外国切手研究会 第59回Zoom例会レポート

202165日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第59Zoom例会』レポートです。参加者9人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)アフリカ・ブルンジの1982年動物シリーズ13種にWWF(世界自然基金)のパンダマークが加刷されて発行された、1983年のセットについて紹介。

53回でも紹介の有ったこのシリーズは人気が有り、特にWWF加刷の未使用セットはかなり高額で入手も困難、最近運良く入手出来たと思ったが残念ながら11種で完セットでは無かった、その後1枚は入手して最後の65F切手を探していると状態の良いカバーを見つけ入手、なぜか隣国のザイール共和国(現コンゴ民主共和国)の封筒、当時首都が有ったブジュンブラ国際空港消印、ニジェール宛の航空便、フィラテリックな物かもしれませんが、アフリカ紛争関係と何か関連の有るカバーなのでしょうか?

2人目)前回紹介のガボン発行金箔切手の裏面を紹介、左側1965年シュバイツアー博士と右側1968年ムバ大統領は共に裏糊は有るが、その性質は違う感じがするとの事、同じく前回紹介したアジマン発行金箔切手もムバ大統領切手と同じ様な白い裏糊で、シール形式の裏糊では無く湿らせて貼るタイプとの事、エンボスの具合も良く分かり貴重な情報です。

このシュバイツアー博士は当時新聞等にも取り上げられ、非常に話題で入手も困難だったとの事、同時期のブルンジ1965年発行コイン型切手も紹介、これらの変わり種切手は地元の郵便局などで開催されていた切手展などで、物珍しさや面白さからもてはやされた思い出が有るとの事でした。

1967年ルワンダ共和国発行、カナダ・モントリオール万博の小型シートも、当時京都のフジスタンプから購入、1970年には大阪万博の切手が世界中から発行されたが、フランス系諸国のサンピエール、セネガル、チャド、ニジェール発行のプルーフを紹介、初めてそれらの存在を知り、当時は学生だったがその珍しさから無理をして購入したとの事です。

5657回で非常に好評だった、アメリカ・1908年シリーズ「赤の5セント」の有名なエラー切手を含む9枚ブロックがeBayで出品されている情報の紹介、ポジション的にも魅力的なマテリアルです。

3人目)第34回で1946年より発行されたインドネシア独立戦争時期の正刷切手、牛を描く独立1周年記念切手の中から3Senを紹介した続編、全13種類で目打11と無目打が有る、80senの無目打は少ない、当時の郵便料金表も紹介。

5senはトライアルカラープルーフ3種、用紙バラエテイ、2重印刷エラー、検閲印の押されたハガキ使用例、10sen15senは同じ図案、30senも切手サイズは同じだが、窓口シート構成は異なり、10sen5×1050面、15sen5×420面、30sen5×1050面となっている、15Senのハガキ使用例は日本の切手無し軍事郵便往復ハガキを利用した物、15Sen30sen貼りカバーは15Senが書状料金で30senが書留料金時代の使用例。

所有マテリアルについての質問、オーストラリア・ビクトリア植民地政府時代のスイス宛書留カバーについて、18641017Deep Creek発、Gordevio宛、MelbourneMarseilles経由、カバーから推測出来る情報など。

4人目)eBayで残念ながら入手出来なかった、インドネシア独立戦争時期のカバーについて、日本の占領時期、海軍担当地区でオランダ切手に加刷された物に、NICA TIMOR Netherlands Indies Civil Administration Timor)と更に加刷された切手の多数貼りカバー。

Netherlands Indies Civil Administration – Wikipedia

四角の消印は19451115日、KOEPANG(現在の西ティモール・クパン)局、この NICA TIMOR加刷の切手は非常に少なく、それぞれ20から30枚程度しか確認されていないと思われる。

金箔切手の話題として、1996年ブータン発行、ペニーブラック切手、元は1840年発行なので関連は不明、22金のCARTOR社製造で出来は良く、お気に入りの1枚との事です。

最近入手した、サウススーダン共和国の書留カバー2通を紹介、共に独立初期発行の切手に改値加刷された切手が貼られ、2019年首都JUBA消、フィラテリックな使用例かもしれないが、書留カバーは比較的少ない。

5人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品より(その為一部画像加工しています)元々は旧中国切手の目打バラエティとして入手したカバーだが、裏面の右側に押されている消印について紹介。

正式な名称は分からないが、秘密交換局と言われている郵便局の消印、1937年の盧溝橋事件より北京や上海の都市を日本軍が抑えて来て、次は香港となった時期でも郵便業務は行われおり、アメリカ宛航空便も通常通り行われていたが、段々と大ぴらに香港に集めて業務を行うのが難しくなって来た時、秘密裏に日本軍に分からない様に集め、アメリカならアメリカに送る様にしていた、そこで使われていた消印。

この消印は現在人気が有り、参考として3年前の香港・スピンクオークションで、この消印が押された国内宛オンピースが出品されており、不落札だったがこの値段だったとの事。

6人目)前回紹介の、アメリカ・ミステックスタンプ社で購入したアメリカ切手図入アルバムが到着してたので続報を紹介。

https://www.mysticstamp.com/Products/Supplies/M8104/USA

前回と重複する部分は有りますが、全3巻両面印刷、3000枚以上の切手を掲載、ヒンジと切手のおまけ付、スコット番号や情報(見開きで前ページ裏面に切手の解説)も掲載で送料別$59.951847年より2020年の切手迄を採録、第1巻は1985年迄を掲載しており、JPSスタンプクラブ世代にはこれだけでも楽しめそうです、切手を貼っていくとやはりバインダーの追加が必要と思われますが、ブランクリーフ付きでバインダー単品でも販売していますが、デザインに拘らなければ国内通販のOFFICE DEPOTで同等品のバインダーを安価で入手可能です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。