外国切手研究会 第46回Zoom例会レポート・前編

202136日 2000PM – 22:30PM開催『外国切手研究会 第46Zoom例会』レポート前編です。参加者10人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)オランダ領東インドの2番シリーズ、1870年より発行されたキングウイリアムⅢ世肖像図案切手の紹介、1セントより2グルデン50セント迄12の額面、タイプと色違いでカタログメインナンバーは14種類、目打の分類は6種類で日本の小判切手のようなラージホールやスモールホールが存在する。

10セントは国内書状料金、定常変種か偶発変種か分からない版欠点もいくつか存在する、この時期は切手の抹消に番号印が使われており1番から120番迄有る、4番はBatavia局、10セント2枚と5セント貼スイス宛カバーは9Makasser局、締切後受付を示す”NA POSTTIJI” 印やフランスPaquebot印も見受けられる。

12 1/2セントには200面シート182番に存在するBroken “C” と呼ばれる有名な版欠点も有る、12 1/2セント切手付封筒に同料金の切手を加えて外国便に使用したもの、25セント2枚貼スイス宛カバーはイタリアBRINDISI経由を指示する印が押されている事から、割高の料金を支払い、スエズ運河を経由する欧亜航路を利用した速達のような扱いで送られたと思われる、フランスの赤色の鉄道郵便印も押されている。

2人目)前回紹介の第36回で紹介したハワイ王国・1893年発行暫定政府の赤色加刷切手、スコットNo531セントを例にした、偽加刷についての続編、POST OFFICE IN PARADISE – Provisional Government Issue: Beardsley Quantity Analysis (hawaiianstamps.com)

前回要鑑定とした切手は偽加刷と思われるとの事、セカンドプリントの50面シート48番に存在する3の数字抜けエラーは、判別方法として紹介した”Provisional” の最初の”i” の文字の下部セリフが左側だけで右側には無く、2番目の”i” の文字の下部セリフは左右に有るに加えて、9の数字上部が欠損しており、上記サイトの偽加刷データに同様の切手が掲載されていたとの事です。

ゴム印で押されたような加刷も偽物の可能性が高い、加刷切手3枚が貼られた紹介のカバーはそれ自身は本物で、1枚だけ二重の偽加刷に変造されたもの、カバー自体が珍しい物だった為、それが判明した上でそれなりの値段で取引されたとの事でした、インターネットオークションに出品されている切手に鑑定書が付いているのは皆無です、上記サイトには偽加刷についても非常に詳しく掲載されており、こういった切手を入手する機会があれば必ず参考になると思われますが、やはり鑑定書の無い切手の入手はリスクが高いと思われます。

3人目)以前紹介の有った、アメリカ、186118691870年シリーズで使われたグリルについての質疑応答、切手の表面に浅い突起物が多数付いた版を押し付けて紙自体に凹凸を付け、使用済切手の消印を落とし難くする再使用防止の目的で使われた、ナショナルバンクノート社の特許で同社製造の切手に一時期のみ使われた。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。