外国切手研究会 第62回Zoom例会レポート・前編

2021626日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第62Zoom例会』レポート前編です。参加者13人中9人の発表で質疑応答が有りました。

今回は全日本切手展2021開催日との事で、冒頭に参加された方のお話が有り、会場の様子やリアルで見た作品の感想、ブース関連の話題などを聞く事が出来ました。

1人目)前回で反響の大きかった、アメリカのコイル切手について、1908年シリーズを例にした、プレゼンテンション形式で非常に分かりやすい解説をして頂けました、詳細は画像データを見て頂ければと思います。

製造面のポイントとして、1914年迄は平面印刷機だった為、一方向のみ目打を施した400面印刷シート(20×20400)を手作業で繋ぎ合わせてコイル切手を作成していた為にその貼り合せ跡が出現する、目打もシート切手と同じく12だった。

当時の需要に対して手作業では効率が悪い為に新型の機械が開発された、半分に切った200面印刷シートを繋ぎ合わせ、これをこの機械に入れると自動的に10本のコイル切手が出てくる物、ただし目打12では細かすぎて機械の中でちぎれる事がよく有った為、1910年から1914年迄は主に8 1/2という荒い目打が使われた。

但し余りにも荒すぎて切手をちぎりにくいという苦情が使用者から起こった為、1914年からは目打10に変更され、以降アメリカのコイル切手は全て目打10となりました。

コイル切手をさらに効率よく製造する為に輪転印刷機が開発され、1914年頃から使われ始めました、特徴として、実用版の継ぎ目にジョイントラインが切手と切手の間に現れ、横型コイルでは17枚目ごと、縦型コイルでは15枚目ごとに現れる、但し平面印刷機のコイルでも切手と切手の間にガイドラインが現れるものもあり、一見よく似ているので注意が必要です。

2人目)ラトビア・初期の切手を紹介、1918年発行の1番切手は、第一次世界大戦後にドイツ軍が残した軍用地図の裏に印刷されている事で有名、216面シートという中途半端な構成だが、素版の構成は5×525面、無目打と目打11 1/2が有り、1版と2版が有る。

1919年発行の2番切手も無目打と目打11 1/2が有る、これは100面シートだが、裏面は青いノート状の罫線が有り、シート上部は線無し、他は1本から3本の線が入っている、無目打×9 3/4の切手も存在するが、無目打シートの5段目と6段目だけ目打9 3/4が入れられており、エラーでは無いとの事。

1919年発行の3番切手の無目打は紙が少し薄いのが特徴、額面種類は増えたが実逓の使用済は少なく、使用できる期間や範囲が限定的だった為と思われる。

1919年発行の3番切手の目打11 1/2も紙が少し薄い、マージンが一部広い切手は5段目と6段目の間の特徴でエラーでは無い。

1919年発行の4番切手は無目打すかし有り、紙は厚くなる、このデザインの切手として最後にルーブル単位の高額切手が発行された。

尚、5Kap.には100面シートと110面シートが存在しており、第58回で紹介した新中国・文革切手のパターンと同じく、広く空いていた左側マージンの一列に10面を追加して再構成した物。

3人目)英本国や英領を中心に長年収集している紹介者が、ゼネラル用として数十年前にスコット図入アルバムの全英領を購入し今でも進行形との事。

その中のインド・エドワード7世の普通切手のページでは最高額面の25ルピーだけ未入手だった、インドでは非常に多くの公用切手が発行されており、その公用切手25ルピーは入手済、最近某国内オークションで状態の良い切手が出品されており是非入手したいとの事、ゼネラル収集の醍醐味、最後の1枚の入手する楽しさやワクワク感を紹介して頂けました。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。