外国切手研究会 第39回Zoom例会レポート

2021116日 2000PM – 21:30PM開催『外国切手研究会 第39Zoom例会』レポートです。参加者9人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)第28回の続きで、アメリカ1870年シリーズの紹介、ピクトリアルシリーズと呼ばれる1869年シリーズは一般から不評で、郵政当局は翌年に図案を抜本的に見直して発行された、次のシリーズ迄約20年間発行された間に印刷所は2回変更されたが、原版は引継がれて使用された。

1リーフ目、フィラデルフィア・バンクノート社の不採用ダイエッセイとプレートエッセイ。

2リーフ目、フィラデルフィア・バンクノート社の ”No.14” ダイエッセイ。

3リーフ目、コンチネンタル・バンクノート社のインプリントプルーフ、カラートライアルプルーフ、アメリカン・バンクノート社のプルーフ。

3社で印刷された時期と特徴を解説、ナショナル・バンクノート社とコンチネンタル・バンクノート社は1879年アメリカン・バンクノート社に吸収合併され、コンチネンタル・バンクノート社の持っていた郵便切手の生産契約も引継がれた。

4リーフ目、1セント・フランクリンの紹介、3社の製造別に分類、シェード違いも見受けられる。

5リーフ目、2セント・ジャクソンの紹介、2社の製造別に分類、一般的にシェードが濃いのがコンチネンタル・バンクノート社製造と言われる。

6リーフ目、1セント・フランクリン1枚貼カバー、2セント・ジャクソン2枚貼カバーの紹介。

2人目)前回の続きでウルグアイ・初期切手カバーの紹介。

1リーフ目、1859626日発行100c切手、額面数字が細い物、1860PaysanduMercedes宛、国内3倍重量便カバー、貼られている切手はタイプ11、消印は局名だけで日付が無いが、資料によると1860年頃に使用された楕円形の消印が2度押された様に見える物。

2リーフ目、1859111日発行240c切手、額面数字が細い物、1864411MontevideoBuenosAyres宛、アルゼンチン宛3倍重量便カバー、この切手のカバーとしては最後期使用例。

3リーフ目、1860年発行180c切手、額面数字が太い物、1863112MontevideoBuenosAyres宛、アルゼンチン宛2倍重量便カバー 、貼られている切手はタイプ9、 鑑定書付。

質疑応答として、大きなウルグアイ初期コレクションが出品されたオークションは、2012年スピンクが最新最後との事です。

3人目)最近入手した韓国関係の絵葉書の紹介。

1通目、フランス発行、ソウル南大門を描く絵葉書でフランス国内使用、消印は不鮮明だが、1904613日パリ19区ダルマン139と読める。

2通目、朝鮮発フランス宛外信絵葉書、消印は不鮮明だが、郵便局所要覧:大正4年度より調べた所、大楡洞局と判明、年間郵便取扱数は約10万通の小さな局、近くにフランス人の金鉱会社が有った事が分かる、ウイキペディアによると大楡洞鉱山は1896年にフランス人によって採掘が始められたとの事で、当時の技師か従業員が本国に宛てた郵便物と思われる。

3通目、1904年ロシア発行のソウルシリーズNo.24の絵葉書、この絵葉書に旧韓国切手が貼られた物はeBayでも見かける。

4人目)以前から所有の郵趣品や書籍を紹介。

1通目カバー、約30年程前のBCLベリレター、紹介者本人宛だがベトナムからの物は残念ながら切手が貼られて送られて来た事は無かったとの事。

1冊目書籍、ENCICLOPEDIA DEI FRAMCOBOLLI 、切手の百科事典(全2巻)、イタリア切手の書籍で日本語訳された立派な物、残念ながら紹介者はこの年代イタリア切手を集めた事は無いとの事です。

2冊目書籍、中国地方の有名な収集家が2002年全日本切手展で金賞を受賞した時、ある理由でパーテイに呼ばれた時に入手した作品集。

3冊目書籍、日本の客船とその船内郵便、谷信勝著、メイン収集範囲に対するインカミングの勉強として購入、読みやすい内容だが資料としても押さえる所はきちんとしており、とても良い書籍との事です。

5人目)自分の所有品より、南米のツエッペリンカバーを紹介。

1通目カバー、ウルグアイ・1930521日モンテビデオ発、ドイツ・フリードリフィスハーケンのツエッペリンを運行している会社宛、裏面の着印は66日、ウルグアイはツエッペリンの寄港地が無かった為、ブラジルのリオデジャネイロに持込で飛行船に乗せられたと考えられる、菱形の航路が示された記念印からもそう思えるが、中継印等が無い為詳細は不明。

2通目カバー、パラグアイ・193545日アスンシオン発、このカバーもドイツ・フリードリフィスハーケンのツエッペリンを運行している会社宛、裏面の着印は416日、パラグアイは内陸国で、こちらも何処かの寄港国に運ばれて送られたと思われるが、中継印等の判断材料が無く詳細は不明。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。