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外国切手研究会 第60回Zoom例会レポート・後編

2021612日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第60Zoom例会』レポート後編です。参加者12人中7人の発表で質疑応答が有りました。

4人目)以前の続きでハワイ王国1871年発行バンクノートイッシュー6セント(SC#33)のアメリカ切手とのコンビネーションカバーを紹介。

1通目、6セント切手2枚とアメリカ切手5セントと10セントが貼られた2倍重量便書留カバー、6セントは当時ハワイからアメリカ迄の料金で15セントはアメリカ国内の書留料金、赤いストレートのREGISTERED印は幾つかのタイプに分類が出来る、これは最初期の物で現在6通しか確認されていない、1872年サンフランシスコ経由ミシガン宛。

2通目、6セント切手とアメリカ切手2セントと6セントが貼られた書留カバー、アメリカ国内の書留料金は値下げされて8セント時期の使用例、1874年サンフランシスコ経由サンデイエゴ宛。

3通目、6セント切手とアメリカ切手3セント2枚が貼られたカバー、この時期アメリカよりイギリス宛は5セントに値下げされており、アメリカ切手が1セント分加貼となっている、1875年サンフランシスコ経由スコットランド宛。

4通目、6セント切手とアメリカ切手6セントが貼られたカバー、3通目と同一のコレスポンデンスだが、やはりこの時期もアメリカよりイギリス宛は5セントで、差出人は長い間気がついていないのか1セント分加貼となっている、1878年サンフランシスコ経由スコットランド宛、サンフランシスコの中継印は先のカバーとは違うタイプ。

5通目、6セント切手とアメリカ切手5セントが貼られたカバー、3通目4通目と同一のコレスポンデンス、1881年サンフランシスコ経由スコットランド宛、ホノルルの表示印は紫色。

5人目)英本国インカミングカバー、私製ハガキをいくつか紹介。

1通目、1912年朝鮮GENSAN発、日本MOJI中継、U.K London宛、ハガキの上部にvia Siberiaと記入されており、わざわざ日本を中継してヨーロッパへ送られたルートについて何か情報があればとの事、質疑応答より、当時の朝鮮半島の鉄道網は半島西部や中部と違い、元山の有る半島東部は北上しても行き止まりでシベリア方面には接続していなかった、一度南下して門司まで出れば、当時の大阪商船会社が門司大連間の定期航路を持っており、そこから南満州鉄道とシベリア鉄道を利用すればパリまで運ぶ事は可能だったようで、到着印やヨーロッパの中継印が無いので推測になりますが、調味有るマテリアルです。

2通目3通目、1通目との逆パターンでイギリスより1913年朝鮮宛、1912年日本宛のハガキですが、やはりvia Siberiaと記入されており、朝鮮京城宛の方はその中継印より半島北部から推測できるルートで運ばれたと思われるます。

4通目、1907年日本熊本発、マンチェスター宛。

5通目、1909年在外局中国・大連発、ロンドン宛、横浜経由の印が押されており、1通目のハガキから考えると大連なら南満州鉄道とシベリア鉄道を利用すればヨーロッパへ向かう事は可能だったと思える為、当時の色々なルートや事情を考えさせられるマテリアルです。

6人目)ドナウ川汽船会社の切手について紹介、以前切手展に出品した事もあるが、この民間切手は4種類でかつ、未使用の現存数が極端に少なく、リプリントも有る為か世界的にも製造面でのコレクション展開をしているコレクターは少なかった。

最近海外オークションで鑑定書を取った上、未使用の大型ブロックやエッセイと思われるマテリアルを入手、製造面の重要な情報を得る事もできた為、伝統郵趣での構成を進めたいとの事でした。

7人目)韓国在住の紹介者にeBayで落札した郵便物が到着したが、検閲のような封印が有った話、検閲だったのか、間違えて開けられたのか、損傷が発生して補修されたのかは判らないが、今回のような郵便物は初めてとの事、収集家としては(中身に問題が無い事が前提で)、このような到着には興味が有ります。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第60回Zoom例会レポート・前編

2021612日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第60Zoom例会』レポート前編です。参加者12人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)アメリカ・1908年シリーズより1954年リバティーシリーズ迄、エラー切手コレクションをいくつか紹介。

2重印刷、インクの付き過ぎ、インクの不具合、インクむら、大幅な印刷ずれ、ペーパーホールド、目打ズレ、目打不良、紙折れ印刷、ダブルトランスファー、リタッチなど。

1922年シリーズ・2セントでは、”Long Ear”のあだ名が付いている変種、1938年大統領シリーズ・1ドルでは透かし入り収入印紙用紙を間違って使った物など。

日本とは考え方の違いか、これらエラー切手が郵便局から販売されて市場に出回るものは比較的多いとの事ですが、やはり収集家としてはどれも欲しくなるマテリアルです。

2人目)前回、前々回紹介の、アメリカ・ミステックスタンプ社アメリカ切手図入アルバムの実際のリーフと見開き部分の切手の解説についての紹介。

https://www.mysticstamp.com/Products/Supplies/M8104/USA

切手貼付部分は名称と枠線だけだが、見開き部分の前ページに切手の解説が付いており、日本には無いスタイルです、アメリカ切手は日本でもブームだった時期が有り、かって収集されていた方も多いかと思います、このアルバムとパケットを購入して、カタログコレクションを再開するのも楽しそうです。

紹介者のメイン収集範囲、戦前の朝鮮半島の消印について、国際切手展出品を前提の作品に対する記述や構成等について質疑応答が有りました、以前も紹介させて頂きましたが、例会では国際切手展審査員資格所有者、国際切手展上位入賞経験者も参加されており、個人的なコメントや感想では無い審査としてのアドバイスも適切に受ける事が出来ると思います。

3人目)海外オークション利用に関する話について紹介、その中で台湾PAN-LUNGのオークションについて、中国・台湾関連のマテリアルがを中心ですが、日本でもおなじみの方のコレクションが現在出品されているとの事でした。

https://panlung.com.tw/

最新のフィラテリストマガジン31号・75ページに掲載されている戦後日本のカバーで、「AV2」が判らないという記事がありましたが、紹介者も戦前旧中国のカバーで「A.V.2」 の印が押されているのを所有しており、何かUPU等の規定で使われた物ではないかという話が有りました、これに関しては情報を募集中です。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第59回Zoom例会レポート

202165日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第59Zoom例会』レポートです。参加者9人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)アフリカ・ブルンジの1982年動物シリーズ13種にWWF(世界自然基金)のパンダマークが加刷されて発行された、1983年のセットについて紹介。

53回でも紹介の有ったこのシリーズは人気が有り、特にWWF加刷の未使用セットはかなり高額で入手も困難、最近運良く入手出来たと思ったが残念ながら11種で完セットでは無かった、その後1枚は入手して最後の65F切手を探していると状態の良いカバーを見つけ入手、なぜか隣国のザイール共和国(現コンゴ民主共和国)の封筒、当時首都が有ったブジュンブラ国際空港消印、ニジェール宛の航空便、フィラテリックな物かもしれませんが、アフリカ紛争関係と何か関連の有るカバーなのでしょうか?

2人目)前回紹介のガボン発行金箔切手の裏面を紹介、左側1965年シュバイツアー博士と右側1968年ムバ大統領は共に裏糊は有るが、その性質は違う感じがするとの事、同じく前回紹介したアジマン発行金箔切手もムバ大統領切手と同じ様な白い裏糊で、シール形式の裏糊では無く湿らせて貼るタイプとの事、エンボスの具合も良く分かり貴重な情報です。

このシュバイツアー博士は当時新聞等にも取り上げられ、非常に話題で入手も困難だったとの事、同時期のブルンジ1965年発行コイン型切手も紹介、これらの変わり種切手は地元の郵便局などで開催されていた切手展などで、物珍しさや面白さからもてはやされた思い出が有るとの事でした。

1967年ルワンダ共和国発行、カナダ・モントリオール万博の小型シートも、当時京都のフジスタンプから購入、1970年には大阪万博の切手が世界中から発行されたが、フランス系諸国のサンピエール、セネガル、チャド、ニジェール発行のプルーフを紹介、初めてそれらの存在を知り、当時は学生だったがその珍しさから無理をして購入したとの事です。

5657回で非常に好評だった、アメリカ・1908年シリーズ「赤の5セント」の有名なエラー切手を含む9枚ブロックがeBayで出品されている情報の紹介、ポジション的にも魅力的なマテリアルです。

3人目)第34回で1946年より発行されたインドネシア独立戦争時期の正刷切手、牛を描く独立1周年記念切手の中から3Senを紹介した続編、全13種類で目打11と無目打が有る、80senの無目打は少ない、当時の郵便料金表も紹介。

5senはトライアルカラープルーフ3種、用紙バラエテイ、2重印刷エラー、検閲印の押されたハガキ使用例、10sen15senは同じ図案、30senも切手サイズは同じだが、窓口シート構成は異なり、10sen5×1050面、15sen5×420面、30sen5×1050面となっている、15Senのハガキ使用例は日本の切手無し軍事郵便往復ハガキを利用した物、15Sen30sen貼りカバーは15Senが書状料金で30senが書留料金時代の使用例。

所有マテリアルについての質問、オーストラリア・ビクトリア植民地政府時代のスイス宛書留カバーについて、18641017Deep Creek発、Gordevio宛、MelbourneMarseilles経由、カバーから推測出来る情報など。

4人目)eBayで残念ながら入手出来なかった、インドネシア独立戦争時期のカバーについて、日本の占領時期、海軍担当地区でオランダ切手に加刷された物に、NICA TIMOR Netherlands Indies Civil Administration Timor)と更に加刷された切手の多数貼りカバー。

Netherlands Indies Civil Administration – Wikipedia

四角の消印は19451115日、KOEPANG(現在の西ティモール・クパン)局、この NICA TIMOR加刷の切手は非常に少なく、それぞれ20から30枚程度しか確認されていないと思われる。

金箔切手の話題として、1996年ブータン発行、ペニーブラック切手、元は1840年発行なので関連は不明、22金のCARTOR社製造で出来は良く、お気に入りの1枚との事です。

最近入手した、サウススーダン共和国の書留カバー2通を紹介、共に独立初期発行の切手に改値加刷された切手が貼られ、2019年首都JUBA消、フィラテリックな使用例かもしれないが、書留カバーは比較的少ない。

5人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品より(その為一部画像加工しています)元々は旧中国切手の目打バラエティとして入手したカバーだが、裏面の右側に押されている消印について紹介。

正式な名称は分からないが、秘密交換局と言われている郵便局の消印、1937年の盧溝橋事件より北京や上海の都市を日本軍が抑えて来て、次は香港となった時期でも郵便業務は行われおり、アメリカ宛航空便も通常通り行われていたが、段々と大ぴらに香港に集めて業務を行うのが難しくなって来た時、秘密裏に日本軍に分からない様に集め、アメリカならアメリカに送る様にしていた、そこで使われていた消印。

この消印は現在人気が有り、参考として3年前の香港・スピンクオークションで、この消印が押された国内宛オンピースが出品されており、不落札だったがこの値段だったとの事。

6人目)前回紹介の、アメリカ・ミステックスタンプ社で購入したアメリカ切手図入アルバムが到着してたので続報を紹介。

https://www.mysticstamp.com/Products/Supplies/M8104/USA

前回と重複する部分は有りますが、全3巻両面印刷、3000枚以上の切手を掲載、ヒンジと切手のおまけ付、スコット番号や情報(見開きで前ページ裏面に切手の解説)も掲載で送料別$59.951847年より2020年の切手迄を採録、第1巻は1985年迄を掲載しており、JPSスタンプクラブ世代にはこれだけでも楽しめそうです、切手を貼っていくとやはりバインダーの追加が必要と思われますが、ブランクリーフ付きでバインダー単品でも販売していますが、デザインに拘らなければ国内通販のOFFICE DEPOTで同等品のバインダーを安価で入手可能です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第58回Zoom例会レポート

2021529日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第58Zoom例会』レポートです。参加者10人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回話題に上がり、eBayに出品されていたインドネシア独立戦争時期1949年発行・椰子軍事切手に関する報告や調査について、最終的には日本円で約39万円で落札されました。

今回落札された切手は画像の特徴より、版欠点が記述された専門書の「R10」に相当のようです、外国のオークションカタログの表紙にも使用済が掲載された事が有り、以前の国際切手展で出品されていたコレクションの記述などから、シートは2×8のブロックで構成、現存数は100枚以下、使用された消印は9局、オークションカタログ表紙とコレクション中の使用済はSRAGEN局消。

アジア新興国などでは、独立戦争時期の切手やカバーは以前に比べ値上がり状況で、インドネシアは初期のアーカイブなども比較的残っており、複数のコレクターがアジア国際展に出品されているとの事でした。

2人目)最近入手した戦前の朝鮮よりアメリカ宛カバーについて、京城発マサセッチュー宛2倍重量便、KEIJOCHOSEN HOTELの封筒が使われており、裏面にはKEIJO OFFICE S.M.R.と印刷されている、S.M.R.とは南満州鉄道(The South Manchuria Railway Co., Ltd.)の略。

1917年より1927年位迄、朝鮮の鉄道は総督府ではなく南満州鉄道が委託運営していた時期であり、このCHOSEN HOTELは戦前の朝鮮半島では唯一の高級ホテルで、海外からのビジネスマンにも利用されていた、裏面の差出人も香港上海銀行の横浜支店社員と思われ、理にかなった使用例です。

質疑応答より同様のカバーを提示して頂き、CHOSEN HOTELの封筒は少なくとも2種類は有る事が分かりました。

3人目)APSAmerican Philatelic Society)で、夏に開催される幾つかの有料セミナーに全部申し込んだ所、届いたプレゼントのお話について、アメリカ本国や外国切手のパケット、カバーなどが届いた、特にアメリカ切手等は収集していなかったが折角なので整理の為、図入アルバムを購入したとの事で貼込み前なら3巻で最近迄の切手が掲載されているとの事、少年時代のワクワク感を思い出させる楽しい話題です。

American Philatelic Society

https://www.mysticstamp.com/Products/Supplies/M8104/USA

このミステックスタンプ社で扱っているアメリカ切手図入アルバムは、全3巻で1600ページ以上、3000枚以上の切手を掲載、ヒンジと切手のおまけ付、スコット番号や情報も掲載で送料別$59.95、切手を貼っていくとバインダーの追加が必要と思われますが、普及版として安価で販売しているようです、JPSのアメリカ図入アルバムは古い年代の巻は絶版になっている為、今後アメリカ切手のカタログコレクションに興味が有る方は、こちらを検討しても良いと思いました。

3人目)新中国・文革切手についての話題、197171日発行(革4)中国共産党50周年、以前のJPS新中国切手カタログには掲載されていた、1180-78-79-80左耳紙付4種連刷36面のフルシートと共にメルカリに出品されていた。

この4種連刷は36面シートから切り離されたのでは無く、左側が大きくマージンとなっていた為か40面シートに変更されて印刷されたシートより、左側の耳紙を付けた状態で4種連刷で切り離されたもので、画像の連刷がそれに該当する、36面シートから1180-78-79-80左耳紙付4種連刷を作るのは不可能、左耳紙が無い場合も判別は不可能の為に注意が必要。

以前のカタログで#1180が#1178や#1179より安価なのは、40面シートの発行で発行枚数が増えた為で枚数の記述は間違いと思われる、最新のJPSカタログには掲載されておらず、カタログ価も3枚共同じで、このバラエテイは無かった様になっている。

4人目)最近某オークションで落札した、英本国ビクトリア時代・18768ペンス切手について、英本国や英領を中心に長年収集している紹介者が、最も力を入れている英本国ビクトリア時代、カタログメインナンバーで唯一未入手だったマテリアル、この切手は未発行だがギボンズカタログにもスコットカタログ(#72)にもメインナンバーとして掲載されており、非常に入手困難だったとの事。

日本の手彫桜切手でも、未発行だがカタログメインナンバーとして掲載されている例も有る、殆どのカタログは政府や郵政が発行するのでは無く、デイーラーやそれら組織の為でしょうか。

未発行の理由は当時の2 1/2ペンス切手と刷色が似ていた為、大半は破棄処分されたが240枚のみ残された切手が市場に存在する、故に単純計算では、英本国切手のカタログメインナンバーを完集出来るのは世界中で最大240人しか存在しない。

正規に発行された8ペンスとそのカバー2通も紹介、ちなみに過去2番目に入手困難だった英本国切手は、以前紹介した1860年発行1 1/2ペンス切手の未使用との事でした。

5人目)学生時代に収集していた外国切手を、当時の情報と共に少し紹介、金箔切手のリーフはアジマンとガボン発行分、1965年のシュバイツアー博士の切手は世界最初の金箔切手として有名、拡大画像で見ると日本の新動植物国宝切手のミニパックの様なビニール袋に入っている、裏糊もついており、薄い金箔保護と指紋や湿気対策だったのでしょうか。

1967年発行のムバ大統領の切手はシール状の台紙となっており、こちらも薄い金箔保護とコストダウンの為だったのでしょうか。

1967年セントルシア発行の自治制加刷の25セント2枚は、台切手の文字部分を金色で消した後、青色と黒色で加刷された切手だが、本来は赤色の加刷でこの色はスコットカタログにも未掲載との事、何か情報が有れば宜しくお願いしますとの事でした。

発売当時の切手情報や入手は、大阪のカナイスタンプ発行のスタンプレーダー、三重の森下浩、京都のフジスタンプ、名古屋のユキオスタンプなど、懐かしい老舗の名前が上がりました、現在でも営業されているのはユキオスタンプだけですが、当時の先代店主はかなり外国切手に力を入れていたとの事です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第57回Zoom例会レポート

2021522日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第57Zoom例会』レポートです。参加者10人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)ハワイ王国・1889年発行 PAID REPAY POSTAL CARD(#UY3・往復はがき)のアーカイブス新発見の記事について紹介、紹介者が以前に北陸郵趣に寄稿したものですが、日本では外国の郵便はがきの記事は少なく貴重と思われた為、掲載させて頂きました。

余談ですが、魚木五男先生がJPS郵趣研究に2019147号から154号迄6回に渡って外国はがきの記事を連載されておられました、いずれは単行本化したいと述べておられて楽しみです。

2人目)中国・日本占領地域・華南のカバーを紹介、この地域については第45回でも紹介しており参考にして下さい、詳細はリーフに記載の説明通りで、1940628日広州発、71日金沢着、入手当初はこの時期の料金内訳が分からなかったが、ある方の助言で判明したとの事です、尚このカバーはメルカリで出品されていたのを入手されたとの事、現状では出品ジャンルも整理されておらず検索も大変ですが、お宝的なマテリアルも出品されている可能性も有ります。

3人目)前回で反響の大きかった、アメリカ・1908年シリーズ「赤の5セント」の有名エラー切手について、プレゼンテンション形式で非常に分かりやすい解説をして頂けました、詳細は画像データを見て頂ければと思います。

この切手のポイントとして、版番号#7942400面シート中エラー切手のポジション3箇所、メインナンバー3種類の切手それぞれの製造枚数と流通枚数、実際の回収指示書など、とても参考になりました。

尚、この記事レポートを書いてる現在でもスコットNo505を含む100面シートがeBayで出品されていました、日本円で約15万円です。

4人目)現在eBayに出品されている、インドネシア独立戦争時期の最難関の1枚で1949年発行・軍事切手の話題、スコットカタログではメインナンバーが振られており、その為このジャンルを収集するには是非入手したい切手だが実際は非常に難しく、南方占領地切手の最難関のフロレス暫定切手に相当するとの事でした。

質疑応答よりこの椰子軍事切手と呼ばれる資料の提示も有り、確認されているのは数十枚との事、ポジションごとの特徴も記載されておりプレーテイングも可能と思われます、出品されている切手は(鑑定書は必要と思われますが)本物と思われ、最終的な落札金額には興味が有ります。

5人目)喜望峰・マフェキング1900年発行の切手を紹介、第2次ボーア戦争時に切手の供給が途絶えた為に発行された暫定切手だが、世界最初のボーイスカウト切手として世界的に有名、使用済も基本的にこの都市の消印のみ、1ペニーと3ペンスの2種類が発行されたが、3ペンスの方はサイズ違いが存在する為、カタログメインナンバーで2種類に分類されている、昔からトピカル収集家には人気が高かった為、現在でもコンデイションの良い切手は比較的高価、参考として現在eBayに出品されている状態の良いカバーは日本円で約120万円でした。

6人目)第12回と第13回でも紹介した英領ヘルゴランド島切手の資料について紹介、元はドイツ語で記述されている約800ページの文献でPDFの資料にして所有しているとの事、その一部を紹介して頂けました、この地域の切手を本格的に収集されて興味がある方は、お問合せ頂ければとの事でした。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第56回Zoom例会レポート

2021515日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第56Zoom例会』レポートです。参加者10人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)アメリカ・1908年シリーズより「赤の5セント」として有名エラー切手を紹介、詳しくは魚木五夫先生著書「アメリカ切手とその集め方」「JPSアメリカ切手図鑑」で解説されており、2セント切手の版番号#7942の実用版(400面シート)の中に、3カ所だけ5セント切手の印面が入っている、目打1011、無目打が存在しているが、スコットカタログではメインナンバーとして掲載している。

ポジション7484の縦ペアエラーが含まれる目打11100面シートが、例会時に海外オークションで出品されており即決で$1395でした、参考にして下さい。

同様の例として、19世紀ルーマニア・青の5BANI25BANIも紹介、こちらも5BANIの中に25BANIが紛れ込んだエラー切手。

2人目)PHILANIPPON 2021に出品予定の作品を一部紹介(その為画像加工しています)、現在も製作途中だが、記述や構成等について質疑応答が有りました、例会では国際切手展審査員資格所有者、国際切手展上位入賞経験者も参加されており、個人的なコメントや感想では無い審査としてのアドバイスも適切に頂けると思います。

3人目)ハワイ王国・1884年発行分、ENVELOPE(切手付封筒)のアーカイブスを紹介、1セントから10セント迄の5種類が有る、全てアメリカンバンクノート製造、ラージダイプルーフやトライアルカラープルーフ、黒刷ラージダイプルーフなど、現存1点や2点の物も有り、大凡日本では見る事の無い希少なマテリアル。

今回紹介のコレクション冒頭部分は、2015年シンガポール国際切手展出品作品を、審査員との対話より再構成したとの事です。

4人目)昨年2020年にも8種類発行された国連・国旗シリーズについての話題をプレゼンテーション形式で紹介、1980から1989年迄10年間発行されたが、冷戦終結後1997年に再開して新しい加盟国の切手が発行された、その後2013年と2014年に旗や国名が変更された国の切手が発行された、2017年と2018年にも旗のデザインが変更された国の切手が発行された。

国連加盟についての色々な小話も有り、文章より分かりやすい画像を多く発表して頂けました、拡大画像で確認して頂ければと思います、懐かしい郵趣1984年当時の頒布会広告画像も質疑応答より投稿して頂けました。

5人目)オーストラリア・ビクトリア植民地政府時代のスタンプレスとハーフレングスと呼ばれる初期切手の英本国宛カバーを紹介。

最初に植民地政府時代の州区分と、英本国への航海路を紹介、実際には安全や安心等の理由から可能な限り陸上部分での逓送が好まれ、スエズ経由も多かったのではと思われる。

1通目、1841年ビクトリアがニューサウスウェルズ時代、メルボルン・ポートフィリップ(ビクトリア最初の入植地)よりアイルランド宛、多数の印が押されている、手書の数字3はニューサウスウェルズの料金、数字8Ship Letter Charge

2通目、1841年こちらもビクトリアがニューサウスウェルズ時代、メルボルンよりスコットランド・エディンバラ宛、多数の印が押されている、手書の数字8Ship Letter Charge

3通目、185454日、3d切手貼メルボルン発(番号印1番)、英本国ロムジー宛、やはり手書の数字8Ship Letter Charge、裏面に1854614日ロムジー到着印。

4通目、読み取れる情報より(1858年)メルボルン発(番号印1番)マルセイユ経由、英本国エクセター(近くの)ケントン宛、マルセイユの二重丸印は料金不足の表示、宛先の表示方法として、知名度の低い住所に送る時には近くの有名な都市の近く、又はその中という表示が当時のヨーロッパなどで使われていたとの事です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第55回Zoom例会レポート

202158 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第55Zoom例会』レポートです。参加者9人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)郵政特別切手コレクション展のお知らせと、そのクラウド展示について、昨年度より郵趣関係のイベントや展示の多くは開催期間の変更や短縮、中止となっていますが、展示に関しては諸外国も含めバーチャルで開催される事も増えてきており、リアルな展示とハイブリッドする事でそのメリットを考えた上で、郵趣振興協会では過去の展示会のリバイバル開催なども含めた、計画や方向性の紹介となりました。

2人目)前回の補足として、国内インターネットオークションで落札された、旧中国切手ロットの話題で出た、郵便目的で製造されたジャンク船の偽物切手と、ジャンク船に加刷された切手の紹介、偽物切手に関しては本物と比べて紙や印刷、目打の出来が悪く簡単に判別できる、1920年発行の加刷切手は3枚セットだが、5/6分の1枚だけ他の2枚に比べて発行枚数が一桁少なく、現在では入手困難になっている。

前回話題に上がったバングラディシュ・加刷切手について、パキスタンと戦争状態になり独立後に正刷切手が発行される迄、各郵便局や銀行、更にはスタンプディーラーなどでも独自に加刷された為どれだけの種類が有るか分からない、使用済も局名が入ってないタイプが多く使われており、ベンガル語で書かれたカバーも解読は困難で手掛かりになりにくいとの事、自分なりに所有の切手を分類して紹介。

カバーも3通紹介、公用便やイタリア・ローマ宛の国連機関、最後のパキスタン宛航空書簡は最初の正刷普通切手が貼られたカバーだが、イギリス・ロンドン経由が指定されている、通常ならインド経由と考えるが、インドとパキスタンは常に緊張状態が続いており、1974年当時も第三次印パ戦争直後の為だったと思われる。

質疑応答より、バングラディシュ・加刷切手の海外情報サイトの紹介が有りました、参考にして下さい。

https://www.stampsociety.org/articles/pakistan-bangladesh-overprints

http://www.fg-indien.de/Angebot/Bibliothek/PubLib/140804e_Bangladesh%20Childrens%20Day%20Trains%20Overprints.pdf

3人目)アメリカ発信で不足料扱いとなった外信カバーを3通紹介。

1通目、1890年シリーズ5セント貼、1891217日フランス宛、重量便の為5セント不足で換算25CENTIMES不足、倍額の50CENTIMESを徴収、フランスの不足料切手に押されている三角形の消印は専用なのか分からず、情報を募集中。

2通目、1894年シリーズ2セント3枚貼、1895218日ロンドン経由トルコ宛、フランス・パリに転送、4セント不足の為換算で20CENTIMES不足、倍額の40CENTIMESを徴収、質疑応答よりカバー表面の4Dはロンドンで押された4ペンスの意味、F.BForeign Branchでロンドンの交換局、経由地のAnversはベルギーとフランスに同名の地名が有るが、おそらくフランスと思われる。

3通目、1908年シリーズ2セント貼、1916210日ポルトガル宛、3セント不足、現地で6センタボス分の不足切手が貼られたが受取拒否の為、アメリカに戻され当初の3セント不足分倍額6セント分の不足料金切手が貼られて差出人より徴収された、ポルトガルで貼られた不足料切手はだれも支払ってなく協定などにより無効扱いになったと思われる。

4人目)前回よりの続きでハワイ王国バンクノートイッシュー、1871年以降発行分切手のアーカイブスを一挙に紹介、エッセイやトライアルカラープルーフ、銘版入ラージダイプルーフなど、存在の確認されているプレートプルーフは全種揃っており、希少なマテリアルも多く現存2点の物も有る。

厚紙の大きなカードに黒色で刷られているベレネットエッセイは、王族関連に肖像部分の出来を確認して承認を得る為の特別な物と思われる。

国際切手展審査員資格を持つ紹介者より、切手展出品を考える場合、やはりこれらアーカイブスはキーマテリアルになりうるとの事、又その展開方法の一例も解説、別件ではこれらリーフ整理に使われているマウントについて、ハウイド社とプリンツ社それぞれの特徴などの解説。

5人目)最近のニューヨーク・タイムズに出た北朝鮮切手関連の記事を紹介、1959年子供の時に下関より北朝鮮帰国事業で家族と共に北朝鮮に渡ったが、2000年に脱国して韓国に渡った方が北朝鮮はけしからん国だと書いている内容。

1950625日は朝鮮戦争開始日、北朝鮮では南朝鮮から米軍を除去する為の闘争開始日で、9年後の1959年に4種類の切手が発行された、10チョン切手は板門店を描き、他の3種類は北朝鮮らしいデザイン、平和統一と書かれている70チョン切手が記事となっている。

先の脱国した方とは別の方の話で、日本に残してきた家族に宛てた手紙に貼った切手の裏に、秘密のメッセージが書かれている内容、北朝鮮に渡った方が日本と手紙をやり取りする場合、必ず検閲が入る為このような手段を用いたと思われる、70チョンは当時の外国宛船便書状料金の為、東欧宛は時々見かけるが日本宛は少ない、このようなカバーが他にも有るかもしれません、以前の記事には手紙の文章が縦書か横書かで、内容の真偽を判断するルールを用いた手段も紹介されていたとの事です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第54回Zoom例会レポート

202151日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第54Zoom例会』レポートです。参加者9人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回の続きでハワイ王国1866年発行バンクノートイッシュー5セント(SC#32)切手のカバーを紹介。

1通目、1881416日、Wailuku,Mani発、スコットランド宛のハワイUPU加盟以前での無効扱い使用例、詳細はスタンペディア、The Philatelist Magazine23号の257ページより謎解郵趣で御本人が詳しく解説されておられますが、この当時ハワイからアメリカ経由の外国宛郵便物は同国迄の料金はハワイ切手、同国よりの料金はアメリカ切手を貼付する必要があった、全額がハワイ切手の貼付だった為、中継のサンフランシスコで不足料扱いの処理をされたカバー、この様な処理をされたカバーは現存1通の希少品。

2通目、188369日、Kohala発、ニューヨーク宛、一旦受取られた後、アメリカ3セント切手が貼られたコネチカット州ニューヘブンへの転送便カバー。

3通目、1884511日、Honolulu発、ドイツ宛だが国内で転送されている、本来は島内間郵便用のHonolulu局の日付印が外信便に使われており、赤インクで押されているのは2ヶ月の使用期間だった、カバーでは23通しか確認されていない。

4通目、187089日、Honolulu発、コネチカット州ノーウィッチ宛、4倍重量便カバー、切手は裏面貼で1セント過貼だが、表に押されているHonolulu局の赤い消印はこれも約2ヶ月の使用期間でカバーでは10通しか確認されておらず、5枚貼ストリップと合わせて希少な物。

5通目、188431日、Honolulu発、パリ・フランス宛、ローマ・イタリアへ転送された2倍重量便4枚貼カバー。

2人目)スイス・不足料切手のカバーを紹介、ヨーロッパからの郵便物が多いので、他の地域からのマテリアルを増やすようにしているとの事、セカンドシリーズを収集しているが、製造面では26種の版が有る。

1通目、グアマテラよりジュネーブ宛、封筒右上の書き込みVia Livingston はどこを経由したのか、宛先Geneve下の最下部は何と書かれているのか質疑応答でも分かりませんでした。

2通目、オーストラリア・ヴィクトリアよりブリンディジ経由、100サンチームの高額な不足料切手は小包などの大型郵便物で使われる事が多く、封書で使われているのは少ないとの事です。

3通目、スイス国内便絵葉書での使用例、なぜか5サンチームの不足料金が取られている、質疑応答でも切手の有効期限切れや留置料金、封書扱いなどの推測が出ましたが、こちらも詳細は分かりませんでした。

3人目)オランダ領東インド・日本占領地時代のバッテン加刷、英語ではCross Overprint と呼ばれる切手の紹介、この加刷が使われたのはスマトラ島のリオ州、西海岸、ベンクーレン州の3箇所、加刷のタイプは色々有るが約30種類、大半はゴム印による手押しで一部木片による物も有った、加刷色は黒と紫。

1942111日に日本がオランダに宣戦布告、3月にはスマトラ全土を占領したが切手の製造が間に合わない為、残存していた切手を押収し、新旧女王図案切手に対してバッテン加刷を行った、19424月にはオランダ女王肖像の切手の使用を禁ずるとの通達が出ているが、この加刷は6月に現れている、水っぽいインク(Type371) やブラシで擦ったような(Type381) 特徴の有るタイプも有る。

当初はバッテン加刷だけだったが、19434月には大日本郵便の文字が再加刷された、十字の加刷や文字が大日本のタイプも有る。

オランダ本国のDAI NIPPON 郵趣会で発行されているカタログや専門書ではタイプ分類、偽物の判別等が詳細に記載されており、種類も多く非常に複雑で大変そうだが、とても面白そうな対象と思います。

4人目)バングラディシュ・加刷切手の紹介、1971年にパキスタンより独立した時、パキスタンの切手にバングラディシュの国名を加刷して発行された記念切手だが、各郵便局で独自に加刷された為、どれだけの種類が有るのか分からない切手。

現在のバングラディシュはアジアの中でも経済状態が悪く、現地収集家の調査なども進んでいない為と思われる、しかしながら鉄道図案切手の為か、以前ほど安価ではなくなっているとの事です。

5人目)最近の国内インターネットオークションで落札された、旧中国切手ロットの考察、様々な切手の組合わせだが、郵便目的で製造されたジャンク船の偽物切手4枚ストリップ2点と、ジャンク船に加刷された切手1枚が含まれている、ジャンク船の偽物切手は以前は良く見かけたが、最近は少ないとの事で、これだけで落札価格の元を取れるのではとの事です。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第53回Zoom例会レポート・後編

2021424日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第53Zoom例会』レポート後編です。参加者9人中6人の発表で質疑応答が有りました。

4人目)前回の続きでハワイ王国1866年発行バンクノートイッシュー5セント(SC#32)の紹介。

1リーフ目、トライアルカラープルーフの紹介、全部で9色か10色有ると言われているが、基本的な7色が揃っているコレクション。

2リーフ目、厚紙に印刷されたプレートプルーフで4枚ブロックは非常に希少、ラージダイプルーフ、”SPECIMEN”のセリフ付きとセリフ無し、目打エラーなど。

3リーフ目、未使用4枚ストリップ、未使用銘版付田型ブロック、使用済マルテイプルは難しいが田型ブロックと5枚ストリップなど。

4リーフ目、1通目アメリカ宛コンビネーションカバー、2通目アメリカ宛、Hawaiian Steam Serviceの印は当時の特急便のような扱いで専用の船で運ばれた物、料金は15セントで残りの10セントは現金で支払われたと思われる。

5リーフ目、プロシアン・クローズド・メールカバー、大変貴重な使用例で詳細はスタンペディア、The Philatelist Magazine4号の27ページより謎解郵趣で御本人が詳しく解説されており、一部紹介させて頂きます。

ここで、このプロシアン・クローズド・メールについて、説明をしておきましょう。当時プロシアはドイツ・オーストリア郵便連合(German Austria Postal Union)に加盟をしており、そのメンバーはプロシア以外にも、オーストリア、ババリア、サクソニー、ウイルテンベ ルグ(Wurttemberg)、メクレンブルグシュベリン(Mecklenburg-Schwerin)、メクレンブ ルグスレリッツ(Mecklenburg-Strelitz)、オルデンブルグ、ブレーメン、ルクセンブルグ、ブラン ズウィッグ、リューベックおよびハンブルグがあった。

これらの宛先に手紙を送付する場合、ハワイはアメリカ本国を通じて手紙を送付するしかない のであるが、アメリカ本国とこのドイツ・オーストリア郵便連合加盟国との間で郵便を送付する 手続きとして交換局のニューヨーク局を介して郵便物の送付が1861年から行なわれたが、その郵便料金は前払いで28セント、後払いで30セント(collect paid)であった。 」

「本件は18661019日にハワイから差し出されたSingle rate letterでプロシア・ベル リン宛のカバーである。料金はハワイからアメリカ本土までが5セント、アメリカよりプロシア宛 料金が28セント料金ですが、完全に料金を支払っている状態(Prepaid)で取り扱われている。 アメリカにおける料金はホノルル局で支払われ、中継局のサンフランシスコ局でアメリカ切手を貼 付したものである。

アメリカ切手の24セント切手は1861年発行のものである。アメリカよりプロシア宛の料 金は前述の通り28セントであったが、その記しがアメリカ切手の左側に赤鉛筆で28cmanuscript(手書き)がなされており、(サンフランシスコ局日付印左側)この記しは正しい料 金を示しており、4セントが不足していることになるが、4セント切手が脱落しているか、4セ ント分を現金で支払ったのかのいずれかであるが、他のサンフランシスコ局の日付印が見られな いため、後者の使用例だと思われる。」

6リーフ目、アメリカ1869年ピクトリアルシリーズとのコンビネーションカバー、このシリーズとのコンビネーションカバーは非常に少ない。

7リーフ目、アメリカ1861年シリーズとのコンビネーションカバー、2セント切手5枚の10セントがHawaiian Steam Serviceの料金として使われている

5人目)日本切手だが、1960年発行国際文通週間「蒲原」3枚貼と25円航空切手貼、ドイツ宛航空便カバーの紹介、発行月使用例で当時の第3地帯宛料金115円分が貼られている。

「蒲原」は国際文通週間切手の中でも1番人気で未使用評価も高く、ブームの時は買えなかった方も多いかと思われます、使用例も少なくこの贅沢な3枚貼り外国宛実逓カバーは素晴らしい1品と思います。

6人目)マイナーな国の最近の切手を収集している中より、カバー2点の紹介。

1通目、アフリカ・ブルンジより1982年発行動物シリーズのキリン3枚とライオン1枚他貼のスエーデン宛実逓カバー、この動物シリーズ13種セットは比較的高価、この低額面4枚だけでもそれなりの値段となるが安価で購入出来た。

翌年にはこのシリーズにWWFのパンダマークが加刷されたセットも発行されており、こちらもブルンジの中では比較的高価になっている。

2通目、カンボジアが1970年より75年迄、クメール共和国だった時期の1973年フランス宛書留実逓カバー、この時期は内戦状態の上に5年間だった為に数は少ないが、区別されずに安価で販売されている事もある。

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外国切手研究会 第53回Zoom例会レポート・前編

2021424日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第53Zoom例会』レポート前編です。参加者9人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)ウルグアイ・スタンプレスカバー3通とMontevideo Sunsと呼ばれる初期シリーズの政府印刷切手を紹介。

1通目、1836719日モンテビデオよりイギリス・ロンドン宛、消印は発信のMONTVと到着の1836930LONDON、手書の数字”10/6”?は郵便料金関係と思われるが詳細は不明。

2通目、1843824日モンテビデオよりイギリス・ロンドン宛、消印は発信のMONTEVと到着側と思われる”Z 12 DE 12 1843” 、手書の数字”2/7”? もしくは”4/7”? はやはり郵便料金関係と思われる。

3通目、1855125日モンテビデオよりイギリス中継、フランス・ラレソール宛、バイオンヌへ転送、多数の印鑑が押されているが、赤い四角の印”COLONIES/ART.18” はイギリスとフランスとの郵便条約18条を表す印。

37回のでも少し紹介した、Montevideo Sunsと呼ばれる初期シリーズ1859年発行は額面の数字が細い、印面バラェテイによってプレーテイングが可能、シェードバラェテイや額面によって紙のバラェテイも有る。

同じく1860年発行は額面の数字が太く判別は容易、やはり印面バラェテイでプレーテイングが可能、60cはシェードバラェテイも多い。

1860年発行分の60c80c120cType12迄をリコンストラクションしたコレクションと専門カタログのタイプ違いを表すページなども紹介。

2人目)カバー右上の重慶中華版とよばれる3橙赤(Salmon)切手使用例としての紹介、1通目は様々な旧中国切手が貼られた194769日上海発、オランダ・アムステルダム宛。

JPSCSSのカタログよりこの3切手は刷色違いで3種類有り、橙赤(Salmon)の評価だけ高い、使用済とカバーの入手は難しく今回紹介の物が唯一所有のカバー、又このシリーズは紙の分類も3種類に分けられるが、3橙赤(Salmon)は1種類のみ。

2通目、3赤(Red)切手使用例、194641日漢口発、天津宛だが、宛名の情報U.S.N.R(アメリカ海軍予備役)やCaptainなどから、軍関係の受人に必ずしも郵送でない方法でノースカロライナ州Tryonに転送されたと思われる。

3通目、3灰紫(Light red brown)切手使用例、194653日甘粛夏河発、アメリカ・シカゴ宛、国内航空扱いの外国宛で本来なら料金不足となるが、通達遅れによりそのまま通用したと思われる使用例。

JPSカタログではこのシリーズは200面構成となっいるが、サブナンバー扱になっている3橙赤(Salmon)は100面シート構成で、刷色違いのバラェテイでは無く別版ではないかと思われるとの事です。

3人目)自由インド仮政府の未発行切手の紹介、第二次世界大戦時にドイツがイギリスに勝利後、イギリスより独立を目的とする仮政府が用意していた切手、AZADHINDとはヒンズー語で自由インドの略語。

1943年頃ベルリン国立印刷所製造、目打バラェテイや無目打も有る、原画はドイツの通常切手を担当していた有名な方で当時のドイツ切手に似た雰囲気が有る 、雑な作りの偽物も存在、最高額面の大型3色刷切手は7000枚しか製造されておらず希少、質疑応答よりこの切手のアーカイブは当時の防毒ガスカッパの着用説明書の裏面に印刷されているなど。

寄付金付きとなっているが、寄付金が無いタイプは当時日本が占領していたアンダマンニコバル諸島で使う為に用意されていたとの事。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。