2021年7月10日 20:00PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第64回Zoom例会』レポートです。参加者9人中6人の発表で質疑応答が有りました。
1人目)前回の続きで、南米チリのマテリアルを紹介、スタンプレスカバーはValparaiso発Santiago宛、日付印は使われていないが、手紙の内容から1851年3月27日と推測出来る、押されている局名の赤い消印は、”V”が少し短いタイプで、通常のタイプと分類出来る。
同国初期の切手は国王や女王ではなくコロンブスの肖像が特徴、大きな分類の要素として、印刷のシャープなロンドン・パーキンスベーコン社印刷とサンティエゴ印刷に分けられる、シェードや紙の分類、料金額面が模様の透かしも表裏正逆の4種類が有る、240面シート。
5センタボスはカバー9g迄の基本料金、10センタボスはカバー14.4g迄の基本料金だが、半裁のバイセクト使用例も比較的見かけるとの事。
2人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品より、ドイツ・プロイセンのコレクションから4番目シリーズのミックスドフランキング使用例の解説、その為制作途中リーフの一部のみ紹介 、このシリーズはプロイセン初のパーフォレーション(ルレット)が入れられた切手で、1861年よりプロイセンが無くなる1867年迄使われた、PHILANIPPON 2021での発表が楽しみです。
3人目)前回の続きで、ハワイ王国1865年数字切手とアメリカ切手とのコンビネーションカバーなど、世界的に有名なコレクションから紹介。
1通目、5セント(SC#22)1枚貼、ハワイ島コハラ発、ニューハンプシャー州デリー宛、ハワイよりアメリカ宛基本料金の5セント切手のみ貼られていた為、14セントの不足料扱いになっているカバー、内訳はコレクト料金6セントのペナルティ2倍+キャプテンフィー2セント、その為ホノルル局1866年10月1日の消印は、アメリカ料金支払済の赤い消印ではなく、通常の黒い消印が押されている。
2通目、5セント(SC#22)とアメリカ切手3セントと2セントとのコンビネーションカバー、ニューヨーク宛、ホノルル局1867年4月8日消、アメリカ料金支払済の赤い消印が押されている、3セントはアメリカ国内料金で2セントはキャプテンフィー料金、このようにそれぞれの切手が分けられて貼られているカバーは少ない。
3通目、5セント(SC#22)とアメリカ切手5セントとのコンビネーションカバー、サンフランシスコ宛、ホノルル局1866年7月8日消、受人はアドレスにCapitanやU.S.Navyと入っており、比較的有名な軍人の方との事。
4人目)以前から紹介している、図入りアルバムコレクションで、アメリカ切手編に続く世界切手編の話題、切手はAPS(American Philatelic Society)の有料セミナーに申し込んだ時に頂いたプレゼントで、世界切手のパケットも入っていた。
このパケットの整理を考えた時、APS(American Philatelic Society)のHPには誰でも見る事が可能な上、無料でダウンロード出来る図入りアルバムページが有る、その中のEveryCountryのページをダウンロードして利用してみた。https://stamps.org/stamp-albums
ページ区分としては、1840年の世界最初の切手発行年から現在迄、かって存在していた切手発行国や分類を含めた採録で全132ページ、比較的自由に貼る事が出来るレイアウトとなっており、CHINAとJAPANのページを見て頂ければ分かりやすいと思います、こちらもアメリカ切手同様、切手収集の基本的な知識と楽しさを体験出来る面白さ、ワクワク感が伝わりました。
5人目)前回紹介の続きで、ラトビア1920年以降のシリーズを紹介、 額面単位の初期はRUBLI、後にSANTIMIとLATになる、戦前のラトビアではメジャーな切手で1940年辺り迄使用されたが、RUBLI単位のカバーは少ない、この切手の面白さは目打の分類で多くの種類が有る、一部の切手には用紙の製造メーカーの透かしが入っている物が存在する、左右100面シート×2の200面シート構成でガッターマージンを取る事が出来る、不足料扱いのカバーはロシア方式としては定番の、楕円形の印の中に不足料金が記入された物。
1927-33年発行のシリーズは使用例も豊富、白紙と着色紙のバラエテイは裏面を見ないと区分出来ない、尚この時期に発行された記念切手にも、これら普通切手に準じた目打バラエティが幾つか存在するものが有る。
6人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品より、South Korea 1945-47の冒頭部分を解説、その為制作途中のタイトルリーフと一部のみ紹介 、日本切手の無加刷使用例に続き、ハングル文字が加刷されたタイプでは、スタンペックスジャパン2021に出品後、新たに入手したマテリアルやオリジナル研究等を加えての再構成途中との事、PHILANIPPON 2021での発表を楽しみにしております。
今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます。例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。