南方占領地切手コレクターズクラブ 第11回ZOOM例会レポート
2021年4月28日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。
参加者は8名でした。
以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。
1)スマトラ・香港 2次昭和切手・八紘一宇4銭使用例
2次昭和切手は東郷5銭を除き、南方使用は非常に少ないです。香港では台湾経由で他の地域よりは多くの2次昭和切手がきたと考えられますが、他地域では持ち込み使用のようなものしか見られません。
2)スマトラ 東海岸 2種類の加刷
スマトラの大日本枠付き加刷は手押しであったので、二重加刷や逆加刷などが存在します。本品はタイプの違う大日本加刷のなされたもので、新発見の品です。
3)海軍地域 旧女王10c切手にセレベス錨
蘭印の封書用10c切手は本国からの旧女王切手輸入がストップし、KOLFF印刷製一番切手として、新女王10c切手が1941年2月に発行されました。戦時中の旧女王10c切手の郵便局での在庫はなく、この切手を台とした加刷切手はどれも貴重です。輸出できなかった5,10,15cent切手は戦後無加刷で使用されています。
4)ビルマ バッテン加刷の向き違い
ビルマでも敵国国王の肖像をバッテンで抹消していました。本品は普通のバッテンとは向きが違って加刷されているものです。
5)スマトラ ジャンビーの慈善切手
ジャンビーは郵便量が少なく、最もみられるNipponMAの加刷でも多くは残っていません。
本品は少ないNipponMA加刷が、同じく少ない台切手である慈善切手になされたものです。
6)フィリピン 2次昭和切手・八紘一宇の使用例
フィリピンでは昭和切手の使用は主に持ち込みによると言われています。本品は封書7c時代にフィリピン正刷1cを3枚と八紘一宇4銭を1枚貼っています。不足量切手がなぜか張り付けられていますが、料金的には必要なかったはずのものです。
7)ジャワ 新女王切手の使用例?
ジャワでは蘭印切手が無加刷で使われました。しかし新女王切手のみは占領初期にごく少数の使用例があるのみで、以降は使用禁止になりました。ジャワのTOEBANであるなら03年表示ですが、本品は43年の消印です、どうでしょうか?
8)スマトラ スマトラ新聞の日本宛て
ほとんどの占領地から日本宛ての郵便料金は、占領地内の料金と同額に据え置かれました。スマトラ内の定期印刷物料金が1cであったため、日本宛ても1cで新聞を送ることができました。
9)スマトラ 陽明門10銭切手貼り
南方占領地には日本から昭和切手が持ち込まれました。スマトラでも同様であり、スマトラでの1c=日本の1銭として通用しました。KISARAN 11.7.42 検閲印の横にある5は検閲者の番号でしょうか?他に似たような番号のついたものはありますか?コメントをいただければ幸いです。
10)海軍地域 小スンダ錨加刷ブロック
小スンダ錨加刷は機械加刷と手押し加刷があったとみられています。機械加刷も版の組み方が何種類かあり、横一列に組んだと思われるものと縦一列に組んだと思われるものがあります。
以上のマテリアルと、現在進行中のオークションの話題で盛り上がりました。
次回の開催は5月26日20時からです。
以下は上記 2,4,5,6,7,8,9,10の画像です。