外国切手研究会 第49回Zoom例会レポート

2021327日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第49Zoom例会』レポートです。参加者9人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)カタログコレクション、イラン初期3番目シリーズ辺りからを紹介、1番切手発行は日本と同時期、イランは1979年の革命で王制は廃止されたが、当時の王朝は1926年に成立したパフラヴィー朝で、初期の切手はそれより以前のガージャール王朝時代に発行された物、その王朝交代時には古い切手に暫定加刷した物も多く発行されている。

図案の多くはライオンの紋章か国王肖像、比較的短期間でモデルチェンジして発行されていた、スコットカタログには比較的多くの加刷切手を掲載しているが、未掲載の加刷切手も所有しており、偽物なのか掲載漏れかは不明との事です。

2人目)前回でも紹介の有った中国切手の偽物と思われるカバーの話題など、内容は非公開とさせて頂きます。

チャイナクリッパーのバックナンバーDVDの紹介、ロンドン版は送料別だが、50ドル以下で過去の膨大な会報資料を入手する事が出来るとの事です。

3人目)第46回の続きで、オランダ領東インドの3番シリーズ、1883年より発行された数字図案シリーズ切手の紹介、額面は5種類で色違いが1種類でカタログメインナンバーは6種類、目打やシェードの分類が幾つか有る。

1セントはシェードと目打違い、図案右下の印刷が潰れた版欠点のようなバラェテイが有る、2セントもシェードの濃い物と薄い物、目打違い、印面バラェテイを紹介、2 1/2セントは目打が3種類有る。

1セント多数貼カバーは、10セント切手付封筒に表面裏面合わせて14枚貼り足し、合計24セントの18921123日スイス宛、2セント貼カバーは1893220日ジャワ島内封書使用。

3セントと5セント、5セント色違いの目打は1種類のみ、シェードバラェテイと印面バラェテイを紹介。

12 1/2セント切手付封筒に同料金分切手貼り使用例、18921216日ドイツ宛は数字抹消印、4番はBatavia局、15セント切手付封筒に10セント分切手貼り使用例、1899429日同じくドイツ宛、PREMBOEN局の箱型手押印。

4人目)前回の続きで、ポルトガル領インド初期シリーズ(タイプ1C、アフィンサ専門カタログ番号CE21-22)、(タイプⅡACE23-25)、(タイプⅡBCE26-34) の紹介、毎年のようにタイプ違いが有り、判別や区分はやや難しい。

1874年発行タイプ1CINDIAの”A”が”逆”V”になっている、1875年発行タイプⅡA2重円図案の中の薄い輪が消えている、又最初のシリーズより額面数字が小さい、1876年発行タイプⅡBSERVICOの”V”が逆”A”になっている、やはり最初のシリーズより額面数字が小さいなど。

1通目カバー、20レイス・タイプⅡB 切手貼国内便モーニングカバー、他の額面カバーの入手は中々難しい、1876410日・11Pangim発 、Margao宛。

2通目カバー、20レイス・タイプⅠD切手と英領インド切手多数貼書留コンビネーションカバー、

1876731Pangim発、81Sawantwari経由、82Belgaum経由、84Coompta経由、86Mangalore経由、89Cochin着、一部欠損は有るが多数の中継印が押されており逓送ルートが良く分かる、当時は鉄道が未だ開通していない為、メールカート若しくは飛脚のような物で運ばれたと思われる。

3通目カバー、20レイス・タイプⅠD切手と英領インド切手の田型貼コンビネーションカバー、1877730Bombay発、Pangim宛。

5人目)eBayで購入した詳細不明だが面白そうなカバーについて、質疑応答より貼られている切手は旧中国銀円の航空切手に加刷した台湾切手、一見すると日本の船内印でのパックポー便のように見えるが、この切手は旧台湾幣のもので、1949年にデノミネーションが実施され新台湾幣となった、無線電信局印のような消印は1969年で既にこの切手は使えない年代、おそらく記念品のようなカバーではないかとの事。

6人目)前回の続きでドイツ・ジャーマンステーツ、ハノーファーを紹介、ここははサッカーのイメージも強いが、今の英国王室も実はこの地の王国から迎えられたとの事、ハノーファー自体は後にプロイセンが統一したドイツの傘下となる。

ハノーファー王国の紋章を描く1番切手は1850年発行、刷色変更された2番切手は1851年発行、共に額面は1Ggr. その後通貨単位が変更され、18517月には距離別郵便料金に対応した1Sgr. 2Sgr. 3Sgr.3種額面の切手が発行された、

1859年からは国王図案の切手や高額切手、郵便ラッパのデザインの切手が発行された、後にこれら無目打の切手が目打入になって発行される。

ハノーファーの切手で面白いのは3番目シリーズ、2色刷切手の2色目を薄い連続紋様で印刷したもので偽物製造を防ぐ為に大国でも使われた手法、コーナーだと派手な紋様が全周に渡って印刷されている。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

1 thought on “外国切手研究会 第49回Zoom例会レポート

  1. Nick

    リーフのスクリーンショット並びにレポートありがとうございます。外出自粛中でも自宅でこれだけの外国切手のコレクションを拝見できるのは大変ありがたいです。私にはレベルが高めですが、とても楽しみにしています。

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