2021年7月17日 20:00PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第65回Zoom例会』レポートです。参加者10人中7人の発表で質疑応答が有りました。
1人目)前回紹介の続きで、ラトビア1927-33年シリーズの普通切手と同時期の記念特殊切手で、目打バラエティが存在するものを幾つか紹介。
1928年11月18日発行の6種は、6 SANTIMIと15 SANTIMUが2種類の目打が報告されている、1934年12月12-13日発行分は、基本目打はP10だが、40 SANTIMU以外にコンパウンドを含むバラエテーの存在が報告されている、1937年9月14日発行分は、額面に対して目打が決まっている、これらのラトビア切手は、比較的安価なマテリアルにバラエテイが多く存在し、収集が楽しめるとの事。
2人目)ハワイ王国のスタンプレスカバーについて、切手のファーストイッシューは1851年のミッショナリーだが、切手発行後に使われた2通を紹介。
1通目、ホノルル局1859年1月12日、サンフランシスコ局1858年3月5日、ロードアイランド州ブリストル宛、実は両局共日付が間違っている珍しいカバー、正しくはホノルル局1859年2月12日、サンフランシスコ局1859年3月5日、これらは当時船で運ばれておりそれらを調べた所、該当の船が無く日付が間違いと判明した、郵便料金10セント+キャプテンフィー2セント=12セント。
2通目、ホノルル局1860年3月17日、サンフランシスコ局1860年3月29日、”SHIP 6”の印はクラムシェルと呼ばれるサンフランシスコ宛にのみ使われたタイプで、コレクト料金6セントを表す物、このカバーも運ばれた船は判明している。
3人目)前回の続きで、APS(American Philatelic Society)のHPから無料でダウンロード出来る図入りアルバムページより、ミソニアン博物館編集のEveryCountryのページをダウンロードして利用してみた感想について。https://stamps.org/stamp-albums
世界エリア地域ごとの区分だが、最後の南極大陸や切手発行体行政区分(抜粋)などのページも興味深く、JPS発行の世界切手地図と照らし合わせて分類するのも面白そうです、実際に貼り込む切手は自分の好みで選択して、オリジナルな世界切手アルバムを作って行く過程を楽しめそうです。
4人目)メキシコ・ファーストイッシューより初期のシリーズを紹介、ファーストシリーズは1856年発行で無目打白紙、セカンドシリーズは1861年発行の無目打着色紙だが、これら切手の特徴は印面の左右何方かに発売された州名が加刷されている事、全体でどれだけの種類が有るか分からないそうです、セカンドシリーズの面白い使用例として、額面8レアルが半裁の4レアルバイセクト使用例、3/4にした6レアル使用例、1/4にした2レアル使用例、1/8にした1レアル使用例が有るとの事、後に発行されたシリーズでは、地名に変わり郵便局の番号や年号が加刷されたものとなる。
紹介者はメキシコ切手はセミクラッシックの方が好みとの事で、1934年発行航空切手も紹介、この中の20センタボス切手は発行枚数が僅か800枚で、非常に希少。
5人目)郵便史として数年前に作成した習作作品を紹介、ケダー州1942-1945年郵便史のワンフレーム作品ですが、今後も様々な理由で作り変える予定が無いとの事で、タイトルリーフと最終ページのみ紹介させて頂きます。
6人目)切手が題材の希少な漫画「キッテデカ」の紹介、作画担当はミスター味っ子で著名な漫画家、寺沢大介氏、2010年代連載で単行本全2巻、以下リンクでサンプルを読む事が可能です。https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/102994/
一般の漫画やアニメにも切手がゲスト的な話題として取上げられた事は有るが、この漫画は全話切手を題材とした漫画、ストーリーや題材の好みは別にして、収集家の視点でも切手の扱いは破綻しておらず、非収集家には理解されなかったり誤解されがちな切手について、漫画という題材で表現しており希少、残念ながら2巻で終わったのは、やはり読者の人気を得る事は難しかったと思われる、現在では上記のリンク以外でもAmazon等で電子書籍化されており、購読が可能です。
7人目)第2次世界大戦末期に押された、興味深いドイツのメータースタンプを紹介、ライプヒチで使われた物で戦勝記念記念碑が描かれている、1通目は1944年3月1日、2通目が1944年5月31日だが記念碑右横のスローガンが無いタイプ。
このスローガンはゲーテの言葉で「ドイツを知らんと欲すれば、ライプヒチを訪れるべし」との事です、ライプヒチは第2次世界大戦末期に連合軍空襲で徹底的に破壊され、この言葉も使えなくなった為にスローガン部分を取ったと思われ、このような時期でも真面目な国民性を感じます。
今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます。例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。