南方占領地切手コレクターズクラブ第14回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第14回ZOOM例会レポート

2021年7月28日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

参加者は7名でした。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

 

1)北ボルネオ サラワクハガキ実逓

北ボルネオの実逓便はどれも数が少なく貴重です。本品はクチンから日本の小豆島に宛てられたサラワクハガキです。珍しい宛先でとても良い逸品です。

 

2)ビルマ バッテン二重加刷ハガキ

ビルマのハガキにはタイプの異なるバッテンが二重に加刷されているものがあります。いままでは返信部のみしか見つかっていませんでしたが、今回往復完全品が見つかりました。

 

3)海軍地域 セレベス電信加刷

セレベス錨切手はその加刷から16種に分類できます。このブロックはそのうち少なくとも2種類の錨加刷がなされています。電信為替加刷自体、バラエティが多いので奥の深い切手です。

 

4)海軍地域 日本宛て実逓

南ボルネオBandjermasinから日本宛ての実逓便です。海軍地域では防諜上の理由から日付の無いタイプの消印が用いられていますが、本品のような一行印も存在します。

 

5)自由インド 偽物

自由インド切手はそれなりに残存数のある切手ですが、それでも偽物が存在します。本品は糊と印面が異なる偽物です。他にも別種の偽物があります。

6)フィリピン 戦後使用

フィリピン戦で日本軍が実質的に敗退した1945年2月以降、進駐した米兵たちが、残されていた占領切手を敢えて記念品として郵便物に貼って差し出した使用例が残されています。基本的に占領切手は記念ラベルとして料金とは関係なく貼られているものが殆どで、日本の降伏文書調印を記念した1945年9月2日付のいわゆるTOKYO BAYカバーにも占領切手が貼られているものがあります。
その中で、2つ目のカバーは1945年5月Marinduque島差出のニューヨーク宛カバーですが、これは占領切手が郵便料金の支払いに使用された例と考えられます。おそらくMarinduque島は離島であり、切手(VICTORY加刷切手)の配給が遅れたので、残されていた占領切手を使用したのでしょう。(占領フィリピンの権威、故Garret氏の旧蔵品です。)

 

7)ジャワ 戦前実逓便

日本軍がバリ島に上陸する寸前の使用例です。ジャワ島Kalisatからバリ島に宛てた書留カバーです。日本軍がバリ島に上陸するのが2月19日、このカバーは2月14日引き受けです。裏に着印があることから無事に宛先にも届いたようです。

また、農耕3c切手貼りのカバーはジャワのSoerabajaからアメリカ宛の印刷物ですが、日付が大東亜戦争の開戦日です。このカバーは無事に届いたのでしょうか?

 

8)ビルマ 青色30c農耕…?

第7回で紹介した青色30c農耕切手とおぼしきものが出品されていました。

しかし、いざ手元に届いてみると光の加減で青色に見えるだけで、実物は濃い緑色であったようです。同様のものはいずれどこからか出てくるでしょうか??

 

9)ビルマ アンナ加刷 片方加刷漏れ

ビルマのアンナ加刷片方加刷漏れです。しかし、残念ながら字体が異なる偽物のようでした。

昭和切手へのビルマ加刷は偽物が非常に多く、最難関といっても過言ではありません。

 

10)スマトラ 楕円消印

スマトラでは一部の局で楕円形の消印を使っていました。本品はタパヌリ州のナタル局のものであり、使用切手も中々少ないものです。

 

11)フィリピン セブゲリラ切手シート

占領フィリピンで抗日ゲリラ軍が発行したとされるゲリラ切手は、1942年末頃から1943年前半にかけセブ島南部で発行されたと言われるセブゲリラ切手と、1943年11月から1945年8月にかけミンダナオ島北部で発行されたと言われるミンダナオゲリラ切手の二つがあります。セブゲリラ切手には2センタボ、4センタボ、16センタボ、20センタボの4額面があるのですが、2センタボと4センタボのシート(2x5の10枚シート)が6月の米国オークションに登場しました。結果、どうやら日本にやってきたようです。

次回は8月25日20時からです。

 

以下は話題に上がったマテリアルの画像です。