外国切手研究会 第44回Zoom例会レポート・前編

2021220日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第44Zoom例会』レポート前編です。参加者11人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)南スーダン独立3日前実逓カバーの紹介、同国は201179日に独立、スーダンの切手が貼られ201176日、現首都JUBA消、Mayardit大統領より独立記念式典の招待状が送られたカバー。

招待状やカバー表面の印刷では、現国名Republic of South Sudan は The Government of Southern of Sudan と記されており、独立の準備過程ではスーダン南部との位置付だったと思われる興味深いマテリアル。

2人目)前回話題に上がった、国内インターネットオークションに出品・落札されたハワイ宣教師切手についての番外編、本物の5セント切手、実在しない3セント切手、レプリカの2セント切手を紹介。

2セント切手はTow Centsの文字が本物と比べてバランスが悪く一目瞭然との事、ハワイ宣教師切手に関しては、アメリカ・ニューヨークのフィラテリックファンデーションが一番信用の置ける鑑定先との事です、有名な偽物としては、第17Zoom例会レポートで紹介したPeter Winter氏作成の精巧な2セントと5セント切手のタイプ違いペアが有ります、参考にしてください。

前回の続きで 、ハワイ王国・1893年発行暫定政府の赤色加刷切手、スコットNo61B10セント、スコットNo66C6セント切手の紹介、POST OFFICE IN PARADISE – Provisional Government Issue: Beardsley Quantity Analysis (hawaiianstamps.com)

10セントは本来は黒色加刷が赤色加刷されたエラー、6セントは本来は赤色加刷が黒色加刷されたエラー、上記参考サイトによると両切手共1シート・50枚のみ発行。

10セント切手に関しては1906年のサンフランシスコ大地震で切手商・収集家が所有していた切手が8枚消失したと記録されており、現存数は40枚程と言われている、その中で使用済は1点のみ確認、紹介の切手はポジション26

6セント切手もこの大地震で切手商・収集家が所有していた切手が10枚消失したと記録されており、こちらも現在数は40枚程と言われている、使用済も数点有りカバーも残されている、紹介の切手は右側マージンの広いオフセンターから5の倍数のポジションと思われる。

Beardsley氏の基礎データをCol. Pat Hogan氏がアップデートした、ポジションと現存切手の確認研究が残されているが約40年程前のデータの為、紹介者が引き続き研究を進めているが、基礎データには写真画像が無く、中々難しいとの事です。

3人目)前回の続編、某オークションで入手した香港関ロットから中国租借地・威海衛より廈門(AMOY)を紹介、尚画像のリーフは整理途中との事で、説明不足や記述違いも有るとの事ですが、貴重なマテリアルの為公開させて頂きました、御了承下さい。

最初に使われたのは、赤色でAMOYの印が押されている上から香港で抹消された物、カバーは10通程しか確認されていないが、旧石川良平コレクションには含まれていた、使用済単体でも貴重なマテリアル。

後にはA11の抹消印が使われた、D27の抹消印は支局で使われた物、さらには抹消印と日付印が合わさった物が使われ、こちらは数種類のタイプが有るが、AMOYの局名が横一列に並んでいるので初期に使われた物。

前回他の紹介者のドイツ・ジャーマンステーツ、バイエルンのファーストシリーズ、1Krの黒色印刷で話題が有った”Intense black” から、元祖のペニー・ブラックを紹介、1版より10版迄の未使用が整理されたコレクションで、この中では6版の切手が”Intense black” と言える物との事、7版と10版の”Greyish black” は版が磨耗したのでは無く、このような色のインクが使われたと思われる。

プレート1aのみを整理したリーフでは、最初の1枚が ”Intense black”、この1aは焼入れ処理されていなかった為、後期になると磨耗が進み切手の印象はかなり変わる。

カバーは184059日の初期使用例、下部耳紙付きの貴重なマテリアル、シート下部耳紙に記されていた全文も紹介。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。