2020年11月14日 20:00PM – 22:10PM開催『外国切手研究会 第30回Zoom例会』レポート前編です。参加者12人中6人の発表で質疑応答が有りました。
1人目)最近購入した、南マルク共和国の切手について、オランダやオランダ領東インドとの関連と、短期間だけ存在したデットカントリーで完集等も期待したが、スコットカタログの記載によると残念ながら切手としては認められていないようでした、ボーガスとの事で郵便使用例も無いようです。
2人目)以前の続きで、中華民国・上海大東3版切手に関する紹介と考察、1版はデザインが全然違い、2版との見分方は額面表記の違いで分単位と圓単位、法幣通貨末期の切手で最高額面は500万圓、100万圓以下は200面シートで200万圓以上は100面シート、JPSカタログに表記されているバラェティは不十分と思われる上、低額面の使用例はそれほど少ないとは思えない。
印面寸法も細かく分類可能、刷色のバラェティも厚紙薄紙の違いで別に見える物が多い、銘版も左右の上下に有り合計4カ所で右下には版番号が有る。
使用済もそこそこ残っており低額面の入手が困難という程では無いが、北京の使用例は共産党の進出により非常に少ない、上海の注文消は多く残っている。
上海発、広東行カバーの紹介、印刷されている差出人住所で上海(19)は、旧中国の郵便番号の走りの様な物との事。
法幣通貨と金圓通貨の混貼カバーの紹介、1948年10月には金圓通貨の切手が発行されたが、料金表的には11月迄法幣通貨で決まっていた、法幣通貨300万圓で金圓通貨1圓の換算となる。
1948年度3つの郵便料金期間のカバーを紹介、この時期の郵便料金は比較的解明されているが、報値掛號と言われる日本での配達証明+損害賠償付の様な郵便物料金は完全に分かっていない。
3人目)オーストラリア・ビクトリアの1番切手、1850年発行「ハーフ・レングス」と呼ばれるクラッシック切手コレクションの紹介。
1ペニーは市内料金に相当、3社の印刷所で製造された、石版印刷で初期製造の切手は印刷が鮮明だが、後半になると細部の印刷が潰れた物が多くなる。
製造面の分類要素は3社の印刷所とそれらの版別、印刷次別、紙、シェード、マージンの幅違いなど、使用面では消印のタイプ違い、ファンシーキャンセレーションも有る。
印刷版によってはリトコンストラクションも可能で、1ペニーの24面の復元コレクションを紹介。
2ペンスはオーストラリア内料金に相当、1社のみで印刷製造された、版別、印刷次別、シェード、女王のベール部分違いなどが分類出来る。
カバーは1枚貼と2枚貼2倍重量便を紹介。
3ペンスはイギリス宛基本料金に相当、3社の印刷所で製造された、やはり初期製造の切手は印刷が鮮明で後半になると細部の印刷が潰れた物が多くなる、マージンも初期は狭く後半は広くなる、版別、印刷次別、シェードなどが分類出来る、ルレットと目打12も有り。
1ペニー同様、印刷版によってはリトコンストラクションも可能で、3ペンスの24面の復元コレクションを紹介。
カバーは2枚貼ロンドン宛2倍重量便と2枚貼タスマニア宛を紹介。
以上3種の切手は専門書で分類したコレクションで、ギボンズ専門カタログの分類以上に詳細で複雑だが、それゆえに面白くてやりがいの有る対象との事です
前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます。例会内容に興味が有る方や御質問等有る方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。