スタンペックスジャパン2022の開催を土曜日から(3月26日ー28日)に控え、あと2日となりました。
本日、出品作品の展示が完了しましたので、ご報告申し上げます。
作業は午後1時半より行い、予め募集した実行委員の方にご参加いただき、午後4時過ぎに終了しました。写真は実行委員の方の内、ブログにお顔を出してもOKな方達だけの集合写真です。お疲れ様でした。
なお展示作業は、貴重品を預かっていること、並びにCOVID-19対策から、施錠した展示室でマスクを着用して、密を避けてを行いました。
スタンペックスジャパン2022の開催を土曜日から(3月26日ー28日)に控え、あと2日となりました。
本日、出品作品の展示が完了しましたので、ご報告申し上げます。
作業は午後1時半より行い、予め募集した実行委員の方にご参加いただき、午後4時過ぎに終了しました。写真は実行委員の方の内、ブログにお顔を出してもOKな方達だけの集合写真です。お疲れ様でした。
なお展示作業は、貴重品を預かっていること、並びにCOVID-19対策から、施錠した展示室でマスクを着用して、密を避けてを行いました。
2022年3月5日 20:00PM – 22:10PM開催『外国切手研究会 第83回Zoom例会』レポートです。参加者13人中9人の発表で質疑応答が有りました。
1人目・武田幸作氏)地中海ギリシャ沿岸・イオニア諸島の切手を紹介、1番切手は1859年発行で当時はイギリス領だった為ビクトリア女王のデザイン、その数年後には英国寄りのゲオルギオス1世が即位、当地はギリシャに返還された為に使用期間は短く、カバーの現存は非常に少ない。
1941年の第二次世界大戦時にギリシャはドイツに占領され、イオニア諸島の大半はイタリア領になり当時のギリシャ切手に加刷した切手が発行された、同じく使用済やカバーは少ないと思われる。
2人目・山崎文雄氏)ドイツ・ブレーメンよりハワイ・ホノルル宛スタンプレスカバーの紹介、サンフランシスコの到着印より1861年の使用例と確認出来る、ブレーメン6月1日発、ロンドン6月3日中継印、通常ならここからニューヨークに向けて送付されるケースが多いが、このカバーは西インド諸島やチリを経由してサンフランシスコに送られており、到着迄に80日を要している、詳細は解読中との事で現在分かっている範囲で解説されている。
質疑応答より、1861年4月にはアメリカで南北戦争が始まっており、その影響でアメリカ大陸横断を避けて運ばれた可能性が有るとの見解を頂きました。
3人目・中野健司氏)南北戦争関連を扱うアメリカ最大手切手商、PATRICA A.KAUFMANN より購入した郵趣書籍の紹介、CSA CATALOGは約500ページでカラー写真も多数掲載、歴史、政治、郵便史的にもにも興味が有り、入手困難だったがやっと購入出来たとの事です、同社のHPも充実しており、資料的にも貴重なマテリアルも多数掲載されています。https://www.trishkaufmann.com/
在住のニューヨーク郊外・RYEの町の御当地消を紹介、同氏が専門的に収集しているジャンルに比べ気軽に集める事ができ、日本や世界でも多くの方が地元の御当地消収集をされていると思われます、ニューヨーク州の郵便史研究会Empire State Postal History Societyのサイトも見つけ紹介、https://www.esphs.org/
4人目・藤本博嗣氏)新中国・1986年発行普23、各地の民家シリーズ3分切手の紹介、このシリーズは100面シートと60面シートで発行された3分は100面シートのみ、第4コーナーには銘版と中国で票銘と呼ばれる普通切手の組名二十三と図案の湖南民居が入っている、このシリーズ全14種類全部で100版以上有ると言われている、3分切手の1版との違いは、2版は分の文字に点が有るとの事です。
3分切手は1990年7月30日迄の市外印刷物料金、その後は8分に値上されたが、不足扱になっていない使用例も所有、大量に印刷発行された時期で印刷や用紙等の製造面のバラエテイも多く様々な使用例も有ると思われるが、封書基本料金の8分に比べると入手は難しい、基礎知識としてはJPS郵趣2009年11月号巻頭特集「中国切手・バラエテイ事情」の記事が参考になると思われます。
5人目・比留間晃則氏)フランスが最近発行したアニメーション図案の切手を紹介、日本では1975年にUFOロボ・グレンダイザーとして放映された人気アニメ、フランスでは1978年ゴルドラックのタイトルで放映され日本以上に大人気で、制作45周年記念の発行との事、JPS郵趣2022年3月号50ページでも解説されています。
2点目・フランス領インドシナ、1945年3月の仏印処理後の使用例の貴重なカバーについて、書留使用例で料金等について調べる資料や情報などが有れば知りたいとの事、質疑応答より仏印処理前後で郵便料金が変わっていないと仮定、前の時代の書状料金と書留書状料金を調べ、同料金のカバーの存在確認なども方法のひとつとの事です。
American Philatelic Societyにも有償で利用出来るライブラリーサービスが有るとの事。https://stamps.org/services/library/library-services
他にも下記サイトが参考になるかもとの事です、Les tarifs postaux d’Indochine (インドシナの郵便料金)http://jef.estel.pagesperso-orange.fr/tarifindo.html
SOCIETY OF INDO-CHINA PHILATELISTShttp://www.sicp-online.org/archive/laos_001.htm
6人目・有吉伸人氏)国際切手展LONDON 2022の出品作品 France 1849-1862 について、フィラニッポン2021にも出品された作品ですが、シェードバラエティの大型ブロックやマージン付テートベッシュ貼カバーなどのマテリアルを追加されたとの事、発表して頂いた魅力的なクラッシック25サンチームの5ページを紹介させて頂きます。
7人目・槇原晃二氏)ブラジル・1876年シリーズDonPedroⅡの紹介、第69回で紹介の1866年シリーズは同図案で目打12だったがこのシリーズはルレットになる、アメリカン・バンクノート製造で消印もアメリカのファンシーキャンセレーションに近いものが多く使われている、銘版もスペイン語と英語で入れられており、1866年〜76年シリーズ100面構成図案を見ると理解しやすい。
200レイスのポルトガル宛カバーは押されている消印を含め詳細を調査中との事ですが、eBayで同様の印が押されているカバーが販売中との事、このように同様の使用例を見つける事が出来れば、その商品説明を参考にするのもひとつと思われます。
10レイスは印面の変種も図版で紹介、消印違いの整理も赤の印刷に映えて美しいです。
8人目・吉田敬氏)1918年ウクライナで発行されたトライデントシリーズと呼ばれる切手の紹介、ロシア切手に三叉路と言われる図案が加刷された物、多くの世界カタログでは台切手番号と加刷図版のみが記されており、実際の切手の印象が分かりづらい、キエフ、オデッサ、ハリコフ、ドニプロ、ポルタバの各地で加刷され、其々に台切手が存在する為メインナンバーで200種類程になる。
当時ロシアより独立したウクライナは、ロシア切手が無加刷で使用されていたが大量に残っており、これがそのまま使われるとウクライナ郵政の収入にならない為、加刷切手を発行して原則として無加刷切手の使用を禁止、正刷切手も翌年には発行された為に使用例は少ない、質疑応答より、西側のポーランドに近い都市リボフでは、一部オーストリアに掛かっており、トライデント加刷のオーストリアバージョンも存在するとの事です。
最初の話題、イオニア諸島1番切手のカバーについて、昨年のテーマティク作品で使用した物、ナポレオン時代にフランスの衛星国だった事を解説するページで使用したマテリアル。
9人目・重山優氏)同氏のブログより、https://ameblo.jp/sonbun99/entry-12729719292.htmlで紹介している戦後台湾より日本宛使用例のマテリアルを紹介、旧満洲では四角、台湾では楕円形の検閲印が使用されている、差出人の名前は姓が中国で名が日本名、日本語教育時代に生まれた方と思われる。
1947年3月6日発、台湾では1946年12月より日本宛の封書と葉書を送る事が出来たが、貼られている3圓切手は国内封書料金で国際料金は6圓なので本来は料金不足と思われる。
今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます。例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。
スタンペックスジャパン2022 開催まであと一週間!
本日午前は、競争出品作品の委員会への提出日でした。午前10時半より郵政博物館に実行委員会よりスタッフが滞在し、作品の受領及び内容の検品を行いました。
午前中に全ての作品の受領が完了しました。平行作業で進めていた検品も午後1時までには完了し問題がありませんでしたので、予定通り郵政博物館の収蔵庫に格納いたしました。
特定非営利活動法人 郵趣振興協会は、活動の一環として、国際切手展情報の充実に注力しています。このほど、コミッショナーから下記の案内か発表されましたので、掲載します。
先日、アジア切手展 Melbourne 2022の作品募集について発表しましたが、本日(2022/3/15午後2時)同展覧会のHPにて、会期の2年延期を確認しましたので、報告します。2024年3-4月に延期されること以外は現時点では決まっていません。実行委員会からの直接の連絡は届いておりませんので、本情報は確度は高いものの暫定情報として発信し、実行委員会から確実な情報を入手し次第、詳細の案内を行います。
特定非営利活動法人 郵趣振興協会は、活動の一環として、国際切手展情報の充実に注力しています。このほど、コミッショナーから出品希望者に対して、作品募集の案内が発表されましたので、転載します。
2022年9月8日から11日にかけて、オーストラリアで開催されるFIAP展「Melbourne 2022」はFIAP Partonageで開催されるアジア展です。COVID-19の流行及びロシアのウクライナに対する軍事侵攻の影響による航空状況により有形・無形の制限があるとは思いますが、コミッショナーとして渡航についての方針を示した上で作品の募集を行います。
同展覧会へのご出品をお考えの方は、同展覧会の特別規則(IREX PDF 7ページ)の原文を理解することが求められます。出品希望者はIREXを必ずご熟読の上、当方まで申込書をご提出ください(4/24〆 yoshida@kitte.comまで)。同メールアドレスでは、相談も承ります。
なお、概要に関しては出品者以外も関心がおありと思いますので、便宜上必要な部分の解説を日本語でまとめたPDFを以下に表示します。日本コミッショナーの渡航に関するポリシー及び運搬契約についても同様に表示します。
Melbourne 2022 特別規則(全15条より抜粋)
第1条 目的 省略
第2条 開催団体・場所・時期 省略
第3条 FIAP賛助とコーディネーター 省略
第4条 適用される諸規則など 省略
第5条 出品資格 第7条で示される出品クラスのうち、class1, 11, 12, 14を除くクラスに初めて出品する場合は、スタンペックスジャパン、全日本切手展、JAPEXなどの全国切手展で過去5年間に金銀賞以上を獲得している事が必要です。class 1, 11, 12, 14の出品条件は原文をご覧いただくかコミッショナーにお問い合せ下さい。
第6条 出品申し込みと出品許諾について
4項 出品申し込みを行う者は、一作品につき一枚の出品申込用紙を、各国コミッショナーを通じて提出すること(国内締切 4/24)
3項 文献以外の出品申込希望者は、申込用紙とタイトルページの両方を提出すること
5項 出品可否の連絡は、2022.6.30までに各国コミッショナーに通知予定である。
6項 出品許諾後のキャンセルは原則として認めない。
7項 出品料はコミッショナーを通じて、2022.7.30までに実行委員会に納めること。
第7条 出品クラス(15)
1 |
チャンピオンクラス |
2 |
伝統郵趣 |
3 |
郵便史 |
4 |
ステーショナリー |
5 |
航空郵趣 |
6 |
宇宙郵趣 |
7 |
テーマティク |
8 |
マキシマフィリー |
9 |
印紙 |
10 |
オープンフィラテリー |
11 |
ユース |
12 |
郵趣文献 |
13 |
ワンフレーム |
14 |
現代郵趣(1980年以降) |
15 |
絵葉書(試行クラス) |
クラス2(伝統郵趣)とクラス3(郵便史)は、さらに1(オーストラリアと植民地、ニュージーランド、保護領)2(アジア)3(それ以外)の3つに細分されています。
クラス7,11,12,13 も細分類されていますので、出品にあたっては特別規則の原文を参照して、ご記入ください。
第8条 フレームサイズと割り当て
1項 切手コレクション展示パネル(フレーム)は、23cn*29cmのリーフを4列4段(合計16リーフ)展示できるものを用意する予定です。この提示はA4(210*297mm)よりも縦が短いことをお知らせします。
第9条 出品料
2項 クラス11,12,13 以外の出品料は、フレームあたり65米ドル。
3項 クラス12(文献)は65米ドル。
4項 クラス13(ワンフレーム)は米95ドル。
*なお、当項目は実行委員会への支払金額のみであり、コミッショナーに帯同せずに、コレクションの運搬を依頼する場合は別途費用が発生します(次ページ下段に詳細)。
第10条 セキュリティ対策
実行委員会は十分な安全を確保して作品を預かり展示会を運営するが、その一方で保険などは一切かけず、万一の場合も一切補償には応じない。従って保険をかけたい出品者は各自の負担で保険会社を見つけ締結すること。
第11条 展示物の取り扱い
1項 作品は9/7朝までにコミッショナーによりビンルームに納品すること
2項 文献部門の送付点数は一点につき2冊とし、2022/8/30必着で郵送で提出すること。なお返却はしない。
3項 上記2項の遅延、もしくは不適格展示物については展示せず出品料も返却しない
4項 リーフには保護ラップをかけ、左下にナンバリングすること。フレームごとに封筒に入れ、記入済みのエントリーシートを各封筒に貼り付けること。
第12条 審査と授賞 省略
第13条 実行委員会の権限 省略
第14条 出品者の当規則の承認について
出品申し込み書にサインして提出することで、当特別規則を受け入れたことになる。
第15条 実行委員会の住所 省略
(以上)
(重要)
日本コミッショナーの渡航について
全日本郵趣連合が、世界展LONDON2022へのコミッショナー派遣を突然中止した事から『出品してもまた突然中止になるのではないだろうか?』「LONDON2022の様に出品料金が返金されず無駄になってしまうのではないだろうか?」という心配の声が、私の元に入る様になりました。
メルボルン展の成功の為にみなさんに作品募集を呼びかけますが、コミッショナーにとって、実行委員会は優先順位第2位です。最も優先順位が高い対象は出品者のみなさんの満足度とその財産であるコレクション(作品)であることを明言します。平時と言えない現在、出品者のみなさまに相応のリスクの存在を包み隠さずお話した上で、作品募集を行いますので、よくご検討ください。
さて国内移動ですら有形無形の制限がある現在において、重く嵩張る荷物をもっての国際移動の負担や障害ははるかに大きいというのは、残念ながら事実です。また海外におけるCOVID-19感染の流行が2月以降下降線を辿っている一方で、ロシアのウクライナに対する軍事侵攻で、航空機をめぐる環境は混乱をきたしています。そこで、どのようなケースで渡航を断念し、どの様なケースは渡航するかについてコミッショナーの方針を明示します。なお、本方針は、HELVETIA 2022の日本コミッショナーとして出品者に対して提示された内容を参考にまとめたものです。
渡航断念に至らないケース 以下4項目に該当する場合は、原則として現地に赴きます。
・入国時の隔離が必要(10日まで)だが、フライトが確保できた場合
・帰国時の隔離が必要な場合(14日まで)
・外務省の渡航中止勧告(感染症)のレベル3に該当する場合
・現地でコロナに罹患しそうな気分がする場合
全日本郵趣連合に問い合わせたところ、コミッショナーは委嘱であり、委嘱後の対応はコミッショナー次第とのこと。実際に上記「渡航断念に至らないケース」よりもさらに軽い内容で渡航を取りやめた事例もあります。もちろん新たなウイルスの登場や戦闘の拡大により、想定外の理由で渡航断念に至るケースが他にないとは言えませんが、現在の延長であれば、例示した4例を渡航断念理由にはしません。
次に渡航を断念するケース7例を挙げます。この内最初の4つは、かなりレアなケースです。
渡航を断念するケース
・オーストラリアが日本を入国禁止国に指定した場合
・日本がオーストラリアを渡航禁止国に指定した場合
・日本・オーストラリア間の往復フライトが確保できない場合
・オーストラリアおよび隣接国が交戦状態に入った場合
・オーストラリアが健康状態などを理由に日本コミッショナーを入国禁止とした場合
・日本が健康状態などを理由に日本コミッショナーを出国禁止とした場合
・HELVETIA2022のコミッショナー業務でコロナ感染し、体調に重大な問題が生じた場合
ご留意頂きたいのは7項目目です。国際展出品者はご承知の通り、私は5月末開催のHELVETIA 2022のコミッショナーから帰国した3ヶ月後のMelbourne 2022のコミッショナーとなりました。通常なら引き受けないのですが、他に候補がいらっしゃらないとお聞きし引き受けた次第です。
並行して業務するタスク管理に問題はございませんが、万一HELVETIA2022でコロナを含む重病に感染した場合に業務継続が不可能になる可能性があります。この場合は代わりのコミッショナーを探し、それが無理な場合はできるだけMelbourne2022特別規則第6条6項に抵触しない様に、コミッショナー派遣の断念を決定し、出品できないのに出品料だけ取られるという無駄を排除する判断をする可能性があります。この点を納得の上出品をお申し込みください。
なお、コミッショナーとの運搬契約(預け荷物扱い、有料)に付いては『必要経費を後で精算して請求されるのではいくら請求されるか不安』という声をお聞きしました。本展覧会のコミッショナー就任前に公開されたHELVETIA 2022の運搬契約(2022年1月)では、請求金額を平時の倍額を上限の目安として提示した上で当面の費用はコミッショナーが自前で負担し、帰国後に決算を行い、上限以下の負担金額を請求する方式を導入し出品者に好評ですので、同様にする予定です。
3/26から3/28にかけて開催される全国切手展『スタンペックスジャパン2022 』の公式参観ガイドが完成しました。
当日、会場となる郵政博物館でもパンフレットを配布予定ですが、事前にダウンロードできるPDF版もご用意しました。ご参観の参考にご利用ください。
南方占領地切手コレクターズクラブ 第21回ZOOM例会レポート
2022年2月23日水曜日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。
以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。
1)泰緬鉄道 カンチャナブリ オンピース
タイのカンチャナブリ等では日本軍の指揮下で泰緬鉄道の建設が行われました。その中で日本の郵便局も開設されたと言われています。本品は泰緬鉄道沿線のカンチャナブリで押印されたものと思われます。
2)マライ 特印
マライでは数多くの特印が使用されました。特印は収集家の求めに応じて押印されただけでなく、特印の用意された記念日に差出された郵便物にも押印されました。なので一見すると郵趣家便であっても、商用便であることがあります。本品も商用便と思われます。
3)NICA TIMOR加刷
戦後、蘭印では残存した南方占領地切手や日本切手に様々な加刷をしました。Rep.Indonesia加刷やPTT加刷が有名ですが、本品のようなNICA TIMOR加刷や馬の加刷がされたものも少ないながら残存しています。
4)香港 不足料カバー
香港のカバーは比較的多く残っていますが、不足料カバーとなると話は変わってきます。本品は香港発ベトナム宛てのカバーであり、貼付切手には国内料金7銭しか貼ってありません。当時、外国料金は20銭であったため不足料金が生じるはずですが、この処理がどうなされたのかは不明です。そもそもベトナムにも届いたのでしょうか??
話題は主に以上でした。
次回は3月23日 午後8時から開催予定です。
2022年2月1日 20:00PM – 22:15PM開催『外国切手研究会 第81回Zoom例会』レポートです。参加者14人中7人の発表で質疑応答が有りました。
1人目・重山優氏)旧中国・外国宛封書190圓時期のカバーを5通紹介、その内4通に貼られいる切手は1945年10月10日発行、蒋介石を描く慶祝勝利紀念だが、同日には蒋首席就職紀念6種も発行されており、中国の正当な後継者は毛沢東では無く蒋介石だという事をアピールする為のプロパガンダ的な要素も含まれていると思われる、1通目は上海よりインドシナ宛航空封書で航空料金が60圓だった短期間の使用例、宛先のSecteurPostalはフランスの野戦郵便局との事。
2通目は上海よりオーストラリア・シドニー宛航空書留封書でカルカッタ経由、貼付切手は20圓不足のはずだがそのまま運ばれている、差出人のUNITED NATIONS RELIF AND REHABILITATION ADMINISTRATION(略称UNRRA)は連合国救済復興機関で国連関係とは別組織。
3通目は汕頭よりオーストラリア・ビクトリア宛航空封書、4通目は上海よりチェコスロバキア・プラハ宛航空書留封書でエジプト経由、5通目は廣州よりアメリカ・ニューヨーク宛航空書留封書でイギリス経由。
2人目・中野健司氏)戦前の朝鮮半島関連消印のマテリアルを3通紹介、1通目は1904年1月25日CHEMULPO、現在のインチョンからシベリア経由のデンマーク宛ハガキ、菊切手の朝鮮加刷は偽物との事ですが、到着印はコペンハーゲン2月19日でこの間に日露戦争が開戦している、3個の中継印は大連に有るロシアの野戦郵便局、大連ハルビン間の鉄道郵便印、ハルビン満州里間の鉄道郵便印で水原明窓著書「朝鮮近代郵便史」183ページ掲載分の兄弟カバーにあたる貴重な一品、JPS郵趣1993年9月号には同じく水原氏による「ユメにみた東進・南満コンビネーションとは」が寄稿されているので参考にして下さい。
2通目3通目は旧中国・ジャンク船ハガキの日本宛、中継印として現在の中朝国境辺りのCHOSEN・KAINEIとKEIGENの使用例、使われているハガキの情報を調べた所、アメリカの図書館でそれらの情報を掲載している書籍を見つけて解決、数種類に分類できる事が分かったとの事です。
3人目・山崎文雄氏)ポルトガル・1953年10月23日切手発行100周年記念の紹介、描かれている肖像は1番切手と同じくQueenMaria Ⅱでグラビア印刷の美しい切手、異額面同一図案8種類の為か試刷と思われるカラーバリエーションが多く存在するが使用例は存在しない。
正規発行分の使用例もいくつか紹介、国内宛ハガキ、ドイツ宛航空便、カナダ宛書留FDC、ブラジル宛航空便、フランス宛、ブラジル宛ハガキ航空便など、最低額面の50センタボは国内ハガキ料金だが最高額面の20エスクードはその40倍、高額面の自然な使用例は難しいとの事です。
4人目・山本典保氏)ウクライナ関連の背景と切手について紹介、元々はロシアの切手が使われていたが、ロシア革命後の1918年ウクライナとして正刷切手が発行された、ロシア切手に加刷された物、オーストリアハンガリー切手に加刷された西ウクライナ人民共和国の物も発行された。
1920年に非郵便用として14種類の発行が有り、スコットカタログにも注釈が有る、1923年ウクライナソビアト社会主義共和国として正刷切手が発行された、独ソ戦争時の1941年と1943年にはドイツ切手のウクライナ加刷がドイツ野戦局として発行されたが、第二次世界大戦後はソ連に組み込まれる。
質疑応答より、重山優氏よりポーランド切手の西ウクライナ使用例の紹介が有りました。
5人目・槇原晃二氏)オーストラリア・英領ビクトリア1857年より発行されたEmblems Issueと呼ばれる3額面を紹介、名前の由来は切手の4スミに羊、帆船、コンパス、鉱山工業という植民地を象徴した図案が入っている為、最初のリーフはリプリントプルーフ。
印刷所は3カ所で最初はCalvert Printingで版の彫刻も行われた、後にRobinson Printing、Government Printing、最初は無目打で発行され、後にルレット、その後はP12が入れられた、シェードや用紙、透かしの分類も有り中々複雑なシリーズ、1861年には1ペニーの4角がネット図案に変更された切手も発行されたが同一シリーズとして扱われる。
カバーも数点紹介、その中で2ペンスのペア貼りで、一見すると6か9の数字消印に見えるが実は6の鏡文字になっている物が有り非常に興味深い。
3人目・武田幸作氏)トンガ王国・1970年迄のカタログコレクションを紹介、1番切手は1886年発行で当時の国王の肖像、1897年にはトンガを紹介する立派な凹版印刷の切手が発行されたが、この辺りは有名なテイン・キャン・メールの紹介カバー等で見かける事も有る。
トンガ王国といえばやはり1960年代後半より発行された変形シール切手が有名、この辺りも良く揃っており、昔は色物扱いだったこれらは近年人気が高く、当時物の使用済は今では入手困難、紹介のコイン型切手の使用済は首都ヌクアロファ消、FDC切抜かもしれないが貴重なマテリアル。
7人目・吉田敬氏)日本初期の在外国局マテリアルを2点紹介、1点目は1860年パリ発NAGASAKI着カバー、1858年日米修好通商条約後1859年に神奈川、長崎、函館の3カ所が開港したが実際に稼働していたのは長崎だけといわれる、1859年のカバーはプライベートコレクションには存在せず、1860年のカバーは7通確認されており、これはその中の貴重な1通。
2点目は在日アメリカ外国局・HAKODATE局カバー、最初にインターネット上の画像ですが、NewYorkDailyTimes.の記事より、1854年7月17日の記事で日米和親条約が掲載されており、これがハワイの新聞に転載され、それを見たハワイ在住の白人がオーストラリアの船をチャターして、函館か下田しか来れない状況で下田に来たとの事、当時は江戸の大地震や南海トラフ地震の影響で下田は全くビジネスにはならず、その後函館に向かったとの事、その一行が差し出したカバーこそが、第77回例会レポートで紹介した、ニューヨーク・ロバートシーゲルオークションに出品されていた、在日アメリカ外国局・HAKODATE局カバーで1855年の使用例、日米和親条約後最古のカバーと思われる。
受取人のフィラデルフィア、Samuel Wetherill氏について、HwichanSong氏よりリンク先を検索して頂けました。https://explorepahistory.com/hmarker.php?markerId=1-A-338
今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます。例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。
特定非営利活動法人 郵趣振興協会(以下「当協会」と略す。)は、その活動について広く伝えるため、3ヶ月に一度レポートを発行し、電子メール等で賛助会員にお伝えすると共に、無料でご掲載いただける雑誌媒体に同一内容を提供しております。同レポートを公式ホームページでも発表させていただきます。ダウンロードしてご覧くださいますようお願い申し上げます。
活動報告対象期間:2021年12月10日~2022年3月3日
第20回活動報告 ダウンロードしてご覧ください。
2022年1月15日 20:00PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第80回Zoom例会』レポートです。参加者13人中7人の発表で質疑応答が有りました。1月1日に開催された第79回Zoom例会は新年度の挨拶や近況報告で発表等は無かった為、記録だけとさせて頂きます。
1人目・山崎文雄氏)メイン収集のハワイより紹介、キングカメハメハ3世(SC#5-9)5セントのブラックプルーフは現在5点確認の内1点、参考カタログ値は6000ドル、13セントは2点確認。
13セント8枚ブロックはオフィシャルリプリント(SC#11R)、元はホノルルアドバイザーコレクション所有、マルティプルは少なく20面シートは1点のみ確認。
13セントペア”SPECIMEN” 加刷はアメリカンバンクノートで行われたもので希少なマテリアル、”REPRINT” 加刷は(SC#11R-S)、やはりマルティプルは少ない。
バンクノートイッシューより、12セント(SC#46)カバーの紹介、12セント料金は当時のオセアニア方面の封書料金だがこの切手の単片貼カバーは非常に少なく、確認されている3通はいずれもニュージーランド宛、1通目は紹介者所有のカバー。
6セント(SC#33)3枚貼カバーはアメリカ本土宛3倍重量便、多数貼はやはり少ない。
2人目・槇原晃二氏)オーストラリア・ビクトリアより、Laureateシリーズ貼り海外宛カバーを2通紹介、1通目はスイス宛書留、裏面の中継印と到着印はメルボルン、イタリア・ブリンディシ、スイス・ロカルノ、右上のAmbulantはスイスの移動郵便印、HwichanSong氏よりSwiss Ambulant Post Officeを解説したリンク先を検索して頂けました。https://swiss-philately.co.uk/wp-content/uploads/2017/02/Swiss_Ambulant_Post_Offices.pdf
2通目はロンドン宛、到着印と左上にフランス・マルセイユ経由の書込み有り、参考資料として当時の日本からスエズ経由ヨーロッパへの郵便ルートの図版を紹介、同時期のオーストラリアからも同等のルートではと思われます。
3人目・武田幸作氏)ツエッペリンカバーを2通紹介、1通目はドイツ・ツエッペリン母港フリードリヒスハーフェン1931年7月24日消印だが、その下に押されているのはロシアの砕氷船MALYGIN号7月27日の消印、当時北極探検で使用されており双方が落ち合うプロジェクトだった様、宛先はスマトラ・メダン宛、裏面に9月14日の到着印、北極からの逓送ルートは不明だが興味深い。
2通目はロシア切手のカバー、レーニングラード1931年7月25日消で現在のサンクトペテルブルク、こちらも1通目と同じMALYGIN号7月27日の消印、受取人のW.J.WIESE氏は探検隊を率いており北極探検で功績を残したロシアの科学者。
4人目・比留間晃則氏)オーストリア・1946年発行アンチファシスト展の有名な不発行切手2種について、内1枚を安価で購入したがこれについての真偽と、小型シートの切抜きに見えるが通常シート以外にも発行が有ったのかを知りたい、質疑応答より本物の田型ブロックを含めていくつかの画像を提示して頂きました、小型シートは発行されておらず、印刷や紙の感じから本物では無いと思われる、相場は約10万円位との事で、この2種は知名度や人気も高い為に昔から偽物や記念品が多く、近年は比較的精巧な物が多く流通しているとの事です。
5人目・北野雅利氏)前記のオーストリア・不発行切手2種は少年時代より興味が有ったが、正規に発行された切手は余り紹介された事が無く調べた所、未使用8枚セットが安価だった為に購入、不発行程では無いが刺激的な図案、使用期間が年末迄と短かった為に使用済やカバーはかなり高価。
6人目・重山優氏)旧中国・アメリカ宛の印刷物カバーを2通紹介、1通目は1946年6月8日、上海永寧加刷20圓2枚貼、ハガキを利用しているが50g迄の外国宛印刷物扱いで40圓、参考としてハガキ料金は120圓、封書料金は190圓だった。
2通目は1947年6月30日、蒋介石誕生60年記念200圓貼ラッパーで切手商差出しの料金表、目打の違いで2種類の印刷所製造別製造に分類出来る、参考として封書料金は1100圓、押されている消印の北平は現在の北京で小さく入っている(巳)はその北平市内の郵便局を特定する文字。
質疑応答で、虎頭雄彦所有の北京発日本宛ハガキについて、下部に逓信省の検閲印、中国側で押されたと思われる切手近くの⑤紫印が何か知りたいとの事、例会中には詳しい事は分かりませんでした、情報やヒントをお持ちの方がおられましたら、教えて頂ければ幸いです。
7人目・吉田敬氏)ゼネラルを続けている紹介者ですが、世界カタログに掲載されていない切手にも興味が有り、いずれも値段や全容は切手商のカタログ等しか無く色々と難しい面が有るが、最近入手した2組を紹介、1点目は1898年に米西戦争後の独立派が発行したローカル切手、電信切手や印紙も発行されていた、マルティプルや使用済は少ない。
2点目は1948年5月10日発行エルサレムのローカル切手、5月14日はイスラエル建国宣言、5月15日は第一次中東戦争開戦日、ヘブライ語の記述からもイスラエル側が用意した切手と思われる、前所有者の独自研究も入ったロットでエラーや定常変種、切手商の鑑定書も含まれていた。
他の最近の入手品では、状態良い蘭印の1番切手、アメリカのルーズベルト5セント普通切手に加刷したハワイ諸島発見150年記念切手フルシートなど、この切手はハワイと郵趣窓口でしか販売されなかった。
今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます。例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。