第17回 活動報告

特定非営利活動法人 郵趣振興協会(以下「当協会」と略す。)は、その活動について広く伝えるため、3ヶ月に一度レポートを発行し、電子メール等で賛助会員にお伝えすると共に、無料でご掲載いただける雑誌媒体に同一内容を提供しております。同レポートを公式ホームページでも発表させていただきます。ダウンロードしてご覧くださいますようお願い申し上げます。

活動報告対象期間:2021年3月7日~2021年6月7日

第17回活動報告 ダウンロードしてご覧ください。

*本報告は、2021/6/8に賛助会員に送付済みですが、HP掲載が漏れておりましたので、2021/12/10に改めて掲載いたしました。

 

WEBセミナー「競争切手展に向けた作品の改善方法(3回シリーズ)」完結のご案内

我が国で開催される競争切手展の中で、FIPの審査基準に最も準拠する度合いが高く、審査結果が世界的に通用する競争切手展である「スタンペックスジャパン2021」の開催を記念し、当協会では、掲題のWEBセミナーを4月から6月にかけて開催いたしましたが、その最終回が昨日終了しましたので、報告します。

開催日程  :4月4日(日) 5月4日(火・祝) 6月6日(日)
のべ視聴者数:240名
なお、講演内容・講師につきましては、以下のパンフレットをご覧ください。


郵趣振興協会は、本年度の活動計画として、WEBセミナーの開催に力を入れております。次回のWEBセミナーの開催に向けて、今回の講演を試聴された皆様にはアンケートを電子メールでお願いしております。ご協力いただければ幸いです。

故郷の郵便の歴史展 閉幕のご案内

『郵博 特別切手コレクション展』は、フィラテリーの普及および啓発を目的として、テーマを厳選し、2017 年度より、郵政博物館で年数回開催している一般切手展です。

2021 年度第1回 郵博 特別切手コレクション展「故郷の郵便の歴史展」は、予定されていた会期を終了しました。6月5日ー6日(土日)の郵政博物館での展示には176名の方にご来場いただきました。ありがとうございました。

展覧会詳細

展覧会名:2021年度 第1回 郵博 特別切手コレクション展
企画展名:故郷の郵便の歴史展

開催場所:郵政博物館(東京スカイツリータウン ソラマチ9F)
主催団体:郵政博物館、(特非)郵趣振興協会
後  援:無料世界切手カタログ・スタンペディア株式会社

郵政博物館における展示期間:2021/6/5、2021/6/6 10:30-16:30
*最終入館時刻は閉場30分前です

クラウド展示期間:2021/5/8 – 2021/6/6

展覧会目録のダウンロード

 

外国切手研究会 第58回Zoom例会レポート

2021529日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第58Zoom例会』レポートです。参加者10人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回話題に上がり、eBayに出品されていたインドネシア独立戦争時期1949年発行・椰子軍事切手に関する報告や調査について、最終的には日本円で約39万円で落札されました。

今回落札された切手は画像の特徴より、版欠点が記述された専門書の「R10」に相当のようです、外国のオークションカタログの表紙にも使用済が掲載された事が有り、以前の国際切手展で出品されていたコレクションの記述などから、シートは2×8のブロックで構成、現存数は100枚以下、使用された消印は9局、オークションカタログ表紙とコレクション中の使用済はSRAGEN局消。

アジア新興国などでは、独立戦争時期の切手やカバーは以前に比べ値上がり状況で、インドネシアは初期のアーカイブなども比較的残っており、複数のコレクターがアジア国際展に出品されているとの事でした。

2人目)最近入手した戦前の朝鮮よりアメリカ宛カバーについて、京城発マサセッチュー宛2倍重量便、KEIJOCHOSEN HOTELの封筒が使われており、裏面にはKEIJO OFFICE S.M.R.と印刷されている、S.M.R.とは南満州鉄道(The South Manchuria Railway Co., Ltd.)の略。

1917年より1927年位迄、朝鮮の鉄道は総督府ではなく南満州鉄道が委託運営していた時期であり、このCHOSEN HOTELは戦前の朝鮮半島では唯一の高級ホテルで、海外からのビジネスマンにも利用されていた、裏面の差出人も香港上海銀行の横浜支店社員と思われ、理にかなった使用例です。

質疑応答より同様のカバーを提示して頂き、CHOSEN HOTELの封筒は少なくとも2種類は有る事が分かりました。

3人目)APSAmerican Philatelic Society)で、夏に開催される幾つかの有料セミナーに全部申し込んだ所、届いたプレゼントのお話について、アメリカ本国や外国切手のパケット、カバーなどが届いた、特にアメリカ切手等は収集していなかったが折角なので整理の為、図入アルバムを購入したとの事で貼込み前なら3巻で最近迄の切手が掲載されているとの事、少年時代のワクワク感を思い出させる楽しい話題です。

American Philatelic Society

https://www.mysticstamp.com/Products/Supplies/M8104/USA

このミステックスタンプ社で扱っているアメリカ切手図入アルバムは、全3巻で1600ページ以上、3000枚以上の切手を掲載、ヒンジと切手のおまけ付、スコット番号や情報も掲載で送料別$59.95、切手を貼っていくとバインダーの追加が必要と思われますが、普及版として安価で販売しているようです、JPSのアメリカ図入アルバムは古い年代の巻は絶版になっている為、今後アメリカ切手のカタログコレクションに興味が有る方は、こちらを検討しても良いと思いました。

3人目)新中国・文革切手についての話題、197171日発行(革4)中国共産党50周年、以前のJPS新中国切手カタログには掲載されていた、1180-78-79-80左耳紙付4種連刷36面のフルシートと共にメルカリに出品されていた。

この4種連刷は36面シートから切り離されたのでは無く、左側が大きくマージンとなっていた為か40面シートに変更されて印刷されたシートより、左側の耳紙を付けた状態で4種連刷で切り離されたもので、画像の連刷がそれに該当する、36面シートから1180-78-79-80左耳紙付4種連刷を作るのは不可能、左耳紙が無い場合も判別は不可能の為に注意が必要。

以前のカタログで#1180が#1178や#1179より安価なのは、40面シートの発行で発行枚数が増えた為で枚数の記述は間違いと思われる、最新のJPSカタログには掲載されておらず、カタログ価も3枚共同じで、このバラエテイは無かった様になっている。

4人目)最近某オークションで落札した、英本国ビクトリア時代・18768ペンス切手について、英本国や英領を中心に長年収集している紹介者が、最も力を入れている英本国ビクトリア時代、カタログメインナンバーで唯一未入手だったマテリアル、この切手は未発行だがギボンズカタログにもスコットカタログ(#72)にもメインナンバーとして掲載されており、非常に入手困難だったとの事。

日本の手彫桜切手でも、未発行だがカタログメインナンバーとして掲載されている例も有る、殆どのカタログは政府や郵政が発行するのでは無く、デイーラーやそれら組織の為でしょうか。

未発行の理由は当時の2 1/2ペンス切手と刷色が似ていた為、大半は破棄処分されたが240枚のみ残された切手が市場に存在する、故に単純計算では、英本国切手のカタログメインナンバーを完集出来るのは世界中で最大240人しか存在しない。

正規に発行された8ペンスとそのカバー2通も紹介、ちなみに過去2番目に入手困難だった英本国切手は、以前紹介した1860年発行1 1/2ペンス切手の未使用との事でした。

5人目)学生時代に収集していた外国切手を、当時の情報と共に少し紹介、金箔切手のリーフはアジマンとガボン発行分、1965年のシュバイツアー博士の切手は世界最初の金箔切手として有名、拡大画像で見ると日本の新動植物国宝切手のミニパックの様なビニール袋に入っている、裏糊もついており、薄い金箔保護と指紋や湿気対策だったのでしょうか。

1967年発行のムバ大統領の切手はシール状の台紙となっており、こちらも薄い金箔保護とコストダウンの為だったのでしょうか。

1967年セントルシア発行の自治制加刷の25セント2枚は、台切手の文字部分を金色で消した後、青色と黒色で加刷された切手だが、本来は赤色の加刷でこの色はスコットカタログにも未掲載との事、何か情報が有れば宜しくお願いしますとの事でした。

発売当時の切手情報や入手は、大阪のカナイスタンプ発行のスタンプレーダー、三重の森下浩、京都のフジスタンプ、名古屋のユキオスタンプなど、懐かしい老舗の名前が上がりました、現在でも営業されているのはユキオスタンプだけですが、当時の先代店主はかなり外国切手に力を入れていたとの事です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

日本国際切手展2021、世界展からアジア展に変更して開催することを発表

日本国際切手展2021(PHILANIPPON 2021)組織委員会事務局(以下、実行委員会)は『日本国際切手展2021 特別規則の改正および2次出品申し込みのご案内』という書面を作成し、6月1日付で切手展出品者に郵送しました。
同文書が到着しましたので、記載されている競争展に関する変更点を以下に抜粋してご案内します。

1)競争展としての性格
旧)世界展
新)アジア展

2)後援
旧)FIP後援
新)FIAP後援

3)受賞記録
旧)FIP認定記録
新)FIAP認定記録
*なお、本展覧会はFIP認定の展覧会であり、85点以上を獲得した作品には、今後の世界展での展示に8フレームが割り当てられます。

4)出品部門
廃止)チャンピオンクラス
新設)印紙部門

5)レギュラー部門の出品料金
旧)11,000円/frame
新)3,000円/frame

6)ワンフレーム部門の出品料金
旧)14,000円
新)6,000円

7)文献部門の出品料金
旧)11,000円
新)3,000円

なお、上記競争切手展には海外からの作品が集まらず展示量が不足することが理由で、非競争展示作品の募集を行うことがあわせて発表されました。フレームあたり出品料1000円で1-5フレームの展示が可能と記載されています。なお、出品者にはフレーム数に関わらず、記念品・参加証明書・公式ガイドブックが付与されます。



(追記 6/7 9:48AM, 17:00PM)非競争展示作品の応募資格ですが、「日本郵趣協会のトピカル切手展、フリースタイル切手展、ミニペックス等への出品歴のある作品」以外でも応募できることが判明致しましたので、上記内容を修正しました。

[6月5・6日 郵政博物館で開催] 故郷の郵便の歴史展のご案内


[クラウド展示はこちら]

『郵博 特別切手コレクション展』は、フィラテリーの普及および啓発を目的として、テーマを厳選し、2017 年度より、郵政博物館で年数回開催している一般切手展です。

2021 年度第1回 郵博 特別切手コレクション展「故郷の郵便の歴史展」は、5月8日13:00に開幕し当初はクラウド展示のみを提供してまいりましたが、既にご案内の通り、6月5日ー6日(土日)に、臨時休館期間を終えた郵政博物館でも展示を行うことが決定しました。

郵政博物館で配布する目録(展示作品解説パンフレット)につきましては、PDF版も完成しておりますので、ダウンロードして参観のご参考にしてください。[ ダウンロード ]

展覧会詳細

展覧会名:2021年度 第1回 郵博 特別切手コレクション展
企画展名:故郷の郵便の歴史展

開催場所:郵政博物館(東京スカイツリータウン ソラマチ9F)
主催団体:郵政博物館、(特非)郵趣振興協会
後  援:無料世界切手カタログ・スタンペディア株式会社

郵政博物館における展示期間:2021/6/5、2021/6/6 10:30-16:30
*最終入館時刻は閉場30分前です

クラウド展示期間:2021/5/8 – 2021/6/6

(6/4追記)本日13:30-16:00の2時間半ほどを使い設営を行い全23フレームの展示が無事完了しました。設営準備をお手伝いくださいました出品者の鎌倉達敏さん、博物館学芸員の皆様、ありがとうございました。

展示作業中

 

発案者の一人でもある長田さんのアイディアで、狭いところに何十フレームも詰め込むのではなく、真ん中の空いた「コ」の字にフレームを配置することになりましたが、見る方にとってのプラスだけでなく、警備上も死角のないレイアウトとなりました。

当面は難しいかもしれませんが将来的には中央部分に椅子や机を置くことができればと考えています。

展示会場のパノラマ写真

 

 

外国切手研究会 第57回Zoom例会レポート

2021522日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第57Zoom例会』レポートです。参加者10人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)ハワイ王国・1889年発行 PAID REPAY POSTAL CARD(#UY3・往復はがき)のアーカイブス新発見の記事について紹介、紹介者が以前に北陸郵趣に寄稿したものですが、日本では外国の郵便はがきの記事は少なく貴重と思われた為、掲載させて頂きました。

余談ですが、魚木五男先生がJPS郵趣研究に2019147号から154号迄6回に渡って外国はがきの記事を連載されておられました、いずれは単行本化したいと述べておられて楽しみです。

2人目)中国・日本占領地域・華南のカバーを紹介、この地域については第45回でも紹介しており参考にして下さい、詳細はリーフに記載の説明通りで、1940628日広州発、71日金沢着、入手当初はこの時期の料金内訳が分からなかったが、ある方の助言で判明したとの事です、尚このカバーはメルカリで出品されていたのを入手されたとの事、現状では出品ジャンルも整理されておらず検索も大変ですが、お宝的なマテリアルも出品されている可能性も有ります。

3人目)前回で反響の大きかった、アメリカ・1908年シリーズ「赤の5セント」の有名エラー切手について、プレゼンテンション形式で非常に分かりやすい解説をして頂けました、詳細は画像データを見て頂ければと思います。

この切手のポイントとして、版番号#7942400面シート中エラー切手のポジション3箇所、メインナンバー3種類の切手それぞれの製造枚数と流通枚数、実際の回収指示書など、とても参考になりました。

尚、この記事レポートを書いてる現在でもスコットNo505を含む100面シートがeBayで出品されていました、日本円で約15万円です。

4人目)現在eBayに出品されている、インドネシア独立戦争時期の最難関の1枚で1949年発行・軍事切手の話題、スコットカタログではメインナンバーが振られており、その為このジャンルを収集するには是非入手したい切手だが実際は非常に難しく、南方占領地切手の最難関のフロレス暫定切手に相当するとの事でした。

質疑応答よりこの椰子軍事切手と呼ばれる資料の提示も有り、確認されているのは数十枚との事、ポジションごとの特徴も記載されておりプレーテイングも可能と思われます、出品されている切手は(鑑定書は必要と思われますが)本物と思われ、最終的な落札金額には興味が有ります。

5人目)喜望峰・マフェキング1900年発行の切手を紹介、第2次ボーア戦争時に切手の供給が途絶えた為に発行された暫定切手だが、世界最初のボーイスカウト切手として世界的に有名、使用済も基本的にこの都市の消印のみ、1ペニーと3ペンスの2種類が発行されたが、3ペンスの方はサイズ違いが存在する為、カタログメインナンバーで2種類に分類されている、昔からトピカル収集家には人気が高かった為、現在でもコンデイションの良い切手は比較的高価、参考として現在eBayに出品されている状態の良いカバーは日本円で約120万円でした。

6人目)第12回と第13回でも紹介した英領ヘルゴランド島切手の資料について紹介、元はドイツ語で記述されている約800ページの文献でPDFの資料にして所有しているとの事、その一部を紹介して頂けました、この地域の切手を本格的に収集されて興味がある方は、お問合せ頂ければとの事でした。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

南方占領地切手コレクターズクラブ 第12回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第12回ZOOM例会レポート

2021年5月27日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

参加者は6名でした。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

 

1)南方全域 印紙について

南方では多くの地域で印紙が加刷・新規発行されました。話題に上がったのは北ボルネオの収入印紙、封緘紙、フィリピンの印紙でした。

フィリピンの印紙はアメリカ統治時代のものが長らく使用されたので、日本製印紙の使用済みは少ないです。

2)フィリピン 暫定50c実逓使用

フィリピンの暫定50cは適正料金がないので、非収集家による実逓便は未見でした。当カバーは8倍重量便の書留であると思われる珍品です。

3)ビルマ OKKAN使用

ビルマのOKKANでは通常の消印とは凹凸が逆だったようで、消印が通常のものとは異なります。インドとの国境に近い場所であったので、使用例が非常に少ないです。本カバーは切手無しの日本宛て封書です。

4)ビルマ ×加刷の上に孔雀加刷

×加刷の上から孔雀を加刷したものです。真偽は不明ですが、いくつか同様のものが存在し、使用済みも存在するようです。

5)仏印 仏印処理後の使用例

南方地域を日本軍が次々と占領していく中で、仏印は親日的なビシー政権が運営していたことから、日本軍は占領しませんでした。しかしビシー政権の消滅と連合軍の反撃により、仏印が前線となったことで、日本は仏印処理を行って、日本占領下の状態になりました。本カバーはその時期の郵便物であり、大変貴重なものです。

 

以上のものと現行のオークションの話題がでました。

 

次回は6月23日20時からです。

 

以下は順に1)-5)の画像です。

外国切手研究会 第56回Zoom例会レポート

2021515日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第56Zoom例会』レポートです。参加者10人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)アメリカ・1908年シリーズより「赤の5セント」として有名エラー切手を紹介、詳しくは魚木五夫先生著書「アメリカ切手とその集め方」「JPSアメリカ切手図鑑」で解説されており、2セント切手の版番号#7942の実用版(400面シート)の中に、3カ所だけ5セント切手の印面が入っている、目打1011、無目打が存在しているが、スコットカタログではメインナンバーとして掲載している。

ポジション7484の縦ペアエラーが含まれる目打11100面シートが、例会時に海外オークションで出品されており即決で$1395でした、参考にして下さい。

同様の例として、19世紀ルーマニア・青の5BANI25BANIも紹介、こちらも5BANIの中に25BANIが紛れ込んだエラー切手。

2人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品を一部紹介(その為画像加工しています)、現在も製作途中だが、記述や構成等について質疑応答が有りました、例会では国際切手展審査員資格所有者、国際切手展上位入賞経験者も参加されており、個人的なコメントや感想では無い審査としてのアドバイスも適切に頂けると思います。

3人目)ハワイ王国・1884年発行分、ENVELOPE(切手付封筒)のアーカイブスを紹介、1セントから10セント迄の5種類が有る、全てアメリカンバンクノート製造、ラージダイプルーフやトライアルカラープルーフ、黒刷ラージダイプルーフなど、現存1点や2点の物も有り、大凡日本では見る事の無い希少なマテリアル。

今回紹介のコレクション冒頭部分は、2015年シンガポール国際切手展出品作品を、審査員との対話より再構成したとの事です。

4人目)昨年2020年にも8種類発行された国連・国旗シリーズについての話題をプレゼンテーション形式で紹介、1980から1989年迄10年間発行されたが、冷戦終結後1997年に再開して新しい加盟国の切手が発行された、その後2013年と2014年に旗や国名が変更された国の切手が発行された、2017年と2018年にも旗のデザインが変更された国の切手が発行された。

国連加盟についての色々な小話も有り、文章より分かりやすい画像を多く発表して頂けました、拡大画像で確認して頂ければと思います、懐かしい郵趣1984年当時の頒布会広告画像も質疑応答より投稿して頂けました。

5人目)オーストラリア・ビクトリア植民地政府時代のスタンプレスとハーフレングスと呼ばれる初期切手の英本国宛カバーを紹介。

最初に植民地政府時代の州区分と、英本国への航海路を紹介、実際には安全や安心等の理由から可能な限り陸上部分での逓送が好まれ、スエズ経由も多かったのではと思われる。

1通目、1841年ビクトリアがニューサウスウェルズ時代、メルボルン・ポートフィリップ(ビクトリア最初の入植地)よりアイルランド宛、多数の印が押されている、手書の数字3はニューサウスウェルズの料金、数字8Ship Letter Charge

2通目、1841年こちらもビクトリアがニューサウスウェルズ時代、メルボルンよりスコットランド・エディンバラ宛、多数の印が押されている、手書の数字8Ship Letter Charge

3通目、185454日、3d切手貼メルボルン発(番号印1番)、英本国ロムジー宛、やはり手書の数字8Ship Letter Charge、裏面に1854614日ロムジー到着印。

4通目、読み取れる情報より(1858年)メルボルン発(番号印1番)マルセイユ経由、英本国エクセター(近くの)ケントン宛、マルセイユの二重丸印は料金不足の表示、宛先の表示方法として、知名度の低い住所に送る時には近くの有名な都市の近く、又はその中という表示が当時のヨーロッパなどで使われていたとの事です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第55回Zoom例会レポート

202158 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第55Zoom例会』レポートです。参加者9人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)郵政特別切手コレクション展のお知らせと、そのクラウド展示について、昨年度より郵趣関係のイベントや展示の多くは開催期間の変更や短縮、中止となっていますが、展示に関しては諸外国も含めバーチャルで開催される事も増えてきており、リアルな展示とハイブリッドする事でそのメリットを考えた上で、郵趣振興協会では過去の展示会のリバイバル開催なども含めた、計画や方向性の紹介となりました。

2人目)前回の補足として、国内インターネットオークションで落札された、旧中国切手ロットの話題で出た、郵便目的で製造されたジャンク船の偽物切手と、ジャンク船に加刷された切手の紹介、偽物切手に関しては本物と比べて紙や印刷、目打の出来が悪く簡単に判別できる、1920年発行の加刷切手は3枚セットだが、5/6分の1枚だけ他の2枚に比べて発行枚数が一桁少なく、現在では入手困難になっている。

前回話題に上がったバングラディシュ・加刷切手について、パキスタンと戦争状態になり独立後に正刷切手が発行される迄、各郵便局や銀行、更にはスタンプディーラーなどでも独自に加刷された為どれだけの種類が有るか分からない、使用済も局名が入ってないタイプが多く使われており、ベンガル語で書かれたカバーも解読は困難で手掛かりになりにくいとの事、自分なりに所有の切手を分類して紹介。

カバーも3通紹介、公用便やイタリア・ローマ宛の国連機関、最後のパキスタン宛航空書簡は最初の正刷普通切手が貼られたカバーだが、イギリス・ロンドン経由が指定されている、通常ならインド経由と考えるが、インドとパキスタンは常に緊張状態が続いており、1974年当時も第三次印パ戦争直後の為だったと思われる。

質疑応答より、バングラディシュ・加刷切手の海外情報サイトの紹介が有りました、参考にして下さい。

https://www.stampsociety.org/articles/pakistan-bangladesh-overprints

http://www.fg-indien.de/Angebot/Bibliothek/PubLib/140804e_Bangladesh%20Childrens%20Day%20Trains%20Overprints.pdf

3人目)アメリカ発信で不足料扱いとなった外信カバーを3通紹介。

1通目、1890年シリーズ5セント貼、1891217日フランス宛、重量便の為5セント不足で換算25CENTIMES不足、倍額の50CENTIMESを徴収、フランスの不足料切手に押されている三角形の消印は専用なのか分からず、情報を募集中。

2通目、1894年シリーズ2セント3枚貼、1895218日ロンドン経由トルコ宛、フランス・パリに転送、4セント不足の為換算で20CENTIMES不足、倍額の40CENTIMESを徴収、質疑応答よりカバー表面の4Dはロンドンで押された4ペンスの意味、F.BForeign Branchでロンドンの交換局、経由地のAnversはベルギーとフランスに同名の地名が有るが、おそらくフランスと思われる。

3通目、1908年シリーズ2セント貼、1916210日ポルトガル宛、3セント不足、現地で6センタボス分の不足切手が貼られたが受取拒否の為、アメリカに戻され当初の3セント不足分倍額6セント分の不足料金切手が貼られて差出人より徴収された、ポルトガルで貼られた不足料切手はだれも支払ってなく協定などにより無効扱いになったと思われる。

4人目)前回よりの続きでハワイ王国バンクノートイッシュー、1871年以降発行分切手のアーカイブスを一挙に紹介、エッセイやトライアルカラープルーフ、銘版入ラージダイプルーフなど、存在の確認されているプレートプルーフは全種揃っており、希少なマテリアルも多く現存2点の物も有る。

厚紙の大きなカードに黒色で刷られているベレネットエッセイは、王族関連に肖像部分の出来を確認して承認を得る為の特別な物と思われる。

国際切手展審査員資格を持つ紹介者より、切手展出品を考える場合、やはりこれらアーカイブスはキーマテリアルになりうるとの事、又その展開方法の一例も解説、別件ではこれらリーフ整理に使われているマウントについて、ハウイド社とプリンツ社それぞれの特徴などの解説。

5人目)最近のニューヨーク・タイムズに出た北朝鮮切手関連の記事を紹介、1959年子供の時に下関より北朝鮮帰国事業で家族と共に北朝鮮に渡ったが、2000年に脱国して韓国に渡った方が北朝鮮はけしからん国だと書いている内容。

1950625日は朝鮮戦争開始日、北朝鮮では南朝鮮から米軍を除去する為の闘争開始日で、9年後の1959年に4種類の切手が発行された、10チョン切手は板門店を描き、他の3種類は北朝鮮らしいデザイン、平和統一と書かれている70チョン切手が記事となっている。

先の脱国した方とは別の方の話で、日本に残してきた家族に宛てた手紙に貼った切手の裏に、秘密のメッセージが書かれている内容、北朝鮮に渡った方が日本と手紙をやり取りする場合、必ず検閲が入る為このような手段を用いたと思われる、70チョンは当時の外国宛船便書状料金の為、東欧宛は時々見かけるが日本宛は少ない、このようなカバーが他にも有るかもしれません、以前の記事には手紙の文章が縦書か横書かで、内容の真偽を判断するルールを用いた手段も紹介されていたとの事です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。