外国切手研究会 第68回Zoom例会レポート

202187日 2000PM – 21:35PM開催『外国切手研究会 第68Zoom例会』レポートです。参加者10人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回の続きで喜望峰の三角切手、スタンレーギボンズカタログ#7と#8切手の紹介。

1リーフ目、1858年発行6ペンス、紙とシェードの分類が有り、ギボンズでもサブナンバーが振られている、カバーは1859年ケープタウン発、英本国チェルムスフォード宛。

2リーフ目、同じく6ペンスのシェードバラェテイ、1リーフ目より比較的濃い刷色の物。

3リーフ目、1858年発行1シリング、用紙は白紙のみだがシェードバラェテイは淡い濃いが有る、これら三角切手はマージンの状態が良い物が難しい。

4リーフ目、1シリング貼カバー、1863年ポートエリザベス発、スコットランド・ブローティフェリー宛、2倍重量便と思われる。

海外ネットオークション情報でハガキを2点紹介、スイス不足切手が貼られたアメリカよりチューリッヒ宛の絵葉書と日本2銭連合ハガキで朝鮮差出しハワイ宛、消印が不鮮明だが二重丸MEIJI印で明治27年仁川局と思われる。

2人目)旧中国で使われたAIRMAIL SERVICE IN CHINA ONLY押印の紹介、一定の期間に外国宛郵便物で国内のみ航空路線を使用する場合に押印された、比較的目立つ為一部で最近珍重されているが、使用期間も約2年程有り本来はそのような物ではないとの事、この印が使われた背景として、当時の四川・成都には鉄道が開通しておらず、上海迄は道路を使う必要が有ったが、当時は上海に近づくにつれ日本軍の存在や、その周りには共産軍もいた、そのリスクを回避する為に割増料金を払い利用されたサービスで、戦争の産物とも言える。

3通のカバーは何も成都から上海経由の海外宛カバー、外国宛封書料金25分+国内航空料金25分=50分貼は同じだが、貼られている切手の最後期使用例や使用禁止後の使用例など。

3人目)スタンプショウ=ヒロシマ2021に出品予定作品「英連邦占領軍B.C.O.F.加刷切手」の紹介、B.C.O.F.とはBritish Commonwealth Overseas Force (英連邦海外派遣軍)の頭文字、以前はJPSさくら日本切手カタログにも掲載されており、日本切手の収集家にも一定の知名度が有った。

広島県を主に占領した英連邦軍が1946-47年に発行、主に占領軍将兵が母国との通信に使ったが、僅かに日本国内で使われた例も有る、1949328日をもってこれらの占領軍切手も廃止された、製作途中との事で一部のみ紹介させて頂きます。

4人目)先日購入したスタンプレスカバーの書籍「The Story of the Austrian Post up to 1850」を紹介、オーストリア関係の資料だが、イギリスのオーストリア切手収集家グループから出版されたもので300ページ以上、英語の記述はやはりありがたいです。

http://www.austrianphilately.com/index.htm

http://www.austrianphilately.com/worbuk/index.htm

カバーを読み解いた詳しい記述が書かれており、料金や扱い、発着や中継、スタンプの事など多彩で、国境を跨ぐ国際便など、これらを参考にする事で多くの知識や他のカバーを読み解く参考になると思われます、スタンプレスカバーの解読には必須な数字の記述も掲載されており、以前他の方から提示して頂いたフランスの資料と共に掲載させて頂きます、特に4の数字の書き方は現代と大きく異なっているのが分かります。

5人目)同じくオーストリアより、紹介者が12を争う好きな切手との事、1933年発行「ウイーン国際切手展WIPA1933」を紹介、世界的にも有名で凹版印刷の素晴らしい切手。

この切手には白紙の通常シート、毛紙の通常シート、毛紙の4枚田型小型シートが有り、発行枚数もそれぞれ順番に少なく、音楽切手収集家も購入対象だった為かっては高音の花だった記憶が有り、この3点が揃っているのは羨ましいです、小型シートには本来タトーが有るそうで、それが付いているのは今でもかなり高価との事。

6人目)スタンプショウ=ヒロシマ2021の告知について、911日(土)・12日(日)県立広島産業館館で開催される、西日本最大の切手展です、1983年(昭和58年)より開催され、今回で37回目を迎えます。

展示作品も60から70フレームを予定しています、全国区の作品も集められおり、そのジャンルも多彩となってます、切手店ブースも5社を予定してます。

11日(土)初日夜には、郵趣振興協会代表理事・吉田敬氏を迎え「全世界ゼネラル収集と国際切手展の作品づくり」の特別講演会を予定しており、参加費は無料ですが要事前申込です、同氏は広島に縁の深い「英連邦占領軍B.C.O.F.加刷切手」の作品も出品予定です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。