南方占領地切手コレクターズクラブ 第30-32回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第30-32回ZOOM例会レポート

2022年11月23日水曜日 8:00PM~10:00PM

2022年12月28日水曜日 8:00PM~10:00PM

2023年1月18日水曜日   8:00PM~10:00PM

開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

主にこれといったマテリアルの話題よりも、開催されるオークションの話題が多かったです。そのため、話題になったシンガポールの郵趣会の一員、「Cheah Jin Seng」コレクションのオークション結果を紹介いたします。

1.TRENGGANU加刷封皮使用例

TRENGGANU加刷は謎の多い加刷です。郵便局に在庫のある切手にTRENGGANUと加刷することで発行されたわけですが、切手群に至ってはまともな使用例が存在せず、郵趣的な使用例と未使用しか存在しません。例外的に海峡植民地の書留封筒に漢字加刷を行ったものにTRENGGANUと加刷したものにのみ数例実逓使用例が存在します。終値£14,000。

2.トレンガヌ単枠高額加刷切手 カバー

トレンガヌ単枠高額切手は大型の切手となっており、$5,$25,$50,$100が該当します。いづれも郵便料金というよりも印紙として用いられることが念頭に置かれた切手でした。少数の使用例が存在しますが、郵趣家便ですらほとんど例がありません。終値£8,000。

3.海峡植民地$500奥川印

ペナン州では奥川印が加刷に使われましたが、切手のみならず印紙にも奥川印は捺印されました。今回のオークションには$25、$100、$500が出品されました。その中でも本品は参考値£7,000-9,000であり、その実力がうかがえます。終値は£5,000。

4. 内堀印 書留封筒

書留封筒はいくらかの種類がありました。ペナンでは書留封筒に奥川印の押されたものは発見されていませんが、内堀印の押されたものは何点か存在します。本品はそのうちの一つで、初期使用のとても良いものです。終値は£10,000。

5.ケランタン紋章切手 実逓便

ケランタン紋章切手もまた謎の多い切手です。タイ占領下となったケランタン州で突如発行されたため、使用例はもちろんのこと、未使用も貴重品です。非常に使用例の少ない切手ですが、いくらか横浜正金銀行宛ての実逓便が存在します。終値は£6,500。

6.マラッカ軍政印ブロック

マラッカ軍政印切手はマラッカに在庫のあった切手に加刷された切手です。そのため、必ずしもシートに加刷がされたわけではなく、ブロックにも加刷がされたと言われています。本品はその様子がよく分かる良いブロックです。終値は£1,900。

7.ケダー印紙

占領中印紙もまた高額面は数が少なく、貴重品です。ケダーの印紙は最高金額が$500であり、なかなか目にすることができるものではありません。終値は£1,000。

8.北ボルネオ偽カバー

マライ切手の権威であった出品者ですが、そんな彼でも他の分野でもエキスパートという訳ではありません。同じ英領の北ボルネオのカバーが出品されていたものの、残念ながら本物の切手を用いた偽物カバーです。終値は£450。

次回は2月15日 午後8時から開催予定です。(開催日時が第4水曜日から第3水曜日に変わりました。)