外国切手研究会 第37回Zoom例会レポート・前編

202112日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第37Zoom例会』レポート前編です。参加者12人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回の続きで、ドイツやイギリスの戦略偽装切手を本物との比較紹介、画像データは黒色マウントに入っている方が偽装切手。

1件目、前回のドイツ・ゲルマニア切手に関してはコメントを頂き、1998年出版Wolfgang Baldus著「Schwarze Post」第1巻p.18-39 の記述を紹介して頂き再度確認すると、下部 ”DEUTSCHES REICH” の文字が偽物は太く、THIのセリフがはっきりしない、縦目打はほぼ同じだが、横目打が違う等々が分かりました。

2件目、イギリスの有名なパロディの戦略偽装切手、最初から消印は押されている。

3件目、イギリス・ジョージ6世の戦略偽装切手、偽物は4隅の花のデザインや向きが違い、頭部王冠上部がユダヤの六芒星になっている、戦略偽装切手専門カタログによると、いくつかのタイプ違いが存在するとの事です。

2人目)ウルグアイ・1番切手より19世紀の切手をいくつか紹介。

1リーフ目、特徴的デザインの1番切手は1856年発行、国名や郵便といった文字は描かれておらず、上部の ”DILIGENCIA” は乗合馬車の意味、当時は政府による郵便制度が出来ないまま民間の馬車会社を経営していたラピドという民間人を郵便管理官に任命、地元モンテビデオのメジエ社が石版印刷で製造した物、シェードバラエティや印面バラエティも多くプレーテイングが可能、マージンは非常に狭く、フルマージンの物は偽物切手作成で有名なスペラッテイの物と言われるほど。

2番切手は1858年発行、やはり国名表示は無いが首都モンテビデオと郵便物の意味 ”COREEO” が描かれた、此処迄の民間半委託業務の特徴として、ペン消しは存在するが、消印が使われなかった事、その為スコットカタログでも使用済の評価は無い。

2リーフ目、政府主導の郵便業務となり新切手が発行された、1859年発行分は額面数字文字が細く中央部分の印刷も薄い、1860年発行分は額面数字文字が太く中央部分の印刷も濃い、2通のカバーに貼られている60cはそれら別々の切手。

3リーフ目、1864年発行5c紋章切手、石版印刷でシェードバラエティが有る、12cに加刷された切手が有り、お粗末な出来の為か10日程で流通停止となった為、使用済の入手は困難。

4リーフ目、1866年発行、イギリス・マクドナルド社に発注した5c数字シリーズ切手、不採用カラーと採用カラーのマスターDieプルーフ。

5リーフ目、18661c数字シリーズ切手、額面を表す”CENTESIMO” の文字がはっきりしており、マージン幅4mmの物がTypeⅠ、文字がはっきりしていなく、マージン幅3mmの物がTypeⅡに分類される。

5リーフ目、186610c数字シリーズ切手、黒色プルーフ、シェードバラエティ、印面バラエティ、版欠点、プレーテイングを表すブロック。

6リーフ目、186610c数字シリーズ切手、バイセクト使用例カバー、アルゼンチン宛カバー。

7リーフ目、186610c数字シリーズ切手TypeⅠ50面シートのリコンストラクション前半部。

8リーフ目、186610c数字シリーズ切手TypeⅠ50面シートのリコンストラクション後半部。

9リーフ目、186615c数字シリーズ切手TypeⅠ35面シートのリコンストラクション、額面によってシート構成の違いが有る。

10リーフ目、186620c数字シリーズ切手、モンテビデオ発、イギリス経由、フランス・ボルドー宛カバー。

11リーフ目、1884年、アメリカ・バンクノート社に発注した20c切手のプレートプルーフ。

12リーフ目、1889年、イギリス・ウオーターロウ社に発注した25c切手のプレートプルーフ。

13リーフ目、1895年、イギリス・ウオーターロウ社に発注した7c切手のプレートプルーフ、実際に発行された切手とはカラー違い。

14リーフ目、1895年シリーズ5c切手、目打のバラェテイが非常に多い。

15リーフ目、1895年シリーズ1c&5c切手多数貼カバー、モンテビデオ発、イギリス経由、オランダ・アムステルダム宛。

以上、非常にバラエテイに富んだ19世紀のウルグアイですが、一部の分類に利用しているサイトを紹介して頂けました。http://www.clubfilatelicodeluruguay.com/catCiardi.html

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。