第19回 活動報告

特定非営利活動法人 郵趣振興協会(以下「当協会」と略す。)は、その活動について広く伝えるため、3ヶ月に一度レポートを発行し、電子メール等で賛助会員にお伝えすると共に、無料でご掲載いただける雑誌媒体に同一内容を提供しております。同レポートを公式ホームページでも発表させていただきます。ダウンロードしてご覧くださいますようお願い申し上げます。

活動報告対象期間:2021年9月7日~2021年12月9日

第19回活動報告 ダウンロードしてご覧ください。

 

外国切手研究会 第76回Zoom例会レポート

20211120日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第76Zoom例会』レポートです。参加者8人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)戦前朝鮮半島の第三種郵便使用例を紹介、田沢5厘切手貼付新聞帯封だが私的には初見との事、釜山日報は当時の朝鮮半島の3大日本語新聞のひとつ、消印は不鮮明だが裏面に報恩支局と発送人印が押されている物が有り、おそらく報恩郵便局と思われる、5部共1937年使用例だが新聞発行日と消印が違っており質疑応答より、日刊新聞だが必ずしも当日発送されていたのでは無かった、釜山の本社から報恩支局に輸送されてから発送された為にズレが有る、必要な号だけ受け人が取り寄せた現在のバックナンバーサービスの為、マテリアルの価値を高める為に発送日と関係無い新聞と帯封を組合わせた可能性などが推測されました。

2人目)第74回例会で4人目の方が発表された、1927年ラトビア発日本宛絵葉書に興味が有り、少し調べて分かった事を紹介、差出地のPRIMULASはこの地方の中心地GAVEL(エルガワ)から少し離れた場所でポーランド領時代も有りミタウという名称だった、シベリア半島経由で朝鮮半島に送られたと思われる、ラトビア時代のPRIMULAS2種類の消印が使われており、参考資料によれば日本の櫛型印のようなタイプと櫛の無いタイプが有った、開局は1920217日だが、郵便局としてはロシア時代の1913年開局で当時はクールランドという地方名だった、現在も入手可能な文献も2種類紹介。

3人目)沖縄・1953年発行の文化財シリーズ、高額切手のカナダ宛公式実逓FDCを紹介、このシリーズは低額面3種と高額面5種が分けて発行されている、当時の沖縄は本土の円とは貨幣価値の違うB円が使われてお、1ドル360円時代にB円は120円だった、この時代カナダ宛航空便がB円で30円の為かなりの超過料金だった事が分かる、沖縄切手に詳しい参加者からもこの100円切手の実逓FDCは始めて見たとの事、封筒の中には写真と簡単な手紙も入っており差出人と受人共に収集家と思われ、ドルとB円交換レートの件も書かれていました。

4人目)郵趣用語的な話題について、アメリカのドイツ切手収集家団体が発行している、ジャーマンポスタルスペシャリスト月刊誌10月号より新連載のGermanColonialPhilately、かってドイツが持っていた植民地の郵便についての記事について、日本でもForerunnerという用語は先駆けや先駆者という意味で、この場合植民地の切手が発行される以前にドイツ本国の切手が使用されたという事に使われるが、Misfeatureについては英語では適合するぴったりの訳が無いが、植民地の切手が発行された後にも関わらず、ドイツ本国の切手が使用する事が出来た同時平行使用に使われる用語と紹介されている、1993年発行JPS水原明窓氏著「朝鮮近代郵便史」の朝鮮加刷切手にMisfeatureの記述が有った事を思い出し繋がったとの事です。

英国スタンレー・ギボンズ社が所有している、世界最高額の1856年発行英領ギアナ1セント切手の話題、同社は今年のサザビーズオークションで約9億円で落札したが、現在Showpiece社を通して区分所有権を日本円で約113千円で8万口販売しているそうです、既に約5万口は販売済みとの事、購入者は自分のデジタル署名入の画像を利用する事が可能で、100口?購入された方にはレプリカを進呈、さらに500口?以上購入された方には、ロンドンのスタンレー・ギボンズ社に来店時にはプライベート・ビューの権利も有るとの事です。

5人目)スイス初期では国際展で出品入選している紹介者が、同国が第1次と第2次世界大戦時に発行し郵便物に付加的に貼られた国防・戦意高揚の切手に近いラベルについて紹介、第1次より第2次の方が種類やバリエーションが圧倒的に多い、スイスではこのラベルだけの分厚いカタログも発行されており、オンカバーなども同国のオークションではよく見かけるとの事。

スイス自体は国際機関も有る中立国で連合国側にも枢軸国側にも加担していないが、第2次大戦時にはドイツの傀儡政権が樹立されたフランスやドイツに併合されたオーストリア、ドイツ本国、イタリア本国と枢軸国側に囲まれた形で大半の国境を接しており、ドイツの圧力には屈せざるを得なかった、枢軸国側の領空侵犯領空は黙認し、対して連合国側の領空侵犯領空には撃墜をした為に連合国側から空襲を受けた都市も有った、このような背景から自国を守る意識が劇的に上がり、多くのラベルが段々と直接的な図案になり発行されたと思われる。

6人目)アメリカの大統領差出スタンプレスカバーについて、紹介のカバーはアイゼンハワー大統領差出だが、大統領就任者とその夫人は任期中は勿論、任期が終わった後でも基本的に郵便は無料となっている、但しこの制度を乱用されないよう後年は国会議員も含め、違反者には罰金制度も出来たとの事です。

質疑応答より、韓国・李承晩大統領差出の郵便物を紹介、大統領官邸景武台よりアメリカ宛だが、当時の適正料金71ファン切手が貼られており、現役大統領でも有料だったようです。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

南方占領地切手コレクターズクラブ 第17・18回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第17・18回ZOOM例会レポート

2021年10月27日 8:00PM~10:00PM /11月24日開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

 

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1)スマトラ 西海岸州 大日本郵便はみだし加刷

中部スマトラの西海岸州やリオ州などでは、切手やステーショナリーにいろいろな大きさの「大日本郵便」加刷がなされました。西海岸州では一時的にハガキが不足し蘭印軍軍事はがきに切手を貼り、その上にはみだし加刷がなされました。

リオ州では郵便物や為替証紙に切手を貼りつけた後に加刷を行うはみだし加刷が主流でしたが、西海岸州ではこのハガキしかそのような加刷はありません。

2)スマトラ タパヌリ 東海岸二重加刷

タパヌリでは日の丸加刷をしましたが、東海岸州で加刷された切手に更に日の丸加刷がなされているものがありました。本品は農耕透かしなし3c切手で、今まで報告が無かったものです。

3)スマトラ 東海岸州 二重加刷

スマトラの東海岸州では大日本枠付き加刷を行いましたが、この加刷は2色以上で同一切手上に加刷されています。本品には農耕透かしあり7.5c切手に紫色と赤紫色が二重に加刷されており、戦後の独立戦争中使われたものですが、面白いものです。

4)海軍地域 偽消し

南方切手に偽物加刷が多いですが、消印にも偽物がしばしばみられます。しかし漢字に疎い人が作ったのか、漢字圏の人が見るとすぐに偽物と判るものもあります。本品もそのような一品で、アンペナンの和文印ですが、C欄の帝国政府の漢字が崩れているので偽物と看破できます。

5)海軍地域 バンジェルマシン黒加刷

バンジェルマシン局で加刷されたとされている錨は様々な色で加刷が行われています。しかしポンチャナク局の錨に存在するような黒色加刷は従来存在しないとされてきました。しかしこの度、バンジェルマシン錨にも黒色加刷が存在しそうだという発表がありました。

6)フィリピン 軍事郵便絵葉書

南方占領地では軍事郵便用に様々な絵葉書が作成されました。本品は通信面に緑色でフィリピンの風景が印刷されていますが、何種類作成されたかは不明です。

7)スマトラ パレンバン南

スマトラでは当初、蘭印時代の英文消印が使用されましたが、1943年2月から和文消印が使用されるようになりました。和文消印はほとんどの局はカタカナでの表記でしたが、このたびパレンバン州パレンバン局で漢字が使われた消印が見つかりました。日本では今まで知られていませんでした。

8)フィリピン 乃木2銭使用

フィリピンでは日本切手の販売はなかったとされています。しかし、日本国内から切手を持ち込んでの使用がみられます。本品は食糧増産切手のFDCに乃木2銭も貼ったものです。

 

 

話題は主に以上でした。次回は12月29日20時から開催予定です。

【プレスリリース】 2022年度 郵博特別切手コレクション展の開催スケジュール決定

2022年度「郵博 特別切手コレクション展」につきまして、このたび開催スケジュールを共催者(郵政博物館およびNPO郵趣振興協会)において決定いたしました。

ここに以下の通りプレスリリースを作成しましたので、お知らせいたします。みなさま是非、今から参観のご予定にお加え下さい。なお、先行き見えない中ですので、今回の発表は第一弾であり、今後展覧会の追加の可能性がございますので、ご了解ください。

各展覧会の詳細につきましては、随時、このウェブサイトに掲載してまいりますので、どうぞご注目下さい。

2022年度-郵博展-スケジュール決定について(1枚)

第4回南方占領地のフィラテリー展:開催報告

先週土曜日から開始された『第4回南方占領地のフィラテリー展』は、11/20-21の二日間にわたり、郵政博物館における展示を行い、博物館展示を無事終了しました。引き続き12/23まで、クラウド展示を行っていますので、どうぞご覧ください。

南方占領地切手コレクターズクラブの皆さん

展覧会詳細

展覧会名:2021年度 第3回 郵博 特別切手コレクション展
企画展名:第4回南方占領地のフィラテリー展

開催場所:郵政博物館(東京スカイツリータウン ソラマチ9F)
主催団体:郵政博物館、(特非)郵趣振興協会
後  援:世界切手カタログ・スタンペディア株式会社

郵政博物館における展示期間
2021年11月20日(土) 13:00-16:30
2021年11月21日(日)10:30-16:30
*最終入館時刻は閉場30分前です

クラウド展示期間
2021年11月20日(土)〜12月23日(木)
http://www.stampedia.net/stamp/ex/3/第4回南方占領地のフィラテリー展/ja

パンフレット(PDF)

 

INTERNATIONAL STAMP EXHIBITION LONDON 2022 の開催期間短縮について

LONDON 2022 実行委員会は、11/10に、2022年2月19-26日に英国ロンドン市で開催する旨アナウンスされていた「INTERNATIONAL STAMP EXHIBITION LONDON 2022」について閉場日を1日前倒しして25日とすることを発表しました。

同展覧会はFIP展では珍しい会期を二分し前半と後半で展示作品を変更する展覧会ですが、これにより各部門の展示期間は下記のように変更となり、後半の開催期間が1日減ることになりました。

郵便史、ステーショナリー、オープン、絵葉書、印紙、ユース(一部)2/19-22
伝統、航空、テーマ、ユース(一部)、チャンピオン2/23-25

各展示期間において最終日の展示は正午までとされていますので、注意が必要です。それ以外にも来場に当たっては多くの制約がありますので、参観を考えている方はご注意ください。

 

第4回南方占領地のフィラテリー展のご案内

『郵博 特別切手コレクション展』は、フィラテリーの普及および啓発を目的として、テーマを厳選し、2017 年度より、郵政博物館で年数回開催している一般切手展です。

今回の展覧会は、郵政博物館における展示期間(2日間)に加えて、クラウド展示をサービスを開始し、地理的制約を越えてご参観いただける展覧会です。

郵政博物館で配布する目録(展示作品解説パンフレット)につきましては、PDF版も完成しておりますので、ダウンロードして参観のご参考にしてください。[ ダウンロード ]

展覧会詳細

展覧会名:2021年度 第3回 郵博 特別切手コレクション展
企画展名:第4回南方占領地のフィラテリー展

開催場所:郵政博物館(東京スカイツリータウン ソラマチ9F)
主催団体:郵政博物館、(特非)郵趣振興協会
後  援:世界切手カタログ・スタンペディア株式会社

郵政博物館における展示期間
2021年11月20日(土) 13:00-16:30
2021年11月21日(日)10:30-16:30
*最終入館時刻は閉場30分前です

クラウド展示期間
2021年11月20日(土)〜12月23日(木)
http://www.stampedia.net/stamp/ex/3/第4回南方占領地のフィラテリー展/ja
 

スタンペックスジャパン2022:出品受付を開始しました

9月9日に開催が発表されたスタンペックスジャパン2022ですが、今月一日より出品作品の受付が開始されましたので、ご案内いたします。

出品要項並びに出品申込用紙は、スタンペックスジャパン2022の公式ホームページにてダウンロードできますので、将来の国際展への参加を考えていらっしゃる方は是非、ご参加ください。

 

展覧会の概要

会期:2022年3月26日(土)~28日(月)
会場:郵政博物館(東京都墨田区・東京スカイツリータウン内)
規模:90フレーム
主催:(特非)郵趣振興協会 /(公財)通信文化協会(郵政博物館)
協賛:スタンペディアプロジェクト
後援:カルトールセキュリティプリンティング社、切手市場、(一社)全日本郵趣連合(50音順)
HP:http://kitte.com/stampex2022

外国切手研究会 第75回Zoom例会レポート

2021116日 2000PM – 20:30PM開催『外国切手研究会 第75Zoom例会』レポートです。参加者6人の発表で質疑応答が有りました。

今回はJAPEX2021特別Zoom例会の開催となり、マテリアルや研究調査の発表は無く、出品された方や会場に足を運ばれた方のお話や質問等を中心に進行しました。

緊急避難宣言も解除され、暫くの間中止や延期、大幅な制限等で郵趣に関わらずイベント関係が抑えらえていた事も有り、会場の浅草周辺も含めて人出はかなり多かったとの事、マテリアルその物を収集するという趣味においては、そういった事情も含めて普及し始めたZoom例会やインターネットでの公開を中心とした切手展などを考えても、リアルな切手展での鑑賞やブース巡りが少しずつ復活する事は嬉しいですね。

今回は以上です。例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

INTERNATIONAL STAMP EXHIBITION LONDON 2022 の出品作品が発表されました

LONDON 2022 実行委員会は、2022年2月19-26日に英国ロンドン市で開催する「INTERNATIONAL STAMP EXHIBITION LONDON 2022」にて展示する作品の一覧を発表しました。(こちら

同一覧より日本からの出品を選択してご紹介いたします。
なお、同展覧会実行委員会のアイディアで、一覧表には、出品者が提出したタイトルページを紹介するリンクがついています。これは作品の選定並びに事前審査に活用されたものですが、同一内容を一般参加者並びに参観できないフィラテリストにも提供するものです。

Class Exhibit Title  F Name Link
伝統郵趣 France 1849-1862 8 Nobuto Ariyoshi Link
伝統郵趣 Private Printing Period in Victoria 1850-1859 8 Masayasu Nagai Link
伝統郵趣 Austria and Lombardy-Venetia the 1850 issues 8 Tamaki Saito Link
伝統郵趣 Japan Definitives 1913-1937 8 Yuji Yamada Link
伝統郵趣 Japan Definitives 1952-1959 5 Takashi Yoshida Link
郵便史 German Inflation 1922-1923 8 Fumihisa Ito Link
郵便史 Indian Campaigns 8 Akihiko Koiwa Link
ステーショナリー Aerogrammes of Ethiopia 1951-1974 5 Kazuyuki Inoue Link
テーマティク The Telephone Story – Sending Longer-distance Voice Messages 8 Akinori Katsui Link
テーマティク A History of Hong Kong 8 Yosuke Naito Non
ワンフレ Advertised Postmarks in Japan 1 Tomoyuki Iwasaki Link
ワンフレ “Entry of the Crusaders in Constantinople” by Eugene Delacroix. The client’s purpose and the painter’s expression 1 Masaru Kawabe Link