外国切手研究会 第18回Zoom例会レポート

020822日 2000PM – 22:10PM開催『外国切手研究会 第18Zoom例会』のレポートです。参加者11人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)ドイツ民間郵便会社タクシスの切手について、第16Zoom例会の続きでセカンドイッシューを紹介、おさらいとしてタクシスは広範囲な飛び飛びのエリアを受け持っており、切手発行当時北部地域はシルバークロッツエン、南部地域はクロイッツアーと通貨単位が違っており、2種類の額面で色が同じ物同士ほぼ同一貨幣価値の切手を発行、北部地域用は額面を四角、南部地域用は額面を円形で囲んだ最終シリーズ迄同様のデザイン。

1859年から発行されたセカンドイッシューの特徴は、全部ではないが白紙にカラーインクで印刷されている、ファーストイッシューは着色紙に黒インクで印刷されていた、又発行期間が短かった為マルチプルや使用例も難しい物が多いが例外として、高額切手の未使用は余り使用されずに残っている為に入手は難しく無い。

北部地域は主に工業地帯、南部地域用は主に農業地帯だった為、高額切手の使用例や外信カバーは南部地域の方が少ない、発表された全リーフを可能な限り紹介しますので参考にして下さい。

2人目)第2次世界大戦時、チェコのテレンジン収容所で発行された小包切手について、未使用、使用済、プルーフを紹介、約7万5千枚発行されたと言われ実際の郵便事業はドイツが行っていたらしい、スコットカタログは未掲載だがミッヘルカタログには掲載、色違いや二重印刷のバラェテイーも有るそうです。

この収容所には悲惨な歴史が残っているが切手のデザインからはそれを連想できず、外部の家族や知人に物資を送ることも出来るという宣伝やカモフラージュを兼ねて発行されたと思われる。

3人目)アメリカ1851年シリーズの続きで5セント以上の切手コレクションの紹介、3セント無目打の発行枚数は約3億6千万枚に対して、5セント無目打は発行期間が短かった事も有り約15万枚と少なく入手もそれなりに難しい、5セント無目打と12セント無目打はタイプ分類無し、10セント無目打は5つのタイプ分類が出来る。

1857年から発行された目打有の5セント、10セントはタイプ分類が出来る、その10セントは狭かったガッターに目打を入れる為に印面を少し削った物がタイプ4である、1860年には24セント、30セント、90セントの高額面が追加された、最高額面の90セントは使用例が10通も無いと言われており、真正の使用済も滅多に無く非常に高価。

日本では見る機会の少ない19世紀アメリカクラッシックコレクションです、こちらも可能な限り紹介しますので参考にして下さい。

4人目)ハワイ王国1894年発行ピクトリアルイッシュー6種の紹介、アメリカ併合前最後のシリーズで1899年にはUPUカラーに改色された3種も発行された、最初のリーフはプレートプルーフで幾つかは厚紙に印刷されている。

SPECIMEN” の綴りが ”SPCEIMEN” と間違えられた見本切手やガッターペア、銘版入ガッターペア、ハワイ切手最終使用日消印ブロック、ポルトガル語で印刷された見本切手の紹介。

1セント切手のタウンキャンセルという郵便局の消印収集コレクションやカバー、エラー切手やパックポー消、アメリカ切手とのコンビネーション使用例の紹介。

5人目)ベルリン救済強制切手について、カバーを収集してきて10通程になった、これらを整理するにあたってどのような方向でまとめたら良いか検討中、歴史や時代背景も勉強しながら色々考えているがアドバイスがあればお願いしたいとの事。

ベルリン封鎖は歴史上の大事件でもあり、テーマチックや郵便史共に面白い展開が出来ると思います、メジャーなテーマでも有り、諸外国の収集家が発表されている作品等をネットで探して参考にするのも良いのではというアドバイスが有りました。

6人目)前回発表のスロベニア・スモールチェーンブレイカーシリーズ、1ディナール額面の90面シートの定常変種変は2番と70番に有るが、この90面シートは100面シートから左1列の10枚を取り去った版なので100面シートの定常変種は3番と78番になる。

スロベニアの新聞切手の紹介、この切手はリュブリャナの現地印刷とウイーン印刷が有るが、リュブリャナ印刷の方は印刷が悪く天使の図案が悪魔のように見える。

この切手の製造面では印刷パターンが多数有り、切手自体は非常に安価だが市場に残っているのは殆ど単片なので、定常変種等の製造面研究は非常に困難と思われる。

生まれて初めてオークションで購入したカバーの紹介、オシフェンチム35日消、ブレスラウ行、オットーホノルンク氏の鑑定書付、今となっては詳しい覚えていないが何か分かる事や情報があれば教えて欲しい。

貼られているのはオーストリアの印紙だが、郵便使用が許可されている印紙でパーセラーカンパニーポストという、小包に手紙を入れられなかった時の同時配送サービスで使用されたのと思われるとの事、この印紙の郵便使用は貴重な物なのでオークションマテリアルになり鑑定書も付いたと考えられる。

1人目その2)ジャーマンステーツのミックスドフランキングの紹介、イリーガルと思われる物、フォアードな物、正規に認められていたフランス行カバーの紹介。

追加情報)イギリス民間業者発行ストライキ郵便切手について、お二人の方より情報を頂きました。

英国のスト郵便ですが、金井スタンプの『スタンプレーダー』の1971年の各号に同社が取り次いだ切手の販売リストや林敬氏が若干の記事を載せているので、日本語で読めるものとして参考になるかも知れません。”

英国郵政ストライキ時の『民間切手』実逓便の宛先となっているワダ・ヒロシなる人物が話題となっていることを知りました。見たことのある名前だったので手元のカバーを探したところ2件ほど見つかりましたのでスキャン画像を添付してお送りします。
アラブ土侯国の一つ、フジャイラからワダ氏に送られたものです。消印が見にくいですが両方とも1971年です。ストライキ切手のと同時期のものですね。”

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問等有る方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。