外国切手研究会 第32回Zoom例会レポート・前編

20201128日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第32Zoom例会』レポート前編です。参加者11人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)第30回の続編、オーストラリア・ビクトリア1852年発行「クイーン・オン・スローン」と呼ばれるクラッシック切手コレクションの紹介。

この2ペンス切手が発行された理由として、1850年発行「ハーフ・レングス」の原版にダメージが発生して使えなくなった為と言われている、この切手も3社の印刷所で製造された、最初のトーマスハム社は凹版、次のJ.S.キャンベル社、その次のキャンベル&ファーグソン社は石版印刷、やはり後半になると細部の印刷が潰れた物が多くなる。

製造面の分類要素は3社の印刷所とシェード、J.S.キャンベル社は1版から9版、キャンベル&ファーグソン社はA.B.C.Dの版が有る、下部左右にコーナーレターが有り、50面シートのポジションが確定出来る、カバーは2枚貼と3枚貼スコットランド宛を紹介。

1ペニー・グリーンは製造面のバラェテイは少なく、主に消印違いとWeak ‘N’ と呼ばれる印面変種を紹介。

6ペンス・ブルーはブラック・プルーフとシェード違い、多くの印面変種を紹介、カバーは3枚貼ロンドン宛と1枚貼を紹介。

1シリング・ブルーは8角形のデザイン、当初は無目打で発行されたが、後にPerf.12の目打入で発行された、シェード違いを共に紹介、カバーは無目打4枚貼ロンドン宛、目打入と他シリーズ混貼ロンドン宛、目打入1枚貼を紹介。

2人目)ニューヘブリデス宛の外信ハガキから、現在はバヌアツ共和国となる地域の郵便事情を紹介、日本郵趣出版1997年斎藤毅著「世界切手国めぐり」の紹介が全てだが、切手と照らし合わせてのプレゼンテーション形式で分かりやすく解説して頂けました。

外務省のHPでも情報は殆ど有りません、紹介のドイツ収集家のHPは切手に関する情報共有もされており、資料としても貴重です。

https://WWW.ROLAND-KLINGER.DE/NH/INDEX.HTM

イギリス・フランスの共同管理時代、共に最初の切手は加刷形式で発行された、通貨は違っているが両管理時代の混貼使用例、加刷無加刷混貼使用例も確認されている、正刷切手は1911年に表記と通貨違いで発行されたが、1938年からは共に金フランの通貨で発行された、1977年からは統一通貨ニューヘブライズフランで発行されたが、1980年に統一され共同管理は終わる事になる。

このような事情が有る切手発行国としては他に、Tangier(タンジェ)、Andorra(アンドラ)などが有る。

3人目)前回の続きで、アイスランド・初期切手のカバーを紹介、印刷物郵便で宛名も印刷されている、中に残っていたアイスランド語と英語の手紙から、詳細は分からないがどうも郵便局長が切手売切のお詫びの内容を送った物らしい。

他には、ウガンダ切手とイギリス領東アフリカ切手の混貼カバーの紹介、1898年使用例でこちらも詳細を調べているとの事です。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。