外国切手研究会 第53回Zoom例会レポート・後編

2021424日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第53Zoom例会』レポート後編です。参加者9人中6人の発表で質疑応答が有りました。

4人目)前回の続きでハワイ王国1866年発行バンクノートイッシュー5セント(SC#32)の紹介。

1リーフ目、トライアルカラープルーフの紹介、全部で9色か10色有ると言われているが、基本的な7色が揃っているコレクション。

2リーフ目、厚紙に印刷されたプレートプルーフで4枚ブロックは非常に希少、ラージダイプルーフ、”SPECIMEN”のセリフ付きとセリフ無し、目打エラーなど。

3リーフ目、未使用4枚ストリップ、未使用銘版付田型ブロック、使用済マルテイプルは難しいが田型ブロックと5枚ストリップなど。

4リーフ目、1通目アメリカ宛コンビネーションカバー、2通目アメリカ宛、Hawaiian Steam Serviceの印は当時の特急便のような扱いで専用の船で運ばれた物、料金は15セントで残りの10セントは現金で支払われたと思われる。

5リーフ目、プロシアン・クローズド・メールカバー、大変貴重な使用例で詳細はスタンペディア、The Philatelist Magazine4号の27ページより謎解郵趣で御本人が詳しく解説されており、一部紹介させて頂きます。

ここで、このプロシアン・クローズド・メールについて、説明をしておきましょう。当時プロシアはドイツ・オーストリア郵便連合(German Austria Postal Union)に加盟をしており、そのメンバーはプロシア以外にも、オーストリア、ババリア、サクソニー、ウイルテンベ ルグ(Wurttemberg)、メクレンブルグシュベリン(Mecklenburg-Schwerin)、メクレンブ ルグスレリッツ(Mecklenburg-Strelitz)、オルデンブルグ、ブレーメン、ルクセンブルグ、ブラン ズウィッグ、リューベックおよびハンブルグがあった。

これらの宛先に手紙を送付する場合、ハワイはアメリカ本国を通じて手紙を送付するしかない のであるが、アメリカ本国とこのドイツ・オーストリア郵便連合加盟国との間で郵便を送付する 手続きとして交換局のニューヨーク局を介して郵便物の送付が1861年から行なわれたが、その郵便料金は前払いで28セント、後払いで30セント(collect paid)であった。 」

「本件は18661019日にハワイから差し出されたSingle rate letterでプロシア・ベル リン宛のカバーである。料金はハワイからアメリカ本土までが5セント、アメリカよりプロシア宛 料金が28セント料金ですが、完全に料金を支払っている状態(Prepaid)で取り扱われている。 アメリカにおける料金はホノルル局で支払われ、中継局のサンフランシスコ局でアメリカ切手を貼 付したものである。

アメリカ切手の24セント切手は1861年発行のものである。アメリカよりプロシア宛の料 金は前述の通り28セントであったが、その記しがアメリカ切手の左側に赤鉛筆で28cmanuscript(手書き)がなされており、(サンフランシスコ局日付印左側)この記しは正しい料 金を示しており、4セントが不足していることになるが、4セント切手が脱落しているか、4セ ント分を現金で支払ったのかのいずれかであるが、他のサンフランシスコ局の日付印が見られな いため、後者の使用例だと思われる。」

6リーフ目、アメリカ1869年ピクトリアルシリーズとのコンビネーションカバー、このシリーズとのコンビネーションカバーは非常に少ない。

7リーフ目、アメリカ1861年シリーズとのコンビネーションカバー、2セント切手5枚の10セントがHawaiian Steam Serviceの料金として使われている

5人目)日本切手だが、1960年発行国際文通週間「蒲原」3枚貼と25円航空切手貼、ドイツ宛航空便カバーの紹介、発行月使用例で当時の第3地帯宛料金115円分が貼られている。

「蒲原」は国際文通週間切手の中でも1番人気で未使用評価も高く、ブームの時は買えなかった方も多いかと思われます、使用例も少なくこの贅沢な3枚貼り外国宛実逓カバーは素晴らしい1品と思います。

6人目)マイナーな国の最近の切手を収集している中より、カバー2点の紹介。

1通目、アフリカ・ブルンジより1982年発行動物シリーズのキリン3枚とライオン1枚他貼のスエーデン宛実逓カバー、この動物シリーズ13種セットは比較的高価、この低額面4枚だけでもそれなりの値段となるが安価で購入出来た。

翌年にはこのシリーズにWWFのパンダマークが加刷されたセットも発行されており、こちらもブルンジの中では比較的高価になっている。

2通目、カンボジアが1970年より75年迄、クメール共和国だった時期の1973年フランス宛書留実逓カバー、この時期は内戦状態の上に5年間だった為に数は少ないが、区別されずに安価で販売されている事もある。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。