外国切手研究会 第63回Zoom例会レポート・後編

202173日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第63Zoom例会』レポート後編です。参加者13人中10人の発表で質疑応答が有りました。

5人目)香港の加刷切手の紹介、S.O.S.D.と加刷された3枚、10年程前はスコットカタログでも未掲載だった、記述によるとS.O.StampOfficeS.D.は印紙との事で1891年より93年に郵便に使用されたとあるが詳細は不明、又偽物も多いとの事で信用できる切手商より購入。

質疑応答より、当時の香港の印紙にはSTAMP DUTYと入った印が使われており、S.D.加刷をして印紙として発行された物が、何かの理由で一時期郵便切手として使用されたと思われる。

6人目)アラブ土侯国・アジュマンのスタンプレスカバーの紹介、1966723日、航空書留便で差出人はAJMAN POSTMASTER、受取人のBELMONT FARIES氏はAmerican Philatelic Societyの重鎮で雑誌の編集にも携わっており、土侯国が切手の団体や雑誌編集者に新切手案内などの郵便を出していたのではないかと推測できる。

アジュマンは196675日マナマに最初の郵便局を開設、1964年に最初の切手を発行したが、以前からロイヤルメールが郵便を管轄していた事もあり、そのまま2年間は継続していたと思われる。

7人目)最近某オークションで落札した、シエラレオネとトンガの変形シール切手を紹介、以前この例会でもトンガの実逓便が紹介された事もあり興味を持ったとの事、日本宛の実逓便も1通含まれており興味深い、世界的にも現在このジャンルは人気がありとても良いロットと思います。

8人目)自分のフランス初期作品より、冒頭のスタンプレス・カバーの部分を簡単に紹介、フランスで郵便制度が始まるのが1477年、ルイXI世が民間で行われていたのを接収したと言われる。

1627年は郵便料金という物が出来た最初の年、1725年から1730年に使われた郵便料金前納の最初の印、1762年にはGenova宛外信便も有った事が分かる、16日間しか使われなかった印、フランス革命時代のカバー、受取人払いの市内便、ナポレオン時代の軍事郵便カバー、第2帝政時代の植民地からのカバー、18481231日の郵便切手発行前日のカバーなど。

9人目)戦前の朝鮮半島発の絵葉書便を紹介、1通目、大道門を描く物、切手は裏面貼りで消印は不鮮明だが、表の不足料印より現在の北朝鮮・兼二浦と読める、1918(大正13)年1224日フランス宛、表にフランス語で印刷物と記入されているが局員の判断か認識出来なかった為、ハガキ料金8銭に対して4銭の不足料扱いとなっている。

2通目、関東大震災を描く物、朝鮮・金泉発ポルトガル宛、1通目と同じく差出人のR.E.C.D.が気になり調べてみると、海外オークションサイトdelcampeのニュースレターに記述が有り、当時の絵葉書と切手の交換会の頭文字で、フランスで191311日に設立されたという事も分かった。

10人目)最近入手の香港の官製ハガキと英国カバーをの紹介、実はこのFIELD POST OFFICE -1-の印は使用期間が僅か二日間しかなく、水原明窓の書籍にも紹介された事もある貴重な物。

スタンプレス・カバーを1通紹介、LONDONよりHONGKONGCanton宛、1848年の使用例だが、Cantonの郵便局は1860年代の開設の為、何らかの手段で逓送されたと思われる。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。