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南方占領地切手コレクターズクラブ第9回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ第9回ZOOM例会レポート

2021年2月24日 8:00PM~10:20PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレ
ポートです。
参加者は6名でした。
以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1) ビルマ 孔雀加刷カバー
ビルマの孔雀加刷は切手自体、偽物が非常に多いです。さらにエンタイアとなると郵趣家
便ぐらいしか残されていません。その稀少性を逆手にとって真正の切手を用いた偽カバー
が作られたと言われています。画像のカバーは、切手は本物で印影も本物と見られますが
、日付がバックデートと思われる偽造カバーです。

2) マライ 漢字加刷不足料カバー
マライの不足料切手は馬来軍政部単枠加刷、ローマ字加刷、漢字加刷の3種類があります
。これらの未使用はシートも残されているほど多く存在しますが、カバーとなると珍品に
なります。本品は封書料金8cの倍額16cが徴収されたため、4c不足料切手が4枚貼られて到
着地の昭南で抹消されています。

3) ジャワ 停車場印(HALTESTEMPEL)
ジャワでは箱型地名消しの停車場印が使用されました。サトウキビ等を搬出する駅で手紙
を受付け、集配局で日付印を押しました。本品のTjipariは中部ジャワと西部ジャワの境目
に存在し、西部ジャワBandjar2.2.■03■(1943年2月2日)が集配局です。

4) スマトラ 東海岸州2重加刷
スマトラの東海岸州では大日本枠付き加刷がされましたが、まれに二重加刷がされたもの
があります。本品は赤加刷と紫加刷がされており、よく見ると形が異なっているので2つ
以上の印が同時に東海岸州に存在していたことが判ります。

5) マライ等 マラッカ加刷 真贋不明品
写真の右にあるマラッカ加刷3cが問題です。旧英領の占領地切手は著名なコレクターであ
ったRowellが、切手の裏にMDRとサインをしていることがあります。これはしばしば高価
な切手になされているため、真偽の判定に役立つことがありますが困ったことに鉛筆書き
であるため、サインの偽物が存在します。本品も裏にMDRと鉛筆書きされていましたが筆
跡が疑わしく、偽サインの可能性があります。

6) ジャワ アデック刑務所から
本品は刑務所からのはがきで、他にストラスウエーク刑務所の検閲印が押されたのもあり
ます。ジャワを含め、南方占領地には敵国人を収容する収容所がありました。収容所から
はいくつかの制限があるものの、郵便物を差し出しすることができました。刑務所と収容
所の違いは判りません。

7) スマトラ ×加刷

スマトラ西海岸州ではオランダ女王の顔を抹消するような加刷がなされましたが、どれだ
けの印が使われたか、局によってどうであったかなどはまだ未解明の部分があります。本
品はいずれも未報告のもので、占領初期に棒を組合せて×にしていることが特徴です。ま
た踊り子図案の切手に×加刷がされたものも回覧されました。

8) スマトラ 八紘一宇4銭使用
南方占領地では東郷5銭を除き、2次昭和切手はほとんど見られません。スマトラでは女工
1銭や地図10銭切手が郵趣的使用などで若干見られますが、八紘一宇4銭はほとんど見られ
ません。本品はブキチンギの消印が見られるものです。

9) フィリピン 満洲切手のFDCに
本品は日本郵便切手会の満洲切手FDCです。しかし、右下に注目すると占領下フィリピ
ンでFDCなどを精力的に作っていたAfran stampのハンコが見られます。本品から、占領
下においてフィリピンではAfran stampが日本勢力圏の切手を取り扱っていたのではないか
という推測ができます。他のFDCにも同様のものがあるのか発見が待たれます。

話題は主に以上でした。
次回の開催は3月24日水曜日の20時から、です。

南方占領地切手コレクターズクラブ第8回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ第8回ZOOM例会レポート

2021年1月27日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

参加者は8名でした。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1)フィリピン 米軍接収カバー

ヤフオクにレイテ島内便の米軍接収カバーが出品されていたことに関連して、米軍接収カバーの回覧がありました。どれもBASE 1993 AEMYの印が押されており、戦後の日本におけるGHQと同じように開封した後にテープで封をしてあります。

2-3)海軍地区 加刷違いペア

海軍地区は蘭印の切手に錨の加刷をして切手を使用しました。その際に、地区ごとで加刷の形が異なっています。セレベスの加刷やボルネオの加刷はペアで加刷が異なる、というようなものがある、ということで回覧がありました。2)はセレベスの加刷で、3)はボルネオ・Pontianakの加刷です。上下の切手で加刷の形が異なる様子をお楽しみください。

4)スマトラ 西海岸 加刷違いブロック

スマトラの西海岸では「大日本郵便」という加刷が蘭印切手になされましたが、サイズ・字体が10種類ほど存在します。ブロック上でサイズの異なる加刷のなされたものの回覧がありました。

5)ビルマ 農耕切手 縞紙

ビルマの農耕切手は一部額面に縞紙が確認されています。しかし、この切手は戦後のリプリントが多く判別が難しいです。特に縞紙は未使用がほとんどであり、使用の実態もよく分かっていません。

6)ビルマ 農耕切手 30c 色違い?

ビルマの農耕切手の30cは普通、緑色です。しかし藍色とでもいうべきものの回覧がありました。同じようなものをお持ちの方があれば是非ともコメントを下さい!!

7)ビルマ 紋章切手

ビルマの紋章切手も偽物が非常に多いです。この切手はイギリス領時代の封皮に貼り付ける目的で発行されましたが、封筒に直接紋章の図案を印刷したものの回覧がありました。紙質は当時使われていた封皮に酷似しているものの、図案の細部が異なるということで偽物であろうとのことです。関連して、紋章切手の回覧があり、本物は王冠の周りに赤いもやが無く、また目打ちのあたりに赤い印刷がなされているものが多いです。

8)北ボルネオ 不足料切手

北ボルネオは不足料切手が加刷されて使用されましたが、収集家用に作られたと言われています。本品は無加刷で1943年の消印が押されていました。APOの消印がなされているため、オーストラリアなどに持ち込まれた切手に押印されたものと推測されます。

9)スマトラ 西海岸 加刷もれ

蘭印の航空機30cはテートベッシュの変則シートであったためか、しばしば逆加刷や加刷漏れが見られます。本品はスマトラの西海岸の大日本郵便加刷でした。

10)スマトラ ×加刷 エンタイア

スマトラの西海岸ではオランダ女王の顔に様々な抹消がなされました。この切手の為替使用や未使用はかなり残っていますが、封筒に貼られたものは少ないです。

11)北ボルネオ 北ボルネオ加刷 定常変種?

北ボルネオでは昭和切手に加刷されたものが使われていましたが、台切手の定常変種が同様にあるかどうかは研究が進んでいません。今回話題になったものは残念ながら偶発変種のようでしたが、他の額面で変種が見つかるでしょうか?情報お待ちしております。

12)ビルマ 非占領地域の実逓便

第7回Zoom例会で紹介されたものです。HAKAから差し出された書留カバーです。

13)スマトラ 西海岸 ×と大日本郵便加刷

新女王17.5cにスマトラ西海岸で×と大日本郵便と加刷したブロックです。特筆する点として余白に×加刷がなされています。

14)マライ 正刷切手にトンボ?

マライの正刷切手普通切手は一部シートの耳紙にトンボのようなものがあることが確認されました。参加者によると2c,3c,4c,10c,30cに確認されました。他の額面にもあるでしょうか?お持ちの方がいらっしゃれば是非コメントをお願いします。

15)スマトラ 西海岸 大日本郵便はみだし加刷

スマトラの西海岸(リオ州)では大日本郵便加刷がなされましたが、一部は為替証紙に切手を貼ったのちに加刷が行われました。この加刷が見られるのは一部の局と期間に限られます。

16)マライ 漢字加刷 加刷ずれ

マライの漢字加刷は一部額面に加刷ずれが見られます。本品はマライ連合不足切手の15cです。

17)マライ ジョホール 25/30c 使用済み

マライのジョホール切手は主に印紙として使われました。本品も印紙として使用されたものです。

18)マライ ローマ字加刷 偽物

マライのローマ字加刷はしばしば偽物が見られます。ペラ―の5c切手の逆加刷を装ったものですが、MALAYAの字間等が本物と異なります。ご注意ください。

19)ビルマ 無加刷使用

ビルマの8アンナ切手の無加刷使用ですが、日付が1942年2月で日本軍占領以前のものです。

20)海軍地区 為替証書

セレベスのマカッサルからジャワ宛ての為替証紙です。占領後期のものであり、なおかつ海軍地区からジャワ宛ては少ないです。

 

話題は主に以上でした。

 

次回のZoom例会は2月24日20時からです。

以下は取り上げられたマテリアルの画像の一部です。

南方占領地切手コレクターズクラブ第7回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ第7回ZOOM例会レポート

2020年11月26日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。 ※今回から開始時刻が早くなりました!!

 

参加者は8名でした。

 

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1)ジャワ 不足料切手貼カバー

不足料切手貼のカバーはどの地域も多くありませんが、ジャワはひときわ少ないものです。このカバーは転送便なので、2度不足料が徴収されたと考えられるものです。

2)スマトラ バンカビリトン加刷ハガキ

バンカの加刷ハガキに新女王切手10cが貼られたものです。この時期の昭南宛はスマトラ宛て料金と同額ですが、戦前は外国扱いであったので、貼り足したのではないかということでした。

3)スマトラ バンカビリトン加刷 封緘 切り抜き

スマトラの封緘ハガキは一部料金についてわかっていません。本品は2c切手が貼っているものの、消印が押されていないので、ただ貼り付けただけだろうとのことです。

4)スマトラ バンカビリトン加刷 ロット

大コレクターのロットからです。コルフ不足料切手1cにバンカ紫加刷は日専未掲載です。

5)ビルマ 非占領地域の実逓便

ビルマはマライやスマトラと違い、日本軍がすべての地域を占領していません。非占領地域では英国式郵便事業が継続していました。このカバーはビルマのChin Hills に宛てられたもので、良い値段になっていました。

6)フィリピン? 新切手?

Ebayでフィリピン発行の切手として販売されていたものです。しかし、説明が間違っていて、実際はドイツのノートゲルトのたぐいだと思われます。

7)フィリピン 軍事郵便

フィリピンで現地印刷された軍事郵便はがきについて、料額面に図案の印刷されたものがあります。発表者が2点持っていますが、他の図案はありませんか?もしあればコメント等でご連絡ください。

8)海軍地域 ジャワ正刷ハガキの海軍地域使用

ジャワ正刷ハガキを海軍担当地域・セレベス島のマカッサルで使用したものです。南方切手で他地域に切手・葉書が持ち込まれて使われたものは稀にありますが、どれも貴重なものです。

9)北ボルネオ 昭和切手の使用例

昭和切手の北ボルネオ使用で、Labuanとコーラブライトの消印が押されていますが、残念ながらどちらも偽消しではないか、とのことでした。北ボルネオ使用に限らず、昭和切手の南方占領地使用はたくさん偽物があります。入手には注意しましょう。

10)フィリピン 昭和切手の使用例

昭和切手の使用例です。南方地域では地域によって昭和切手の使用量が全く違い、難易度が異なります。フィリピンの使用は最難関ですが、単片は真偽の判定が非常に難しいため、できるだけオンピース、可能な限りエンタイア、で完全な形での収集が望まれます。

11)マライ 昭和切手の使用例

3連続で南方切手の昭和切手の使用例です。マライの昭和切手使用例は多い方ですが、本品はケランタン州のPasir Mas局使用で使用量の少ない局です。

12)海軍地域 無加刷切手使用例

西ボルネオSanggau(1942年8月25日)から同Pontianakに宛てた書留書状です。海軍地域の無加刷使用は珍しいうえに、完全な美しいエンタイアです。

13)スマトラ アチェ星と大日本枠付きの加刷された転居ハガキ

切手でもアチェ星と大日本枠付きの両方が加刷されたものは珍しいですが、転居ハガキに両方が押されたものは非常に珍しいです。

14)スマトラ バンカ加刷ハガキ

蘭印ハガキに赤色のバンカ軍政部印、紫色の2が加刷されたものです。日専未掲載の新発見のものです。

 

話題は主に以上でした。

次回の開催は 12月23日 20時からです。

 

また、12月14,15日に南方の大コレクターの収集品展覧会があります。

スカイツリー9階の郵政博物館で実施されますので、南方切手にご興味がある方は是非ともお越しください!!

以下は今回話題に上がったものの画像です。順番に1)~14)となっています。

南方占領地切手コレクターズクラブ第6回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ第6回ZOOM例会レポート

2020年10月28日 9:00PM~10:40PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。

参加者は5名でした。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1) フィリピン 最近のオークションから
参加者の一人がフィリピンミンダナオゲリラ切手6枚貼カバーを見事落札しました。数枚貼りでも少ない本切手ですが、これは文句なしの最大ブロック使用済みです。

2) マライ タイ占領下収入印紙 各種
マライで切手とは別に作られた収入印紙について回覧がありました。特にタイ占領下のものはどれもマレーシアやタイで人気とのことです。

3) マライ ジョホール6c/10c切手
この切手は古くから存在が示唆されていたにもかかわらず、実物は未確認でした。今回ついに姿を現し参加者の手にわたりました。

4) フィリピン? 東郷4銭切手帳
フィリピンはアメリカ領だったため、アメリカの消印と酷似しているものがあるようです。本切手は一見するとフィリピンの地方局の消印ですが、よく見ると上部にU.S.らしき文字が見えるため残念ながらフィリピン使用ではないようでした。もしフィリピン使用の切手帳が出てこれば大珍品です。

5) スマトラ インククロス切手の使用済みブロック
先日終了したネットオークションのものです。スマトラのインククロス自体がたくさんある切手ではありませんが、ここまでたくさん張り付けられた使用済みは多くありません。残念ながら日本に里帰りはできなかったようです。

6) マライ シンガポール版の2c切手の使用済み
マライのシンガポール版切手は2cと4cの2種が存在しますが正確な発行時期がわかっておらず、8月15日以降の消印しか見つかっておりません。本品はそれらの記録を大きく塗り替える1944年の日付のものでしたが、印影におかしな点が見られることから偽の消印を押印したものとみられます。

7) マライ 軍政部単枠印 トレンガヌ$5 タイプ9黒
過去のオークションからで、トレンガヌ$5切手にタイプ9黒の加刷は未見のものです。しかし残念ながら出品者引きになってしまいました。

8) マライ 漢字加刷 横日について
マライの漢字加刷には4種類の版があると考えられています。その中でも横日加刷は最も早い加刷の版にのみ見られるバラエティーのため、数が少ないです。

9) マライ マライ宛電報
マライ宛電報ですが、名宛人は収集界でしばしばみられる人であり、非常に信憑性の高いものです。マライのペナンから東京の荏原に宛てて送られたようです。

10) 北ボルネオ 3行加刷に1行加刷ペア 一方加刷漏れ
ネットオークションで、北ボルネオ1行加刷の一方加刷漏れペアなどが出品されました。これはそのうちの一つです。

話題は主に以上でした。

以下は順に3,4,5,6,7,9,10の画像です。

次回の開催は 11月25日水曜日 21時からです。

南方占領地切手コレクターズクラブ 第5回Zoom例会レポート

2020年9月23日 9:30PM~10:40PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。
諸般の事情でイレギュラーな開催時間となりました。参加者は7名でした。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1) 海軍地域 ロンボック太陽加刷切手 封書使用
蘭印の数字5セント切手にロンボック太陽加刷のなされた縦ペアの封書使用です。ロンボック島のアンペナンからジャワのスラバヤ宛てであり、ただでさえ稀少な太陽加刷の封書使用という珍品です。過去の海外オークションで当該マテリアルが100万円相当で出品されたことがあります。
2) 自由インド 1R+2R プルーフ
通常、自由インド仮政府切手1R+2R切手は黒・橙・緑色で印刷されていますが、当該マテリアルは黒色部分が紫色で印刷されているものです。

今回は主に現在開催中のオークションの話題が中心となったため、話題は以上でした。

次回の開催は10月28日水曜日、21時からです。

以下は上記マテリアルの画像です。

 

南方占領地切手コレクターズクラブ第4回Zoom例会レポート

2020年8月26日 9:00PM~11:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。
参加者は8名で、南方占領地域の切手や使用例の話題でにぎわいました。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1)スマトラ 大日本枠無し加刷(T2)と枠付き加刷(T3)との二重加刷
踊り子7.5cにスマトラ東海岸州の加刷が2つ押されたものの発表がありました。
日専未収録であり、新発見です。

2)スマトラ バンカビリトン軍政部印加刷のロット
オランダ不足料切手にバンカビリトン島の軍政部印が紫で加刷されたロットです。
このうち、コルフ印刷局製の1c,20cは日専未収録のものです。

3)スマトラ 1次昭和切手の大正池5銭切手とマライの軍政部単枠加刷切手貼エンタイア
フロントカバーとのことですが、スマトラの東海岸州内同士の使用例であり、どちらの切手も実逓便は少ない貴重なものです。左上の紙片は許可された言語以外で封書を出してはならない、といったことを述べています。

4)スマトラ 各種切手貼のソ連参戦記念カバー
1次昭和切手の大正池5銭と法隆寺25銭、無加刷の蘭印切手が貼られたエンタイアです。左上にソ連が対日参戦を表明したことを取り上げているカバーです。

5)マライ 漢字加刷 ネグリセンビラン2c/5c切手の変種?
左の切手のcts.のピリオド部分がカンマ「,」のように見える単片です。
同様の変種を持っている参加者がいたため、ひょっとすると定常変種かもしれません。
どなたかお持ちの方はいらっしゃいませんか?

6)海軍地域 為替証書 マカッサル郵便局長印つき
為替証書の上部にマカッサル郵便局長印が赤で押印されたものについて話がありました。他に黒で押印されたものが参加者から提示されました。

7)マライ 2次昭和切手他の持ち込み使用例
マライに持ち込まれた2次昭和切手の使用例が紹介されました。八紘一宇4銭や少年兵15銭、靖国17銭、凹版灯台40銭といったものに特印が押印されたものでした。

8)ビルマ 東郷5銭切手に5c黒加刷切手のエンタイア
タウンジイ局で引き受けられた郵便物ですが、消印が怪しいということで疑問品です。しかし、裏のYAWNGONの着印は真正品では、ということで真偽不明でした。
どなたか当該の消印と同じような消印の押された単片やカバーをお持ちではないでしょうか?

9)ビルマ ミョーンミャ局の孔雀加刷切手
この加刷には孔雀の右肩に切り込みのあるものと無いものがあります。一時期は切り込みの無いものが偽物といわれていましたが、印影の特徴がほぼ一致しているため真正品ではないかとのことでした。

10)ビルマ 日本記念切手・靖国神社75周年切手のビルマ宛エンタイア
日本内地からビルマに向けて宛てられたエンタイアです。このような封書に日本の郵趣化が返信用に種々の切手を同封したことで、南方での日本記念切手などの使用例が残されたのではないかと考えられています。

11)フィリピン 1銭5厘楠公はかきに田沢5厘切手を貼ったManila局差出ハガキ
フィリピンの郵趣家から日本に宛てられたハガキです。これらのハガキ、切手はフィリピンでは販売されなかったので、持ち込み使用例です。

12)香港 切手印面塗りつぶしカバー
香港から中国に宛てられた郵便物は切手の印面を塗りつぶされました。これは日本の香港占領を認めない中国側によるものですが、料金は有効のまま送達されました。過去のスタンペディアオークションでは珍局として名高い九龍城差出の同様のカバーが出品されました。

13)フィリピン 不足料切手二重棒抹消切手
この切手は偽物が非常に多く、未使用は非常に危険です。画像のオンピースは他の切手、消印は真正のようですが、当該切手の加刷はやや疑わしいものです。

話題は主に以上でした。

今週末の金曜日(8月28日)、当例会の参加者がYouTubeで南方占領地切手の主にマライ切手について講演をするとのことです。是非とも皆様もご覧ください!!

米粒写経チャンネルで視聴できるとのことです。参考までに前々回の講演のURLです。

 

以下は上記マテリアルの画像(一部)です。

南方占領地切手コレクターズクラブ 第3回Zoom例会レポート

2020年7月22日 9:00PM~11:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。
先月の『集まれ!南方占領地マライ切手コレクター 第2回zoom例会』の後続となる例会で名称変更を行いました。
参加者は11名となり、マライ・スマトラ・フィリピン・香港・北ボルネオとほぼ全域にわたり様々な話題が上がりにぎわいました。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1) マライ ローマ字加刷のネグリセンビラン6c切手と贈呈の紙片
上記切手(但し8の逆字入り)に加え、贈呈の紙片がネットオークションに出品されました。
マライの現地関係者へのタトウに挟まれていたものではないかという意見に対し、参加者から当該タトウの回覧がありました。タトウにも贈呈表記があったため、紙片は切手に挟まれたものではなく、本などに挟んだものではないかとの意見が出ました。

2) スマトラ/香港 1次昭和切手 大正池5銭の使用例
参加者から1次昭和切手 大正池5銭のスマトラ・香港での使用例の回覧がありました。日専の評価でも高めであるように、実逓エンタイアはたとえ為替証書であっても希少です。
参加者からは東郷5銭の発行を機に、本土での売れ残りの大正池5銭は積極的に南方・南洋に送ったのでは?という意見が出ました。

3) 北ボルネオ ボーホートの真正印顆の流出
北ボルネオ・サラワクのボーホートの消印が市場に出たとのことです。値段やどのオークションに出たかなどは不明ですが、印顆にハマっている日付しか現存していないため、後に偽消しが作られたとしても見分けがつくとのことです。

4) マライ PERLIS表示の消印の押されたカバー
マライのPERLISは戦前は独立した1つの州でした。しかし、日本占領下ではKedah州に編入されたため、消印にもKEDAH州表記が登場するようになります。その後、タイに日本がマライの北部3州を割譲した後、再びPERLIS州として行政が置かれたため、消印もPERLIS州表記が登場しました。紹介されたカバーはタイ割譲後のもので、非常に希少かつ人気があるものです。

5) フィリピン ミンダナオゲリラ切手のエンタイア
海外オークションにミンダナオゲリラ切手3枚貼のエンタイアが出現したとのことです。現存確認では唯一の3枚貼りカバーです。エスペランザの為替消印で抹消されており、実逓の意味合いの強いカバーでした。

6) スマトラ タイプライターでスマトラ加刷のなされたカバーのコピー
先月の15)で言及された新発見の加刷について、参加者からコピーの発表がありました。20年以上前に大コレクター兼切手商が持っていたカバーであり、前回発表のカバーの他にもう一通の存在が確認されました。

7) スマトラ 大日本枠付き加刷の赤紫色加刷
スマトラ東海岸州で使われた、大日本枠付き加刷(日専T3)の赤紫色加刷の回覧がありました。台切手は農耕切手や踊り子切手であり、日専記載の赤色や紫色とは異なる印色でした。

8) マライ 正刷切手の目打について
マライの正刷切手は櫛型目打が施されていますが、目打の抜け方で何種類かに分類できるのでは、とのことです。上耳に目打が抜けているもの、下耳に目打が抜けているもの、上下両耳の目打が抜けているものの3種類が確認されており、下耳に目打が抜けているものの存在数が少ないとのことです。また、日本の動植物国宝切手の連続櫛型目打のように、2段ごとに穿孔している可能性も参加者から発表されましたが、現物上は1段ごとに目打穴の乱れが確認されるため確認できませんでした。これからの研究の余地が多くありそうです。

9) スマトラ 正刷切手エッセイの目打ちについて
スマトラの正刷切手とマライの正刷切手は同じコルフ印刷所で印刷したので、参加者が参考にとスマトラの正刷切手の試刷の回覧がありました。8)で見られるような、下抜けのものや両耳に目打ちが抜けているものがありました。

10) マライ 正刷切手のエッセイ
マライの正刷切手エッセイの回覧がありました。異額面のエッセイのペアはまれに見ますが、回覧されたものは4枚ストリップや表裏に印刷されたものがありました。市中のエッセイのペアはこれらが分割されたものであろうとのことです。

11) スマトラ パレンバン加刷の詳細な分類
スマトラ・パレンバンの大日本枠付き加刷(日専T20)、IPL加刷を細かく分類したものの発表がありました。一部ですが下部に画像があるので圧巻の分類を是非ご覧ください。

12) フィリピン 郵趣会ハガキについて
前回の8)で紹介のあった、ハガキ通信についてまとめたサイトURLの記載許可を執筆者から得られたので、ここに記載させていただきます。まだ未完成とのことですが、掲載している分からだけでも情熱が伝わってくるハズです。
http://www.nigelgooding.co.uk/Exhibits/NigelGooding/Philatelic%20Societies/Introduction.htm

13) スマトラ? 2次昭和 女工1銭に謎の加刷
2次昭和切手 女工1銭切手に黒で二重丸のような加刷がなされた切手の発表がありました。不鮮明だったため詳細は不明ですが、おそらく戦後スマトラの独立戦争時代のものではないかとのことです。

14) 海軍地域 マカッサル郵便局長印 加刷切手
蘭印切手の新女王切手や数字5c切手にマカッサル郵便局長の印が押された切手の回覧がありました。この印は為替証書に押されたものがありますが、切手に押されたものは少なく未使用しか見つかっていないため発行されたかはわかりません。

話題は主に以上でした。
南方切手に興味を持たれた方はコメントなどで連絡を取っていただければ、歓迎いたします!!

またZoomの特性上、カメラで収集品を発表しようとしてもうまくいきません。
なので参加者の皆様は極力pdfやjpg方式で収集品を紹介いただけるとありがたいです。お手数をおかけしますがご協力お願いします。

以下は上記マテリアルの画像(一部)です。順に1,2,7,8,8,11,14です。

集まれ!南方占領地マライ切手コレクター 第2回Zoom例会レポート

2020年6月24日 9:00PM~11:00PM 開催の『集まれ!南方占領地マライ切手コレクター 第2回zoom例会』のレポートです。

参加者は8人で、会の名称に関わらず、南方切手全域について様々な話題が上がり大変にぎわいました。

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1)マライ 漢字加刷した書留封皮に正刷切手8c分を張り付けたもの
書留封皮の実逓便2通でした。書留封皮の使用済みは総じて高値で取引されています。

2)マライ タイのセント切手の目打ちエラー
新発見の目打ちエラーです。ebayにて25万円で落札されたそうです。
紙が折れた状態で目打ち作業を行い、最後にハサミで切った耳紙が裏に張り付いているのでは、という意見が出ました。

3)北ボルネオ 風景切手に前田島消印のオンピース
偽造の多い消印ですが、真正品であろうとのことでした。
年号の活字が右寄りにずれているのはバラエティではないかとの意見が出ました。

4)マライ 単枠軍政印加刷の8枚ブロック
単枠軍政印加刷の8枚ブロックでした。左上とその右下の切手のみ、傾いた加刷のなされたブロック。印はすべてT9茶です。

5)フィリピン 2セント正刷ハガキに正刷1c加貼のオンピース
フィリピンのIloiloから日本の静岡浜松宛てのハガキ…の切り抜き。Manilaでない、地方局から日本宛ての実逓便はかなり少ないため、貴重です。

6)マライ 切手のロット
主にマライ切手のロットで、砂川印から、軍政部単枠印から漢字加刷、さらにはカンチャナブリのオンピースまで含まれたロットでした。
例会の同時刻に開催されていたオークションのロットでしたが、終値は90万円とお値段も立派なロットでした。

7)スマトラ パレンバンIPL加刷
スマトラのパレンバンIPL加刷(枠無し)の分類についてでした。
参加者の一人によるとこの加刷は大型小型それぞれ9種類ずつに分類できるのでは?とのことで、他のパレンバン加刷のIPL枠付き加刷や大日本枠付き切手についても分類中とのことです。

8)フィリピン 郵趣会のハガキ通信
戦時中のフィリピン郵趣会が会員に向けて送っていたハガキ通信について。フィリピンに強い会員が当時の郵趣状況がつぶさに分かる資料として整理中とのことです。近々発表の予定とのことです。

9)マライ ケランタンの抹消切手 2枚
1枚目はケランタンの抹消40cに奇妙な消印があるもの。
発売はケランタン州と昭南とクアラルンプールなので、消印はいずれにも該当せず、偽物ではないかとのことでした。
また、2枚目は抹消8cにケランタンらしき消印でしたが、印が不鮮明であり、真偽不明でした。

10)北ボルネオ ブルネイ8c灰切手
ブルネイ灰色8cに青色加刷したものでしたが、加刷が偽でした。

11)マライ 漢字セランゴール3c
マライの漢字加刷で、セランゴール3cに裏うつりのあるものの発表でした。さらに濃いものがある、とのことです。

12)マライ ローマ字、漢字加刷の100枚束
まさかの南方切手の100枚束を参加者が発表しました。

13)マライ セランゴール漢字加刷の偽造品
マライの漢字加刷で、セランゴール6c/5cの逆6加刷にも偽造品があるとの発表でした。漢字が小さいことから見分けができるとのことです。

14)マライ 単枠軍政印の切手帳
日本軍占領初期に押収した、マライの切手帳に単枠軍政印を押したものが発表されました。残念ながら単片では区別不可能とのことで、完全品であることが望まれます。

15)スマトラ 新発見の加刷
蘭印の数字5c切手にタイプライター?で大日本加刷の発表がありました。新発見です。
消印は東海岸州のテビチンギデリでした。

16)海軍占領地域 サマリンダ錨の封緘ハガキへの加刷
蘭印の封緘7.5cハガキにサマリンダ錨の加刷がなされたものの発表がありました。残念ながらカットではありますが、こちらも新発見です。

17)北ボルネオ サラワク葉書に昭和切手貼りの書留ハガキ
サラワク4cハガキに一行加刷したものに、金剛山7銭と明治神宮8銭を貼ってミリ局で引き受けられたものです。フィラテリックカバーですが、兄弟カバーが存在し10通ほど存在するであろうとのことでした。

18)マライ PENANG加刷のNANG欠けブロック貼り封筒
マライのPENANG加刷2cの大ブロック他が貼られた封筒でした。この切手にのみ存在するNANG欠けも含まれた圧巻のカバーでした。

19)ジャワ 速達ハガキ
ジャワの正刷20c,40c貼りの速達ハガキでした。戦後使用でしたが、ジャワは速達自体が少なめなため、貴重であろうとのことです。

20)北ボルネオ、南ボルネオ宛てハガキ
台湾発バリックパパン宛てハガキと、久留米発クチン宛てハガキの発表でした。日本から南方宛ての2通で珍しいものです。

21)フィリピン ミンダナオゲリラ切手のカバー
2通が海外オークションに出品していたとの情報です。
過去に3枚貼り封筒が日本にあったとの話ですが、現在の行方は分かっておりません…

話題は主に以上でした。また、会員の執筆した新刊『南方占領地マライ切手カタログ』の書評が『郵趣』に掲載されます。是非ともお読みいただき、南方占領地切手に興味を抱いた方は『南方占領地マライ切手カタログ』をお買い求めください!!

以下は上記マテリアルの画像(一部)です。(順番に1,1,2,3,4,5,7,17,18,19,20の画像です)