2020年10月24日 20:00PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第27回Zoom例会』レポート前編です。参加者12人中7人の発表で質疑応答が有りました。
1人目)アメリカ発、朝鮮・京城(ソウル)宛、外信ハガキについての質問、2セント切手が貼られている絵葉書だが、この当時の郵便料金を知りたいとの事。
主要国の国際郵便料金を解説した MICHEL Internationales Taschenbuch der Postgebuhrenというカタログの所有者に調べて頂いた所、アメリカの外国宛ハガキ料金は1875年7月1日より1925年9月30日迄の約50年間、2センだったとの事、このカタログは下記アドレスを参考にして下さい。
押されている到着印は、A欄が日本語読みと朝鮮語読みの2段になっているが、後には日本語読みの1段になってしまうが、どちらも同じ位の使用期間、京城(ソウル)以外の局は難しいとの事。
2人目)アメリカ1861年シリーズの最終編と、1869年シリーズの前半を紹介。
1861年シリーズ、30セント・フランクリンの紹介、主にフランス・ドイツ宛2倍重量便料金に相当、実用版番号7の1種類だけで製造された、このシリーズのグリル付用紙は比較的珍しい。
90セント・ワシントンの紹介、発行枚数も少なく実用版もやはり1種類だけ、カバーの現存数は約60通で主に中国宛が多い、参考で約2万5千ドルの評価と言われる。
24セント・ワシントンのカバーを紹介、英国宛12セント基本料金の2倍重量便。
30セント・フランクリンのカバーを紹介、フランス宛15セント基本料金の2倍重量便。
ピクトリアルシリーズと呼ばれる1869年シリーズは、当時は一般から不評で約1年後には次のシリーズに変わった為、収集が難しい事で知られているが、今の視点から見ると中々良い切手と思える、魅力的なエッセイとプルーフを紹介、30セントは不採用図案。
1869年シリーズ、1セント・フランクリンの紹介、主にローカルレター、国内印刷物料金に相当、低額面のシート構成は横10×縦15=150枚で実用版はそれらを横に繋げた300枚シート。
2セント・ポニーエクスプレスの紹介、2セント未使用6枚ブロックは比較的珍しい1品。
1セント・フランクリンのカバーを紹介、ニューヨーク市内便。
2セント・ポニーエクスプレスのカバーを紹介、3枚ブロック貼、3セント国内封書基本料金の2倍重量便。
3セント・機関車の紹介、国内封書基本料金に相当、短い製造期間にも関わらず発行枚数は約3億8千万枚で実用版も10版、既にアメリカの郵便物が他国と比べて桁違いに多いのが分かる、カバーは国内便3倍重量便。
3人目)最近入手のカバーについて紹介と質問。
1通目、ドイツのアメリカ・イギリス占領地区発行、1948年建物シリーズとベルリン強制付加切手のカバーですが、右上の四角いスタンプに興味と疑問が有り購入、自分で調べた所、宛先の年金事務所が使った物かも? 社会福祉のテーマで使えそうなマテリアルだが、実際はどうでしょうか?
2通目、ドイツのアメリカ・イギリス・ソビエト占領地区共同発行、1947年労働者図案シリーズのカバーですが、赤いNachgebuhrの印鑑と青鉛筆で33と書かれた数字から、不足料金扱いのカバーと思いますがどうでしょう? またドイツ切手カバーの差出地と宛先、送料等の調べ方で苦戦する事が有り、ヒントやアドバイスが欲しいとの事です。
アドバイスとして、このカバーは不足料金扱いカバーで正解です、よく見かける ”T” の印は国際便不足料金のUPUの規定で、ドイツ国内便不足料金ですのでドイツ語だけの表記です。
カバーの情報は、差出人や受取人のアドレスや封筒のコーナーカード、押されている印鑑等から調べるのと、先に紹介のMICHEL Internationales Taschenbuch der Postgebuhrenカタログから料金を調べる事も可能です、24ペニヒ料金は20g迄の市外用書状料金なので、それを超えていたと思われます。
レポーター注)僕も利用している「ドイツ切手のバーチャル博物館」という日本語の素晴らしいサイトが有ります、こちらも参考にして下さい。
http://www1.plala.or.jp/stein/post_de/
前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます。例会内容に興味が有る方や御質問等有る方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。