南方占領地切手コレクターズクラブ 第17・18回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第17・18回ZOOM例会レポート

2021年10月27日 8:00PM~10:00PM /11月24日開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

 

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1)スマトラ 西海岸州 大日本郵便はみだし加刷

中部スマトラの西海岸州やリオ州などでは、切手やステーショナリーにいろいろな大きさの「大日本郵便」加刷がなされました。西海岸州では一時的にハガキが不足し蘭印軍軍事はがきに切手を貼り、その上にはみだし加刷がなされました。

リオ州では郵便物や為替証紙に切手を貼りつけた後に加刷を行うはみだし加刷が主流でしたが、西海岸州ではこのハガキしかそのような加刷はありません。

2)スマトラ タパヌリ 東海岸二重加刷

タパヌリでは日の丸加刷をしましたが、東海岸州で加刷された切手に更に日の丸加刷がなされているものがありました。本品は農耕透かしなし3c切手で、今まで報告が無かったものです。

3)スマトラ 東海岸州 二重加刷

スマトラの東海岸州では大日本枠付き加刷を行いましたが、この加刷は2色以上で同一切手上に加刷されています。本品には農耕透かしあり7.5c切手に紫色と赤紫色が二重に加刷されており、戦後の独立戦争中使われたものですが、面白いものです。

4)海軍地域 偽消し

南方切手に偽物加刷が多いですが、消印にも偽物がしばしばみられます。しかし漢字に疎い人が作ったのか、漢字圏の人が見るとすぐに偽物と判るものもあります。本品もそのような一品で、アンペナンの和文印ですが、C欄の帝国政府の漢字が崩れているので偽物と看破できます。

5)海軍地域 バンジェルマシン黒加刷

バンジェルマシン局で加刷されたとされている錨は様々な色で加刷が行われています。しかしポンチャナク局の錨に存在するような黒色加刷は従来存在しないとされてきました。しかしこの度、バンジェルマシン錨にも黒色加刷が存在しそうだという発表がありました。

6)フィリピン 軍事郵便絵葉書

南方占領地では軍事郵便用に様々な絵葉書が作成されました。本品は通信面に緑色でフィリピンの風景が印刷されていますが、何種類作成されたかは不明です。

7)スマトラ パレンバン南

スマトラでは当初、蘭印時代の英文消印が使用されましたが、1943年2月から和文消印が使用されるようになりました。和文消印はほとんどの局はカタカナでの表記でしたが、このたびパレンバン州パレンバン局で漢字が使われた消印が見つかりました。日本では今まで知られていませんでした。

8)フィリピン 乃木2銭使用

フィリピンでは日本切手の販売はなかったとされています。しかし、日本国内から切手を持ち込んでの使用がみられます。本品は食糧増産切手のFDCに乃木2銭も貼ったものです。

 

 

話題は主に以上でした。次回は12月29日20時から開催予定です。