外国切手研究会 第53回Zoom例会レポート・前編

2021424日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第53Zoom例会』レポート前編です。参加者9人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)ウルグアイ・スタンプレスカバー3通とMontevideo Sunsと呼ばれる初期シリーズの政府印刷切手を紹介。

1通目、1836719日モンテビデオよりイギリス・ロンドン宛、消印は発信のMONTVと到着の1836930LONDON、手書の数字”10/6”?は郵便料金関係と思われるが詳細は不明。

2通目、1843824日モンテビデオよりイギリス・ロンドン宛、消印は発信のMONTEVと到着側と思われる”Z 12 DE 12 1843” 、手書の数字”2/7”? もしくは”4/7”? はやはり郵便料金関係と思われる。

3通目、1855125日モンテビデオよりイギリス中継、フランス・ラレソール宛、バイオンヌへ転送、多数の印鑑が押されているが、赤い四角の印”COLONIES/ART.18” はイギリスとフランスとの郵便条約18条を表す印。

37回のでも少し紹介した、Montevideo Sunsと呼ばれる初期シリーズ1859年発行は額面の数字が細い、印面バラェテイによってプレーテイングが可能、シェードバラェテイや額面によって紙のバラェテイも有る。

同じく1860年発行は額面の数字が太く判別は容易、やはり印面バラェテイでプレーテイングが可能、60cはシェードバラェテイも多い。

1860年発行分の60c80c120cType12迄をリコンストラクションしたコレクションと専門カタログのタイプ違いを表すページなども紹介。

2人目)カバー右上の重慶中華版とよばれる3橙赤(Salmon)切手使用例としての紹介、1通目は様々な旧中国切手が貼られた194769日上海発、オランダ・アムステルダム宛。

JPSCSSのカタログよりこの3切手は刷色違いで3種類有り、橙赤(Salmon)の評価だけ高い、使用済とカバーの入手は難しく今回紹介の物が唯一所有のカバー、又このシリーズは紙の分類も3種類に分けられるが、3橙赤(Salmon)は1種類のみ。

2通目、3赤(Red)切手使用例、194641日漢口発、天津宛だが、宛名の情報U.S.N.R(アメリカ海軍予備役)やCaptainなどから、軍関係の受人に必ずしも郵送でない方法でノースカロライナ州Tryonに転送されたと思われる。

3通目、3灰紫(Light red brown)切手使用例、194653日甘粛夏河発、アメリカ・シカゴ宛、国内航空扱いの外国宛で本来なら料金不足となるが、通達遅れによりそのまま通用したと思われる使用例。

JPSカタログではこのシリーズは200面構成となっいるが、サブナンバー扱になっている3橙赤(Salmon)は100面シート構成で、刷色違いのバラェテイでは無く別版ではないかと思われるとの事です。

3人目)自由インド仮政府の未発行切手の紹介、第二次世界大戦時にドイツがイギリスに勝利後、イギリスより独立を目的とする仮政府が用意していた切手、AZADHINDとはヒンズー語で自由インドの略語。

1943年頃ベルリン国立印刷所製造、目打バラェテイや無目打も有る、原画はドイツの通常切手を担当していた有名な方で当時のドイツ切手に似た雰囲気が有る 、雑な作りの偽物も存在、最高額面の大型3色刷切手は7000枚しか製造されておらず希少、質疑応答よりこの切手のアーカイブは当時の防毒ガスカッパの着用説明書の裏面に印刷されているなど。

寄付金付きとなっているが、寄付金が無いタイプは当時日本が占領していたアンダマンニコバル諸島で使う為に用意されていたとの事。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。