当協会が所有する「切手コレクション展示パネル」(写真)は、現在、 日本に存在する同種のパネルの中で格段に堅牢性が高いパネルです。郵 政博物館では、同パネル以外による切手コレクションの展示は許可されて おりませんが、貴重な郵趣マテリアルの保全および盗難対策としては当然 のことだと考えております。
このパネルは、PHILANIPPON 2001 の際に製造され、会期後に各 地の郵趣会に無償で配布されたもので、いまだに多くの郵趣会で活用さ れています。2011 年の国際展で使用されたパネルがコストカットが原因 で現在ほとんど活用されていない中、唯一の堅牢なパネルですが、地方 郵趣会の高齢化や規模縮小に伴い余剰になるケースが増えてきており、 2016 年に『スタンペディア・プロジェクト』に対して、壊れたものも含 めて 100 台近くの現物寄付の打診を頂戴致しました。全て問題なく稼働 すれば 200 フレーム規模の切手展を開催することも可能になる量です。
新たに堅牢なパネルを製造するより、壊れたものも含めて既存のパネル を管理・修繕して使用し続けることの方が経済的メリットが大きいという 判断ができましたが、修繕費用の金額も 100 万円を越えるだろうと予測 された為、短期長期で二つの方針を決定し、この二年間実行してまいり ました。すなわち、(1)当面の間は問題ないパネルを大事に活用してい くと共に、(2)課税されない会費寄付を修繕費用として積み立てるとい うことです。
『スタンペディア・プロジェクト』からスピンアウトする形で、当 NPO 法人が設立されたのは、この税制の理由が最も大きなものになります。 賛助会員の皆様からお預かりした会費は二年間分なるべく手をつけず に積み立ててまいりましたが、3 年目の賛助会費により、100 万円を 越える修繕費用の支出も可能になりましたので、本年7−9月の、「郵 博 特別切手コレクション展」の開催をゼロにし、その間に修繕が行え るように、2 月より計画を立てることになりました。詳細は来年度予算 計画としてまとめる予定で、賛助会員の皆様にはまたご報告いたします。