2020年12月5日 20:00PM – 22:15PM開催『外国切手研究会 第33回Zoom例会』レポート後編です。参加者12人中7人の発表で質疑応答が有りました。
4人目)前回の話題に出た、第2次世界大戦後にヒットラー図案切手の顔を消したり見えなくする目的で発行した加刷切手を紹介。
オーストリアが1945年に発行した切手は、ヒットラーが牢獄に入っているような加刷で有名、同国では同年にワシ図案と風景図案の普通切手を発行しており、これら加刷切手はドイツより解放の記念品目的と思われる。
他に国名を縦に加刷したタイプも数種類発行されており、ドイツの記念切手に加刷したのも有る、これらもやはり記念品目的と思われ、使用済や実逓便は未見との事です。
5人目)前回の続きで、中華民国・上海大東5版切手に関する紹介と考察、50圓から100,000圓迄の12種類、1版から4版迄は凹版印刷だが、この5版は平版印刷。
未使用も多く残っており、外国切手未使用パケット等でもよく見かけた切手、印面寸法も数種類確認されており、やはり厚紙薄紙が有る、中国国民党最末期の発行で上海以外の使用済は希少。
前研究者の資料より100,000圓の印刷原版は10面の版を20回転写して200面シートを構成したと思われ、他の額面も同様と考えられる。
印刷の質も落ちており、偶発変種も見かける事が有る。
前回の上海中央版の10圓と20圓の200面フルシートを紹介、銘版は左右の上下に有り合計4カ所、左上に計数番号、版番号はシート下部でトンボの位置で裁断した場合、版番号が見えないシートも存在する事から、少なくとも縦に2面以上で印刷されたのではないかと思える。
6人目)前回の続きで、南方占領地の台切手から蘭領インドの部分を紹介、先にオランダ王国についても作品より紹介、蘭領インドの1番切手は1864年に発行された。
南方占領地の台切手になったのはウィルヘルミナ女王の時代で、かってのABCD包囲網の’D’はオランダ(Dutch)の事である。
1937年より発行されていた低額面普通切手農耕シリーズ、中額面ウィルヘルミナ女王シリーズ、高額面ウィルヘルミナ女王シリーズ大型の多くが台切手となり加刷された。
1941年発行の改正・ウィルヘルミナ女王シリーズ(小型)と、改正・ウィルヘルミナ女王シリーズ(中・大型)も全てが台切手となり加刷された、いずれも台切手が無加刷の使用時期は非常に短い為、こちらの方が伝統郵趣的に収集が難しいと思われる。
1941年発行の数字シリーズ5セント切手、1941年踊り子シリーズ切手も台切手となったが、これらも同様に思われる。
1933年発行の航空切手、1913-1940年発行の不足料切手も台切手となった、珍しい例として、本国向けに用意されていたオランダ切手が台切手になったのも2種類存在する。
7人目)1946年インドネシア独立戦争時期、ジャワで使われた南方占領地ハガキの紹介、印面は手書でインドネシア独立と文字が書かれている様、他にも日本語の部分はペンで消されている、100パーセント無料と書かれた印も押されており、この印は何種類かのパターンが確認されている。
詳細は調べている途中で情報も募集中ですが、自然な使用例で好ましいハガキです。
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