南方占領地切手コレクターズクラブ 第13回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第13回ZOOM例会レポート
2021年6月23日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。
参加者は8名でした。
以下、話題に上がったマテリアルについて順番に記していきます。
1)フィリピン 占領前差出カバー
本カバーは1941年12月19日、すなわち真珠湾攻撃後に差し出されたものの、開戦のゴタゴタで送達できずマニラ郵便局に留め置かれたもののようです。日本占領後に日本軍の検閲
をパスして、宛先人に3回配達が試みられたものの、宛先人が見当たらず差出人戻しになっています。
同時にこの色の大日本憲兵隊検閲印は非常に珍しいものです。

2)マライ セランゴール農業博切手
この切手はよく見ると非常に面白い切手です。活字の組み方が位置により異なり、字の欠けや瘦せ細りなどがあります。画像のものは左切手のSELANGOR位置に段差ができているものです。

3)海軍地域 電信為替加刷
加刷字のバラエティの発表はされていませんが、今回変種の発表がありました。額面加刷のピリオドがコンマ状になっています。偶発の可能性もありますが、類似品の発表が待たれます。

4)ジャワ 無加刷使用
ジャワでは旧蘭印切手の多くが無加刷のまま使われました。本切手は使用例の少ない慈善切手のシートの使用例です。

5)海軍地域 バンジェルマシン暫定切手使用例
バンジェルマシン暫定切手の使用例は非常に少ないです。本品はKloeで差し出され、バンジェルマシンで検閲されています。しかし受取人不明でKloeに差し戻しになっています。

6)海軍地域 無加刷使用
海軍地域でも蘭印切手の無加刷使用例があるものの、錨加刷が発売される前に限られます。本品は新女王切手の小包証書(為替使用ではない)のオンピースであり、日付も読めるものです。
7)海軍地域 バンジェルマシン加刷 一部二重
加刷切手全般に言えることですが、手押し加刷のものは二重加刷の可能性があります。本品はバンジェルマシン加刷切手の二重加刷であり、大日本の字がブレています。

8)海軍地域 フィッシュフックに日の丸
海軍地域のフィッシュフック加刷は数が少なく、人気です。しかしごく少数フィッシュフックの上から日の丸加刷のなされたものがあります。

9)スマトラ 東海岸大日本枠付き切手 二重加刷
スマトラの東海岸州では大日本枠付き加刷がされましたが、しばしば二重加刷が見られます。本品は農耕2c切手になされています。

10)スマトラ 東海岸異形枠紫 切手
スマトラの東海岸州では異形枠と呼ばれる外枠が歪んだ加刷が見られます。しかしこの加刷は大部分が黒加刷で、他の色は非常に少なくなります。本品は一見すると普通の枠付き加刷ですが、下辺にゆがみの見られるものです。

11)海軍地域 小スンダ加刷
本切手は小スンダ諸島でなされた錨加刷が旧女王50c切手になされています。この加刷に限らず、旧女王切手の高額図案は大型図案であるため、人気が高いです。

12)スマトラ Membangmoeda使用
スマトラには変わった消印が多くありますが、東海岸のMembangMoedaでは日付の両脇が真っ黒に塗りつぶされた消印が使用されています。

13)スマトラ パカンバル?使用
スマトラの西海岸・リオ州の両州では女王図案の切手にバッテンの加刷を施して切手を使用しました。そのうちの一部の局では消印の地名を筆記具で抹消し、別の地名を書き込んでいるものが見られます。本切手はパシルペンガラヤンのもののようです。

話題は主に以上でした。
次回は7月28日午後8時からです。