昭和切手発行80周年記念展(6/3-4日)展示コレクション プレビュー その10および作品解説について

会期が今週末(6/3-4日)に迫った「昭和切手発行80周年記念展」の実行委員会のみなさま(コレクション・オーナー)から、展示コレクションにおける注目品の画像提供がありましたので、ピックアップしてご紹介いたします。

第10回目として、はじめに菊地恵実コレクション「第1次昭和切手」から注目品1リーフをご紹介します。

この画像は、1次昭和1銭(稲刈り)の使用面を示すページから、同切手1枚貼の定期刊行物(スマトラ新聞)を郵送した使用例です。この切手の低料1枚貼は少ない使用例ですが、これはさらに南方占領地内から内地に宛てたのもので、稀少性がとくに高いものです。

郵趣雑誌などでもすっかりお馴染みとなった出品者の菊地さんは、数少ない女流フィラテリストで、郵趣歴約5年、この分野の収集歴は1年半という、まさに新進気鋭のコレクターです。この短期間のうちに、国内展をクリア(昨年の全日本切手展2016で金銀賞を獲得して国際展出品資格を得る)したのに続いて、本年のメルボルン国際切手展2017にて見事に初入賞(大銀賞)を果たしました。

この事実は、ベテランでなくとも競争切手展にチャレンジする醍醐味を味わうことができることを示すものとなり、競争展に対する心理的な「壁」をぐんと低くする効果をもたらしたと言われています。そのあたりを踏まえて、この5フレーム作品をみると、新たな発見があるかもしれません。

続いては、取集歴70年という大ベテランの安藤源成コレクション「第3次昭和切手」から注目品として、最高額10円(梅花模様)の100面完シートをご紹介します。

ご存知の方も多いと思いますが、第3次昭和10円切手は、このシリーズ最高額面であり、カタログ評価も最も高い切手となっています。このため、シートの現存数は少なく、滅多にみることができない貴重なものとなっています。この他にも、キャリアの長い、円熟したコレクションならではの貴重なマテリアルが多数展示されます。

このように、「昭和切手発行80年記念展」は、まさに世代を超えた、老若男女さまざまなコレクターの昭和切手作品を心ゆくまで鑑賞することができる、たいへん貴重な機会でございます。このチャンスをお見逃しなきよう、ぜひともご来駕ください。

【作品解説の実施について】

6月3-4日の両日、各日とも14時30分から、上記のコレクション・オーナーである菊地恵実氏および安藤源成氏による、ギャラリートーク(作品解説)を実施いたします。また、同時刻に相前後して池田健三郎による「昭和切手時代の急速郵便」の解説も行います。ご都合のつく方はぜひ展覧会場内作品前にご参集ください。なお、他の作品につきましても、解説者の都合がつき次第、随時、作品解説が行われることになっております。