2021年10月2日 20:00PM – 21:50PM開催『外国切手研究会 第73回Zoom例会』レポートです。参加者10人中4人の発表で質疑応答が有りました。
1人目)西ドイツ・気送菅郵便カバーについて、空気圧(エアシューター)を利用して郵便物を運ぶシステムで、一時期ヨーロッパでも数カ国が利用していた、紹介の品は西ベルリンで使われたカバーで消印は1955年9月21日、下部の消印Postsacheは通信事務、PschAは郵便局の略語、気送菅郵便専用の官製葉書も発行されていたようで、詳細が解説された日本語サイトが有りました、ありがとうございます。http://www1.plala.or.jp/stein/GSK_honbun/ReichI/B14.html
2人目)カナダ・スモールクイーンイッシューの低額面2種を紹介、このシリーズは1870年から89年迄約20年発行された、尚初期のカナダは幾つかの州に分かれており、1851年発行の1番切手はビーバー図案で有名、1882年発行の1/2セントは紙が白っぽいモントリオール印刷、紙が灰色っぽいオワタ印刷が有るが、確実な分類は銘版付ブロックで、過去の著名なコレクションもそうなっているとの事、混貼のアメリカ宛書留カバーに貼られた6セントはこの1/2セントより大きいが、こちらもスモールクイーンイッシューになる。
1870-73年発行の1セントはモントリオール印刷のみ、シェードバラェテイが多く、イエロー系からオレンジ系迄いくつか分類出来る、このスモールクイーンイッシューと前のラージクイーンイッシューは製造面バラェテイが豊富で収集が楽しめるカナダクラッシック切手との事。
3人目)海外オークションに出品されている旧中国カバーについて、30年雲南省・昆明発、ソ連・レニングラード宛、援蒋ルートで運ばれたと思えるが詳細が分からない、第70回でも紹介の方に解説して頂きました。
年号は民国30年で西暦1941年、封筒右側はフランスの検閲印とラベルが使われている、仏印を通過しており、おそらくハノイではないか、中立国宛やヨーロッパ宛と違いソ連宛は殆ど見た事が無い、裏面のロシアの中継印を読み解けば、逓送ルートがトルコから北上したのかヨーロッパ経由か分かるかもしれないとの事でした。
雲南省繋がりで旧中国コレクションより、1926年8月15日発行の雲南加刷切手の紹介、この当時中央と地方の貨幣価値が全然違っており、日本の朝鮮加刷や支那加刷と同様、安価な地方貨幣で切手を購入して中央の貨幣で換金し、その差額で利鞘を得る行為をさせない為、使用地域限定の加刷を行ったもの。
1949年5月12日発行の雲南加刷切手の紹介、国共内戦の末期に通常の銀圓とは違う半値銀圓を流通させようとした時に発行されたが、時期的に殆ど使われなかった、高額の使用済は難しい。
4人目)戦前の朝鮮半島で一時期使われた垂直型局名櫛型印について、鳴美発行の百科事典では2局が確認されているとの記載だが、韓国の収集家のblogで江原・外金剛局、紹介者の入手品で全北・金馬局を紹介、他にも参加者より京城本町3丁目局や他局も所有しているとの事、非常に面白い印影でこの消印の情報も募集しています。
今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます。例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。