アジア展 PHILANIPPON 2021 の結果について

2021/8/25-30に開催されたアジア展PHILANIPPON2021は昨日会期を終了しましたが、実行委員会のホームページでは入賞結果一覧はまだ掲載されておりません。パルマレスで配布されたAward listは入手済みですが、以下の通り、実行委員会では結果の発表を準備中とのことですので、その準備の完了をお待ちください。

 

南方占領地切手コレクターズクラブ 第15回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第15回ZOOM例会レポート

2021年8月25日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

参加者は10名でした。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

 

1)ビルマ 無加刷封皮

ビルマ封皮の無加刷使用に見えるものです。裏の消印は占領中の日付です。しかしエンボス部の消印が途切れていることから貼付切手脱落カバーであると思われます

 

2)マライ 大東亜戦争一周年記念特印

マライの特印はかなりの数がありますが、大東亜戦争一周年記念のバンギ、スンゲイブロは過去に報告が無いと思われるものです。

 

3)マライ タイのセント切手 印紙使用

マライは英領であった影響もあり、印紙と切手の使用が厳密には分けられていませんでした。これはマライの北部4州がタイに割譲された後も同様であったようで、タイのセント切手の印紙使用がしばしば見られます。

 

4)ジャワ Bandoeng ▲

ジャワのBandoeng局にはC欄の十字が▲のものが存在します。戦前から使用されていたものの、不定期に使用していたようでその使用例は多くはありません。

 

5)マライ ラッパー

マライの漢字加刷切手2c分を貼った新聞ラッパーです。中身の印刷物が無いことは残念ですが、ラッパーだけでも貴重品です。

 

6)海軍地域 電信為替 バラエティ

セレベスの電信為替加刷切手のバラエティです。順に電信為替の逆加刷、料額2重加刷、料額朱色加刷です。セレベスの電信為替加刷は更に錨の形で分類が可能です。

 

7)海軍地域 セレベス錨バラエティ

セレベス錨は黒、青、紫、赤加刷があります。それぞれに二重加刷等が存在しますが、本品は左から順に紫二重加刷、黒と青の二重加刷、黒と紫の二重加刷です。

 

8)ビルマ 孔雀封皮?

ビルマの孔雀封皮の使用済みです。しかしビルマ孔雀加刷は占領初期にしか使用例が無く、本品が本当に使用されたものであるかどうかは不明です。

話題は主に以上でした。

次回は9月22日の午後8時からです

第4回南方占領地のフィラテリー展 開催日程 決定のご案内

『郵博 特別切手コレクション展』は、フィラテリーの普及および啓発を目的として、テーマを厳選し、2017 年度より、郵政博物館で年数回開催している一般切手展です。

この内、展示団体の責任者より、開催日程延期の相談があり、日程未定で延期となりました「第4回南方占領地のフィラテリー展」について、延期日程が決定しましたので、ご案内差し上げます。

 

展覧会詳細

展覧会名:2021年度 第3回 郵博 特別切手コレクション展
企画展名:第4回南方占領地のフィラテリー展

主催団体:郵政博物館、(特非)郵趣振興協会
展示団体:南方占領地切手コレクターズクラブ
後  援:無料世界切手カタログ・スタンペディア株式会社

博物館における展示
・開催場所:郵政博物館(東京スカイツリータウン ソラマチ9F)
・開催期間:2021/11/20(土) 12:00-16:30、 2021/11/21(日) 10:30-16:30
*最終入館時刻は閉場時刻30分前までです

クラウド展示(インターネット)
・開催期間:2021/11/20(土)〜2021/12/23(木)

外国切手研究会 第68回Zoom例会レポート

202187日 2000PM – 21:35PM開催『外国切手研究会 第68Zoom例会』レポートです。参加者10人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回の続きで喜望峰の三角切手、スタンレーギボンズカタログ#7と#8切手の紹介。

1リーフ目、1858年発行6ペンス、紙とシェードの分類が有り、ギボンズでもサブナンバーが振られている、カバーは1859年ケープタウン発、英本国チェルムスフォード宛。

2リーフ目、同じく6ペンスのシェードバラェテイ、1リーフ目より比較的濃い刷色の物。

3リーフ目、1858年発行1シリング、用紙は白紙のみだがシェードバラェテイは淡い濃いが有る、これら三角切手はマージンの状態が良い物が難しい。

4リーフ目、1シリング貼カバー、1863年ポートエリザベス発、スコットランド・ブローティフェリー宛、2倍重量便と思われる。

海外ネットオークション情報でハガキを2点紹介、スイス不足切手が貼られたアメリカよりチューリッヒ宛の絵葉書と日本2銭連合ハガキで朝鮮差出しハワイ宛、消印が不鮮明だが二重丸MEIJI印で明治27年仁川局と思われる。

2人目)旧中国で使われたAIRMAIL SERVICE IN CHINA ONLY押印の紹介、一定の期間に外国宛郵便物で国内のみ航空路線を使用する場合に押印された、比較的目立つ為一部で最近珍重されているが、使用期間も約2年程有り本来はそのような物ではないとの事、この印が使われた背景として、当時の四川・成都には鉄道が開通しておらず、上海迄は道路を使う必要が有ったが、当時は上海に近づくにつれ日本軍の存在や、その周りには共産軍もいた、そのリスクを回避する為に割増料金を払い利用されたサービスで、戦争の産物とも言える。

3通のカバーは何も成都から上海経由の海外宛カバー、外国宛封書料金25分+国内航空料金25分=50分貼は同じだが、貼られている切手の最後期使用例や使用禁止後の使用例など。

3人目)スタンプショウ=ヒロシマ2021に出品予定作品「英連邦占領軍B.C.O.F.加刷切手」の紹介、B.C.O.F.とはBritish Commonwealth Overseas Force (英連邦海外派遣軍)の頭文字、以前はJPSさくら日本切手カタログにも掲載されており、日本切手の収集家にも一定の知名度が有った。

広島県を主に占領した英連邦軍が1946-47年に発行、主に占領軍将兵が母国との通信に使ったが、僅かに日本国内で使われた例も有る、1949328日をもってこれらの占領軍切手も廃止された、製作途中との事で一部のみ紹介させて頂きます。

4人目)先日購入したスタンプレスカバーの書籍「The Story of the Austrian Post up to 1850」を紹介、オーストリア関係の資料だが、イギリスのオーストリア切手収集家グループから出版されたもので300ページ以上、英語の記述はやはりありがたいです。

http://www.austrianphilately.com/index.htm

http://www.austrianphilately.com/worbuk/index.htm

カバーを読み解いた詳しい記述が書かれており、料金や扱い、発着や中継、スタンプの事など多彩で、国境を跨ぐ国際便など、これらを参考にする事で多くの知識や他のカバーを読み解く参考になると思われます、スタンプレスカバーの解読には必須な数字の記述も掲載されており、以前他の方から提示して頂いたフランスの資料と共に掲載させて頂きます、特に4の数字の書き方は現代と大きく異なっているのが分かります。

5人目)同じくオーストリアより、紹介者が12を争う好きな切手との事、1933年発行「ウイーン国際切手展WIPA1933」を紹介、世界的にも有名で凹版印刷の素晴らしい切手。

この切手には白紙の通常シート、毛紙の通常シート、毛紙の4枚田型小型シートが有り、発行枚数もそれぞれ順番に少なく、音楽切手収集家も購入対象だった為かっては高音の花だった記憶が有り、この3点が揃っているのは羨ましいです、小型シートには本来タトーが有るそうで、それが付いているのは今でもかなり高価との事。

6人目)スタンプショウ=ヒロシマ2021の告知について、911日(土)・12日(日)県立広島産業館館で開催される、西日本最大の切手展です、1983年(昭和58年)より開催され、今回で37回目を迎えます。

展示作品も60から70フレームを予定しています、全国区の作品も集められおり、そのジャンルも多彩となってます、切手店ブースも5社を予定してます。

11日(土)初日夜には、郵趣振興協会代表理事・吉田敬氏を迎え「全世界ゼネラル収集と国際切手展の作品づくり」の特別講演会を予定しており、参加費は無料ですが要事前申込です、同氏は広島に縁の深い「英連邦占領軍B.C.O.F.加刷切手」の作品も出品予定です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第67回Zoom例会レポート

2021731日 2000PM – 21:35PM開催『外国切手研究会 第67Zoom例会』レポートです。参加者10人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)アメリカより戦前の朝鮮半島宛の絵葉書便を紹介、ワシントン州シアトル発、日付は少し不鮮明だが裏面の文面より1906103日と判断、到着後アメリカに転送されており、YOKOHAMAの印は中継印か転送時か調べたいとの事、質疑応答等より左下の到着印は不鮮明だがおそらく114日、YOKOHAMAの印は118日と思われ、押されている場所も抹消した住所の上で、転送時に押されたと判断出来る。

余談だが、受取人のハリー・ライス・ボストウィック(Harry Rice Bostwick)とヘンリー・コールブラン (Henry Collbran)は1898年に朝鮮半島で初めて電力事業始めたアメリカ人、歴史的にも面白いマテリアル。

2人目)国内オークションで入手したドイツのカバーを2通紹介、1通目は前回紹介の使用期間が半年しかなかったプロイセンの最終シリーズ、9クロイッツアーペア貼り、186775日シュバルッエンバッハ発、710日オーストリア・ウイーン到着、ドイツ・オーストリア郵便連合での外信便、PHILANIPPON 2021に出品予定の作品にも取り入れる予定との事。

2通目、ハノーファー無目打3枚貼り、ブレーメン経由、アメリカ・ペンシルバニア宛外信便で比較的少ない宛先のマテリアル。

3人目)旧中国・広西「國幣」加刷切手の紹介、1948929日発行、この時期は國幣通貨が粗々終わって金圓に変わる時期だった事、封書料金を想定したと思われる額面は既に三倍に値上され用途が限定されていた為、使用済やカバーが非常に少ない。

台切手の印面寸法が2種類に分類出来るが、この切手の面白い所は加刷の額面表記数字「0」のバラエテイ、その組合せが8通り有り、加刷原版は10×10100面を2回印刷して1枚のシートに加刷した、少し大きなブロックならプレーテイングが可能との事。

4人目)世界初の三角切手で人気と有名な初期の喜望峰について、収集初期の数十年前に入手整理した状態との事、1番より4番切手迄を紹介。

1リーフ目、1ペニープルーフ、185391日発行、1ペニーと4ペンス使用済、濃青味紙、シェードもいくつかに分類出来る。

2リーフ目、4ペンス濃青味紙カバー、1858CAPE TOWN発。

3リーフ目、1ペニーペア濃青紙と白紙、シェードバラェテイ、4ペンス濃青紙、ペアとシェードバラェテイ。

4リーフ目、1855年発行1ペニー白紙、4枚ブロックとシェードバラェテイ。

5リーフ目、1855年発行4ペンス白紙、ペア、4枚ブロックとシェードバラェテイ。

6リーフ目、4ペンス白紙カバー、質疑応答より宛先はHeidelbergではとの事。

5人目)チェコスロバキアのミュシャ・デザインの切手と同図案の10h官製ハガキに5h切手を貼足した使用例、この切手は本来不足料切手として製造されたがその用途では使用されず、FRANCOと加刷して通常切手として使用された物、使用期間は非常に短く1919515日から31日の約半月しかなかった、質疑応答より宛先はSeestadtlではとの事。

チェコスロバキアは1918年に暫定政府が成立、正式に共和国として成立するのは1920年、この使用例は混乱期に当たる為、郵趣的には面白い時期との事。

6人目)オランダ領東インド、1902年発行、数字図案シリーズに加刷されて発行された切手の紹介、1/2セント加刷は1の数字のバラエテイや加刷ズレ、2 1/2セント加刷は濃淡や上下左右の加刷ズレが有る、1/2セントの台切手シートマージンには、円形と3箇所に小さな四角形の目印が印刷されている。

カバーは2通紹介、1903523日メダン発ドイツ宛書留便、1/2セントの2重加刷切手が貼られたジョグジャカルタ発バタビア宛書留便。

7人目)南方占領地、マレーシア・サラワクの官製ハガキに加刷使用されたマテリアルの紹介、バラエテイとして、大日本帝国政府の加刷文字が印面部分以外のPOST CARDの文字部分に有り無し、加刷文字色が紫色、青色、黒色が有る。

このハガキの実逓使用例は非常に少なく全部のバラェテイを合わせて現存約20通程、このマテリアルは日本宛の上、同姓間に送られた非フィラテリック使用例と思われる貴重な1品。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第66回Zoom例会レポート

2021724日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第66Zoom例会』レポートです。参加者9人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)ハワイ王国よりアメリカ本土宛カバーで、アメリカ宛基本料金5セントは現金で支払われアメリカ切手のみ貼られたカバーを2通紹介、本来ならハワイ切手を貼付するのが通常だが、当時5セント切手が不足していた為このような使用例が存在する。

1通目、18601126日ホノルル発、マサセッチュー州ウエストフィールド宛、1221日サンフランシスコ中継、キャプテンフィー2セント+西海岸より東海岸迄の料金(3000マイル超)10セントがアメリカ切手で支払われいる、当時は既に12セント切手が発行されていた為、この1セント切手が貼られたカバーは少ない。

2通目、1861617日ホノルル発、マサセッチュー州ウエストボロ宛、このカバーは通常のサンフランシスコ経由では無く、幾つか有る逓送ルートのひとつ、メキシコ・アカプルコを経由して東海岸に運ばれた物、料金10セントがアメリカ切手で支払われいる 。

2人目)オリンピックマテリアルのカバーを紹介、1992年オリンピック公式スポンサーの表示入りEMSラベルを使っているが、実際は航空ラベルが貼られて印刷物扱い料金分の切手が貼付されている、当時のフィラテリックなカバーだが、EMSのバーコード部分も消印で抹消されており、切手部分と合わせて五輪の円形となっている所も面白い。

3人目)前回紹介したメキシコ・1934年発行航空切手の印刷製造が分からなかった為、改めて拡大画像を紹介、印面下部にOFICINA IMPRESORA DE HACIENDA-MEXICOと入っており、美しい凹版印刷を自国で製造していたと分かった。

坂東収容所の切手2種を紹介、1918年ドイツ人捕虜が印刷製造、収容所内のロールプレイング的に使われたと考えられる、ドイツでもドイツ切手の一部として認識されているとの事、値段の割に比較的出回っているのは、この切手がJPS図入りアルバム1巻に掲載されており、それらが現在市場に放出されているのではと思われる。

4人目)インドネシア独立戦争時期、スマトラで発行されたスカルノ大統領図案の切手の紹介、194661日発行、40sen書状基本料金、用紙は薄い白紙と薄い粗紙の2種類、カラーバラエテイや印刷ムラも存在。

後にはインフレによる郵便料金値上の為、50sen1f1.50f2.50f3.50f5fの額面加刷切手が発行された、加刷のバラエティも多く存在する、この時期スマトラの実逓便カバーは非常に難しく、ジャワに比べて入手は困難、MEDAN宛のフィラテリックカバーは受人がスタンプエージェンシーの物など、当時は数件の切手商が有ったとの事。

オークションカタログのシート画像より、2.50fの額面加刷切手のファースト印刷には、ポジション7F.の文字がRp.となっているバラエテイが確認出来る、セカンド印刷では修正されている。

5人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品より、ドイツ・プロイセンのコレクションから最終シリーズのクロイッツアーシリーズを紹介、その為制作途中リーフの一部のみ紹介、このシリーズは北ドイツ郵便連合が発足する直前に発行され使用期間が僅か半年しかなかった為、使用済が少なくカバーは非常に難しい、PHILANIPPON 2021での発表が楽しみです。

6人目)日本で入手可能なヒンジの使用テストを紹介、未使用切手はマウントを使う事が現在では標準ですが、安価な使用済切手などはやはりヒンジが便利、品質の良い米国Dennison残念ながら既に製造されておらず、StanleyGibbonsDennisenLighthousePRINZ4種類で未使用切手、使用済切手での使用感を発表、個人的な見解の為結果は差控えさせて頂きます、質疑応答より昔の米国Dennisonオークションで購入して使われている方が数人おられました。

7人目)最近入手した、1912年より発行されたベルギー・キングアルバート1世のロットを紹介、一部バラエティの図版も付いており分類もされている、今後は欠けてマテリアルやカバー等も入手して、コレクションの厚みをつけて行きたいとの事、質疑応答より、このシリーズは銘版有り無しやガッターペアの存在など分類が豊富なシリーズで、日本ではベルギー切手の入手は難しいと思われるが、国内ネットオークションでも時々出品されているとの情報です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

スタンプショウ=ヒロシマ2021の後援について

当協会は、公益財団法人 日本郵趣協会 中国・四国地方本部 が主催する「スタンプショウ=ヒロシマ2021」(2021/9/11−12)の後援依頼を受諾しましたので、会員の皆様にご案内差し上げます。

同展覧会には役員を派遣し、初日夜に特別講演を行います。

 

南方占領地切手コレクターズクラブ第14回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第14回ZOOM例会レポート

2021年7月28日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

参加者は7名でした。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

 

1)北ボルネオ サラワクハガキ実逓

北ボルネオの実逓便はどれも数が少なく貴重です。本品はクチンから日本の小豆島に宛てられたサラワクハガキです。珍しい宛先でとても良い逸品です。

 

2)ビルマ バッテン二重加刷ハガキ

ビルマのハガキにはタイプの異なるバッテンが二重に加刷されているものがあります。いままでは返信部のみしか見つかっていませんでしたが、今回往復完全品が見つかりました。

 

3)海軍地域 セレベス電信加刷

セレベス錨切手はその加刷から16種に分類できます。このブロックはそのうち少なくとも2種類の錨加刷がなされています。電信為替加刷自体、バラエティが多いので奥の深い切手です。

 

4)海軍地域 日本宛て実逓

南ボルネオBandjermasinから日本宛ての実逓便です。海軍地域では防諜上の理由から日付の無いタイプの消印が用いられていますが、本品のような一行印も存在します。

 

5)自由インド 偽物

自由インド切手はそれなりに残存数のある切手ですが、それでも偽物が存在します。本品は糊と印面が異なる偽物です。他にも別種の偽物があります。

6)フィリピン 戦後使用

フィリピン戦で日本軍が実質的に敗退した1945年2月以降、進駐した米兵たちが、残されていた占領切手を敢えて記念品として郵便物に貼って差し出した使用例が残されています。基本的に占領切手は記念ラベルとして料金とは関係なく貼られているものが殆どで、日本の降伏文書調印を記念した1945年9月2日付のいわゆるTOKYO BAYカバーにも占領切手が貼られているものがあります。
その中で、2つ目のカバーは1945年5月Marinduque島差出のニューヨーク宛カバーですが、これは占領切手が郵便料金の支払いに使用された例と考えられます。おそらくMarinduque島は離島であり、切手(VICTORY加刷切手)の配給が遅れたので、残されていた占領切手を使用したのでしょう。(占領フィリピンの権威、故Garret氏の旧蔵品です。)

 

7)ジャワ 戦前実逓便

日本軍がバリ島に上陸する寸前の使用例です。ジャワ島Kalisatからバリ島に宛てた書留カバーです。日本軍がバリ島に上陸するのが2月19日、このカバーは2月14日引き受けです。裏に着印があることから無事に宛先にも届いたようです。

また、農耕3c切手貼りのカバーはジャワのSoerabajaからアメリカ宛の印刷物ですが、日付が大東亜戦争の開戦日です。このカバーは無事に届いたのでしょうか?

 

8)ビルマ 青色30c農耕…?

第7回で紹介した青色30c農耕切手とおぼしきものが出品されていました。

しかし、いざ手元に届いてみると光の加減で青色に見えるだけで、実物は濃い緑色であったようです。同様のものはいずれどこからか出てくるでしょうか??

 

9)ビルマ アンナ加刷 片方加刷漏れ

ビルマのアンナ加刷片方加刷漏れです。しかし、残念ながら字体が異なる偽物のようでした。

昭和切手へのビルマ加刷は偽物が非常に多く、最難関といっても過言ではありません。

 

10)スマトラ 楕円消印

スマトラでは一部の局で楕円形の消印を使っていました。本品はタパヌリ州のナタル局のものであり、使用切手も中々少ないものです。

 

11)フィリピン セブゲリラ切手シート

占領フィリピンで抗日ゲリラ軍が発行したとされるゲリラ切手は、1942年末頃から1943年前半にかけセブ島南部で発行されたと言われるセブゲリラ切手と、1943年11月から1945年8月にかけミンダナオ島北部で発行されたと言われるミンダナオゲリラ切手の二つがあります。セブゲリラ切手には2センタボ、4センタボ、16センタボ、20センタボの4額面があるのですが、2センタボと4センタボのシート(2x5の10枚シート)が6月の米国オークションに登場しました。結果、どうやら日本にやってきたようです。

次回は8月25日20時からです。

 

以下は話題に上がったマテリアルの画像です。

 

 

外国切手研究会 第65回Zoom例会レポート

2021717日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第65Zoom例会』レポートです。参加者10人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回紹介の続きで、ラトビア1927-33年シリーズの普通切手と同時期の記念特殊切手で、目打バラエティが存在するものを幾つか紹介。

19281118日発行の6種は、6 SANTIMI15 SANTIMU2種類の目打が報告されている、19341212-13日発行分は、基本目打はP10だが、40 SANTIMU以外にコンパウンドを含むバラエテーの存在が報告されている、1937914日発行分は、額面に対して目打が決まっている、これらのラトビア切手は、比較的安価なマテリアルにバラエテイが多く存在し、収集が楽しめるとの事。

2人目)ハワイ王国のスタンプレスカバーについて、切手のファーストイッシューは1851年のミッショナリーだが、切手発行後に使われた2通を紹介。

1通目、ホノルル局1859112日、サンフランシスコ局185835日、ロードアイランド州ブリストル宛、実は両局共日付が間違っている珍しいカバー、正しくはホノルル局1859212日、サンフランシスコ局185935、これらは当時船で運ばれておりそれらを調べた所、該当の船が無く日付が間違いと判明した、郵便料金10セント+キャプテンフィー2セント=12セント。

2通目、ホノルル局1860317日、サンフランシスコ局1860329日、”SHIP 6”の印はクラムシェルと呼ばれるサンフランシスコ宛にのみ使われたタイプで、コレクト料金6セントを表す物、このカバーも運ばれた船は判明している。

3人目)前回の続きで、APSAmerican Philatelic Society)のHPから無料でダウンロード出来る図入りアルバムページより、ミソニアン博物館編集のEveryCountryのページをダウンロードして利用してみた感想について。https://stamps.org/stamp-albums

世界エリア地域ごとの区分だが、最後の南極大陸や切手発行体行政区分(抜粋)などのページも興味深く、JPS発行の世界切手地図と照らし合わせて分類するのも面白そうです、実際に貼り込む切手は自分の好みで選択して、オリジナルな世界切手アルバムを作って行く過程を楽しめそうです。

4人目)メキシコ・ファーストイッシューより初期のシリーズを紹介、ファーストシリーズは1856年発行で無目打白紙、セカンドシリーズは1861年発行の無目打着色紙だが、これら切手の特徴は印面の左右何方かに発売された州名が加刷されている事、全体でどれだけの種類が有るか分からないそうです、セカンドシリーズの面白い使用例として、額面8レアルが半裁の4レアルバイセクト使用例、3/4にした6レアル使用例、1/4にした2レアル使用例、1/8にした1レアル使用例が有るとの事、後に発行されたシリーズでは、地名に変わり郵便局の番号や年号が加刷されたものとなる。

紹介者はメキシコ切手はセミクラッシックの方が好みとの事で、1934年発行航空切手も紹介、この中の20センタボス切手は発行枚数が僅か800枚で、非常に希少。

5人目)郵便史として数年前に作成した習作作品を紹介、ケダー州1942-1945年郵便史のワンフレーム作品ですが、今後も様々な理由で作り変える予定が無いとの事で、タイトルリーフと最終ページのみ紹介させて頂きます。

6人目)切手が題材の希少な漫画「キッテデカ」の紹介、作画担当はミスター味っ子で著名な漫画家、寺沢大介氏、2010年代連載で単行本全2巻、以下リンクでサンプルを読む事が可能です。https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/102994/

一般の漫画やアニメにも切手がゲスト的な話題として取上げられた事は有るが、この漫画は全話切手を題材とした漫画、ストーリーや題材の好みは別にして、収集家の視点でも切手の扱いは破綻しておらず、非収集家には理解されなかったり誤解されがちな切手について、漫画という題材で表現しており希少、残念ながら2巻で終わったのは、やはり読者の人気を得る事は難しかったと思われる、現在では上記のリンク以外でもAmazon等で電子書籍化されており、購読が可能です。

7人目)第2次世界大戦末期に押された、興味深いドイツのメータースタンプを紹介、ライプヒチで使われた物で戦勝記念記念碑が描かれている、1通目は194431日、2通目が1944531日だが記念碑右横のスローガンが無いタイプ。

このスローガンはゲーテの言葉で「ドイツを知らんと欲すれば、ライプヒチを訪れるべし」との事です、ライプヒチは第2次世界大戦末期に連合軍空襲で徹底的に破壊され、この言葉も使えなくなった為にスローガン部分を取ったと思われ、このような時期でも真面目な国民性を感じます。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。