南方占領地切手コレクターズクラブ 第3回Zoom例会レポート

2020年7月22日 9:00PM~11:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。
先月の『集まれ!南方占領地マライ切手コレクター 第2回zoom例会』の後続となる例会で名称変更を行いました。
参加者は11名となり、マライ・スマトラ・フィリピン・香港・北ボルネオとほぼ全域にわたり様々な話題が上がりにぎわいました。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1) マライ ローマ字加刷のネグリセンビラン6c切手と贈呈の紙片
上記切手(但し8の逆字入り)に加え、贈呈の紙片がネットオークションに出品されました。
マライの現地関係者へのタトウに挟まれていたものではないかという意見に対し、参加者から当該タトウの回覧がありました。タトウにも贈呈表記があったため、紙片は切手に挟まれたものではなく、本などに挟んだものではないかとの意見が出ました。

2) スマトラ/香港 1次昭和切手 大正池5銭の使用例
参加者から1次昭和切手 大正池5銭のスマトラ・香港での使用例の回覧がありました。日専の評価でも高めであるように、実逓エンタイアはたとえ為替証書であっても希少です。
参加者からは東郷5銭の発行を機に、本土での売れ残りの大正池5銭は積極的に南方・南洋に送ったのでは?という意見が出ました。

3) 北ボルネオ ボーホートの真正印顆の流出
北ボルネオ・サラワクのボーホートの消印が市場に出たとのことです。値段やどのオークションに出たかなどは不明ですが、印顆にハマっている日付しか現存していないため、後に偽消しが作られたとしても見分けがつくとのことです。

4) マライ PERLIS表示の消印の押されたカバー
マライのPERLISは戦前は独立した1つの州でした。しかし、日本占領下ではKedah州に編入されたため、消印にもKEDAH州表記が登場するようになります。その後、タイに日本がマライの北部3州を割譲した後、再びPERLIS州として行政が置かれたため、消印もPERLIS州表記が登場しました。紹介されたカバーはタイ割譲後のもので、非常に希少かつ人気があるものです。

5) フィリピン ミンダナオゲリラ切手のエンタイア
海外オークションにミンダナオゲリラ切手3枚貼のエンタイアが出現したとのことです。現存確認では唯一の3枚貼りカバーです。エスペランザの為替消印で抹消されており、実逓の意味合いの強いカバーでした。

6) スマトラ タイプライターでスマトラ加刷のなされたカバーのコピー
先月の15)で言及された新発見の加刷について、参加者からコピーの発表がありました。20年以上前に大コレクター兼切手商が持っていたカバーであり、前回発表のカバーの他にもう一通の存在が確認されました。

7) スマトラ 大日本枠付き加刷の赤紫色加刷
スマトラ東海岸州で使われた、大日本枠付き加刷(日専T3)の赤紫色加刷の回覧がありました。台切手は農耕切手や踊り子切手であり、日専記載の赤色や紫色とは異なる印色でした。

8) マライ 正刷切手の目打について
マライの正刷切手は櫛型目打が施されていますが、目打の抜け方で何種類かに分類できるのでは、とのことです。上耳に目打が抜けているもの、下耳に目打が抜けているもの、上下両耳の目打が抜けているものの3種類が確認されており、下耳に目打が抜けているものの存在数が少ないとのことです。また、日本の動植物国宝切手の連続櫛型目打のように、2段ごとに穿孔している可能性も参加者から発表されましたが、現物上は1段ごとに目打穴の乱れが確認されるため確認できませんでした。これからの研究の余地が多くありそうです。

9) スマトラ 正刷切手エッセイの目打ちについて
スマトラの正刷切手とマライの正刷切手は同じコルフ印刷所で印刷したので、参加者が参考にとスマトラの正刷切手の試刷の回覧がありました。8)で見られるような、下抜けのものや両耳に目打ちが抜けているものがありました。

10) マライ 正刷切手のエッセイ
マライの正刷切手エッセイの回覧がありました。異額面のエッセイのペアはまれに見ますが、回覧されたものは4枚ストリップや表裏に印刷されたものがありました。市中のエッセイのペアはこれらが分割されたものであろうとのことです。

11) スマトラ パレンバン加刷の詳細な分類
スマトラ・パレンバンの大日本枠付き加刷(日専T20)、IPL加刷を細かく分類したものの発表がありました。一部ですが下部に画像があるので圧巻の分類を是非ご覧ください。

12) フィリピン 郵趣会ハガキについて
前回の8)で紹介のあった、ハガキ通信についてまとめたサイトURLの記載許可を執筆者から得られたので、ここに記載させていただきます。まだ未完成とのことですが、掲載している分からだけでも情熱が伝わってくるハズです。
http://www.nigelgooding.co.uk/Exhibits/NigelGooding/Philatelic%20Societies/Introduction.htm

13) スマトラ? 2次昭和 女工1銭に謎の加刷
2次昭和切手 女工1銭切手に黒で二重丸のような加刷がなされた切手の発表がありました。不鮮明だったため詳細は不明ですが、おそらく戦後スマトラの独立戦争時代のものではないかとのことです。

14) 海軍地域 マカッサル郵便局長印 加刷切手
蘭印切手の新女王切手や数字5c切手にマカッサル郵便局長の印が押された切手の回覧がありました。この印は為替証書に押されたものがありますが、切手に押されたものは少なく未使用しか見つかっていないため発行されたかはわかりません。

話題は主に以上でした。
南方切手に興味を持たれた方はコメントなどで連絡を取っていただければ、歓迎いたします!!

またZoomの特性上、カメラで収集品を発表しようとしてもうまくいきません。
なので参加者の皆様は極力pdfやjpg方式で収集品を紹介いただけるとありがたいです。お手数をおかけしますがご協力お願いします。

以下は上記マテリアルの画像(一部)です。順に1,2,7,8,8,11,14です。