オンライン郵趣例会」カテゴリーアーカイブ

外国切手研究会 第34回Zoom例会レポート・前編

20201212日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第34Zoom例会』レポート前編です。参加者9人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)最近購入の資料書籍を2冊紹介、「中国・朝鮮地名別称索引」は、局名地名等が複数有る場所を調べる時に役立つとの事です、「中国抗日戦争史地図集」は、中国で出版された本なので内容は向こうの視点ながら図版も多く載っており、郵趣的に有りえない使用例やカバー、グレーゾーンなどを判別するのに役立つとの事でした。

2人目)ハワイ王国、一般的なアメリカ発以外のインカミンングカバーを紹介。

1通目、1888626日、フランス・パリ発ポスタルカード、受人のアドレスにスタンプディーラーと書かれている事から、切手商も営んでいる方宛と思われる。

2通目、1888814日、日本・周防国発書留カバー、当時の日本では書留ラベルは無かった、中継地のサンフランシコでは書留ラベルでは無く印が押されているが、この印が押されたカバーは非常に希少。

3通目、189069日、ドイツ・ベルリン発ポスタルカード、差出人戻しになっているが、ホノルルで押されている ”DEAD LETTER OFFICE” の印は現在5件しか確認されていない。

4通目、18921017日、ベルギー・アントワープ発カバー、額面付封筒に2枚の切手が貼り足された重量便カバー。

5通目、18971019日、リーワード諸島・モントセラト発モーニングカバー、カリブ地域からハワイ王国宛のカバーは比較的珍しい思われる。

3人目)前回の続きで、インドネシア独立戦争時代、インドネシア共和国が1946年から発行した正刷切手の紹介。

1946112日発行、牛を描く10Sen20Sen1番切手は、共に倍額の寄付金付で戦費の方に当てられたとの事、カラープルーフ、ダブルプリント、日本占領時代の農耕ハガキ上に貼られた使用例など。

194661日、71日発行の普通切手5種は、採用・不採用カラーのプルーフ、マトリクスプルーフと呼ばれる大型のダイプルーフも紹介、発行された切手には、目打、刷色、紙のバラエティが有る、日本占領時代の農耕ハガキの印面を生かし加貼されて無効にならなかった例、書留使用例など。

1946817日発行、牛を描く独立1周年記念切手の中から3Senを紹介、目打有と無目打が有り、比較的多くのバラェテイが確認されている、プレートBと呼ばれる3枚の未使用シートを紹介、1枚目・目打有粗紙のシートはアーリーインプレションで印刷は鮮明、2枚目・無目打白紙のシートもアーリーインプレションで印刷は比較的鮮明、3枚目・無目打粗紙のシートはウオーンインプレッションで印刷はやや不鮮明。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第33回Zoom例会レポート・後編

2020125日 2000PM – 22:15PM開催『外国切手研究会 第33Zoom例会』レポート後編です。参加者12人中7人の発表で質疑応答が有りました。

4人目)前回の話題に出た、第2次世界大戦後にヒットラー図案切手の顔を消したり見えなくする目的で発行した加刷切手を紹介。

オーストリアが1945年に発行した切手は、ヒットラーが牢獄に入っているような加刷で有名、同国では同年にワシ図案と風景図案の普通切手を発行しており、これら加刷切手はドイツより解放の記念品目的と思われる。

他に国名を縦に加刷したタイプも数種類発行されており、ドイツの記念切手に加刷したのも有る、これらもやはり記念品目的と思われ、使用済や実逓便は未見との事です。

5人目)前回の続きで、中華民国・上海大東5版切手に関する紹介と考察、50から100,000迄の12種類、1版から4版迄は凹版印刷だが、この5版は平版印刷。

未使用も多く残っており、外国切手未使用パケット等でもよく見かけた切手、印面寸法も数種類確認されており、やはり厚紙薄紙が有る、中国国民党最末期の発行で上海以外の使用済は希少。

前研究者の資料より100,000圓の印刷原版は10面の版を20回転写して200面シートを構成したと思われ、他の額面も同様と考えられる。

印刷の質も落ちており、偶発変種も見かける事が有る。

前回の上海中央版の1020200面フルシートを紹介、銘版は左右の上下に有り合計4カ所、左上に計数番号、版番号はシート下部でトンボの位置で裁断した場合、版番号が見えないシートも存在する事から、少なくとも縦に2面以上で印刷されたのではないかと思える。

6人目)前回の続きで、南方占領地の台切手から蘭領インドの部分を紹介、先にオランダ王国についても作品より紹介、蘭領インドの1番切手は1864年に発行された。

南方占領地の台切手になったのはウィルヘルミナ女王の時代で、かってのABCD包囲網の’D’はオランダ(Dutch)の事である。

1937年より発行されていた低額面普通切手農耕シリーズ、中額面ウィルヘルミナ女王シリーズ、高額面ウィルヘルミナ女王シリーズ大型の多くが台切手となり加刷された。

1941年発行の改正・ウィルヘルミナ女王シリーズ(小型)と、改正・ウィルヘルミナ女王シリーズ(中・大型)も全てが台切手となり加刷された、いずれも台切手が無加刷の使用時期は非常に短い為、こちらの方が伝統郵趣的に収集が難しいと思われる。

1941年発行の数字シリーズ5セント切手、1941年踊り子シリーズ切手も台切手となったが、これらも同様に思われる。

1933年発行の航空切手、1913-1940年発行の不足料切手も台切手となった、珍しい例として、本国向けに用意されていたオランダ切手が台切手になったのも2種類存在する。

7人目)1946年インドネシア独立戦争時期、ジャワで使われた南方占領地ハガキの紹介、印面は手書でインドネシア独立と文字が書かれている様、他にも日本語の部分はペンで消されている、100パーセント無料と書かれた印も押されており、この印は何種類かのパターンが確認されている。

詳細は調べている途中で情報も募集中ですが、自然な使用例で好ましいハガキです。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第33回Zoom例会レポート・前編

2020125日 2000PM – 22:15PM開催『外国切手研究会 第33Zoom例会』レポート前編です。参加者12人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)インドネシア独立戦争時のジャワ切手とその使用例、日本の敗戦後1945817日スカルノ大統領が独立を宣言したが、再植民地化を狙うオランダとの間で1949年迄戦争が続き、その間2つの郵政が存在する事となった。

この時期のジャワ切手は大きな分類として4つに分けられる、日本の南方占領地切手やオランダ領東インド切手を無加刷で使用した例、それら切手の国名をペンなどで消した切手、それら切手の国名抹消とインドネシア共和国名を加刷した切手、インドネシア共和国としての正刷切手は1946年に発行された。

国名の抹消にはペン以外にタイプライターで行ったもの、手押印で行ったものも有る。

プロパガンダキャンセレーションと言われている大きめの手押印、それらより小さ目の手押印でインドネシア共和国名を入れたもの。

機械加刷で台切手の国名抹消とインドネシア共和国の国名を入れた正加刷切手。

台切手のバラェティや定常変種、加刷バラエティなども紹介、バンドン・コルフ印刷所で加刷された切手は比較的精度が高く、ジャカルタで加刷された切手はその逆と言われている。

以上、正刷切手発行迄を紹介した貴重なコレクション。

2人目)以前の続編、ハワイ王国切手とアメリカ切手との書留コンビネーションカバーで、ゴシック体 TYPEⅡと呼ばれる ”REGISTERED” 印が押された希少なカバーを、発表者が確認済の4通を紹介。

1通目、1875823日ホノルル発、ゴシック体 TYPEⅡの最後期使用例、187593日サンフランシスコ中継、ニューヨーク宛。

2通目、1875225日発、ゴシック体TYPEⅡの最初期使用例、1875321日サンフランシスコ中継、通常約10日程の到着が約1ヶ月程掛かっており、船積が1本遅れて送られたと思われる。

3通目、オークション紙より抜粋、1875610日発、イギリス宛、旧ホノルルアドバタイザーコレクション。

4通目、オークション紙より抜粋の白黒画像、1875630日発、イギリス宛。

3人目)かってベトナム半島に存在(1888-1890年)したと言われるセダン王国が、1889年に発行した切手の紹介、スコットカタログには未掲載。

フランス・パリで印刷製造されたと言われている、セダン王国は国家として認められなかった為に切手としては使用出来なかった、注文元が引き取れ無かった様で製造元が資金回収の為、マーケットに流した物らしい。

最近のイギリス・ペニーブラック切手購入についての注意勧告、8枚の切手が貼られているリーフだが本物は最上段真ん中の1枚だけ、偽物は透かしが入って無いが、現物確認が出来ないインターネットオークション等では特に注意が必要との事です、最上段左の切手は1950年ロンドン切手展の記念シールをスキャンして加工した物。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第32回Zoom例会レポート・後編

20201128日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第32Zoom例会』レポート後編です。参加者11人中5人の発表で質疑応答が有りました。

4人目)以前JPSミニペックッスで発表した作品から、南方占領地ビルマの部分を紹介、有名な矢野切手、農耕図案切手が発行される以前、英領ビルマの加刷切手や正刷切手を台切手として、宗主国だったイギリス国王の図案を抹消するように孔雀の図案が加刷された。

加刷された孔雀の図案形式から、いくつかの分類がなされている、実逓使用は非常に少なく真偽の判断は難しい。

ビルマに近いインド・アンダマンニコバル諸島でも、英領インド切手に加刷して発行された南方占領地切手も存在するが、簡単な加刷の為にこれも真偽の判断は難しい。

質疑応答として、動物図案の加刷切手は面白いが他にこのような例は無いか? 回答として、タイ切手でライオンの顔が加刷された例を紹介、意味的に同等の例として、第2次世界大戦後、ドイツのヒットラー図案切手の顔を消したり見えなくする目的の加刷切手の例など。

5人目)以前の続きで、中華民国・上海大東4版切手に関する紹介と考察、1から1000迄の9種類、2030のみ上海中央版が存在し、’郵’ の文字や印刷の鮮明さの違い、上海中央版はネクタイ部分に ’T’ のシークレット文字が入っているなどで分類出来る。

目打も上海大東4版はP.14のみ、上海中央版は3種類存在する、厚紙薄紙が有り、シート構成は全て横2010200面、銘版も左右の上下に有り合計4カ所で右下には版番号が有る。

中国国民党末期の発行で使用区域も限られており、大半の消印は上海、インフレも進んでいた為、満足出来る使用済やカバーを揃えるのは困難。

質疑応答として、中国国民党が台湾に移った後この切手が使用出来たか? 回答として、当時の台湾は日本の通貨を戦後も継続して使っていた為、これら金通貨の切手使えなかった。

3人目・その2)自分のコレクションから、南方占領地ビルマ加刷切手カバーを紹介、真偽は如何でしょうかとの事、正直な所難しく画像から判断する限りは怪しいが、本物なら大珍品との事です。

お知らせ)前回、前々回の南マルク共和国の切手の件ですが、とても詳しいコメントを頂いたので紹介させて頂きます、郵趣先進国アメリカの情報ですが、切手としての使用は無かったが、単純に収集家目的のボーガスやシンデレラ切手とは言い切れないかもしれません。

「南モルッカ」とかいう国名の架空の切手があると、収集を始めた子供のころ、何かの切手の記事で読んだ記憶があります。そこで、アメリカの郵趣百科事典「This is Philately(Kenneth A. Wood/1982年刊)を見たところ、次のように書かれていましたので、参考のために紹介します。

South Moluccas:
The South Moluccas Republic was a short-lived entity in the Moluccas, or Spice Islands. These islands lie between the Celebes (Sulawesi) and New Guinea.
The South Moluccas group comprised the islands of Buru, Ceram (Seram), and Ambon, according to Dr. Robert E. Florida writing in Stamp Collector (Jan. 1, 1977).
Some of the inhabitants of these islands wanted to be independent of Indonesia when that country was formed after World War II from what had been the Dutch East Indies.
For a short time during 1951, a provisional government existed, but Indonesia’s military forces brought the islands under its control, and the provisional government went into exile in the Netherlands.
It is this government -in-exile that is presumed to have issued a number of stamp-like labels inscribed “REPUBLIK MALAKU SELATAN” that has come onto the philatelic market in large quantities since 1951. These labels are still encountered, and since none are listed in the major catalogs, they tend to confuse collectors.
Florida lists nine issues released from 1951 to 1974, a selection of which is illustrated. He states that it is doubtful that any of these items ever did postal duty in the islands.
Another label inscribed “REPOEBLIK MALOEKOE SELATAN” is known, and stamps of the Dutch East Indies overprinted “RMS” are rumored to exist.

短期間存在した臨時政府がオランダに亡命し、その亡命政府が作ったラベルらしい、ということですが、詳しい翻訳はお任せします。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第32回Zoom例会レポート・前編

20201128日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第32Zoom例会』レポート前編です。参加者11人中5人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)第30回の続編、オーストラリア・ビクトリア1852年発行「クイーン・オン・スローン」と呼ばれるクラッシック切手コレクションの紹介。

この2ペンス切手が発行された理由として、1850年発行「ハーフ・レングス」の原版にダメージが発生して使えなくなった為と言われている、この切手も3社の印刷所で製造された、最初のトーマスハム社は凹版、次のJ.S.キャンベル社、その次のキャンベル&ファーグソン社は石版印刷、やはり後半になると細部の印刷が潰れた物が多くなる。

製造面の分類要素は3社の印刷所とシェード、J.S.キャンベル社は1版から9版、キャンベル&ファーグソン社はA.B.C.Dの版が有る、下部左右にコーナーレターが有り、50面シートのポジションが確定出来る、カバーは2枚貼と3枚貼スコットランド宛を紹介。

1ペニー・グリーンは製造面のバラェテイは少なく、主に消印違いとWeak ‘N’ と呼ばれる印面変種を紹介。

6ペンス・ブルーはブラック・プルーフとシェード違い、多くの印面変種を紹介、カバーは3枚貼ロンドン宛と1枚貼を紹介。

1シリング・ブルーは8角形のデザイン、当初は無目打で発行されたが、後にPerf.12の目打入で発行された、シェード違いを共に紹介、カバーは無目打4枚貼ロンドン宛、目打入と他シリーズ混貼ロンドン宛、目打入1枚貼を紹介。

2人目)ニューヘブリデス宛の外信ハガキから、現在はバヌアツ共和国となる地域の郵便事情を紹介、日本郵趣出版1997年斎藤毅著「世界切手国めぐり」の紹介が全てだが、切手と照らし合わせてのプレゼンテーション形式で分かりやすく解説して頂けました。

外務省のHPでも情報は殆ど有りません、紹介のドイツ収集家のHPは切手に関する情報共有もされており、資料としても貴重です。

https://WWW.ROLAND-KLINGER.DE/NH/INDEX.HTM

イギリス・フランスの共同管理時代、共に最初の切手は加刷形式で発行された、通貨は違っているが両管理時代の混貼使用例、加刷無加刷混貼使用例も確認されている、正刷切手は1911年に表記と通貨違いで発行されたが、1938年からは共に金フランの通貨で発行された、1977年からは統一通貨ニューヘブライズフランで発行されたが、1980年に統一され共同管理は終わる事になる。

このような事情が有る切手発行国としては他に、Tangier(タンジェ)、Andorra(アンドラ)などが有る。

3人目)前回の続きで、アイスランド・初期切手のカバーを紹介、印刷物郵便で宛名も印刷されている、中に残っていたアイスランド語と英語の手紙から、詳細は分からないがどうも郵便局長が切手売切のお詫びの内容を送った物らしい。

他には、ウガンダ切手とイギリス領東アフリカ切手の混貼カバーの紹介、1898年使用例でこちらも詳細を調べているとの事です。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

南方占領地切手コレクターズクラブ第7回ZOOM例会レポート

南方占領地切手コレクターズクラブ第7回ZOOM例会レポート

2020年11月26日 8:00PM~10:00PM 開催の『南方占領地切手コレクターズクラブ』のレポートです。 ※今回から開始時刻が早くなりました!!

 

参加者は8名でした。

 

以下、話題に上がったマテリアルについて順番に書き記していきます。

1)ジャワ 不足料切手貼カバー

不足料切手貼のカバーはどの地域も多くありませんが、ジャワはひときわ少ないものです。このカバーは転送便なので、2度不足料が徴収されたと考えられるものです。

2)スマトラ バンカビリトン加刷ハガキ

バンカの加刷ハガキに新女王切手10cが貼られたものです。この時期の昭南宛はスマトラ宛て料金と同額ですが、戦前は外国扱いであったので、貼り足したのではないかということでした。

3)スマトラ バンカビリトン加刷 封緘 切り抜き

スマトラの封緘ハガキは一部料金についてわかっていません。本品は2c切手が貼っているものの、消印が押されていないので、ただ貼り付けただけだろうとのことです。

4)スマトラ バンカビリトン加刷 ロット

大コレクターのロットからです。コルフ不足料切手1cにバンカ紫加刷は日専未掲載です。

5)ビルマ 非占領地域の実逓便

ビルマはマライやスマトラと違い、日本軍がすべての地域を占領していません。非占領地域では英国式郵便事業が継続していました。このカバーはビルマのChin Hills に宛てられたもので、良い値段になっていました。

6)フィリピン? 新切手?

Ebayでフィリピン発行の切手として販売されていたものです。しかし、説明が間違っていて、実際はドイツのノートゲルトのたぐいだと思われます。

7)フィリピン 軍事郵便

フィリピンで現地印刷された軍事郵便はがきについて、料額面に図案の印刷されたものがあります。発表者が2点持っていますが、他の図案はありませんか?もしあればコメント等でご連絡ください。

8)海軍地域 ジャワ正刷ハガキの海軍地域使用

ジャワ正刷ハガキを海軍担当地域・セレベス島のマカッサルで使用したものです。南方切手で他地域に切手・葉書が持ち込まれて使われたものは稀にありますが、どれも貴重なものです。

9)北ボルネオ 昭和切手の使用例

昭和切手の北ボルネオ使用で、Labuanとコーラブライトの消印が押されていますが、残念ながらどちらも偽消しではないか、とのことでした。北ボルネオ使用に限らず、昭和切手の南方占領地使用はたくさん偽物があります。入手には注意しましょう。

10)フィリピン 昭和切手の使用例

昭和切手の使用例です。南方地域では地域によって昭和切手の使用量が全く違い、難易度が異なります。フィリピンの使用は最難関ですが、単片は真偽の判定が非常に難しいため、できるだけオンピース、可能な限りエンタイア、で完全な形での収集が望まれます。

11)マライ 昭和切手の使用例

3連続で南方切手の昭和切手の使用例です。マライの昭和切手使用例は多い方ですが、本品はケランタン州のPasir Mas局使用で使用量の少ない局です。

12)海軍地域 無加刷切手使用例

西ボルネオSanggau(1942年8月25日)から同Pontianakに宛てた書留書状です。海軍地域の無加刷使用は珍しいうえに、完全な美しいエンタイアです。

13)スマトラ アチェ星と大日本枠付きの加刷された転居ハガキ

切手でもアチェ星と大日本枠付きの両方が加刷されたものは珍しいですが、転居ハガキに両方が押されたものは非常に珍しいです。

14)スマトラ バンカ加刷ハガキ

蘭印ハガキに赤色のバンカ軍政部印、紫色の2が加刷されたものです。日専未掲載の新発見のものです。

 

話題は主に以上でした。

次回の開催は 12月23日 20時からです。

 

また、12月14,15日に南方の大コレクターの収集品展覧会があります。

スカイツリー9階の郵政博物館で実施されますので、南方切手にご興味がある方は是非ともお越しください!!

以下は今回話題に上がったものの画像です。順番に1)~14)となっています。

外国切手研究会 第31回Zoom例会レポート・後編

20201121日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第31Zoom例会』レポート後編です。参加者12人中7人の発表で質疑応答が有りました。

5人目)日本発リトアニア宛カバーの紹介、ふるさと切手の小型シート切抜使用例を気に入って購入したものだが、差出人以外が記入したと思えるU.S.S.Rが気になった。

199143日静岡県差出し、リトアニアの独立宣言は19903月だが、最初に独立を承認した国はノルウエーで19912月、ソ連が渋々承認したのが19918月、リトアニアの国連加盟は1991917日、日本の承認はその直前の199198日だった、ソ連内のリトアニア共和国という扱いでU.S.S.Rを記述しないと日本がリトアニアを国家承認したと捉えられ、国際問題に発展する懸念も有る為、止むを得ずこのような処置が行われたと思われる。

6人目)アイスランド・ファーストイッシューからの初期コレクションを紹介、1番切手の発行は1873年で日本とほぼ同時期、アイスランドは人口も少なく、少し前に今後新切手は発行しない事を発表して話題になった。

当時はデンマークの自治領扱いで切手のデザインもほぼ同じ、印刷製造もコペンハーゲン、人口は約10万人程度だったという事で使用済の方が高い傾向が有り、カバー類もやはり少ない。

7人目)英連邦占領軍切手コレクションの紹介、英連邦軍は大戦後、広島の江田島を中心とした四国中国地方に駐屯したが、そこで使う為の軍事郵便用切手、オーストラリア切手にB.C.O.Fの加刷がされた7種類で、昔はJPS原色日本切手カタログにも掲載されていた為、何かの記憶として知っている方は多いと思います。

無加刷使用例も有る中、加刷切手が発行された背景には色々な理由が考えれらるが、やはり当時の軍人の中にそれなりの収集家がいて、その意向が反映されたのでは無いかと思われる。

製造面では加刷のプルーフやトライアルなども有り、専門書によると加刷バラエティも多く有る。

使用例では広島・呉と江田島が圧倒的に多い、単片貼や全種貼カバーは比較的見かける為、マルティプル貼やフィラテリックで無いカバーをなるべく集めて行きたいとの事。

参考文献としては、20132014年頃にオーストラリアのモスグリーンというオークションハウスが、これら切手の纏まったコレクションを売り立てた時のオークションカタログと、1981年出版「B.C.O.F加刷切手と日本及朝鮮における英連邦軍及インド軍の軍事郵便業務」伊東由巳著が挙げられる。

質疑応答として、広島を中心として使用されたこれらのコレクションを歴史資料の観点からも、ヒロシマスタンプショウに出品して欲しい、軍事郵便局の資料を紹介して欲しいなどが有りました、後者については2冊の書籍から1部抜粋して掲載させて頂きます、共に40年程前の出版物なのですが、問題があれば修正させて頂きます。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第31回Zoom例会レポート・前編

20201121日 2000PM – 22:00PM開催『外国切手研究会 第31Zoom例会』レポート前編です。参加者12人中7人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)前回の続編で、ハワイ王国・1871年シリーズとアメリカ・1870年シリーズ、共にバンクノートイッシュー切手のコンビネーションカバーを紹介。

1通目、ハワイ王国6セント切手、アメリカ6セント切手と2セント切手貼、187476日ホノルル発、サンフランシスコ中継、カルフォルニア・サンディエゴ宛、書留使用そのものが少ない上、この”REGISTERED” 印が押されたカバーは非常に少ない。

アメリカの書留料金はこの時期目まぐるしく変更されており、この8セント料金は187411日から1875630日の期間。

2通目、ハワイ王国6セント切手2枚、アメリカ5セント切手と10セント切手貼、ホノルル発、1872116日サンフランシスコ印、書留2倍重量便でハワイからの料金として12セント分の切手が貼られているが、当時アメリカの書留料金は重量に関係なく15セントだった、この料金期間は短かった為使用例はやはり少ない。

3通目、ハワイ王国6セント切手、アメリカ3セント切手2枚貼、ホノルル発、1878813日サンフランシスコ中継、スコットランド宛、この時期アメリカからイギリス宛料金は5セントで、187571日より6セントから値下げされている事に気が付かず使用されたのと思われる。

4通目、ハワイ王国6セント切手、アメリカ6セント切手貼、18781125日ホノルル発、サンフランシスコ中継、スコットランド宛、3通目のカバーと差出人受取人が同一でこちらも1セント分多く貼られている。

5通目、ハワイ王国6セント切手、アメリカ5セント切手貼、1881826日ホノルル発、サンフランシスコ中継、スコットランド宛、これも差出人受取人が同一でアメリカからイギリス宛正規料金の5セント切手が貼られている。

ハワイ王国がUPUに加盟し、他のUPU加盟国に直接郵便を送れるようなるのは188211日で、コンビネーションカバーとしては比較的最後の時期の使用例。

2人目)前回他の方が発表された、南マルク共和国の切手の件、ボーガスやシンデレラ切手との事で郵便使用例も無いとレポートしましたが、念の為eBaydelcampeの海外オークションサイトを確認した所、未使用はそれなりに安価で販売されていましたが、実逓便やFDC、使用済や注文消は無さそうでした。

朝鮮関係や満州関係は興味深い発表が多く、レポーターが確認の為に使っている書籍を紹介。

JPS「朝鮮近代郵便史1884-1905」水原明窓著は現在でも一級品、「大日本及び全属国の郵便切手」トレーシィ・ウッドワード著翻訳版は、製造面中心の資料で余り使う事は無いですが、当時の欧米人向けの日本・朝鮮・台湾の記述はそういうものかと思いました。

よく使う書籍は新潮社のムック本、日本鉄道旅行地図帳の朝鮮台湾編と満州樺太編の2冊、10年程前の発売で定価は680円、郵趣でも紹介されてました、本来は鉄道関係の書籍ですが当時の地名で詳細な記述が図版と共に多く、第29回で発表の有った、信濃/村井(明治401020日)発、平壌(401025日)、韓・漢江坊(401027日)、龍山(401028日)、4個の消印が押されているハガキなどは京城(ソウル)部分の拡大図で位置関係が分かりやすいです。

特に国境辺りの関係が把握しやすく、多くの方が使っておられると思われるGoogleMapは道路の図版が中心で、当時の郵便を運んでいたと思われる鉄道路線図は載っていない為、鉄道郵便関係の資料としても参考になると思います。

3人目)中国占領地・華北郵政切手カバーの紹介、1945815日(日本の終戦日)発行とされる切手、宛先のNORWICHIを自分のメイン収集であるイギリス宛と思い購入したが、じつはアメリカ宛だった、(194511月)天津発、上海とニューヨーク中継、19451224日着。

中国関係に詳しい方の説明によると、アメリカ宛郵便料金の詳細は分からないが、こういった戦後使用は有るとの事、上海経由も正しい運用で、決して悪く無く良いマテリアルとの事です。

同じ出品者から購入した、中華民国のハガキと切手に加刷した華北郵政の青島発、天津宛、文面の記述から1944216日使用例、ドイツ語の記述だが受取人住所を中国語読みで書き足されている(28th Road →28路)、こちらも良いマテリアルとの事です。

4人目)韓国で開催されている、2020年大韓民国オンライン切手展の紹介。

https://stampex.kr/

2020 대한민국 온라인 우표전시회

今年になっていくつか開催されているオンライン切手展ですが、非常に凝ったHPになってます、現在VR表示以外ではタイトルリーフが掲載されていない点は残念で、ハングル表記が日本人には分かりにくいのですが、こちらは有る程度のGoogle翻訳が可能です(サンプル画像も翻訳した物です)、国内展ですが素晴らしい作品も数多く出品されており、紹介者が出品作品のタイトル等を日本語訳して近日発表して頂けるかもしれないとの事です、1222日迄開催予定ですが、是非一度アクセスしてみる事をお勧めします。

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問等有る方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第30回Zoom例会レポート・後編

20201114日 2000PM – 22:10PM開催『外国切手研究会 第30Zoom例会』レポート後編です。参加者12人中6人の発表で質疑応答が有りました。

4人目)ハワイ王国切手とアメリカ・1869年ピクトリアルシリーズ切手との混貼カバーを紹介。

1通目、ハワイ王国5セント切手とアメリカ12セント切手1枚、2セント切手2枚貼コンビネーションカバー、1870622日ホノルル発、サンフランシスコ中継、イギリス宛、18707月に郵便料金改定が有りそれ以前に12セント切手が貼られたイギリス宛コンビネーションカバーはこの1通のみ確認。

2通目、ハワイ王国5セント切手4枚と2セント切手をバイセクトで1枚、アメリカ迄の3セント不足分は現金支払い、アメリカ12セント切手2枚貼コンビネーションカバー、1871125日ホノルル発、サンフランシスコ中継、カナダ宛4倍重量便で、郵便料金改定後の12セント切手貼カバーもこの1通のみ知られている。

3通目、白黒画像のカバーは現在審議中で参考紹介、ハワイ王国2セント切手2枚で1枚がバイセクト、アメリカ3セント切手2枚貼コンビネーションカバー、1872627日ホノルル発、サンフランシスコ中継、ノバスコシア宛。

他にオンピース使用例も2点紹介、特に6セント同士の使用例はこの1点のみ確認されている。

コンビネーションカバーとして現在確認されているものは全部で18通、何処までをコンビネーションカバーとしてカウントするか、他に存在している物は無いかなどを、別の収集家と協力しながら調査している最中で、近日研究結果を発表予定との事です。

5人目)新中国・使用済コレクションの紹介、漢字が使われており親しみやすい、当時は値段も安価、比較的多くの切手店で販売していたなどの理由で、切手収集全盛期には多くの方が集めておられた方と思われる新中国切手です。

数年前に1980年頃迄の使用済コレクションを、図入りアルバムごと購入、未使用と違い投機目的にはなっていないが、これらを満足の行く使用済で揃えるのは未使用以上に困難と思われる。

所々抜けている切手は、理由が有って少なかったり、文化革命時代の物が多い、新しい年代の一部は未使用が貼られている為、これらも使用済に交換して行きたいとの事。

多くの方がとても懐かしいとのコメントが上がりました。

6人目)1990年頃に国連切手を貼った日本の自宅宛カバーで、貼ってある切手の小話を紹介。

1980年から発行された壮大な国旗シリーズ20セント切手だが、現在では国名の変わってしまったビルマやスワジランドの切手が貼られている。

1960年発行のEconomic Commission for Asia、現在の国際連合アジア極東経済委員会8セント切手だが、描かれている地図の北方領土が日本領土になって無く、当然日本は国連に抗議したが、デザインはあくまでイメージで、当時この地域を実行支配しているのはソ連と言い訳回答だったとの事、さらにこの切手の製造は日本の大蔵省印刷局というお粗末さで話題となった、その切手が日本宛郵便物に貼られているのはなんともですね。

今回は以上です。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問、感想等頂ける方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。

外国切手研究会 第30回Zoom例会レポート・前編

20201114日 2000PM – 22:10PM開催『外国切手研究会 第30Zoom例会』レポート前編です。参加者12人中6人の発表で質疑応答が有りました。

1人目)最近購入した、南マルク共和国の切手について、オランダやオランダ領東インドとの関連と、短期間だけ存在したデットカントリーで完集等も期待したが、スコットカタログの記載によると残念ながら切手としては認められていないようでした、ボーガスとの事で郵便使用例も無いようです。

2人目)以前の続きで、中華民国・上海大東3版切手に関する紹介と考察、1版はデザインが全然違い、2版との見分方は額面表記の違いで分単位と単位、法幣通貨末期の切手で最高額面は500100以下は200面シートで200以上は100面シート、JPSカタログに表記されているバラェティは不十分と思われる上、低額面の使用例はそれほど少ないとは思えない。

印面寸法も細かく分類可能、刷色のバラェティも厚紙薄紙の違いで別に見える物が多い、銘版も左右の上下に有り合計4カ所で右下には版番号が有る。

使用済もそこそこ残っており低額面の入手が困難という程では無いが、北京の使用例は共産党の進出により非常に少ない、上海の注文消は多く残っている。

上海発、広東行カバーの紹介、印刷されている差出人住所で上海(19)は、旧中国の郵便番号の走りの様な物との事。

法幣通貨と金通貨の混貼カバーの紹介、194810月には金通貨の切手が発行されたが、料金表的には11月迄法幣通貨で決まっていた、法幣通貨300で金通貨1の換算となる。

1948年度3つの郵便料金期間のカバーを紹介、この時期の郵便料金は比較的解明されているが、報値掛號と言われる日本での配達証明+損害賠償付の様な郵便物料金は完全に分かっていない。

3人目)オーストラリア・ビクトリアの1番切手、1850年発行「ハーフ・レングス」と呼ばれるクラッシック切手コレクションの紹介。

1ペニーは市内料金に相当、3社の印刷所で製造された、石版印刷で初期製造の切手は印刷が鮮明だが、後半になると細部の印刷が潰れた物が多くなる。

製造面の分類要素は3社の印刷所とそれらの版別、印刷次別、紙、シェード、マージンの幅違いなど、使用面では消印のタイプ違い、ファンシーキャンセレーションも有る。

印刷版によってはリトコンストラクションも可能で、1ペニーの24面の復元コレクションを紹介。

2ペンスはオーストラリア内料金に相当、1社のみで印刷製造された、版別、印刷次別、シェード、女王のベール部分違いなどが分類出来る。

カバーは1枚貼と2枚貼2倍重量便を紹介。

3ペンスはイギリス宛基本料金に相当、3社の印刷所で製造された、やはり初期製造の切手は印刷が鮮明で後半になると細部の印刷が潰れた物が多くなる、マージンも初期は狭く後半は広くなる、版別、印刷次別、シェードなどが分類出来る、ルレットと目打12も有り。

1ペニー同様、印刷版によってはリトコンストラクションも可能で、3ペンスの24面の復元コレクションを紹介。

カバーは2枚貼ロンドン宛2倍重量便と2枚貼タスマニア宛を紹介。

以上3種の切手は専門書で分類したコレクションで、ギボンズ専門カタログの分類以上に詳細で複雑だが、それゆえに面白くてやりがいの有る対象との事です

前編は以上で後編に続きます。詳細は下記画像をクリックして頂ければ大きな画像で見て頂く事ができます例会内容に興味が有る方や御質問等有る方、些細な事でも結構ですのでコメントをお待ちしております。