南方占領地切手コレクターズクラブ第8回ZOOM例会レポート
2021年1月27日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。
参加者は8名でした。
以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。
1)フィリピン 米軍接収カバー
ヤフオクにレイテ島内便の米軍接収カバーが出品されていたことに関連して、米軍接収カバーの回覧がありました。どれもBASE 1993 AEMYの印が押されており、戦後の日本におけるGHQと同じように開封した後にテープで封をしてあります。
2-3)海軍地区 加刷違いペア
海軍地区は蘭印の切手に錨の加刷をして切手を使用しました。その際に、地区ごとで加刷の形が異なっています。セレベスの加刷やボルネオの加刷はペアで加刷が異なる、というようなものがある、ということで回覧がありました。2)はセレベスの加刷で、3)はボルネオ・Pontianakの加刷です。上下の切手で加刷の形が異なる様子をお楽しみください。
4)スマトラ 西海岸 加刷違いブロック
スマトラの西海岸では「大日本郵便」という加刷が蘭印切手になされましたが、サイズ・字体が10種類ほど存在します。ブロック上でサイズの異なる加刷のなされたものの回覧がありました。
5)ビルマ 農耕切手 縞紙
ビルマの農耕切手は一部額面に縞紙が確認されています。しかし、この切手は戦後のリプリントが多く判別が難しいです。特に縞紙は未使用がほとんどであり、使用の実態もよく分かっていません。
6)ビルマ 農耕切手 30c 色違い?
ビルマの農耕切手の30cは普通、緑色です。しかし藍色とでもいうべきものの回覧がありました。同じようなものをお持ちの方があれば是非ともコメントを下さい!!
7)ビルマ 紋章切手
ビルマの紋章切手も偽物が非常に多いです。この切手はイギリス領時代の封皮に貼り付ける目的で発行されましたが、封筒に直接紋章の図案を印刷したものの回覧がありました。紙質は当時使われていた封皮に酷似しているものの、図案の細部が異なるということで偽物であろうとのことです。関連して、紋章切手の回覧があり、本物は王冠の周りに赤いもやが無く、また目打ちのあたりに赤い印刷がなされているものが多いです。
8)北ボルネオ 不足料切手
北ボルネオは不足料切手が加刷されて使用されましたが、収集家用に作られたと言われています。本品は無加刷で1943年の消印が押されていました。APOの消印がなされているため、オーストラリアなどに持ち込まれた切手に押印されたものと推測されます。
9)スマトラ 西海岸 加刷もれ
蘭印の航空機30cはテートベッシュの変則シートであったためか、しばしば逆加刷や加刷漏れが見られます。本品はスマトラの西海岸の大日本郵便加刷でした。
10)スマトラ ×加刷 エンタイア
スマトラの西海岸ではオランダ女王の顔に様々な抹消がなされました。この切手の為替使用や未使用はかなり残っていますが、封筒に貼られたものは少ないです。
11)北ボルネオ 北ボルネオ加刷 定常変種?
北ボルネオでは昭和切手に加刷されたものが使われていましたが、台切手の定常変種が同様にあるかどうかは研究が進んでいません。今回話題になったものは残念ながら偶発変種のようでしたが、他の額面で変種が見つかるでしょうか?情報お待ちしております。
12)ビルマ 非占領地域の実逓便
第7回Zoom例会で紹介されたものです。HAKAから差し出された書留カバーです。
13)スマトラ 西海岸 ×と大日本郵便加刷
新女王17.5cにスマトラ西海岸で×と大日本郵便と加刷したブロックです。特筆する点として余白に×加刷がなされています。
14)マライ 正刷切手にトンボ?
マライの正刷切手普通切手は一部シートの耳紙にトンボのようなものがあることが確認されました。参加者によると2c,3c,4c,10c,30cに確認されました。他の額面にもあるでしょうか?お持ちの方がいらっしゃれば是非コメントをお願いします。
15)スマトラ 西海岸 大日本郵便はみだし加刷
スマトラの西海岸(リオ州)では大日本郵便加刷がなされましたが、一部は為替証紙に切手を貼ったのちに加刷が行われました。この加刷が見られるのは一部の局と期間に限られます。
16)マライ 漢字加刷 加刷ずれ
マライの漢字加刷は一部額面に加刷ずれが見られます。本品はマライ連合不足切手の15cです。
17)マライ ジョホール 25/30c 使用済み
マライのジョホール切手は主に印紙として使われました。本品も印紙として使用されたものです。
18)マライ ローマ字加刷 偽物
マライのローマ字加刷はしばしば偽物が見られます。ペラ―の5c切手の逆加刷を装ったものですが、MALAYAの字間等が本物と異なります。ご注意ください。
19)ビルマ 無加刷使用
ビルマの8アンナ切手の無加刷使用ですが、日付が1942年2月で日本軍占領以前のものです。
20)海軍地区 為替証書
セレベスのマカッサルからジャワ宛ての為替証紙です。占領後期のものであり、なおかつ海軍地区からジャワ宛ては少ないです。
話題は主に以上でした。
次回のZoom例会は2月24日20時からです。
以下は取り上げられたマテリアルの画像の一部です。