南方占領地切手コレクターズクラブ 第20回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ 第20回ZOOM例会レポート

2022年1月26日水曜日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1) 北セレベス 航空外信用12.5cハガキ(JASCA  A9)

セレベス島は中央部に3千Mを超す山々が連なり、陸路での北と南側の行き来は難しかいです。そのため、北セレベスと南セレベスで別々の錨加刷がされました。本品の農耕3.5cの北セレベス加刷(但し日の丸加刷漏れ)は珍しいものです。更に、台ハガキの航空外信12.5cは、今まで未見です。残念ながらカット品ですが、いつの日か完全品が現れるでしょうか?

2)スマトラ 多切手貼封筒

スマトラではしばしば本品のように様々な切手を貼った封筒があります。本品は数の少ない30cent航空切手、東海岸加刷の橙加刷やライラック加刷といった希少な切手がたくさん貼られた封筒です。

3)フィリピン セブゲリラ切手

戦時中、日本軍はフィリピン全地域を占領したのではなく、主要都市を点々と占領したにすぎませんでした。それ故に、ミンダナオやセブのような日本軍の影響が少なかった地域では、ゲリラ活動が盛んで、ゲリラの活動を宣伝する「ゲリラ切手」が作られました。ミンダナオゲリラ切手はラベルの要素が強かった一方で、セブゲリラ切手は郵便切手の要素が強く、実逓便も見つかっています。額面は2,4,16,20cの4種で、特に16,20cは片面に4枚ずつ、両面で合計8枚の切手が印刷されている大変興味深いシート構成です。

4)スマトラ 農耕透無2.5c タパヌリ日章旗と東海岸大日本枠付き赤加刷

タパヌリ日章旗と東海岸大日本枠付き赤加刷がされた切手のオンピースです。日専未記載の新発見品です。蘭領の農耕切手と旧女王切手は透しの有無で分類が可能ですが、透無切手は発行年が早かったので数が少ないです。

5)スマトラ サイン加筆??

スマトラでは各州で多種多様な加刷がされました。特にパレンバン州では「日本占領下で売った切手と、それ以前に入手された切手との区別をつけること」の通達が出され、ハンコや指輪・サインなどが切手に押されて販売されました。今回発表されたのは、サインのように赤鉛筆や万年筆で切手に加筆がなされたものです。いずれも小包送達票にされており、何らかの意図があって加筆されたのか、それともただの汚れなのかは、これからの解明が待たれます。

6)フィリピン 大東亜戦争一周年記念切手FDC

フィリピンでは全ての郵便局で各種の切手が初日に発売されたのではありません。

例えば大東亜戦争一周年記念切手はManila以外ではBaguio、Davao、Iloilo、Legaspi の4局しか初日に発売していません。ただし、Bulacan局のFDCが存在します。これは正式発売局ではなく、コレクターがManilaで発売された切手を持ち込み、押印をしてもらったものと思われます。

7)北ボルネオ 軍事郵便

南方からの軍事郵便では現地製の軍事郵便はがきも使われました。各地で調整された軍事郵便はがきは収集の対象になっていますが、北ボルネオのものが今回発表されました。これは特有の透かしが見られます。どこの印刷所製でしょうか。

8)マライ サラワク宛てラッパー

マライの印刷物料金は2cでした。稀に印刷物ラッパーがみられますが、本品はそのうえ北ボルネオのサラワク宛てとなっています。中の印刷物が失われていることが残念でなりません。

 

話題は主に以上でした。

次回は2月23日 午後8時から開催予定です。