外国切手研究会 第26回Zoom例会レポート

20201017日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第26Zoom例会』レポートです。参加者12人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)主に伝統郵趣作品を内外切手展に出品を続けている発表者が、初の郵便史作品を紹介、JAPEX2020に出品予定との事で、タイトルリーフのみ紹介とさせて頂きます。

2人目)アフリカ・スーダン1番切手からのカタログコレクションを紹介、1リーフ目、最初の切手は1897年エジプト切手に加刷された8種が発行された、この切手は不評だったのか、翌年の1898年には2色印刷の正刷切手が発行された、同国はこのラクダと郵便配達夫の図案が気に入ったのか、2リーフ目1900年から発行のシリーズ、3リーフ目1920年から発行のシリーズ、4リーフ目1948年から発行のシリーズ迄と約半世紀間、細かい意匠は変わりながらこの図案での普通切手が発行され続けた。

56リーフ目、1931年発行の航空切手は普通切手に加刷したタイプも有るが、ラクダと郵便配達夫と飛行機図案の正刷切手が発行され、こちらも小変更され長く使われた。

いずれの切手もカバーの入手は難しく、有っても高価との事です。

3人目)本例会等の影響等も有り、ヨーロッパ以外にも興味が湧き、最近入手したアフリカ・ニジェールのアルバム付きコレクションを紹介、完集が目標でカバー等も可能ならば入手したいとの事。

南米・エクアドルのパケット500種も入手、アルゼンチンのパケットも購入予定で当面この2国のパケットを解体して色々調べて行きたいとの事。

旧版のミッヘルカタログ・ヨーロッパ版も入手、ドイツ版も探しているとの事です。

レポーター注)ミッヘルドイツ専門版は英語版も有る様です、2015/2016年版は2冊に分かれており、戦後の混乱期迄が採録されているようです、eBayではそこそこ出品されてました、この英語版を使われている方、所有されている方がおられましたら、情報を頂ければ幸いです。

4人目)前回の続きで、英領バージン諸島初期より、1867年から1868年に発行された1シリング専門コレクション、ギボンズ専門カタログの分類では3種に分けられる、石版+凸版印刷、透かし無し、目打155×420面シート、紙質の分類が有る。

1867年発行のファーストタイプの発行枚数は1000枚と非常に少ない、同じく1867年発行のセカンドタイプはファーストタイプに額縁のような赤枠が加刷されたような感じになっている、発行枚は7500枚と少ない、1868年に発行されたサードタイプはファーストタイプの外枠を2重から1重に修正したもので、発行枚数は2000枚とやはり少ない、セカンドタイプの赤枠以外はどのタイプも同じ版を使用しており、セカンドタイプのシートが現存している為リトコンストラクションも可能、カバーの現存はセカンドタイプのみ数通確認されている。

3種の中では比較的発行枚数の多いセカンドタイプより、仮貼りリーフを紹介、ポジションの判定と印刷バラェティを専門分類中。

尚この切手には、聖母マリアの印刷が漏れた世界的に有名なエラー切手が有る。

5人目)前回からの続きでハワイ王国最後の切手、1899年発行ピクトリアルイッシュー改色切手、

2セントカバーの紹介、2セントは外信ハガキ料金、島内間封書料金に相当、使用期間はアメリカ併合迄の約1年半程だが、ハワイの中では最もポピュラーな切手。

1枚目リーフ、190069日ホノルル発、ドイツ・ベルリン宛絵葉書、ハワイ切手としては使用禁止4日前の物、左側に薄く押されているベルリンの到着印の上部にも、サンフランシスコ中継印と重なって鮮明なベルリンの印が押されているが詳細は不明。

2枚目リーフ、島内間書状使用例だが、MOROKAIKAMARO局消のカバーは希少、元ホノルルアドバイザーコレクションより。

3枚目リーフ、OAHU島内間書状使用例だが、カバー左上 HAWAIIAN FRUIT AND FLANT 社のコーナーカードカバーはこの1通しか確認されていない上、OAHUWAHIAWA局消のカバーも同じくこの1通しか確認されていない貴重な品。

4枚目リーフ、ドイツ宛書留カバー、1セントと10セントとの混貼、書留を表す”R”印がホノルル局としては最後のタイプ。

5枚目リーフ、日本・広島宛カバー、1セントとの混貼、神戸の中継印と祇園の到着印が押されている、広島はハワイへの移民が多かった為、親族間の郵便が比較的残っているそうです。

尚ハワイ切手に関して興味が有る方の為に、詳細な専門サイトを紹介して頂けました。

http://hawaiianstamps.com/

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。