2021年3月13日 20:00PM – 22:30PM開催『外国切手研究会 第47回Zoom例会』レポートです。参加者10人中4人の発表で質疑応答が有りました。
1人目)ニューヨークタイムズでも記事となった、英領ギアナ暫定1セント切手とアメリカ24セント宙返りエラー航空切手の話題について、両切手は6月のNYサザビーズオークションで競売にかけられるとの事ですが、この24セント宙返りエラー航空切手は唯一の田型で版番号付、あらためてそうだったのかと思いました。
英領ギアナ暫定1セント切手で特に興味深かったのは、裏面も大きく紹介されている事です、6年前にやはりサザビーズオークションの競売カタログで紹介されていたとの事ですが、初めて見るという方が多いと思います、諸外国ではマテリアル裏面に所有者がサインやイニシャル、印鑑等を入れるのも有ると聞いた事が有りますがやはり驚きです、現所有者Stuart Weitzman氏は靴のデザイナーでも有り、左部ハイヒール風のラインとSWは彼のサインです。
2人目)前回の続編で、外国切手の興味有るFDCを3通紹介。
1通目、1965年のコンゴ動乱で国連軍として参加したインドが発行した軍事切手のFDC、日付は1962年1月15日、整ったカシエも入ったFDCが作られている事から、切手自体も記念的な要素が高いかもしれない、紹介者も実逓便は見た事が無いが有るのなら手に入れたいとの事です。
2通目、1955年発行、国連10周年小型シートのFDC、覚えてられる方もおられると思いますが、この小型シートはその昔、国連で一番高価な切手でした、現在は未使用自体も比較的安価との事ですが、かってFDCは未使用切手以上の値段だった為、このFDCも同様に高価だったと思われます、現在では信じられない程の値段で販売されており、今なら当時の憧れを安価で埋める事が出来そうです。
3通目、1936年発行、イギリス・エドワード8世切手のFDC、この国王は在位期間も約10ヶ月程で切手自体もこの4種類のみで未使用も安価、使用期間も実際は約3ヶ月程しかなく実逓便も少ない、この切手に関しては未使用より高くてもFDCは楽しめるマテリアルと思います。
3人目)ポルトガル領インド初期の紹介、継続して収集しているのでは無いが、最近改めて整理中との事、始めてみれば面白い対象だが、専門カタログや文献は大半がポルトガル語の為日本では難しい面も多いとの事、貴重なマテリアルや情報を説明して頂けました。
1リーフ目、切手発行前のスタンプレスカバー、 1858年4月17日GOA発、5月27日LISBON中継、ARRAIOLOS着、カバーの情報よりスエズ運河を通過してALEXANDRIA経由、地中海を抜けるルートで搬送、書留の様な扱いで登録No16と記入有、料金は120レイス、このジャンルを専門収集するにはやはり必要と思えるマテリアルとの事。
2リーフ目、1871年発行数字図案ファーストシリーズ、現地での石版印刷製造、この1番切手はカタログ値も高価、全7種中5枚の未使用を整理したもの、専門分類では製造年違いでタイプが3種類でタイプⅠは5個、タイプⅡは3個、タイプⅢは5個、さらにタイプⅡでは紙も3種類、又目打もP.13から18迄有り抜けや切れが悪い為きちんと切り離されていない切手が多いなど、製造面は非常に複雑。
3リーフ目、10レイス切手と英領インド切手とのコンビネーションカバー、1871年3月24日Bombay発、3月26日Sawantwaree経由、Pangim経由、Maegao宛。
4リーフ目、20レイス切手貼カバー、1871年10月10日Mapuca発、10月11日Pangim経由、10月12日Verna着。
4人目)現在はアルバニアの一部だが、当時イピロスやエピロスと呼ばれる地域で1914年に発行された切手の紹介、ギリシャとアルバニアの間に有り、バルカン戦争後に自治領となった時に最初に発行されたもの、ドクロを描くデザインが非常に印象的。
本来は4種セットでカタログ値も比較的高価、ペアを含む3種は安価だった為、リプリントの可能性も有るとの事、この地域は正刷切手やギリシャ切手に加刷された物など約50種類程有るが、デットカントリーの切手としては比較的入手しやすいとの事。
質疑応答より他の出席者のマテリアルを提示頂き比較したが、両切手に違いが有る事を確認、広島のAスタンプ切手商がこの切手の本物を多く扱ったという発言の情報もあり、偽物やレプリカも存在すると思える、又現地のKARAMITSOSというオークションサイトでは即売品も含め、これらの切手も扱っているようで、手持ちの切手が有れば比較して見るのも一考と思える。
今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます。例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。