中止となっていますが、展示に関しては諸外国も含めバーチャルで開催される事も増えてきており、リアルな展示とハイブリッドする事でそのメリットを考えた上で、郵趣振興協会では過去の展示会のリバイバル開催なども含めた、計画や方向性の紹介となりました。

2人目)前回の補足として、国内インターネットオークションで落札された、旧中国切手ロットの話題で出た、郵便目的で製造されたジャンク船の偽物切手と、ジャンク船に加刷された切手の紹介、偽物切手に関しては本物と比べて紙や印刷、目打の出来が悪く簡単に判別できる、1920年発行の加刷切手は3枚セットだが、5/6分の1枚だけ他の2枚に比べて発行枚数が一桁少なく、現在では入手困難になっている。

前回話題に上がったバングラディシュ・加刷切手について、パキスタンと戦争状態になり独立後に正刷切手が発行される迄、各郵便局や銀行、更にはスタンプディーラーなどでも独自に加刷された為どれだけの種類が有るか分からない、使用済も局名が入ってないタイプが多く使われており、ベンガル語で書かれたカバーも解読は困難で手掛かりになりにくいとの事、自分なりに所有の切手を分類して紹介。

カバーも3通紹介、公用便やイタリア・ローマ宛の国連機関、最後のパキスタン宛航空書簡は最初の正刷普通切手が貼られたカバーだが、イギリス・ロンドン経由が指定されている、通常ならインド経由と考えるが、インドとパキスタンは常に緊張状態が続いており、1974年当時も第三次印パ戦争直後の為だったと思われる。

質疑応答より、バングラディシュ・加刷切手の海外情報サイトの紹介が有りました、参考にして下さい。

https://www.stampsociety.org/articles/pakistan-bangladesh-overprints

http://www.fg-indien.de/Angebot/Bibliothek/PubLib/140804e_Bangladesh%20Childrens%20Day%20Trains%20Overprints.pdf

3人目)アメリカ発信で不足料扱いとなった外信カバーを3通紹介。

1通目、1890年シリーズ5セント貼、1891217日フランス宛、重量便の為5セント不足で換算25CENTIMES不足、倍額の50CENTIMESを徴収、フランスの不足料切手に押されている三角形の消印は専用なのか分からず、情報を募集中。

2通目、1894年シリーズ2セント3枚貼、1895218日ロンドン経由トルコ宛、フランス・パリに転送、4セント不足の為換算で20CENTIMES不足、倍額の40CENTIMESを徴収、質疑応答よりカバー表面の4Dはロンドンで押された4ペンスの意味、F.BForeign Branchでロンドンの交換局、経由地のAnversはベルギーとフランスに同名の地名が有るが、おそらくフランスと思われる。

3通目、1908年シリーズ2セント貼、1916210日ポルトガル宛、3セント不足、現地で6センタボス分の不足切手が貼られたが受取拒否の為、アメリカに戻され当初の3セント不足分倍額6セント分の不足料金切手が貼られて差出人より徴収された、ポルトガルで貼られた不足料切手はだれも支払ってなく協定などにより無効扱いになったと思われる。

4人目)前回よりの続きでハワイ王国バンクノートイッシュー、1871年以降発行分切手のアーカイブスを一挙に紹介、エッセイやトライアルカラープルーフ、銘版入ラージダイプルーフなど、存在の確認されているプレートプルーフは全種揃っており、希少なマテリアルも多く現存2点の物も有る。

厚紙の大きなカードに黒色で刷られているベレネットエッセイは、王族関連に肖像部分の出来を確認して承認を得る為の特別な物と思われる。

国際切手展審査員資格を持つ紹介者より、切手展出品を考える場合、やはりこれらアーカイブスはキーマテリアルになりうるとの事、又その展開方法の一例も解説、別件ではこれらリーフ整理に使われているマウントについて、ハウイド社とプリンツ社それぞれの特徴などの解説。

5人目)最近のニューヨーク・タイムズに出た北朝鮮切手関連の記事を紹介、1959年子供の時に下関より北朝鮮帰国事業で家族と共に北朝鮮に渡ったが、2000年に脱国して韓国に渡った方が北朝鮮はけしからん国だと書いている内容。

1950625日は朝鮮戦争開始日、北朝鮮では南朝鮮から米軍を除去する為の闘争開始日で、9年後の1959年に4種類の切手が発行された、10チョン切手は板門店を描き、他の3種類は北朝鮮らしいデザイン、平和統一と書かれている70チョン切手が記事となっている。

先の脱国した方とは別の方の話で、日本に残してきた家族に宛てた手紙に貼った切手の裏に、秘密のメッセージが書かれている内容、北朝鮮に渡った方が日本と手紙をやり取りする場合、必ず検閲が入る為このような手段を用いたと思われる、70チョンは当時の外国宛船便書状料金の為、東欧宛は時々見かけるが日本宛は少ない、このようなカバーが他にも有るかもしれません、以前の記事には手紙の文章が縦書か横書かで、内容の真偽を判断するルールを用いた手段も紹介されていたとの事です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第54回Zoom例会レポート

202151日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第54Zoom例会』レポートです。参加者9人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回の続きでハワイ王国1866年発行バンクノートイッシュー5セント(SC#32)切手のカバーを紹介。

1通目、1881416日、Wailuku,Mani発、スコットランド宛のハワイUPU加盟以前での無効扱い使用例、詳細はスタンペディア、The Philatelist Magazine23号の257ページより謎解郵趣で御本人が詳しく解説されておられますが、この当時ハワイからアメリカ経由の外国宛郵便物は同国迄の料金はハワイ切手、同国よりの料金はアメリカ切手を貼付する必要があった、全額がハワイ切手の貼付だった為、中継のサンフランシスコで不足料扱いの処理をされたカバー、この様な処理をされたカバーは現存1通の希少品。

2通目、188369日、Kohala発、ニューヨーク宛、一旦受取られた後、アメリカ3セント切手が貼られたコネチカット州ニューヘブンへの転送便カバー。

3通目、1884511日、Honolulu発、ドイツ宛だが国内で転送されている、本来は島内間郵便用のHonolulu局の日付印が外信便に使われており、赤インクで押されているのは2ヶ月の使用期間だった、カバーでは23通しか確認されていない。

4通目、187089日、Honolulu発、コネチカット州ノーウィッチ宛、4倍重量便カバー、切手は裏面貼で1セント過貼だが、表に押されているHonolulu局の赤い消印はこれも約2ヶ月の使用期間でカバーでは10通しか確認されておらず、5枚貼ストリップと合わせて希少な物。

5通目、188431日、Honolulu発、パリ・フランス宛、ローマ・イタリアへ転送された2倍重量便4枚貼カバー。

2人目)スイス・不足料切手のカバーを紹介、ヨーロッパからの郵便物が多いので、他の地域からのマテリアルを増やすようにしているとの事、セカンドシリーズを収集しているが、製造面では26種の版が有る。

1通目、グアマテラよりジュネーブ宛、封筒右上の書き込みVia Livingston はどこを経由したのか、宛先Geneve下の最下部は何と書かれているのか質疑応答でも分かりませんでした。

2通目、オーストラリア・ヴィクトリアよりブリンディジ経由、100サンチームの高額な不足料切手は小包などの大型郵便物で使われる事が多く、封書で使われているのは少ないとの事です。

3通目、スイス国内便絵葉書での使用例、なぜか5サンチームの不足料金が取られている、質疑応答でも切手の有効期限切れや留置料金、封書扱いなどの推測が出ましたが、こちらも詳細は分かりませんでした。

3人目)オランダ領東インド・日本占領地時代のバッテン加刷、英語ではCross Overprint と呼ばれる切手の紹介、この加刷が使われたのはスマトラ島のリオ州、西海岸、ベンクーレン州の3箇所、加刷のタイプは色々有るが約30種類、大半はゴム印による手押しで一部木片による物も有った、加刷色は黒と紫。

1942111日に日本がオランダに宣戦布告、3月にはスマトラ全土を占領したが切手の製造が間に合わない為、残存していた切手を押収し、新旧女王図案切手に対してバッテン加刷を行った、19424月にはオランダ女王肖像の切手の使用を禁ずるとの通達が出ているが、この加刷は6月に現れている、水っぽいインク(Type371) やブラシで擦ったような(Type381) 特徴の有るタイプも有る。

当初はバッテン加刷だけだったが、19434月には大日本郵便の文字が再加刷された、十字の加刷や文字が大日本のタイプも有る。

オランダ本国のDAI NIPPON 郵趣会で発行されているカタログや専門書ではタイプ分類、偽物の判別等が詳細に記載されており、種類も多く非常に複雑で大変そうだが、とても面白そうな対象と思います。

4人目)バングラディシュ・加刷切手の紹介、1971年にパキスタンより独立した時、パキスタンの切手にバングラディシュの国名を加刷して発行された記念切手だが、各郵便局で独自に加刷された為、どれだけの種類が有るのか分からない切手。

現在のバングラディシュはアジアの中でも経済状態が悪く、現地収集家の調査なども進んでいない為と思われる、しかしながら鉄道図案切手の為か、以前ほど安価ではなくなっているとの事です。

5人目)最近の国内インターネットオークションで落札された、旧中国切手ロットの考察、様々な切手の組合わせだが、郵便目的で製造されたジャンク船の偽物切手4枚ストリップ2点と、ジャンク船に加刷された切手1枚が含まれている、ジャンク船の偽物切手は以前は良く見かけたが、最近は少ないとの事で、これだけで落札価格の元を取れるのではとの事です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

南方占領地切手コレクターズクラブ 第11回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第11回ZOOM例会レポート

 

2021年4月28日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

参加者は8名でした。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1)スマトラ・香港 2次昭和切手・八紘一宇4銭使用例

2次昭和切手は東郷5銭を除き、南方使用は非常に少ないです。香港では台湾経由で他の地域よりは多くの2次昭和切手がきたと考えられますが、他地域では持ち込み使用のようなものしか見られません。

2)スマトラ 東海岸 2種類の加刷

スマトラの大日本枠付き加刷は手押しであったので、二重加刷や逆加刷などが存在します。本品はタイプの違う大日本加刷のなされたもので、新発見の品です。

3)海軍地域 旧女王10c切手にセレベス錨

蘭印の封書用10c切手は本国からの旧女王切手輸入がストップし、KOLFF印刷製一番切手として、新女王10c切手が1941年2月に発行されました。戦時中の旧女王10c切手の郵便局での在庫はなく、この切手を台とした加刷切手はどれも貴重です。輸出できなかった5,10,15cent切手は戦後無加刷で使用されています。

4)ビルマ バッテン加刷の向き違い

ビルマでも敵国国王の肖像をバッテンで抹消していました。本品は普通のバッテンとは向きが違って加刷されているものです。

5)スマトラ ジャンビーの慈善切手

ジャンビーは郵便量が少なく、最もみられるNipponMAの加刷でも多くは残っていません。

本品は少ないNipponMA加刷が、同じく少ない台切手である慈善切手になされたものです。

6)フィリピン 2次昭和切手・八紘一宇の使用例

フィリピンでは昭和切手の使用は主に持ち込みによると言われています。本品は封書7c時代にフィリピン正刷1cを3枚と八紘一宇4銭を1枚貼っています。不足量切手がなぜか張り付けられていますが、料金的には必要なかったはずのものです。

7)ジャワ 新女王切手の使用例?

ジャワでは蘭印切手が無加刷で使われました。しかし新女王切手のみは占領初期にごく少数の使用例があるのみで、以降は使用禁止になりました。ジャワのTOEBANであるなら03年表示ですが、本品は43年の消印です、どうでしょうか?

8)スマトラ スマトラ新聞の日本宛て

ほとんどの占領地から日本宛ての郵便料金は、占領地内の料金と同額に据え置かれました。スマトラ内の定期印刷物料金が1cであったため、日本宛ても1cで新聞を送ることができました。

9)スマトラ 陽明門10銭切手貼り

南方占領地には日本から昭和切手が持ち込まれました。スマトラでも同様であり、スマトラでの1c=日本の1銭として通用しました。KISARAN 11.7.42 検閲印の横にある5は検閲者の番号でしょうか?他に似たような番号のついたものはありますか?コメントをいただければ幸いです。

 

10)海軍地域 小スンダ錨加刷ブロック

小スンダ錨加刷は機械加刷と手押し加刷があったとみられています。機械加刷も版の組み方が何種類かあり、横一列に組んだと思われるものと縦一列に組んだと思われるものがあります。

 

以上のマテリアルと、現在進行中のオークションの話題で盛り上がりました。

 

次回の開催は5月26日20時からです。

 

以下は上記 2,4,5,6,7,8,9,10の画像です。

 

外国切手研究会 第53回Zoom例会レポート・後編

2021424日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第53Zoom例会』レポート後編です。参加者9人中6人の発表で質疑応答が有りました。

4人目)前回の続きでハワイ王国1866年発行バンクノートイッシュー5セント(SC#32)の紹介。

1リーフ目、トライアルカラープルーフの紹介、全部で9色か10色有ると言われているが、基本的な7色が揃っているコレクション。

2リーフ目、厚紙に印刷されたプレートプルーフで4枚ブロックは非常に希少、ラージダイプルーフ、”SPECIMEN”のセリフ付きとセリフ無し、目打エラーなど。

3リーフ目、未使用4枚ストリップ、未使用銘版付田型ブロック、使用済マルテイプルは難しいが田型ブロックと5枚ストリップなど。

4リーフ目、1通目アメリカ宛コンビネーションカバー、2通目アメリカ宛、Hawaiian Steam Serviceの印は当時の特急便のような扱いで専用の船で運ばれた物、料金は15セントで残りの10セントは現金で支払われたと思われる。

5リーフ目、プロシアン・クローズド・メールカバー、大変貴重な使用例で詳細はスタンペディア、The Philatelist Magazine4号の27ページより謎解郵趣で御本人が詳しく解説されており、一部紹介させて頂きます。

ここで、このプロシアン・クローズド・メールについて、説明をしておきましょう。当時プロシアはドイツ・オーストリア郵便連合(German Austria Postal Union)に加盟をしており、そのメンバーはプロシア以外にも、オーストリア、ババリア、サクソニー、ウイルテンベ ルグ(Wurttemberg)、メクレンブルグシュベリン(Mecklenburg-Schwerin)、メクレンブ ルグスレリッツ(Mecklenburg-Strelitz)、オルデンブルグ、ブレーメン、ルクセンブルグ、ブラン ズウィッグ、リューベックおよびハンブルグがあった。

これらの宛先に手紙を送付する場合、ハワイはアメリカ本国を通じて手紙を送付するしかない のであるが、アメリカ本国とこのドイツ・オーストリア郵便連合加盟国との間で郵便を送付する 手続きとして交換局のニューヨーク局を介して郵便物の送付が1861年から行なわれたが、その郵便料金は前払いで28セント、後払いで30セント(collect paid)であった。 」

「本件は18661019日にハワイから差し出されたSingle rate letterでプロシア・ベル リン宛のカバーである。料金はハワイからアメリカ本土までが5セント、アメリカよりプロシア宛 料金が28セント料金ですが、完全に料金を支払っている状態(Prepaid)で取り扱われている。 アメリカにおける料金はホノルル局で支払われ、中継局のサンフランシスコ局でアメリカ切手を貼 付したものである。

アメリカ切手の24セント切手は1861年発行のものである。アメリカよりプロシア宛の料 金は前述の通り28セントであったが、その記しがアメリカ切手の左側に赤鉛筆で28cmanuscript(手書き)がなされており、(サンフランシスコ局日付印左側)この記しは正しい料 金を示しており、4セントが不足していることになるが、4セント切手が脱落しているか、4セ ント分を現金で支払ったのかのいずれかであるが、他のサンフランシスコ局の日付印が見られな いため、後者の使用例だと思われる。」

6リーフ目、アメリカ1869年ピクトリアルシリーズとのコンビネーションカバー、このシリーズとのコンビネーションカバーは非常に少ない。

7リーフ目、アメリカ1861年シリーズとのコンビネーションカバー、2セント切手5枚の10セントがHawaiian Steam Serviceの料金として使われている

5人目)日本切手だが、1960年発行国際文通週間「蒲原」3枚貼と25円航空切手貼、ドイツ宛航空便カバーの紹介、発行月使用例で当時の第3地帯宛料金115円分が貼られている。

「蒲原」は国際文通週間切手の中でも1番人気で未使用評価も高く、ブームの時は買えなかった方も多いかと思われます、使用例も少なくこの贅沢な3枚貼り外国宛実逓カバーは素晴らしい1品と思います。

6人目)マイナーな国の最近の切手を収集している中より、カバー2点の紹介。

1通目、アフリカ・ブルンジより1982年発行動物シリーズのキリン3枚とライオン1枚他貼のスエーデン宛実逓カバー、この動物シリーズ13種セットは比較的高価、この低額面4枚だけでもそれなりの値段となるが安価で購入出来た。

翌年にはこのシリーズにWWFのパンダマークが加刷されたセットも発行されており、こちらもブルンジの中では比較的高価になっている。

2通目、カンボジアが1970年より75年迄、クメール共和国だった時期の1973年フランス宛書留実逓カバー、この時期は内戦状態の上に5年間だった為に数は少ないが、区別されずに安価で販売されている事もある。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第53回Zoom例会レポート・前編

2021424日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第53Zoom例会』レポート前編です。参加者9人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)ウルグアイ・スタンプレスカバー3通とMontevideo Sunsと呼ばれる初期シリーズの政府印刷切手を紹介。

1通目、1836719日モンテビデオよりイギリス・ロンドン宛、消印は発信のMONTVと到着の1836930LONDON、手書の数字”10/6”?は郵便料金関係と思われるが詳細は不明。

2通目、1843824日モンテビデオよりイギリス・ロンドン宛、消印は発信のMONTEVと到着側と思われる”Z 12 DE 12 1843” 、手書の数字”2/7”? もしくは”4/7”? はやはり郵便料金関係と思われる。

3通目、1855125日モンテビデオよりイギリス中継、フランス・ラレソール宛、バイオンヌへ転送、多数の印鑑が押されているが、赤い四角の印”COLONIES/ART.18” はイギリスとフランスとの郵便条約18条を表す印。

37回のでも少し紹介した、Montevideo Sunsと呼ばれる初期シリーズ1859年発行は額面の数字が細い、印面バラェテイによってプレーテイングが可能、シェードバラェテイや額面によって紙のバラェテイも有る。

同じく1860年発行は額面の数字が太く判別は容易、やはり印面バラェテイでプレーテイングが可能、60cはシェードバラェテイも多い。

1860年発行分の60c80c120cType12迄をリコンストラクションしたコレクションと専門カタログのタイプ違いを表すページなども紹介。

2人目)カバー右上の重慶中華版とよばれる3橙赤(Salmon)切手使用例としての紹介、1通目は様々な旧中国切手が貼られた194769日上海発、オランダ・アムステルダム宛。

JPSCSSのカタログよりこの3切手は刷色違いで3種類有り、橙赤(Salmon)の評価だけ高い、使用済とカバーの入手は難しく今回紹介の物が唯一所有のカバー、又このシリーズは紙の分類も3種類に分けられるが、3橙赤(Salmon)は1種類のみ。

2通目、3赤(Red)切手使用例、194641日漢口発、天津宛だが、宛名の情報U.S.N.R(アメリカ海軍予備役)やCaptainなどから、軍関係の受人に必ずしも郵送でない方法でノースカロライナ州Tryonに転送されたと思われる。

3通目、3灰紫(Light red brown)切手使用例、194653日甘粛夏河発、アメリカ・シカゴ宛、国内航空扱いの外国宛で本来なら料金不足となるが、通達遅れによりそのまま通用したと思われる使用例。

JPSカタログではこのシリーズは200面構成となっいるが、サブナンバー扱になっている3橙赤(Salmon)は100面シート構成で、刷色違いのバラェテイでは無く別版ではないかと思われるとの事です。

3人目)自由インド仮政府の未発行切手の紹介、第二次世界大戦時にドイツがイギリスに勝利後、イギリスより独立を目的とする仮政府が用意していた切手、AZADHINDとはヒンズー語で自由インドの略語。

1943年頃ベルリン国立印刷所製造、目打バラェテイや無目打も有る、原画はドイツの通常切手を担当していた有名な方で当時のドイツ切手に似た雰囲気が有る 、雑な作りの偽物も存在、最高額面の大型3色刷切手は7000枚しか製造されておらず希少、質疑応答よりこの切手のアーカイブは当時の防毒ガスカッパの着用説明書の裏面に印刷されているなど。

寄付金付きとなっているが、寄付金が無いタイプは当時日本が占領していたアンダマンニコバル諸島で使う為に用意されていたとの事。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第52回Zoom例会レポート

2021417日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第52Zoom例会』レポートです。参加者9人中4人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)アメリカ・1861年シリーズ貼海外宛カバーを2点紹介。

1通目、15セント切手2枚貼、コネチカット州ニューヘブン発、ニューヨーク交換局経由、プロシア・ベルリン宛、当時アメリカより直接ドイツへ向かう時、船舶の入港出来る大きな内陸の港町としてブレーメンとハンブルグが有り、青いAMERICA UBER BREMEN FRANCOの印はブレーメン経由だったと思われる。

2通目、10セントと2セント切手貼、イギリス・ロンドン宛、裏面にLONDONの市内印が3個押されているが、大きめの印にはADadvertising)と入っており、ロンドン市内で転送されたと思われる。

2人目)旧中国・香港烈士切手、第46回後編でも紹介した日本占領地華北の連合券レートと呼ばれる料金形体と通常レートのカバーを整理したリーフ、切手展出品を前提にした質疑応答が有り、国際展審査員資格を持つ参加者よりアドバイスが有りました。

3人目)ハワイ王国18641866年発行バンクノートイッシューの紹介、ハワイ王国では最初の目打入切手、1リーフ目、プレートプルーフ、ダイプルーフ、カラートライアルプルーフ、ラージダイプルーフなど。

2リーフ目、18642セント(SC#31)、”SPECIMEN” のアーカイブス、セリフ付き、目打エラー、インクスポットなど。

3リーフ目、銘版付6枚ブロックは”ABCN” のモノグラムが入っているアメリカンバンクノート製のタイプ、ちなみにモノグラムが入って無いのはナショナルバンクノート製、15枚ブロックなど。

4リーフ目、2セントは島内間基本料金の為、以前にも紹介したメイ&ハリス書籍の消印番号を記載したタウンキャンセルコレクションの整理、6枚ブロックは一部ハワイ語の左側銘版付でポジションが確定出来る貴重な使用例。

5リーフ目、バクセイト使用例カバー、アメリカ宛基本料金が5セントより6セントに値上された時、切手の印刷が間に合わなかった為、その時迄1セント料金として正式に認められ半裁使用例で12通が知られている。

6リーフ目、 同じくバクセイト使用例カバー、サーキュラーレートの印刷物料金1セント、この18642セント切手の半裁使用は正規に認められた物だが、後に発行された2セント切手の使用例はフィラテリックな物との事です。

4人目)イギリス1870年発行・1 1/2ペンス切手の紹介、ロイヤルによる1966年の鑑定書は多くのサインが有るが、記載を見るとFakedと有り偽物との事。

鑑定書をリーフに整理して解説、4角のコーナーレターOP/POOP/PCとなったエラーが存在するが、この切手は加工された偽物。

本物のOP/PCエラーを含むリーフの紹介、この1 1/2ペンス切手は1版と3版が有るが、このエラーが存在するのは1版のみ、2版は不具合が有ったと思われ印刷されていない、又この切手は1860年に1万シート240万枚のみ製造されたが、約9000シートが破棄された、残った約1000シートが後に市場に放出された、色と紙質が違う為区別出来る、未発行になった理由は1ペニーの郵便料金を1 1/2ペンスに値上する法案が議会を通らず、用意していた切手が発行出来なかった為との事。

本物のOP/PCエラー切手のロイヤルによる1950年の鑑定書も所有しているが、こちらはサインは1人のみ。

1870年に再発行された時は1 1/2ペンスの適合料金は無く、1872年になって適合料金が出来た為それ以降の使用例が多い、在外局にも多く送られた為それらの使用例も比較的多いとの事。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第51回Zoom例会・レポート

2021410日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第51Zoom例会』レポートです。参加者12人中4人の発表で質疑応答が有りました。

今回はスタンペックスジャパン2021特別Zoom例会の開催となり、初日の状況や出品された方4人による作品の解説や質問等を中心に進行しました。

パンフレットでも出品者のプロフィールや作品紹介がされており、協会HPでも出品作品の冒頭8リーフ公開されているなど、広く情報は公開されていますが、更に踏み込んだ内容をやり取り出来ました、切手展出品は郵趣の楽しみ方の一つでは有りますが、目標に対して過程を楽しむという行為はどのような収集範囲やテーマに対しても共通であり、切手展出品を前提にしない日常の収集でも参考になるお話でした。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。