2021年3月6日 20:00PM – 22:30PM開催『外国切手研究会 第46回Zoom例会』レポート後編です。参加者10人中6人の発表で質疑応答が有りました。
4人目)前回の続きでドイツ・ジャーマンステーツ、2番目の発行国ザクセン王国を紹介、バイエルンの黒1Kr.に対し、ザクセンの赤3Pf.と呼ばれこちらも人気が高い。
ファーストシリーズ3Pf.は印刷物料金、製造面ではプレートⅥ迄存在し、その判別は切手と切手の間に印刷されているラインで判別される、そのラインも横線のBavarian方式と縦線のSaxony方式が有り手がかりとなる。
セカンドシリーズ3Pf.は初期印刷が10面シートで耳紙有だが入手は難しい、後期印刷は10面素版の100面シートで耳紙無、他にインプレッション等で判別可能。
1/2Ngr. 1Ngr. 2Ngr.では王様図案が採用された、10面素版の60面シート構成、1/2Ngr.には間違って2Ngr.の用紙で製造されたエラー切手が存在する、1851に発見され政府で保管されていたが、東西冷戦後の1990年代に市場に放出され25枚存在する。
3人目その2)最近市場では安価で流通しているFDCの話題、日本でも同様だが昔からすると信じられない程の値段で販売されている、最近購入したチェコスロバキア、スエーデン、オーストリア、カナダのFDCを紹介、海外から購入すると送料がそれなりに必要だが、それをプラスしても安価なのは変わりなく、競争展に拘れなければ芸術性の高い切手、様々な初日印、美しいカシエなどが同時に楽しめるのがFDC、発送時に海外から送られてくる実逓便も楽しみのひとつ、最近では郵便物に消印を押さない国も有り収集家としてはやや残念な所です。
5人目)第43回で紹介した中国・日本占領地域・華北の紹介時に触れなかった外信便料金事項の紹介、15分貼のハガキ2通だが、15分の料金期間は1939年8月31日迄、9月1日から30分に値上されたが華北の日本占領地域では値上げを拒否、料金は据え置きとして、これは1940年9月位迄続いた、カタログにも掲載されていない項目、天津よりドイツ宛のハガキが不足料金を取られていないのはこのような事情による。
但しこの料金が据え置かれたのはシベリア経由のみで、太平洋経由の場合は華北以外の地域を通る事になり、差出人に落度が無いにも関わらず不足料扱いとなった使用例が有る、25分貼天津発アメリカ宛カバーは1940年4月と5月の使用例で、経由地からするとこの時期50分料金が正しい為、25分不足扱いの処理がされ配達されている。
eBayで最近購入したカバーの紹介、伍佰圓國幣加刷された緑色の切手が2種類貼られているが、出品者はこれをすごいバラェテイとして説明していた、実は印刷所が違う別種類、偽物の話題が多い中、ほっとする話です。
6人目)第43回で話題の有った、国内インターネットオークションに出品・落札されたハワイクラッシック宣教師5セント切手と同じ出品者より、モルダビアの牛108パラ切手が出品された件について。
出品された切手は偽物です、多少なりともこの切手を知っていれば分かる事ですが、紙質や色調、印面等本物とは全然違う物で、鑑定書も前回と同じく怪しい物、商品説明も間違っており、その内容はすべて嘘と思われます、前回の時は出品者と同一人物かサクラと思われるIDの入札者による質問や釣り上げ行為が行われ、正規の入札者を惑わした形跡も有ります、今回も最初は不落札前提で高額出品し話題となった後、1円スタートを始める予告が有りました、注意して下さい、最後に本物と有名な偽物氏スペラッテイ作成の画像も掲載しておきます、このような詐欺行為が続けば、喜望峰のウッドブロック三角切手、モーリシャスの1番切手なども出品してくるのではと思いました。
今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます。例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。