外国切手研究会 第24回Zoom例会レポート・前編

2020103日 2000PM – 22:25PM開催『外国切手研究会 第24Zoom例会』レポート前編です。参加者12人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)日本統治時代の朝鮮半島の消印をメインで収集されている発表者より、幾つかの興味ある関連マテリアルを紹介。

1通目、1924年中華民国琿春発、朝鮮慶源(現セビョル)経由、東京宛ハガキ。

2通目、1926年中華民国間島龍井村(朝鮮族自治州が有)発、朝鮮会寧経由、平壌宛封書、この龍井と会寧の間には過去歴史で色々な出来事が有りその紹介も。

3通目、上記出来事後、後に間島の帰属は中国領と確認されてからも、1915年日本郵便局で扱われた間島発、長崎宛ハガキ。

4通目、1928年哈爾浜(ハルビン)発、朝鮮新義州経由、愛知宛ハガキ、哈爾浜から新義州迄は当時の南満州鉄道で運ばれたと思われる。

5通目、1939年(康徳6)哈爾浜中央発、朝鮮中江鎮(朝鮮半島最寒の地として知られる)航空書留留置カバー、差出人戻となっているが受取人と同一人物、差出人ジョン・スイートは当時ハルビン在住のウクライナ人で切手商や色々な肩書きが有る、戦後中国やアメリカに移りその後も郵趣関係の仕事をされていた様で、自分にこのカバーが戻る様に差出したと思われる。

ちなみに還付付箋に書かれている文字、何となく意味は分かるのですが完全には読めません、この辺りに御詳しい方、解読して頂ければ幸いです。

2人目)インドネシア・独立戦争時のスマトラ関係1945-49年切手を紹介、戦後日本が撤退後にオランダが再植民地化しようとした時期に発行されたもの。

1リーフ目、様々なバラェテイが有りそれらを整理、戦前のウイルへルミナ女王図案切手にインドネシア共和国の文字を加刷した切手、日本軍が加刷した切手を更に加刷した切手、スマトラの統一加刷切手など。

2リーフ目、統一加刷の上から更に加刷された切手。

3リーフ目、日本の昭和切手、オランダ植民地時代切手、南方占領地切手、同マライのスマトラ使用切手などにINDONESIA P.T.T(郵便電信電話)を加刷された切手。

南方占領地切手自体に膨大な種類やバラエティが有り、それらに加刷された切手は非常に複雑だが面白い対象との事です。

456リーフ目、これらの実逓カバーを紹介、郵便料金等詳しく分からないのも有り、情報をお持ちの方がおられましたら幸いですとの事、ちなみにカバーは参加者からも絶賛で、このような自然な使用例は初めて見たとの事です。

3人目)最近入手したカバーの紹介、19171027日ロシア・ハバロフスク発、スエーデン・ストックホルム宛。

3枚貼られている2コペイカ切手は紋章シリーズと呼ばれるタイプで、ロシア革命の影響で1917年頃から無目打が出るようになった、シリーズの中でも無目打の出現時期はバラバラで、正確な出現時期が分かっていない額面も有る、2コペイカ切手は早い所で6月の使用例が有るが、極東のハバロフスクで10月は比較的早い使用例とわれる。

検閲時に使われたと言われる、表に押されたフレーム印だが、詳しくは分かっていない。

このカバーを購入した大きな理由は、封筒裏面フラップの下に押されているロシアの満州局、1917111日マンチューリア局の印、本来マンチューリア局で1915年より使われている検閲印とは違う点や検閲シールが2枚貼って有るカバーも他に見た事が無いなど。

青い検閲印は100種類位有る様で分類が大変だが、1917年頃に使われたタイプとの事、この時期はロシア革命の影響で郵便の逓送ルートも不安定だったようで、フラップの上に押されているストックホルムの到着印は1228日、情報の豊富な興味深いカバー。

最近香港のオークションで、大コレクターのコレクションが出品されていたが、中国関係で4通のカバーが偽物、若しくは偽物の可能性有りという事で最低値が安く出品されていたが、すべて落札されておりそれらを簡単に紹介、審議の判断が出来なかったマテリアルも有りますが、怪しい点は赤矢印で示してます。

4人目)前回からの続きでハワイ王国最後の切手、1899年発行ピクトリアルイッシュー改色切手、125セント3種がUPUカラーで発行された。

1枚目リーフ、3種の未使用ブロックでトライアルカラープルーフ、銘版付、シェードバラェティなど。

2枚目リーフ、アメリカンバンクノート社の見本加刷切手、加刷文字のタイプ違いや、パンチ穴のバラェティ、銘版付ガッターペア、ポルトガル語の見本加刷、プルーフなど。

3枚目リーフ、1セント切手のタウンキャンセルコレクション、このジャンルは研究も進んでおり、局や消印のタイプ違いで格付けされているとの事です。

4枚目リーフ、2セント切手の定常変種と横目打漏れエラーの紹介、定常変種位置は48番なので丁度銘版上に該当だが、全てのシートに出現する訳では無いそうです。

5枚目リーフ、2セント切手のタウンキャンセルコレクション、消印の局違いを多く楽しむ為年号は省略、局名とメイ&ハリス書籍の消印番号のみ記載。

6枚目リーフ、2セント切手の銘版付ブロックを整理したものだが、48番切手でも先の定常変種が現れない切手が有るのが分かる。

7枚目リーフ、2セント切手に押された鉄道印、かってハワイに存在した鉄道の物で希少。

8枚目リーフ、5セント切手のタウンキャンセルコレクション、発行枚数も少ない上、基本は外信書状料金の為、ホノルル局以外は少なく難しい。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問等有る方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。