外国切手研究会 第84回Zoom例会レポート

2022319日 2000PM – 21:10PM開催『外国切手研究会 第84Zoom例会』レポートです。参加者11人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目・武田幸作氏)1品目、チェコスロバキア・1934年発行切手の小型シートを納めた冊子を紹介、15シートの2額面で目打13で裏糊無、単片で発行された物は目打10で裏糊有で区別出来る、小型シートは近年入手機会が少なく冊子状態の完全な姿は特に難しい、冊子を開いた説明タイトルはチェコ語で”わたしの家は何処?”となるが、小型シートに描かれている楽譜曲のタイトルと思われる、紹介者もお気に入りの一品との事です。

2品目、南アフリカ・オレンジ自由国(OranjeVrijstaat)の切手について、マテリアルは1895328日葉書使用例だが、貼付されている切手には紋章の様な図案が加刷か押印されている様に見えるが詳細が分からず情報を募集、質疑応答より同様な使用例がeBayで販売されており、改定料金と共和国の紋章が加刷されたとの説明が有るとの事でした。

2人目・重山優氏)前回は戦後台湾より日本宛使用例のマテリアルを紹介したが、今回は旧中国からのマテリアルを紹介、差出人は33日の日付を記入しているが、194641日上海消印、奈良宛で書込みより429日着と約2ヶ月要している、日僑自治会と第三方面軍の中国内で2回、日本で1回の検閲印が押されており、日数がそれなりに掛かったと思われる、質疑応答より戦後朝鮮にも同様の世話人会が有ったとの事です。

3人目・藤本博嗣氏)旧中国・SOLD IN BULK加刷葉書の紹介、元々は清朝郵政が紅色で発行していた蟠龍図版の葉書を、当時は未だUPU加入が認められてはなかったが、1907年に規定の緑色に変更して発行する事になり、その時に残っていた紅色の葉書を料金割引に使用するために発行された物、JPS旧中国切手カタログにもナンバーは有るが入手は容易では無いとの事、加刷タイプもいくつか有りJPS郵趣199212月号に水原明窓氏による寄稿が有りますので参考にして下さい。

4人目・山本典保氏)英領・第一次世界大戦後のWarTax切手を紹介、日本ではこれらの切手は発行されておらず、郵便料金その物が値上げされる方が多いが、戦中戦後一時的に正規料金と共に増税分を貼付する切手は英領を中心にいくつかの国で発行された、現在では比較的値段も安価で入手出来るとの事ですが、製造面のバラエテイや郵便史的なマテリアルも絡めると、面白いジャンルになりそうです。

5人目・吉田敬氏)1872年フランス・YOKOHAMA局よりスイス宛カバーの紹介、40サンチームと80サンチームの切手が貼られているが、この40サンチームは普仏戦争時にパリが包囲された時に1871年ボルドーで印刷された物で版も粗末で目打も無い暫定切手、その中でも発行期間の短かった40サンチームの日本使用例カバーはこの1点のみ確認の貴重なマテリアルとの事。

6人目・比留間晃則氏)オーストラリア・VictorianRailwaysの切手を紹介、鉄道小包切手と思われるがスコットカタログにも記載が無く詳細は分からないとの事、現地の専門カタログ等には記載が有るかもしれない、後日レポーターが調べた所、VictoriaRailwayFeeStampsHPを見つけました、参考にして下さい。https://www.ozrevenues.com/Revenue-Railway-Local-Perfin-Catalogue/victoria-rail-catalogue.htm

7人目・木戸裕介氏)南朝鮮・1946815日発行、解放1周年記念切手のカバーを紹介、前年発行の解放記念切手は日本での印刷製造たが、この切手は南朝鮮で印刷製造され粗雑な作りで有り印面変種やエラーも多く有るがフルシートの存在も少なく詳細は調査中、この時代の使用例は難しく、紹介者も単片貼はこのマテリアルしか入手出来ていないとの事、当時の南朝鮮は日本と同等の占領地なのでGHQによる検閲が有る。

質疑応答より、ソン・フィチャン氏より韓国の郵遊発行台帳を紹介して頂きました、大韓民国成立後に作られたと思われるが、戦後より現在迄発行の切手が記録されています、参考にして下さい。https://theme.archives.go.kr/next/stampPoster/stampList.do?stampPosterType=Y

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、興味の有るマテリアルを御持ちの方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。